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グロ漫画好きは病気?有害情報なので子どもにも禁止すべきなのか


●グロ漫画好きは病気?有害情報なので子どもにも禁止すべきなのか

2015/2/28:「グロい漫画」が好きってやっぱり病気?:日経ビジネスオンライン(日本催眠心理研究所の米倉一哉所長に聞く 鈴木 信行 2014年12月11日という記事があって、気になっていました。

<昨今の人気作品を改めて列挙すると、特に子を持つ親の立場からは、「非常に気になる共通点」があることに気付く人も多いはず。ずばり、作品内に過激な描写が散見されることだ。とりわけ最近はCGなど漫画制作技術の発達で、悲惨なシーンを以前と比較にならないぐらい克明に描くことが可能になってきた。
 (中略)“普通の作品”も多数ある中で、あえて“グロい漫画”を好む人は、やはり心に闇を抱えているのか。サイコ・セラピストで日本催眠心理研究所の所長を務める米倉一哉氏に、過激な漫画や映画、小説を好んで読む人の心理について聞いた>


●アンコウのオスがメスの背中にくっついて吸収されてしまう!

 ただ、ちょっと心配な記事でもあります。回答されているのは、心理臨床家・心理カウンセラーの方で、信頼していいのかな?とちょっと不安なんですよね。心理学などの専門家の方には申し訳ないのですけど、正直胡散臭いと感じてしまいます。記事後半の説明部分も胡散臭さを感じてしまいました。

――先日、編集会議中の雑談でとあるグロい話をしたところ、男性陣より女性陣が著しく関心を示したんです。
 (中略)一部の種類のアンコウはカップルになるとオスがメスの背中にくっついて一生離れないんだそうです。それでひたすら密着しているうちに、やがてオスはメスの臓器として同化し吸収されてしまう。腹部からドロドロと、だんだん溶け込んでいくんでしょうね。そうやって吸収しちゃうとメスはまた新たなオスを背中に張り付けて吸収する。何匹も何匹も。だから、大型のアンコウはメスばかりで、大きなオスは滅多に見つからない、と。(中略)
 この話をすると、女性陣は「気持ち悪い!」「グロ過ぎ!」などと言いながら興味津々で、「どの辺までオスに意識があるのかな!?」「一体化されて溶けていくってどういう心境なのかな!?」などと盛り上がっていました。先生、彼女達は大丈夫でしょうか。

米倉:それは全く大丈夫です。(中略)母性というのは包み含む力、包含のエネルギーです。相手を包み込み、守ろう、一体になろうとする本能ですね。一方、父性と言うのは切断、断ち切る力・エネルギーです。オスを包み込んで一体化してしまうというアンコウの話は、まさに母性本能をくすぐる話です。

 このアンコウのエピソード自体はすごいですね。これを読んだ人の反応を見ても「それ間違っているから」というのがないですし、検索してもたくさん出てくる話なのでガセでもないのかもしれません。迷信がその好例であるように多数決の問題ではないのですけどね…。


●グロテスクな漫画や映画が増えたのはむしろグロが減ったせい?

 では、本題、グロ漫画の話です。この記事の反応では、「いや、別に今だけじゃなく昔だってグロ漫画や映像があったでしょ」というのが多かったです。ただ、記者も「最近は、顔がぐちゃぐちゃになったりする映画の宣伝が平気でお茶の間に流れていて、原作本もよく売れる」という言い方をしていました。

 私は昔からテレビを見ないのでそこらへんの違いはよくわかりません。エロに関して言えばむしろ規制が強まっていると思うんですが、テレビではグロが逆傾向なんですかね?ここの記者の理解が正しいかは不明なものの、とにかく上記のような理解で「その背景に『日本社会の病巣』みたいなものを感じるんですが」と質問していました。

米倉:いや、大変意味がある事だと思います。(中略)まず、グロテスクな漫画や映画が流行する原因を心理・精神分析的な観点から分析すると、次のように言えるように思います。今は、殴り合いや取っ組み合いの喧嘩をする事なんてほとんどない、血を流したり、他人や自分の痛みを知る機会が子供の頃から極めて少ない社会ですよね。「痛み」だけでなく、大人になる過程で、砂場で泥まみれになって遊んだり、ミミズを捕まえたり、犬の糞をうっかり踏んだりする場面もめっきり減りました。

 米倉一哉所長は以上のような回答でしたので、「最近グロの露出が増えている」という質問した記者の理解とはだいぶ異なる感じですね。むしろ昔は社会にグロいものが多かったといった雰囲気です。


●グロへの関心は正常か?異常か?グロ耐性がついて過激化していく

 また、以下のようにグロへの関心も正常なものだといった回答になっていました。

米倉:人間は、どんな事でも「自ら体験して、感じたい、味わいたい」と潜在的に願う生き物です。これを“身体性”と呼びますが、生々しい実体験がなければ、そうした感情を満足させることができません。一昔前であれば、多くの子供が、密かに心に抱える「グロテスクな事や危険な事への関心・興味」や「周囲への攻撃性」を、思春期に友達と少し羽目を外したり、親に反抗したりして、少しずつ昇華したり、発散させて大人になりました。でも今は、反抗期自体がない子もいる。そんな「体験したくてもできなかったグロテスクな世界」が漫画に描かれてあれば、そこに興味を引かれるのは、ある意味当然であり、健全な心理なんです

 上記で“身体性”という用語が出てきたので検索してみましたが、よくわからず。身体心理学(ソマティック心理学)なるものも出てきて読んでみたものの、繋がりは感じられませんでした。

 結構いろいろと調べたのに収穫なしだったので、ここに書けることもなし。仕方ないので次へ行きます。上記の後も記者は「限度があると思うんです」と食い下がります。しかし、米倉一哉所長はきっぱり言い切ります。

米倉:大丈夫です。人間は、何事も経験すると耐性が付いていく生き物でもあります。最初は「強い」「ひどい」「残酷だ」と感じていた刺激でも、何度も体験しているうちに物足りなくなるのは自然な現象です。

 そうですね。良い悪い別として、確かに人は多くの場合慣れていきます。グロ耐性つく…という言い方もするように、特にグロは慣れが大きいと想像されます。

 記者は"「最近の『アイアムアヒーロー』は連載開始当初に比べグロさが足りない」などと不満に思ったり、「グロい漫画」や「後味の悪い映画」ばかりネットで検索したりする自分がいても、決して心に異常があるわけではない"んですねと、なおも確認していました。

 記者がこういうテーマを思いついたり、食い下がっていたりしたのは、ひょっとしたら記者自身がそういう趣味だったからかもしれないなと上記を読んで思いました。やけに具体的です。





●グロに関心を持つ子どもに禁止すべきなのか?親がすべきこと

 しつこい記者の確認は上記まで。ここから記事は「有害情報なので子どもにも禁止すべき?」といった話に移っていきます。このテーマに関して米倉所長は、「むしろ、そうした感情や関心を無理矢理抑え込む方が危険」だとしていました。

米倉:例えば、子供がその種の漫画を読んでいる事実を知り、全面的に禁止してしまう親御さんがいます。そうすると「グロテスクな事や危険な事への関心・興味」が子供の心にずっといけないものとして溜めこまれて、それこそある時、実生活の中で爆発しかねません。本当はこういう自分でありたいのに、親や世間の手前、別の自分にならざるを得ない――。そんなアンビバレンスな感情を持ち続けると、人はやがて「自己の不一致」と呼ばれる状態に陥ります。大きな問題を起こしたり、リストカットをしたり、過食・拒食症になる子の多くはこの状態に陥っています。
 そうならないためには、親は漫画を取り上げるのでなく、一緒に読めばいいんです。その上で、子供がなぜそのような漫画を読みたがるのか「共感」し、「理解」しようと努力する。そうすれば、自分の子育ての問題点が見つかるかもしれないし、子供も時間が経てば、別の事に関心を持つようにもなると思います。逆に、無理矢理やめさせようとすると、エスカレートしかねません。

 胡散臭さを感じていたものの、この「共感」や「理解」が大事という話は、最近の子どもに関する論文では繰り返し出てきていますので、信頼性が高そうだと思いました。子供のどこを褒めるかによって効果に違い 勉強をやる気になる褒め方は? という投稿はこんなタイトルなのにも関わらず、褒めるよりは子どものやったことを「理解」し励ますことの方が大事という話でした。

 ただ、これは「褒める」が悪いというわけでもないですよ。「褒める」でも効果は高いという話です。そして、その対比としてダメだと思われるのが「叱る」でしょう。「否定する」ようなことは基本的に子どもにとって良くないというのも、最近の研究では一致しています。

 で、この話をグロ漫画に置き換えると、グロ漫画という理解できそうにない趣味であっても安易に否定し禁止するのではなく、理解する努力をしましょうという話ですね。この部分に関して米倉所長のおっしゃっていることは、非常にもっともらしいと感じました。


●グロ漫画やグロゲームをやめさせるには枕投げ?謎の提案

 なお、前述の通り別に禁止させる必要性はないものの、解決案がないわけではありません。「どうしてもその種の漫画やゲームをやめさせたい場合」には、枕投げをすると良いという不思議な解決策を提案していました。

<私がその子にどう対処したかと言えば、枕投げをしたんです。枕ですから怪我をする危険はありませんが、本気で投げ合うと大人の私でも結構痛い。しかし何週も枕投げをした結果、その子はやがて過激なゲームへの興味を失いました>

 でも、この解決策は誤解を招きそうですね。「今の子どもは痛い目を知らないから、過激なものを好む。やはり体罰は禁止すべきではない。むしろ推奨すべきだ!」などと言い出す人が出てきそうです。ただ、実際には、米倉所長は体罰を推奨しているわけではないと思われます。

 記事で省略した部分では、幼少期の母親による虐待にあった人が痴漢を繰り返す話がありました。これは「社会的規範に照らし合わせてマイナスの行動を起こす時は、そうさせている原因が必ず無意識の世界にあります」という例として出てきたもの。ちょっと本当かな?と思いますが、枕投げ論含めて米倉所長の見解ですのでこのまま話を進ませます。

 体罰推進派の方は理解できないとは思うものの、一般的には体罰は虐待の一種と考えられています。したがって、体罰で過激な趣味を抑えこめたとしても、別の何か良くない癖を引き起こしてしまう可能性があります。痴漢の場合は犯罪で、過激ゲーム好きは犯罪じゃないですから、余計悪化させるとも言えますね。

 米倉所長の見解に従っても、やはりグロ好きや過激ゲーム好きの趣味を抑える手段として、体罰は望ましくないものということになりそうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■子供のどこを褒めるかによって効果に違い 勉強をやる気になる褒め方は?

【関連投稿】
  ■日本とアメリカの同性愛者の人口・割合 ホモ増加は高度な文明の証
  ■無性愛(Aセクシュアル) 世界の1%が他者に性的感情を抱かない
  ■医療・病気・身体についての投稿まとめ

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