久々にツイッターでまとまった量のアクセスがあり、非難されてはいないかと心配して確認すると、
逮捕のキッズスタディオン姫川裕里(姫川尚美)、子育て本を出版の件でした。
子育ての免疫学
(姫川 裕里 (著), 安保 徹 (編集) 河出書房新社 (2004/7/6))ですね。共著だなというのは私も気づいたんですけど、知らない方だったのでスルーしていました。
検索するとどうもこの安保徹(Wikipediaによると「あぼとうる」)さんという方、トンデモみたいですね。最近また
子宮頸がんは治療するな、放置で自然に治る 近藤誠医師の主張で書いた近藤誠さんみたいだなと思いましたら、他の方もそういう認識のようです。今回の件でも近藤誠さんの名前と並んで言及されているものがありました。
姫川裕里(姫川尚美)さん絡みの話がまだあるのですが、トンデモの具体的な指摘も見ておかないといけないので先に。この手の話ではお馴染みのNATROMさんが、やはり言及されていました。
癌性疼痛の除痛すら否定する安保徹と上野紘郁 - NATROMの日記 2009-10-26
■現代医療はがん患者を助けられるのか?【対談】安保 徹 & 上野 紘郁
(中略)
安保
私は、ガンの痛みも治癒反応だと思います。さっきは転移のときに熱が出るって言いましたけど、末期の痛みでも熱が出るものなんです。でも、その痛みはガンを殺す闘いの反応なんです。だから、患者さんに「その痛みを死ね気で一週間我慢していてごらん。そうしたら、ガンは見事に消えるよ」と言うんです。
自然に、体が温熱療法をするようになっているなんて凄いですよね、生体反応は。(略)
未治療の癌の経過を知らないのか。(中略)私の経験だが、当直中に癌性疼痛の患者さんが飛び込みで受診したことがあった。他院で癌と診断されたのだが、標準的治療を嫌って民間療法に頼っていた。その民間療法の「治療者」に「病院の薬は毒だから、服用はもちろん、家の中に置くのもいけない」と言われて、他院で処方されていた痛み止めの薬を捨てていたのだ。しかし、癌が治るわけもなく、痛みは増すばかりで、いよいよ耐え切れなくなって、「治療者」に連絡したところ、「病院に行け」と言われて私の当直していた病院に受診したのだ。
(中略)この患者さんについては、麻薬を使うまでもなく、通常の痛み止めの座薬で痛みはコントロールできた。癌をも治せるはずの「治療者」がまったく手の施しようのなかった痛みが、座薬一つでとれたのだ。ちなみに、この種類の痛み止めも安保徹氏は否定している。
がんは治療しなくても自然に治るという主張。さっきリンクした
子宮頸がんは治療するな、放置で自然に治る 近藤誠医師の主張と瓜二つ。本当に近藤誠さんとよく似ているんですね。
安保徹さんのトンデモな主張はまだ気になるものがあります。しかし、今回はベビーマッサージ乳児死亡の件を優先します。
私が非常に気になったのが、以下のようなニュースがあったことです。
施術乳児死亡、「教授から裏付け」と保護者らに : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 2015年03月05日 15時29分
マッサージのような施術で生後4か月の男児を死亡させたとして、業務上過失致死容疑で逮捕された元NPO法人理事長・姫川尚美容疑者(57)が、乳幼児の保護者らに「大学教授から免疫学の裏付けを得ている」などと虚偽の説明をしていたことが、捜査関係者らへの取材でわかった。
大阪府警は、姫川容疑者が、医学的根拠のない施術の信用性を高めようとしたとみて経緯を調べている。(中略)
捜査関係者らによると、姫川容疑者は、乳幼児の首をもんだりひねったりする「ズンズン運動」などをホームページやブログに掲載。「免疫力が高まる」「アトピーが治る」などとうたい、問い合わせてきた保護者に「教授から医学的な根拠をいただいた」などと話していたという。
前述のように安保徹教授は、姫川尚美理事長の本に関わっています。上記の大学教授というのは安保徹教授を指しているかもしれないと思ってしまいました。
安保徹教授は以前は新潟大学医学部教授で、現在も新潟大学院歯学部総合研究所名誉教授です。姫川理事長のNPO法人は上越市ですけど同じ新潟県ですので、地域的な縁があって良さそうです。
さらに、先のNATROMの日記さんによると、安保徹さんはなぜか「免疫学の世界的権威」とされているようです。
安保徹 - Wikipedia(最終更新 2015年1月20日 (火) 13:18)の記述でも、免疫学分野の教授であることがわかります。姫川尚美理事長は「免疫学の裏付け」と言っていますので、分野も合っています。
(投稿直後に追記:そもそも共著した本の名前が
子育ての免疫学
でした)
ということで、上記の教授というのが安保徹教授のことを指している可能性は十分にありそうです。ただし、これは安保教授が実際に姫川理事長のズンズン運動による免疫的な効果にお墨付きを与えていた…という意味ではありません。確定できる情報はまだ出ていません。
また、そもそも読売新聞にあった「虚偽の説明」というのは、実際には医学的な根拠がないという意味の虚偽と「大学教授から免疫学の裏付けを得ている」ことそのものが虚偽という2種類の意味で受け取れます。ですので、この大学教授というのが、本当はそのような説明をしていなかったという可能性もあります。
ただ、大学教授が本当にお墨付きを与えていたとなればたいへんなことになります。今回の事件ではメインではないんですが、警察にはこの点も追求してほしいです。
追加
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姫川尚美代表、ベビーマッサージによる死亡認める 危険性も認識 関連
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逮捕のキッズスタディオン姫川裕里(姫川尚美)、子育て本を出版 ■
子宮頸がんは治療するな、放置で自然に治る 近藤誠医師の主張 ■
ズンズン運動キッズスタディオン姫川尚美逮捕 ベビーマッサージ乳児死亡で ■
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Appendix
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