ハリセンボンという名前なのに針が千本ないというのがおもしろかったのでタイトルに。でも、実を言うと、ハリセンボンが中心の話というわけでなく、電通の広告ビジネスの話です。その広告の実例として出ていた「すみだ水族館」でハリセンボンなどの豆知識みたいなものが出ていて、おもしろかったのです。(2018/02/08)
●今まで騙していてごめんね…ハリセンボン、実は針、千本ない
2018/02/08:電通の岸勇希さんは、最近、
電通岸勇希のセクハラ・パワハラ告発のはあちゅう、自分も童貞いじりで差別の件で話題になった方。このときに、「でもインタビューはおもしろかった」として書いたのが、
電通岸勇希「おいしいカレーを食べさせるにはカレー断ちさせれば良い」という話でした。
でも、投稿し終えてから、別の回である
すみだ水族館の魚たちを「コミュニケーション」でデザインする(日経ビジネスオンライン 清野 由美 2012年11月9日(金))が一番おもしろかったのだと思い出しました。
岸さんが「すみだ水族館」で手がけたのは、小さな水槽が30ほど並んでいる「アクア・ギャラリー」というコーナー。岸さんは「展示」というコミュニケーション・デザインを考えてみたという言い方をしていました。ただ、このコミュニケーション・デザインはカッコつけた言い方しているだけで、たぶん定着している用語ではないと思われますし、これがわからなくても実例の紹介を聞くとわかります。
水族館の水槽には魚の名前とか生態とかの解説板があるものの、岸さんはこの形は「一方通行」だとして変えました。そして、ハリセンボンの水槽に「針、千本ない」といった表示をつけたのです。この説明は、水槽の中にあるということでもうひと工夫しており、岸さんは以下のように主張していたのですけど、この効果はよくわかりません。
"これが普通のハリセンボンの水槽で、普通の説明板だったら、「ああ、ハリセンボンだね」で終わりです。ただこの奇妙な文字を、水槽の中に組み入れたことだけで、ハリセンボンの価値が急激に上るわけです"
ただ、「針、千本ない」でコミュニケーションが生まれるというのはわかるでしょう。インタビューアーも思わず、「ハリセンボンって、針が千本ないんですか?」と聞いたので、「ないんですよ。――ほら、まさに今、コミュニケーションが始まったじゃないですか」と岸さんもご満悦でした。
また、ハリセンボンの表示はまだ他にもあって、さっきのものの横に「平均で360本です」と書いてあって、「ああ、そうなんだ~」って、また話をつなげていくという工夫がなされています。人格はクソだと後に判明したのですけど、こういった工夫はうまいと感心しました。
●カスリフサカサゴは「飼育員が刺されて大変なことになりました」
今度は別のちょっと小さい魚、カスリフサカサゴが入っている水槽の例。こちらは、「かわいいのに猛毒」とあります。これは大してうまいと感じなかったものの、これもやはりひとつだけの表示ではありません。その隣に「飼育員が刺されて大変なことになりました」と書いてあるのです。これがうまいんですね。
お客さんから飼育員へ「大変ってどうなったんですか?」といった問い合わせ、つまりコミュニケーションがたくさん発生するようになっているとされていました。この考え方は素晴らしいです。
岸さんは、「一番気に入っているのは、特別なテクノロジーは使っていないということ」としていました。今回の場合、文字が印刷された透明のアクリル板を水槽に沈めているだけ。つまり、コミュニケーションを作り出すことに、何も新奇なことは要らないということ。もちろん予算も安くできます。
●メスからオスに性転換するサクラダイで「どいつが一番強いんだ」と盛り上がり
同じコーナーには、メスからオスに性転換するサクラダイの仲間もいるのですが、そこのコピーは、「♀→♂」というもの。岸さんは「それだけですごくたくさん写真を撮ってくれます」としていました。今でしたら、SNSで上げられるといった感じでしょう。昔より今、ここうした工夫は重要になっています。
そして、当然サクラダイの場合も、これで終わりじゃありません。一番強いメスがオスになりますというメッセージを入れることで、見る人は「どいつが一番強いんだ」って、もっと盛り上がるといいます。
本当かどうかはわかりませんけど、岸さんは、上記のような生物はどの水族館でも展示されているくらいメジャーな展示であるにもかかわらず、皆さんの印象に残っていなかった、としていました。しかし、岸さんのコピーの場合は、興味の扉が開き、「へえ」と関心が湧く仕掛けができているといった説明です。
…といった感じで非常に良い仕事したと思うのですけど、はあちゅうさんが電通時代、岸さんに褒めまくることを強要されていたって話を聞くと、微妙な気持ちになりますね。
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