サイコパスの話をまとめ。<脳画像見た科学者「こいつはサイコパス」、実は自分の脳だった>、<脳の一部だけ機能低下…サイコパスを判定する方法の一つは「脳画像」>、<共感力がない人間は自分が共感力がないことに気づいていない?>などの話をまとめています。
冒頭に追記
2022/09/12追記:
●犯罪者になるタイプとならないタイプ…サイコパスは2種類ある? 【NEW】
●犯罪者になるタイプとならないタイプ…サイコパスは2種類ある?
2022/09/12追記:最初のときに出てきた「向社会的サイコパス」という言葉について補足しておこうと考えました。検索してみると、名前のよく似た「向社会性サイコパス」といった言葉も使われています。ただ、どちらも検索結果であまり出てこない言葉のため、どれくらい定着している概念なのかは不明です。
とりあえず、小城絢一朗博士の
職場や学校に潜んでいる向社会性サイコパス | 小城研究室【公式】では、サイコパスを反社会性サイコパスと向社会性サイコパスの2種類に分類。反社会性サイコパスが問題を起こす一方で、向社会性サイコパスは反社会性サイコパスとは異なり犯罪者になることはあまりないタイプのサイコパスとされていました。
うちの小見出しの<社長・コック・小売業者…サイコパスの多い職業も普通の職業>でやった普通の職業のサイコパスな人たちは大体こっちみたいですね。ただし、小城絢一朗博士は「問題ない」とも考えてはいないようで、向社会性サイコパスには良心の呵責がないなど困った特徴が多いことも指摘していました。
●サイコパスが殺人鬼という理解は大間違い!実は普通に生活してる
2015/3/5:「これは典型的なサイコパスの脳スキャン画像です」と指摘した画像が、実は自分の脳スキャン画像だった…という話がありました。やりようによってはギャグ調にできなくもない話なのですが、やはりホラーとか真面目な話とかそういう感じとして紹介すべきでしょうね。
サイコパスと言うと、何か身近にはいないようなトンデモない人、特に殺人鬼のような人が思い浮かぶと思います。しかし、そうではなく身近にいて、ちゃんと社会生活を営んでいる…ともわかる話でもあるでしょう。
精神病質 - Wikipedia(最終更新 2015年2月18日 (水) 04:58)でもそういった話があります。
<精神病質(せいしんびょうしつ、英: psychopathy、サイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。その精神病質者をサイコパス(英: psychopath)と呼ぶ。(中略)
その大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者である。北米には少なくとも200万人、ニューヨークだけでも10万人のサイコパスがいると、 ヘアは統計的に見積っている。
先天的な原因があるとされ、殆どが男性である。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという>
●脳画像見た科学者「こいつはサイコパス」、実は自分の脳だった
私はサイコパスとは殺人鬼だけでなく身近にいる人なのだと知ってはいました。しかし、以下の話は衝撃的でした。どうも
サイコパス・インサイド―ある神経科学者の脳の謎への旅
という本からの情報で、作者のジェームス・ファロンさんがそのサイコパス科学者本人のようです。
<ある日、神経科学者である著者は、大量の脳スキャン画像をチェックしていた。やがて、その中の1枚にひどく奇妙なものが交じっていることに気がつく。彼の手にした画像の持ち主がサイコパスであることを確信するまでに、時間はかからなかった。しかしその後、彼は再び驚くことになる。なんとそれは、彼自身の脳スキャン画像であったのだ。
サイコパスの研究者が、サイコパスであった――>
(
「サイコパス」の脳内構造はこうなっている | 今週のHONZ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイトより)
●社長・コック・小売業者…サイコパスの多い職業も普通の職業
この記事でもサイコパス=殺人者というのは、間違った見方であることを説明しています。ここのサイコパスの説明は、"人を思い通りに操縦しようとしたり、ウソに長け、口がうまく、愛嬌たっぷりで、人の気持ちを引きつけたりといった特徴も含む"といったものでした。
また、先ほどのWikipediaでは、以下のような職業の人が多いとありました。これまた衝撃的でしょう。
<ケヴィン・ダットンの調査による、サイコパスの多い職業の上位10位>
・会社経営者
・弁護士
・TVやラジオのジャーナリスト
・小売業者
・外科医
・新聞記者
・警察官
・聖職者
・コック
・軍人
●脳の一部だけ機能低下…サイコパスを判定する方法の一つは「脳画像」
前述のジェームス・ファロンさんは人殺しや危険な犯罪を犯したことなどなかったし、それどころか科学者として成功し、幸せな結婚生活を送り、3人の子宝にも恵まれていたといいます。経歴などからはサイコパスとはわかりません。
では、どうすればわかるか?と言うと、一つはジェームス・ファロンさんがそうしたように脳スキャン画像を見ることです。スキャン画像を眺めることで、健常な人の脳と比べた場合に眼窩皮質と扁桃体周囲の活動が低下していることがわかるといいます。以下のような、説明がありました。
<この領域の活動が低下すれば、人は衝動的になるとされ、他者の感情を共有することに大きな障害を有する可能性が高い。
つまりサイコパスは、情動にかかわる認知(=熱い認知)のために使用される<前頭前皮質>腹側システムの機能に乏しいが、理性的な認知(=冷たい認知)のための<前頭前皮質>背側システムは活発なままである。そのため良心の呵責や共感を伴わず、冷静な計画の元に他人を操ることができるのだ>
●遺伝的にサイコパスであっても、必ずサイコパスになるわけではない
ファロンさんの場合、父方の家系に数多くの殺人者が存在することもわかりました。俗なイメージ通り、人殺しをしていた人がいるようです。そして、これはファロンさんのサイコパスであったのは、遺伝的なものが原因であったことも推測されます。
しかし、いわゆるエピジェネティクスの作用により、遺伝子は受け継いでいてもサイコパスの特性が現れていないのではないか?とファロンさんは考えました。遺伝子の性質はすべて現れるとは限らず、経験によって現れてくるものがあるんですよ。
ここでサイコパス的な人格を生み出すスイッチと考えられたものは、「幼少期早期の精神的、身体的、あるいは性的虐待」といったものでした。そして、ファロンさんは自分にサイコパス的な症状が現れていないのは、上記のような経験がなかったせいだと結論づけたといいます。
●共感力がない人間は自分が共感力がないことに気づいていない?
ところが、ここからがさらに衝撃的。私はホラーという言葉も最初に書きましたけど、それよりも「悲劇」と言った方がいいのかもしれません。ファロンさんはサイコパス的でないと自分自身では思っていたものの、実は自分もサイコパス的な特性を持っていたことを周囲から知らされるのです。
<ある日講演前の打ち合わせにおいて、同席した医師から双極性障害を患っているのではないかという指摘を受けるのだ。ちなみに双極性障害とは、高揚した気分と抑うつ気分との間を行き来する人たちの状態を指す。
この瞬間、彼の人生で起こってきた出来事、喘息、アレルギー、パニック発作、強迫性障害、高度の宗教性、不眠、快楽主義、個人主義……。さまざまな症候群が、1本の線でつながりだす。
これまでの人生における自己認識そのものを疑う必要性に迫られた彼は、
自分に共感が欠けていたことを確信し、周囲の人間に自分の人物像を聞き回っていく。自らが主観と客観の架け橋となり、同一性のギャップを埋めようとしていく様は、それ自体が数奇な物語であり、自分探しのための巡礼の旅でもあった。人は失ったものには気づきやすいが、はじめから欠けているものには気づきにくいものである。
(中略)対人関係的特性、情動的特性、そして行動的特性に関して、
サイコパスの特性となる項目の多くが該当していたのである>
●「自分がサイコパスであることを受け入れる」というすごさ
人は自分を客観視することが難しく、他人からどう思われているかを正確に聞き出す機会というのもあまりありません。ただでさえそうであるのに、最初から共感性が存在しない人が他人の思いを知ろうというのは極めて難しいことでしょう。
私自身他人からどう思われているかわかりませんけど、ネットで見ていると「何でこんなひどいこと書けるのだろう」という人は多いです。また、私もネットの付き合いでひどいなと思うことを何度も言われたことがあります。
ただ、むしろ知識が豊富な人で、なおかつ悪気なく言っているんだろうなという感じの人もいて、扱いに困りました。私の勝手なイメージであり本当にサイコパス的なものかどうかは素人なので判断できないのですが、たとえ仕事ができたとしても周囲の人から疎まれそうだなという印象がもともとあったので、今回の話とイメージが合致してしまいました。
(追記:投稿しちゃってから気づきましたが、サイコパスは表面的には魅力的な人が多いのだからだいぶ違いますね)
もちろん「あなたはサイコパスだ」みたいな話はしませんよ。そんなこと言われたら誰だって傷つくものです。しかし、だからこそこの作者がすごいなと感じたのが、"自分自身が向社会的サイコパスであることを受け入れ"たということです。
ホラーであり、悲しい話であり…なのですが、そうやって最終的に受け入れたとなると、感動すら覚えます。ものすごい急展開のストーリーですが、これ、実話ですからね。記事では「凄味がある」と表現していました。
<生身の男の人生に設定の変更など許されないし、映画の一場面のようにカットすることもできはしない。面食らい、当惑し、翻弄され続ける点にこそ、本書の凄味がある>
Wikipediaでは、サイコパスを扱ったフィクションについて、"発達障害や精神疾患に対するステレオタイプな誤解をもたらす可能性もある"ともありました。この本の知識が広まることによって、サイコパス=殺人鬼じゃないという理解にも一役買ってくれればと思います。
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