●アザラシがかわいい?とんでもない イルカ食いちぎる凶暴なハイイロアザラシ
2015/3/6:オランダ、海洋資源・生態系研究所の海洋生物学者マーディク・レオポルドさんは、「かわいらしく、抱きしめたくなるような親しみやすい動物で、魚を食べているというイメージがハイイロアザラシにはあります」と前置きしていました。


しかし、実際のハイイロアザラシはイメージとは全く異なっているのかもしれません。今回の話は
イルカ襲う、つぶらな瞳の無慈悲なアザラシ | ナショナル ジオグラフィック(NATIONAL GEOGRAPHIC) 日本版サイト(2015.02.09)という記事が元ネタ。ハイイロアザラシというのは、実はかなり凶暴な動物のようです。
<ずたずたに切り裂かれたネズミイルカの死骸が、北海南東部に沿った浜に大量に打ち上げられるようになったのは10年ほど前のことだ。(中略)
2014年10月、『Marine Mammal Science』誌に掲載された論文には、2013年にフランス沿岸で、ネズミイルカのすぐ近くにハイイロアザラシがいきなり顔を出しイルカの頭にかぶりついた、という目撃談が紹介されている。
また、ネズミイルカの傷跡をDNA分析した研究では、ハイイロアザラシがつけたものであることがわかった。『Proceedings of the Royal Society B』誌に2014年11月に掲載された論文によれば、ハイイロアザラシに襲われると、皮と脂肪の大部分がはぎ取られ、平行な3~5本のひっかき傷が残るという。
切り裂かれたイルカやアザラシの死骸が、ニシオンデンザメなど他の捕食者によるものではないかとの説もかつてあったが、その可能性は研究者の間でも否定されている>
惨殺を行った犯人は、いかにも凶暴そうなサメではなく、アザラシだったようです。一方で、「ハイイロアザラシが補食したとされるゼニガタアザラシの多くは、実際には船舶のスクリューに巻き込まれて体がちぎれたのであり、ハイイロアザラシはその死骸をあさったに過ぎない」という反論もあるようです。
ただ、前述の通り、犯行現場の目撃例やDNA分析で確定している例はあります。さらに、前述の話以外にも記事では目撃談がありました。まだ研究を進めている段階ですので断言できませんが、多くのケースでハイイロアザラシの関与している可能性は高いように思えます。
一方、なぜ近年になってこうしたイルカなどを襲うことが増加したのか?というのは、不思議なところです。これについて、研究者は複数の仮説を唱えています。「仮説」ですから、まだまだ全然確定的なものではないのですが、以下のような仮説が現在出ているそうです。
・たまたま漁網にかかったネズミイルカをハイイロアザラシが食べて肉の味を覚えた。
・元々ハイイロアザラシが食べていた魚の数が急激に減少したのかもしれない。
・ハイイロアザラシは一時乱獲され、北海南部の一帯から姿を消したが、今また増えてきたため。つまり、以前の状態に戻っただけ。
ハイイロアザラシの数が増えてきたというのは、あるかもしれませんね。
ハイイロアザラシ - Wikipedia(最終更新 2015年2月10日 (火) 12:11)を確認してみると、北大西洋の西側でも"ハイイロアザラシの生息数が増加している"そうです。
<カナダではハイイロアザラシを駆除する要望が出されたが、現時点では実施される予定はない。
アメリカにおいても同様に生息数が増加しているが、数年来、海棲哺乳類保護条令(Marine Mammals Protection Act)により保護されており、ハイイロアザラシに危害を加えることは依然として違法である。条令が実施される前は、メーン州にわずかな数の営巣地(コロニー)が見られるのみであった。しかし、今日では、ニューヨーク州やニュージャージー州近くの海岸でも増加しており、営巣地はどんどん南下している>
さっきあった「船舶のスクリューに巻き込まれて体がちぎれた」なんかは、動物の問題ではなく人間のせいにしたいという欲求があるのでは?と少し感じました。動物に関する問題で「人間が悪い」という話を求める人はたいへん多いです。
ただ、ハイイロアザラシが一時期ひどく減っていたというのは、間違いなく人間のせいだとは言えます。既に出てきているように「乱獲」があったのは確実な模様。Wikipediaも含めて、この乱獲の理由については書いていませんでしたので検索。私はてっきりアザラシ肉目当てだと思っていました。
ところが、
絶滅の危機にあるアザラシたちというサイトによると、「漁業被害の害獣として、駆除されてきた」とのこと。ハイイロアザラシは直接的な目的じゃなかったんですね。ここらへんの増減に関して言えば、人間が悪いんだ!という批判も的外れではないようです。
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