何じゃこりゃ?と思ったニュース。
中尾・下関市長:修士論文、市立大で合格ならず 「地域内分権」テーマに550ページ /山口 - 毎日新聞 毎日新聞 2015年03月06日 地方版
下関市の中尾友昭市長が市立大の大学院経済学研究科に提出していた修士論文が、不合格の判定を受けたことが分かった。(中略)
論文のテーマは「下関市における地域内分権への挑戦」。市議会でのやり取りや市の部長会での発言などを通じて、行政の意思決定のプロセスや市長としての問題意識を分かりやすく説明した。また、地域コミュニティーなどについて国内外の現状や歴史に言及し、古今の政治思想家の考え方を引き合いに政治家の在り方や、市長を目指した経緯なども盛り込んだ。
しかし、審査では大学院を担当する関係者18人が合格を認めたが、7人が不合格とした。白票もあり、最終的に合格に必要な3分の2の賛同を得られなかった。【平川昌範】
修士論文は「A4判550ページ」。文系はそんなものなのかもしれませんが、すごく長くありません? 私は数十ページでした。
"中尾市長は市長就任後の2011年4月に市立大大学院に入学"。これ自体が珍しいですね。プロフィール見ても若くありません。
中尾友昭 - Wikipedia
生年月日 1949年9月17日(65歳)
出生地 山口県下関市
出身校 中央大学法学部 東亜大学大学院
(中略)
称号 法学士 修士
というか、他のところの修士は持っていたんですね。
市長になったときは、自民党の分裂選挙だったっぽいです。安倍首相の地盤なのですが、そちらの候補を破っていました。
2005年、山口県議会議員を1期目の任期途中で辞職。下関市長選挙に無所属で出馬したが、現職の江島潔下関市長に僅差で敗れる。落選後、中尾友昭税理士事務所を開設。2009年、再び下関市長選挙に林芳正参議院議員(山口県選挙区選出)らの支援を受けて立候補。安倍晋三元首相らが推した元山口県議会議員の友田有らを破り、当選した(江島潔下関市長は不出馬)。2013年、下関市長再選。
中尾市長は不合格について、「一学生として4年間、真摯(しんし)にやってきて、なぜ学問的に否定されるのか不思議でならない」と話しているとのこと。真摯にやっても中身がダメなら不合格は不合格です。その辺を勘違いなさっています。
とはいえ、小保方晴子さんのときに問題になったように、博士論文ですら審査はあってないようなものです。
(関連:
小保方晴子早稲田大博士論文、大量の盗用コピペ 実験の実態なしか?)
普段のレポートより卒業論文、卒業論文より修士論文、修士論文よりは博士論文のレベルは高くなくてはいけませんが、修士論文レベルなら残念ながらフリーパス状態かもしれません。
では、なぜ中尾友昭市長は不合格だったのでしょう? 不思議に思って検索すると、下記のようなページが出てきました。(以下は修士号を与えるという前提で書かれています)
自慢話に与えられた修士号 権力で学位得る中尾市長 2015年2月13日付 長周新聞
下関市立大学の大学院修士論文・特定課題研究成果研究発表会が10日、同大学で開かれた。発表会では学位取得に熱を上げてきた中尾友昭・下関市長(大学院生)の「下関市における地域内分権への挑戦」と題する「研究論文」が注目されていた。ところが、修士号が与えられるにふさわしい内容だったのかというと、市長みずからの「業績」の羅列、人生哲学の披露など自慢話が大半を占め、大学院での研究発表といえるレベルなのかどうか大きな疑問を残した。
くそ長いと思ったらそんなもの書いていたんですか。そりゃ落ちますわ。
ただ、通常論文はいきなり本番ではなく、指導教員らと手直ししながら作っていくものです。そこらへんは不思議です。なぜか指導教員は問題だと思わなかったのかもしれません。
また、そもそも市長が市立大で学位認定はマズいんじゃないの?という問題もありそうです。こちらも影響した可能性がありそうだなと読んでみると、これが予想以上にひどかった!
設置者である行政の長が学位欲しさに大学に籍を置き、その指導担当には学長選に敗れた前学長を付け、しかも学長を追われた後に理事長ポストを市長から与えられて学位を与え返すという、学問冒涜もはなはだしい行為がくり広げられている。
しかも、論文発表会では選挙対策もしてやがりました。マジで学問への冒涜です。
現在進めている「まちづくり推進条例」「まちづくり推進計画の検討・協議」が「地域内分権の顕著な進展」としてあること、その実現に向けての決意を論文で明らかにしたと胸を張り、「いよいよ中尾市政が次の段階に移る。今後ともよろしく」と3期目への意欲をみなぎらせて協力を訴えた。
発表会には"20人ほどの市役所の幹部をひきつれて教室に登場"し、"熱心にメモする素振り"をしていたというドラマみたいな話も。
また、"500ページの中身についても、市役所の職員たちが動員されて、頭をひねったり、ゴーストライターを担ってきたことはみなが知っている"とのこと。昨年話題になったゴーストライター問題というトレンドもしっかり抑えています。マジでドラマの脚本みたい。
(小保方晴子さんと佐村河内守さんのネタがあるので、あとは野々村竜太郎議員のネタがほしいところですが、中尾市長も同じ政治家なのでそれなりに条件が揃っています)
以上のように、中尾友昭市長の修士論文が不合格となった理由は、十分すぎるほど十分にわかりました。落ちて当然です。
前述のように、上の話は修士号を与えるという前提で書かれていたものの、実際には不合格になったわけです。
記事では小保方晴子さんと早稲田大学の例もちょうど挙げていたんですけど、下関市立大学が早稲田大学のような醜態を繰り返さなかったことだけは良かったと言えそうです。
追加
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