"1審は「社会通念上、処分は妥当だ」としたのに対し、2審は「女性が男性に直接明確な抗議をしていないうえ、男性にも嫌がらせの意図があったとは言えず重すぎる」として処分を取り消し"た、というセクハラ裁判のニュースです。
最高裁「ことばのセクハラ」懲戒処分は妥当 NHKニュース 2月26日 13時40分
裁判は大阪の会社で管理職だった男性社員2人が部下の女性社員に対し、職場でセクハラ発言を繰り返したとして会社から出勤停止の懲戒処分を受け、一般職に降格させられたことについて「発言は日常的な会話の範囲内で体に触るセクハラをしたわけではない」と主張して会社に処分の取り消しなどを求めていたものです。
最高裁判所では、"男性側の主張を認めた2審を取り消し、ことばによるセクハラで会社が懲戒処分をしたのは妥当だ"としました。これを「初めての判決」としていたので、今までは言葉でのセクハラは重い処分をくださせなかったのかもしれません。
この裁判の事例は以下のような内容でした。
今回の裁判を起こした男性2人は、いずれも職場でのセクハラ発言を理由に、勤務する大阪の会社から出勤停止の懲戒処分を受け、管理職の課長代理から一般職の係長に降格させられました。
このうち出勤停止30日の懲戒処分を受けた男性は、女性社員と2人きりのときに自分の浮気相手との性的な関係について一方的に聞かせたほか、「夫婦はもう何年もセックスレスやねん」などと話したとされています。また、職場を訪れた女性客について、「好みの人がいたなあ」と性の対象とするような発言もしたということです。
一方、出勤停止10日の懲戒処分を受けた男性は、「彼氏おらへんのか?」や、「もうそんな年齢になったの。結婚もせんで何してんの?親泣くで」といったことばや、「夜の仕事とかせえへんのか?時給いいで」と偏見に満ちた発言、それに「男に甘えたりする?女の子は男に甘えるほうがいいで」などと答えられない質問をしたとされています。
ひどすぎる内容であり、これで「発言は日常的な会話の範囲内で体に触るセクハラをしたわけではない」などというのは頭がおかしいです。そして、その言い分を認めた高裁も頭がおかしい!と一瞬憤慨しました。
ただ、高裁の判決は「女性が男性に直接明確な抗議をしていないうえ、男性にも嫌がらせの意図があったとは言えず重すぎる」というものです。「男性にも嫌がらせの意図があった」ことは認定しており、問題としたのはおそらく処分の重さだけでしょう。
私は全然重すぎだとは感じませんが、まあ、高裁の言い分はさすがに常軌を逸したものではありませんでした。
それにしても、この訴えた男性2人は本当にひどいですね。「発言は日常的な会話の範囲内」などと言い出しているのも信じられませんが、記事には以下のような記述もありました。
この会社では、セクハラ研修を行っていましたが、処分を受けた男性は2人とも受講したあと、「気にしてたら女の子としゃべられへん」と周囲の人に話していたということです。
性的な関係について聞かせたり、「夜の仕事とかせえへんのか?」と言ったりといったことに疑問を感じていないというのは、クズすぎます。
今回の事例は「指摘されなかったからわからなかった」で済むような内容ではなく、さすがに多くの人が迷うことのない発言だと思います。しかし、判断の難しい場合もあるかもしれません。
セクハラの事例に関するところだと、過去にも
際どいセクハラの事例 どこからアウトでどこまでセーフ?シロかクロかのラインはどこに?などをやっています。
今回の記事の場合は、以下のような事例を載せていました。
・体調が悪そうな女性に「今日は生理日か?」「もう更年期か?」
・「早く結婚した方がいい」
・性別による差別意識に基づいたもの 「男のくせに根性がない」「女には仕事を任せられない」
・人格を認めないような呼び方をする 「○○ちゃん」「男の子、女の子」「おじさん、おばさん」
下の方が「それもセクハラなの?」と感じるように、上は順番を入れ替えています。上の方は比較的わかりやすいと思います。ただ、2番目に入れた「早く結婚した方がいい」については、注意しなくてはいけない点があります。
元記事では「早く結婚した方がいい」の部分で、性別に言及していませんでした。しかし、それで正解だと思われます。セクハラと言うと無意識に女性に対するものを思い浮かべますが、上記の例で男性への減給があるように男性に対しても同じことなのです。
ここらへんは
逆セクハラの事例10 理解が進まない女性から男性へのセクハラや
同性間セクハラの具体例「初体験は?」「風俗行け」「結婚は?」などでやっていますので、そちらも参考にしてください。
この他に記事では、"女性に対し繰り返し「きれいだね」と褒めることも、言い方によっては女性を軽視したり性的な観賞の対象としてしかみていないと受け取られてセクハラに当たる場合がある"としていました。
そこまで気にしなくちゃいけないの?と思うかもしれませんけど、相手としては嫌な場合はやはりあります。男性に対してなら「かわいい」「かっこいい」でも場合によってはそうなるでしょう。
たとえば、繰り返し容姿を褒められた場合は「それ以外に言われることはないのか?」というNHKの指摘した軽視や性的な観賞の対象の他、ストーカー的な意味での気持ち悪さも感じるでしょう。
イケメン無罪なんて言葉もあるように、特に好意を感じていない相手に言われた場合は、すぐに嫌悪感に繋がると想像できます。
個人的にはなぜそんなことを言いたがるのか?というところから理解できないため、禁止される辛さもわからないのが申し訳ないですが、容姿に関してはあまり言及しない方が無難です。
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