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日本の凶悪少年事件・殺人事件は減っている 戦後は現在の8倍も


 日本の犯罪件数(特に凶悪事件)増加は嘘 若者の犯罪離れで減少傾向など凶悪犯罪の典型である殺人事件は減っているという話は何度も書いています。今回はその少年事件のバージョンです。

 使用する記事はジャーナリスト・池上彰さんと『謝るなら、いつでもおいで』の著者・川名壮志さんの対談です。


 『謝るなら、いつでもおいで』は、2004年の佐世保小6同級生殺害事件がテーマ。知らなかったのですが、被害者の父親は毎日新聞記者。そして、本の著者・川名壮志さんも毎日新聞記者であり、当時佐世保にいました。

 しかも、佐世保支局の構造もあり、川名さんは被害者と顔を合わせる機会が多く、いわば当事者のようなものだったのです。まず、この話が衝撃で何か涙腺に来るものがありました。
「少年事件は楽に数字を取れる」が招いたこと:日経ビジネスオンライン

川名:毎日新聞佐世保支局は2階が支局で、3階が支局長住宅です。お兄ちゃん(引用者注:被害者の兄)は既に中学生だったから家に帰るとそのまま3階に上がるのですが、小学生の怜美ちゃん(引用者注:被害者)はまず2階の支局に上がってきて、ドアを開けて「ただいま」って言うんです。御手洗さん一家はお母さんを早くにガンで亡くしていて、父子家庭だったのもあると思います。御手洗さんが不在のとき、怜美ちゃんは支局の来客用ソファに寝転がって本を読んでいたりしました。

 自分の日常のなかにいた女の子が殺されてしまった。しかも、同級生の11歳の女の子に。僕はまだ入社4年目の記者でしたし、完全に固まってしまいました。

 「事件が起こると現場に殺到して、被害者の家族に『今のお気持ちは?』と聞いたり、人の心に土足で踏むこむバカな記者がいます」と池上彰さんはおっしゃっていましたが、川名記者のした被害者の兄へのインタビューはつらさを減らすことにつながったようです。
川名:昨年、お兄ちゃんが事件後10年経って初めてマスコミの前に出たことがニュースになっていましたが、彼は「そのインタビューが救いになった」と話していたんです。自分の思いをマグマのようにずっと溜めていたけれど、僕の取材を受けたことで初めて吐き出せた。1歩前に踏み出すきっかけになった、と。

 なお、『謝るなら、いつでもおいで』というタイトルは、"初めて取材した時にお兄ちゃんが語った言葉が「謝るなら、いつでもおいで」"だったことに基づいているとのことでした。こちらも目頭が熱くなる話です。


 引用記事タイトルの"「少年事件は楽に数字を取れる」が招いたこと"やうちのタイトルの「日本の凶悪少年事件・殺人事件は減っている」は個別の事件の話ではなく、少年事件全体の話です。記事では、上記の後、全体の話に移っていっていました。

 池上彰さんは川名記者の「子どもは変わったと思いますか?」という質問に「『子どもは変わった』と皆、言いたがるんですが、子どもは変わっていません」と答えています。

 また、凶悪犯罪と言える殺人事件に限って見ると、確実に良化していることがわかります。
池上:警察庁のデータを見ると、少年犯罪ってどんどん減っているんですよね。少年の凶悪犯罪がよく話題になるから、増えているように感じるというだけでね。

(中略)

川名:先ほど昔の方が少年事件は多かったとおっしゃいましたが、僕も調べてみたんです。

 警察庁の資料に「凶悪犯罪の検挙人員の推移」が載っています。統計にある1949年から2013年のうち、殺人で検挙された刑法犯少年(刑法犯の罪を犯した犯罪少年で、犯行時及び処理時の年齢がともに14歳以上20歳未満の少年をいう)の人数が最も多かったのは1951年の443人。池上さんが生まれた翌年です。そのころは1日に少年が1人以上、殺人で捕まっていた計算になります。最新データが2013年ですが、52人。なんと8分の1以下になったんですね。

池上:そう、激減したんですよね。

川名:1950年から1970年までの20年間が、殺人事件で検挙された少年が3ケタの時代です。少年犯罪が凶悪だったのは、池上さんが20歳になるまでの時代なんですよね。

 人口減があるのでその分を考えなくてはいけません。しかし、少年少女の数は8分の1以下になるほど減っていないのは確実です。明らかに日本の凶悪少年事件は減少しています。

 では、なぜ少年の凶悪事件が増えているように感じるのか?と言うと、大人の殺人事件や子どもへの虐待問題でも書いてきたようにマスコミ報道のせいというのが大きいです。

 私はこれについては注目度が大きい話題だから、もっと嫌な言い方をするとカネになるからと説明してきました。池上彰さんはこの殺人事件が注目される理由をもう少し丁寧に解説しています。
池上:私は1980年からNHKの社会部記者として、警視庁の捜査一課を担当していました。捜査一課は殺人事件を扱うんだけど、殺人事件のニュースを書いても全国ニュースにならないんです。たいていがローカルニュースで終わる。珍しくないからですよ。

 ところが、だんだん殺人事件が減ってくると、逆に珍しいからニュース価値が上がる。それに加えて、民放のニュース番組やワイドショーが出てきたことが大きいです。

 こういう言い方は語弊があるかもしれないけれど、殺人事件の報道が実は一番ラクなんです。なぜなら、殺人事件が起こると警察が発表してくれるから。現場に行けばパトカーがいて、「絵になる」映像がとれる。リポーターが近所の人にマイクを向けて「怖いですね」と言ってもらえば一丁上がり。安易に数分間の映像ができちゃうわけです。これが捜査二課が扱う汚職事件とかだと、いくら取材しても報道できるか分からないリスクがある。

 今、民放ニュースを見ていると、殺人事件ばかりでしょう? 埋めなければいけないから、東京の局であっても、北海道でも福岡でも殺人事件があれば取り上げて、全国ニュースになってしまう。それを見たら「こんなに治安が悪くなっているのか」と思いますよね。

 少年事件は大人の事件より衝撃的だから、さらに大きな扱いになります。ある場所でAという少年事件が起こると、別のところでBという全く違う少年事件が起こったとき、またAの事件の話が蒸し返される。だから、少年事件が頻繁に起こっているような印象を受ける。それを警察は「体感治安が悪化している」という言い方をしています。

 少年犯罪は厳罰化の方向にあります。「体感治安の悪化」といった実態が伴わない理由で厳罰化に進むのは問題があると私は思っています。

 川名さんはこれに加えて、少年事件が人の心をとらえて離さないのは、「親にとって自分の最も身近な存在でありながら、子どものことは分からない」からでは?としていました。
川名:加害少女の父親だって、決して子どものことをみていない親ではありませんでした。それでも、子どもの事件は起きてしまう。そこに難しさがあるのだと思います。

(中略)昔の少年事件って、非行少年とか地元のワルがやっていたことが多かったんです。悪いと分かっていながら、悪いことをする。だから、彼らは逃げます。

 けれど、10年前の佐世保小6殺害事件も、昨年7月に佐世保で起きた高校1年生が同級生を殺害した事件もそうでしたが、加害者が逃げないのが1つの特徴です。

(中略)昔の少年事件が「反社会」型とすると、今、注目されている少年事件は「非社会」型と言えると思います。10年前の佐世保事件でも、昨年の佐世保事件でも、加害少女たちは殺害を実行するところまでの計画は用意周到なんですが、その後の計画は一切ありません。

 こういう話を紹介してしまうと、「やっぱり今の子どもは自分たちのときと違って怖い」と悦に入る人が出てきそうで困ります。ただ、重要な指摘でもあります。

 池上彰さんは「警察の捜査関係者にもすぐに結論を出したがる」し、「裁判資料だって(中略)表現が多い」が、本当は「分からない」ものだとしていました。

 一般の人もわかりやすい答えを求めたがりますのでそのせいだとは思いますが、池上さんは先にメディアのこういう問題を指摘していました。
池上:少年犯罪が起こると、メディアはすぐに「心の闇」とか書くでしょう?「心の闇」ってキャッチーなフレーズだから何か説明されたみたいな気になるけれど、よく考えたら何のことか分からない。何も言ってないんですよね。

 2004年の佐世保小6同級生殺害事件の後、昨年、佐世保女子高生殺害解剖事件が起きました。そのために教育が悪かったのではないか?みたいな声も出ました。

 しかし、私は教育などだけでは防げない犯罪はあると思っています。前述のように8分の1以下にまで減ったのですから、減らすこと自体は可能です。でも、0にはできません。むしろ0にできると考えてしまうと、対策を間違うと思うんですよね。

 前述の虐待問題や、同じ学校の話で言うといじめの問題、そして、私がよく書いている研究不正の問題。どれについても言えるのですが、件数をゼロにすることを目標にすると見て見ぬふりや隠蔽を呼び起こし、余計悪化する可能性があります。

 道徳教育で100%防げると考えるのは思い上がりであり、危険だと思います。


 関連
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