独身税の話をまとめ。<イタリアでムッソリーニが実施…日本でもあの政党の議員が独身税に言及!>、<独身の人・子どものいない人が社会に貢献していない…は本当?>、<独身者は社会のお荷物!社会で解決できないなら国が強制すべき?>などの話をまとめています。
2022/07/10まとめ:
●結婚しない人には罰を!独身税があの政党の中で議論になってた
●既婚者の61%が独身税の導入に賛成という世論調査はデマっぽいが…
2015/3/5:既婚者や子育てを支援する制度について非難する人がかなりいますが、そういった意見に以前苦言を呈したことがあります。一方で私は既婚者が独身者を責めるようなことも支持しません。結局、どっちもポジショントークをしているだけでしょう。より冷静な視点が必要です。
また、今回既婚者が独身者を責めるようなものとして気になったのは、「既婚者の61%が独身税の導入に賛成、世論調査」という話。ただ、これはソースとされているものを確認しても、調査方法やサンプルの条件などの記載がなくたいへん怪しかったです。検索すると、そもそもデマサイトだと指摘しているところもあります。
このデマサイトという指摘も検証の必要があるものの、少なくとも「既婚者の61%が独身税の導入に賛成、世論調査」としていたサイトは信頼できるような内容ではありませんでしたので、うちではこれ以上取り上げません。
●独身税だけでなく子なし税を作って、子育てで社会貢献させよ!という主張
それ以外に今回、はてな匿名ダイアリーで、
独身税と子なし税を作ろう!という意見を書いている方がいました。
「独身税と子なし税を作ってエゲつないほどの税金をかけよう!最低でも高齢年金の支給条件にしよう」といったもの。「子なし税の方に限っては、里親になることで回避できる」と微妙に「不妊体質の男女」(原文ママ)に配慮。「ようは子育てで社会貢献しろってこと」だと主張していました。これも極端ですね。
このページには、
はてなブックマークでは、「増田は人をイラつかせようと思ってこれを書いている。増田は人をイラつかせて楽しいと思うクズ側の人間」(algot 2015/03/04)という指摘もあったように、上のダイアリーを書いた方の場合はポジショントークではなく、荒らし目的のように見えます。でしたら、あまり反応しない方がいいんですけど、不快には不快ですねいてくれないか」(nori__3 2015/03/04)という差別の問題もあります。
●イタリアでムッソリーニが実施…日本でもあの政党の議員が独身税に言及!
独身税はうちではてっきり初めて書く話題だと思っていました。しかし、過去にも
日本でもあの政党がペット税を検討!?あの大新聞が誤報を飛ばすを書いていたことに気づきました。同じページで見た方が良いだろう…ということで、この後、紹介します。ただ、その前に内容も軽く紹介しておきます。
日本でもあの政党がペット税を検討!?あの大新聞が誤報を飛ばすでは子育て問題を話し合う中で自民党議員が提案したことなどから、「結婚の促進」そして「少子化対策」といった狙いがわかる話でした。イタリアではファシストのムッソリーニ時代やっていたなど、海外では実例もあるようです。
一方で、問題点として「独身税に対する反対意見」も当時紹介。自由の侵害という憲法上の問題や、子どもができない人などへの差別政策という批判、独身者に税負担がかかることでますます結婚が難しくなるという指摘がありました。さらに、今回のはてなブックマークでは、他にも以下のような批判も出ています。
「この手の話は性的マイノリティと不妊の夫婦を全く考慮していないということを机のどこかに付箋で貼っておいてくれないか」(nori__3 2015/03/04)
●実は日本でも一種のゆるい「独身税」的な制度はすでにある?
ただ、「独身税」という名前ではなく、合法な形による一種のゆるい「独身税」的なものってのは、既に存在しているんですよね。前述の過激な独身税導入を求める声について、先の
はてなブックマークでは、そういった指摘がありました。
"控除がない分、今でも独身は多く税金払ってるんだけどね。特別養子縁組は独身者も共働きもお断りだし、独身税&子なし税は偽装結婚とネグレクトが増えそう。" MK3110 2015/03/04
"それなんて扶養控除" reot8 2015/03/04
最初に既婚者や子育てを支援する制度について非難する人の話を書きました。実はこういった既婚者や子どもを持っている方への支援も、直接的ではなく間接的ではありますが、一種のゆるい独身税だと考えられなくもありません。
●独身の人・子どものいない人が社会に貢献していない…は本当?
ただ、そういった考え方ができずに、直接税金を取ろうという発想になってしまうのは、人の感じ方の特徴として結構注目すべき点かもしれません。
私はTPPにはそれ以外の問題があるので賛成できないのですが、TPPで問題になっている関税に関しては、一種の国民への税金だという指摘もあります。しかし、国民にはその意識が無いために、関税への抵抗感は比較的薄く、高い関税を維持することはあまり問題視されません。
新たな税金や増税などには強い反応を示すのに税金の無駄遣いなどへの反応が弱いということと、現在でも補助されているのに気づかずに独身税を求めてしまうのとは、同じような人のお金への感じ方が原因ではないかと思います。
あと、この「一種の独身税というのは既にある」という話は逆に言うと、独身の人・子どものいない人が社会に貢献していないと、肩身の狭い思いをする必要はないという話でもあるでしょう。
(2015//3/6追記:これ以前にもどこかで「独身税」の話を見たなと思っていたものの、思い出せず。翌日になってやっと思い出しました。結婚っていいことだよという記事で「肩身狭いから独身税を」という反応があったんでした。独身者に対する差別感は強いですね)
結構長くなったので書くのをやめましたが、たとえば、働きアリが自身は子どもを生まなくても種族の繁栄に貢献しているなど、生物の種全体としての利益で見ていくのも参考になると思います。
●独身者は社会のお荷物!社会で解決できないなら国が強制すべき?
もう一つ、最初のはてな匿名ダイアリー
独身税と子なし税を作ろう!の話をもう少し書いて終わりにします。前述の通りそもそもまじめに考えているとは思えないものの、個人より国家が優先するといった国家主義者的な嗜好も感じちゃったものですね。以下のあたりがそういうものです。
<社会が強制できなくなったのなら、政府が強制するしかない>
<とにかく、お前ら中年の喪男喪女は社会のお荷物。不良債権。故に社会に経済的な還元をするか、あるいは結婚して子ども育てろ>
国家主義者的な発想は右派に多く、独身税を言い出した人のも自民党議員でした。「個人より国家が優先する」という思想の人は安倍晋三首相も好きな人が多いでしょう。ただ、その安倍首相もお子さんがいないんですよね。安倍首相など、子どものいない方々を傷つけるような物言いは、本当、人としてどうかと思います。
●結婚しない人には罰を!独身税があの政党の中で議論になってた
2022/07/10追記:同じページにあった方がわかりやすいだろう…ということで、
日本でもあの政党がペット税を検討!?あの大新聞が誤報を飛ばすで書いていた話をこちらでもそのまま紹介しておきます。独身税は独身者に課する税金で、日本では2004年12月、自民党の子育て小委員会にて、柴山昌彦衆議院議員が極論として提案したそうです。(
はてなキーワードより)
「暴論ではありますが、『独身税』を考えたらどうか」という言い方だった模様ですが、検索してみるとわりと非難轟々。メリットは明らかに「結婚の促進」でしょう。
はてなキーワードを見てみると、やはりそういった感じになっていました。ただし、ほとんど賛成意見がありません。その上、2つ目の賛成意見は変なんですよ。子供ができれば養育費がかかるのは当たり前。不公平ということはありません。
<独身税に対する賛成意見>
* 結婚しないことに対するペナルティを課することにより、結婚しない人を、結婚へと尻押しする可能性がある。
* 「子持ちの既婚者は子供の養育費を払っているのに、独身者は払ってないので不公平だ」という不公平感を和らげる可能性がある。
●賛成する理由が見当たらない独身税、反対理由は多く問題だらけ
以上のように独身税は賛成する理由が見当たらない状態。一方の反対意見は山ほど載っていたので、こちらの場合は「弱いな」と思う反対意見を削って半分以下に減らして紹介しています。それでも、以下のようにいっぱい反対意見が出ていたんですよ。かなり無理があるのだと思われます。
<独身税に対する反対意見>
* 「独身税」が数万円~十数万円と高額なら、効果は強くなるが「事実上の婚姻の強制」となり、憲法の「婚姻の自由」を侵害する可能性が高い。
* 収入に応じた税負担でないなら、貧しい独身者の結婚資金を奪い、さらに結婚から遠ざける危険性がある。
* 非婚問題の一番大きな理由の一つである「経済不安」は、雇用問題が解決しない限り、独身税を掛けたところで根本的な解決にならないのではないか。
* 「結婚=子供を持つ」事を前提とした政策であり、結婚しているが子供を持たない人や、逆に結婚していないが子供を持つ人の事が考慮されていないのではないか。
* 仏教やキリスト教の僧侶等、宗教的理由で独身である人に対し、懲罰的な高額の課税を行うなら、憲法の「信教の自由」を侵害する可能性がある。
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