過去に多数書いていたズンズン運動キッズスタディオン死亡事件の関連投稿をまとめ中。とりあえず、<逮捕のキッズスタディオン姫川裕里(姫川尚美)、子育て本を出版>と<キッズスタディオン姫川尚美、ダウン症に効果あると謳い有料施術>をまとめています。
●逮捕のキッズスタディオン姫川裕里(姫川尚美)、子育て本を出版
2015/3/4:ベビーマッサージ乳児死亡事件の件を以前調べたときはNPO法人キッズスタディオンの「姫川裕里」代表と呼ばれていました。ところが、今回読んだ記事では姫川尚美理事長となっていたんですよ。役職は良いとしても、名前が違うのは変です。不思議に思っていたので検索してみました。
検索して出てきたのは、
赤ちゃんマッサージ後に4カ月男児死亡 NPO法人理事長の57歳女を逮捕 - 産経WEST(2015.3.4 07:53)という記事。以下のような内容であり、これを読むと、別名義であり、やはり同一人物という理解で良いようです。
<姫川容疑者は15年にNPOを設立。
姫川裕里名義で活動することが多く、NPO主催の教室などで、リラックス効果があるとして、乳児の足の付け根を押すなどする「ズンズン運動」という独自の施術法を紹介していた。また、子育てに関する著書を出版するなどもしていた>
あと、不起訴処分になっていたのは大阪の件だと思っていたら、こちらでは新潟の件だとのこと。<姫川容疑者をめぐっては、平成25年2月に施術をした新潟市の男児=当時(1)=が死亡する事件があり、新潟県警が業務上過失致死容疑で書類送検。しかし、新潟地検は同年12月、不起訴処分としていた>と書いています。
また、今回強調したいのが、"子育てに関する著書を出版"しているという点。出版不況だから余計そうなのかもしれませんけど、出版社は金儲け優先で怪しい人であっても売れそうなら本にしてしまいます。でも、「本に書いてあるから」と信じる人はいます。さらに姫川尚美理事長に対しても、「本を出している人だから」とますます信頼が高まります。このようなやり方は見過ごされるべきではありません。
怪しい人の本が信じられる…という危険さはアマゾンのレビューを見てもわかります。『
子育ての免疫学
』(姫川裕里・安保徹、河出書房新社)では星1つのレビューが10個中5つと多いものの、事故が起きたためです。確認しましたが1点はすべて事件直後のレビューでした。
(これ、共著者の方も悪い意味で有名だったそうな。
トンデモ医学教授の安保徹、乳児死亡疑いで逮捕の姫川尚美と共著もで書きました)
前述の通り、「1点はすべて事件直後のレビュー」。死亡事件が報道されるまで、おかしいと思う人は誰もいなかったんですよね。事件の前まではむしろ高く評価されていました。事故前の5レビューの内訳は、星5つが4つ、星4つが1つとなっていたのです。
すばらしい!!, 2004/12/20 投稿者 ヒラキ
<いやはや、エエ本ですねえ。
もうすぐお父さんになる人間として、とにかく色々と勉強せなアカンと思いたまたま手にした本なんですが、本当にエエ勉強になりました。
赤ちゃんの免疫力獲得に関して、その仕組みや注意事項、具体的アドバイスなどが山盛りです。
だっこひとつ取っても、それが赤ちゃんの健全な免疫力獲得のサポートにもなり、また阻害要因にもなるなんて、まさにオドロキ以外の何物でもありません。
ボクと同じような立場にある新米お父さん・お母さんやその予備軍の方々に、ぜひとも読んで欲しいと思います>
実際に対面抱っこで育てています。, 2006/8/26
<先生に出会い、この本を読んでとても衝撃を受けました。赤ちゃんにあたり前にやってきたことが、赤ちゃんの身体をゆがめていたと気づいたときには唖然としました。今では、対面だっこで上手に身体の力を抜くことが出来ます。機嫌もよく、必要な時以外は泣かず床に寝せておいても一人で遊んでいられます。(現在、六ヶ月にみたないですが・・・)一人でも多くの方が、この本を読んで対面だっこを実践していただければと思います>
上記のレビューと比べると、『
どんな育児トラブルもこわくない!奇跡の対面(ついめん)抱っこ
』』(姫川裕里、文芸社)は評価がバラけています。
星5つ: (1)
星4つ: (3)
星3つ: (1)
星2つ: (1)
星1つ: (4)
ただ、これも事件発生前に限って見ると、4,3,4,4,5であり、高評価が多くなっていたんですよ。
5つ星のうち 5.0 育児は育自, 2010/4/18 投稿者 Tadnaka
<気になっていたタイトルにもある「対面(ついめん)抱っこ」という言葉なんですが、命名の由来が書いてありました。
『「対面抱っこ」と書いて「ついめんだっこ」と読みますが、これは私の造語で、親と子どもが一対になって立つ姿を指しています。
この態勢になると、大人と赤ちゃんがちょうどつり合う一点があるのです。「どこが赤ちゃんの一番気持ちいいところなんだろう」と、いろいろ探りながら抱っこしてあげてください。ちょうどつり合ったときは、お母さん自身も非常に癒される時間を味わいます。
「対面(ついめん)抱っこ」は、ただ向き合うだけの抱っこではなく、赤ちゃんと一対になる関係を目指すのです。この「一対になる」という意味で「ついめん」と名づけて普及しようと思ったのです。』
なるほど、そういうことだったのですか 対面(ついめん)抱っこで、赤ちゃんが元気で賢い子に育つだけではなく、 お母さん自身が健康になれるのですね。言われてみると納得できます。なぜ、今まで気がつかなかったのだろうとも思います。
これは、育児が楽しくなる抱っこの仕方なんですね。孫に実践しようと思っています>
5つ星のうち 4.0 対面ばんざい, 2011/1/6 投稿者 にゃん
<以前図書館で読んでみて今回購入しました。対面だっこ前と後の写真がのっています。この写真をみればきっとみなさんこの本を読んでみたくなるはず。いわゆるふにゃふにゃした赤ちゃんではなく、どっしりした貫禄のある赤ちゃんにできます。でもこの本だけではちょっと怖々だっこしてしまいそう。著者のホームページで動画がチェックできるので、そちらと共に参考にしてみてはいかがでしょうか>
この本では子供を殺した問題の「ズンズン運動」に触れていたようで、レビューでは似たような名前のものが出てきていました。
5つ星のうち 4.0 ためになりました, 2012/11/23 投稿者 ももさん
<子供が10ヶ月になってからこの本と出会ったので、おっぱいは横抱きが定着し向きグセもついてしまっていたので、もっと子供が小さい時に対面抱っこを知っていたら良かったなーと思いました。生まれた直後から一人歩きまでの抱っこの仕方や体作りのヒントが紹介されていて参考になりました。中でも寝かしつけの方法(
ズンズン体操)を実践してみたら、寝かしつけにかかる時間が3分の1ぐらい短縮してホントに助かりました!!>
悪い評価のレビューを読んでいると、"このだっこは良いのかも知れませんが"というものもありました。「対面抱っこ」だけは良いというニュアンスの書き方です。ただ、別の方を読むと「対面(ついめん)抱っこ」も良くないのではないかとしていました。
5つ星のうち 1.0 対面のメリットが感じられません, 2014/10/12 投稿者 ギター好き
<赤ん坊が少し大きくなって目も見えるようになったら外を連れて歩くには背負った方が親の目線と同じものが見えて脳の発達にも良いと思いますので、筆者の意見には同意出来ないです。
背負った方が親と同じ方向に進むので、脳の未発達な幼児には視覚と平衡を司る器官にも悪くないと思います。眠くなっても親の肩にもたれて前方へ頭を倒すか後ろに仰け反った時のために支え板付きの背負いヒモで背負えば頸椎にも負担がかかりません。親が誰かと話す時は相手の顔を観察してコミニュケーションの初歩を学ぶことになります。
一方、対面(筆者は”ついめん”と呼ばせていますが、正しい日本語では”たいめん”ですね。)だと、眠る時は頭が後ろに仰け反っていると頸椎に負担がかかり、骨が発達中の子供には逆ぞりで危ないと思います。(頸椎は前方にゆるくカーブしています。)対面の時でも頭が仰け反らないように後頭部に支え板がついているようなだっこヒモを使うべきです。
また対面で外を歩く時には逆方向に景色が進んで行くので、脳の未発達な子供には良い影響があるとは思えません。子供は景色に興味が出ると一生懸命首を振って横方向に無理に首を曲げて興味あるものを見ていますが、この行為は骨が発達中の子供には過度に横を向こうとして無理させているように思えます。自然な方向ではありません。前に抱っこして歩くのは親の腰にも悪いです>
このレビューの方の言及内容の方が、信者を多く生み出していたキッズスタディオン姫川裕里(姫川尚美)さんの主張よりよほど説得力があります。とはいえ、このレビューの方も専門家かどうかは不明。この手の話は全般に慎重に見ておいた方が無難でしょう。脳の発達うんぬんは割引いて聞いておきたいです。
姫川裕里(姫川尚美)さんの本はもう1冊。こちらは赤ちゃんの話ではなさげで、事故に起因したと思われる悪いレビューの方もありません。ただ、タイトルからしてトンデモな電波系で一見してヤバそう…と感じるもの。
イルカと人間のマインド・シンフォニー―水の中から生まれたメルヘン日記
(姫川裕里、たま出版)ですって…。
この本はかなり古いですね。1995/01です。最初の本は2004/7/6、その次が2010/4/1。アマゾンでも同じ著者として出てきますので、同一人物だと思いますけど、どうなのか? レビューは一つだけ。事故後のものでやはり同一人物として書いています。しかし、好意的だというのが驚き! 4点でした。
事故は筆者にとってどのような学びとなるのか 投稿者 粉雪 投稿日 2014/9/10
<自然出産に興味を持ち色々と読む中で、関連本として筆者の「子育ての免疫学」「奇跡の対面(ついめん)抱っこ」を読みました。
その2冊を読み終えた直後に事故がニュースで流れたので驚きました。
上記2冊の本の内容は、少し強引な部分もあるものの、理にかなっていて取り入れてみたいと思える内容でしたので、どういう経緯で乳児が死亡してしまったのか腑に落ちなかったのですが、首ひねりの写真を見てびっくり。あれはやり過ぎです・・・。
本の内容にはそこまで極端なマッサージは載っていなかったので、効果を求めてどんどん行き過ぎてしまったのでしょうか。
モヤモヤした気持ちを抱えたまま、一体筆者はどんな人なのか知りたくてこの本を読みました。
筆者が幼児教室を始めた頃の内容で、イルカとの交流、流産死産、夫に対する心の葛藤からの学び、宇宙的な愛など、
かなりスピリチュアルな内容でしたが、物事に対する深い考察には納得する部分、感心する部分がたくさんありました>
「スピリチュアルな内容」ということで、中身もタイトル通り電波系という理解で良いようです。私はこういうニセ医療・ニセ科学だとかスピリチュアルだとかに、ちょっと厳しすぎる人だとは思います。そういう主張をすることや、それを信じる・信じないは個人の自由でしょ?という意見は、あるでしょう。
でも、前回までの記事でわかるように、現にそれで不幸になっている人たちがたくさんいるわけです。「それでも見逃しておけ」という結論は、到底導き出せません。
●キッズスタディオン姫川尚美、ダウン症に効果あると謳い有料施術
2015/3/5:
ズンズン運動キッズスタディオン姫川尚美逮捕 ベビーマッサージ乳児死亡でなどで書いたベビーマッサージによる赤ちゃんの死亡の件。逮捕を伝えるニュースはほとんど同じ内容でしたのでこれ以上書いていなかったんですが、今日になって読んだ記事に「そんなことまで言っていたの…」というひどい話がありました。
<乳幼児の母親たちを前に、自ら考案したという施術方法を実演する姫川容疑者。その施術が、「ズンズン運動」です。赤ちゃんの体を揺さぶることで、
アトピー性皮膚炎やダウン症に効果があるとうたい、1時間1万円で施術していたということです>
(
「「ズンズン運動」で乳児死亡、容疑のNPO元理事長を逮捕」 News i - TBSの動画ニュースサイト(04日17:53)より)
ダウン症候群=知的障害と思われているものの、そうではありません。症状の差は大きく、創造力が強いなどプラスと捉えられる部分もあるそうです。ただ、ダウン症候群を持つ子を持つ母親の中には、辛い思いをされている方は多いでしょう。これは先程の「知的障害と思われている」という印象の悪さも関係します。
記事では、"赤ちゃんの命を奪った危険なマッサージは、15年間も放置されていました。これでお金をとっていたというのですから、親の思いにつけこんだとしか思えません"という記載もありました。ダウン症候群やアトピー性皮膚炎の子を持つ母親の思いにつけこんで金儲けする商売。鬼畜の所業です。
また、"首をひねっているように見える写真"についてもいい加減な回答をしています。
「大きく首をひねったり、曲げたりしているつもりはない。赤ちゃんが自分の向きたい方向に首を向けることはある。私の手がくっついていくという動作はある。皆さんに気持ちがいいという回答をもらって続けてきた。体験オンリーです。私が医学的な知識があるわけでもなし、顔を見て、この子がどうだと病状を把握できる能力があるわけでもない。私のできる範囲の中で、最大限やっただけ」(姫川尚美容疑者)
医学的な知識があるわけでもないなのに、自ら考案したというやり方をお金を取って教えているというのは、言い訳になっていません。むしろ「私はこんなひどいことをしています」という告白になっています。同様に、子どもの病状を把握できる能力があるわけでもないのに、ダウン症候群やアトピー性皮膚炎に効果があると謳うというのも詐欺の告白です。善悪の判断が壊れている感じがします。
自分が悪いと考えない人は、悪気なく悪いことでもします。これは非常に危険です。でも、「あの人はいい人だから」という判断基準で人は評価してしまうんですよね。ここでSTAP細胞の小保方晴子さんの名前を出してしまうと彼女に風評被害が行きかねないのですが、小保方さんに対しても「あの人は嘘を言っているようには思えない」という声が多くて心配でした。そういう判断基準は危険です。
以下の記事
泣き叫ぶ子無視しマッサージ「“泣き”に(母親が)揺さぶられないように」受講躊躇った母親に(産経新聞) - goo ニュース(2015年3月4日(水)12:32)で出てきた女性は、異様なセミナーに驚いて受講をやめた…という話でもそうした危険性が見えました。
<姫川容疑者が参加者の子供にマッサージを実践しながら指導していたが、うつぶせにして首を上に持ち上げるなどしており、痛みのためか泣き出す子供もいた。
しかし、姫川容疑者は「頑張って乗り越えさせましょう」「“泣き”に(母親の気持ちが)揺さぶられないようにしましょう」などと言い、意に介さない様子だったという。
女性は「子供が泣き叫ぶのを無視してマッサージを続けていたので、受講をやめた」と話した>
この女性は、これ以外にも、姫川容疑者について「気の良いおばちゃんという雰囲気。熱心に指導していた」とも言っていました。こういうところが危険なんですね。「気の良いおばちゃんだから」「熱心に指導しているから」といったところが、科学的根拠がないどころか危険な指導法を広めた感じがあります。
なお、この女性で気になったのは、セミナーの受講を申し込んだ理由。どうもひとつ前で紹介したような著書に共感したためみたいです。これはまずそのとき書いたような出版社の無責任な金儲け至上主義を批判すべき話。
子宮頸がんは治療するな、放置で自然に治る 近藤誠医師の主張のように医師免許を持った人のトンデモ本商売もありますが、今回の件は素人のトンデモですのでそれ以前の問題です。
それから、同じくそのときに書いたようなスピリチュアル的なもののマズさに気がつこうという話も改めて強調したいところ。最初のTBSによると、「ズンズンという揺らぎと共にこのだっこをすると、宇宙につつまれた私たちの体の成長を感じて生きていける」(姫川尚美容疑者・NPO法人のDVD映像)などと言っていたそうです。
これでおかしいと気づけないというのは、今回の問題以外でも困ったことが起きてしまうでしょう。普段からスピリチュアルのようなおかしなものが許されないような社会にしていかなくちゃいけません。
逮捕された姫川裕里(姫川尚美)さんの著書
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