昨日は気づかなかったんですが、また研究論文不正。例によってまたまた医学系です。
上毛新聞ニュース:【全国ニュース】大分大、医学論文26本に不正 元講師2人、産婦人科と麻酔科
大分大は27日、医学部の元講師2人がそれぞれ発表した論文計26本に画像、データの捏造や改ざんを確認したと公表した。2人はすでに退職し処分はできないが、いずれも停職の懲戒処分に相当すると27日付で決定、論文の撤回も要請した。(中略)
調査によると、産婦人科講師だった高井教行氏(47)が発表した子宮がんや卵巣がんに関する遺伝子分析などの論文21本と、麻酔科講師だった萩原聡氏(42)が発表した敗血症の治療法などに関する論文5本に不正を確認した。
お二人とも講師でした。そのため、ほとんど情報がありません。経歴としてわかったのは、以下くらいのものです。
高井 教行 タカイ ノリユキ
1998年度~2002年度 : 大分医科大学 / 医学部 / 助手
2004年度~2007年度 : 大分大学 / 医学部 / 助手
2007年度 : 大分大学 / 医学部 / 助教
2009年度~2012年度 : 大分大学 / 医学部 / 講師
KAKEN - 高井 教行(50295185)萩原 聡 ハギワラ サトシ
2009年度 : 大分大学 / 医学部 / 助教
2009年度~2012年度 : 大分大学 / 医学部 / 講師
KAKEN - 萩原 聡(50527661) 世界変動展望著者さんによると、なぜか"大分大学医学部は講師ばかりに不正が起き"ているようです。不思議ですね。
(
高井教行(Noriyuki Takai)らの3編の論文が図の重複、画像操作で撤回 - 大分大学医学部事件 - 世界変動展望(2012-11-02 05:18:35)より
他の講師の問題
世界変動展望 著者:"
大分大学元講師の医師、論文で画像捏造、博士号取り消しも検討中!" 世界変動展望 2012.4.23
世界変動展望 著者:"
大分大学医学部、論文約20編で画像不正使用疑惑!" 世界変動展望 2012.6.12)
また、21本も不正があって「停職相当」というのは考えられない処分の軽さです。もう1人の5本の不正でも「懲戒解雇相当」でしょう。「論旨解雇相当」ですらなく、「停職相当」で済んだというのには驚きました。
ここらへんは世界変動展望著者さんも触れているのでは?として見ると、やはり「処分が甘すぎる。これだけの不正で解雇相当にならないのは軽すぎる」とありました。
(
萩原聡、高井教行 元大分大学の論文捏造、改ざんが正式認定!停職相当処分に! - 世界変動展望 2015-02-27 17:00:00)
世界変動展望著者さんは補助金も気にされていました。別記事によれば、返還については今後検討するようです。
26本131ヵ所に不正 大分大元講師2人の論文 - 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate 2月28日大分合同新聞朝刊23ページ
医学部の元講師2人の論文計26本で、同一画像の使用や実験の数値データの書き換えなど、131カ所に捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと発表した。大学は2人に対し、不正が確認された論文の取り下げを求めている。国の補助金を使った研究もあり、返還も視野に関連を調べる。
うぉ!ひどい。思わず鳥肌が立ちました。26本で131箇所捏造・改ざんって多すぎですよ。有名なSTAP細胞論文が多かったので勘違いされるかもしれませんけど、普通の不正論文では1本の中に多量の不正が含まれることは稀です。
これを知っちゃうと、本当大分大学はクソだなと思います。論文数の多さだけで懲戒解雇は当然な上に、論文の中での不正も多いのですから、停職相当という処分は考えられません。
記事では名前を伏せているものの、集中していたのは高井教行講師の方だということもわかります。萩原聡講師の1論文あたりの不正数の方はスタンダードです。(もちろんだから許されるという話ではありませんし、不正論文が5本ある時点で常習犯です)
大学の説明によると、1997~2012年にかけて産科婦人科学講座にいた元講師(47)は、異なる論文でタンパク質の発現を見る画像を使い回し、細胞を刺激する化学物質の濃度の値を偽るといった不正が論文21本で123カ所確認された。02年ごろから不正があったとしている。
元講師は事情聴取で画像の流用は認めたが「実験は誠実にした」と主張。だが大学は実験を裏付けるノートや資料が確認できなかったことなどを理由に、捏造や改ざんがあったと判断。「研究者としてのモラルが著しく欠如し、不正が常態化していた」と指摘した。
08~13年まで麻酔科学講座にいた元講師(42)の論文5本にも8カ所で同じ画像やグラフを使う不正が確認された。講師は「データを取り違えた」と説明したが、大学は証拠がなく不正と判断した。
停職期間もこちらの方が詳しく、停職9カ月、停職3カ月相当とのこと。しかし、軽すぎます。
また、"調査開始から2年以上たっていることについて、大学は「疑惑を一つ一つ調べるのに時間がかかった」と説明している"という話も。不正が多いので時間がかかるのもわからないではないですが、やはりもう少し早くあるべきですね。
濃密で大量の不正やそれに反する処分の軽さを見ると、大分大学もヤバイ大学かもしれません。
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