●キーエンス滝崎武光会長は長者番付常連、時価総額もすごい!
2015/3/10:自動制御機器や計測機器のメーカーであるキーエンスの滝崎武光会長は長者番付常連です。フォーブス世界長者番付・日本人ランキングで上位になっています。ビジネスジャーナルでは「時価総額もすごいんです」という感じで、以下のように書いていました。
<キーエンスの時価総額は三菱商事やパナソニックを上回る。株価はコンスタントに5万円台をつける“超値がさ株”だ。今年2月4日に10年来の最高値5万8390円をつけた。2月3日の終値で計算した時価総額(株価×発行済み株式数)は東証1部上場企業の23位に大躍進した>
40歳で1662万円、謎多き日本一の高給企業 驚異の高収益、非常識な経営&営業手法 | ビジネスジャーナル(2015.02.25)で出ていた時価総額ランキングの、キーエンスの周囲は以下のような感じ。セブンイレブンのセブン&アイなど、錚々たる顔ぶれでした。
【「東証1部上場企業時価総額」ランキング(順位、社名、時価総額)】
20位、セブン&アイ・ホールディングス、3兆8462億円
21位、ブリヂストン、3兆6431億円
22位、東日本旅客鉄道(JR東日本)、3兆5926億円
23位、キーエンス、3兆4918億円
24位、三菱商事、3兆4332億円
25位、パナソニック、3兆3300億円
(出典:日本経済新聞、15年2月3日終値時点)
ただ、時価総額がすごいというのは、そう意外でもない感じ。フォーブスの長者番付もおそらく株式が関係ていたはずで、長者番付に入ってくる人の企業が、時価総額でも上位なのはむしろ当然のような気がします。時価総額が大きくても、社長が大株主ではないことはあるものの、想定外という話でもない気がします。
●年収が高い企業ランキング1位キーエンス「人件費は経費にあらず」
それより私がすごいと感じるのは、<40歳で1662万円、謎多き日本一の高給企業 驚異の高収益、非常識な経営&営業手法>として、記事のタイトルになっていた年収の高さ。こちらは素直にびっくりできますよ。何とキーエンスが日本で一番なのです!
【「40歳年収が高い会社」ランキング(順位、社名、推定平均年収)】
1位、キーエンス、1662万円
2位、日本M&Aセンター、1602万円
3位、野村ホールディングス、1452万円
(出典:14年10月15日付東洋経済オンライン)
私は40歳年収を最も参考にすべきだからこれを挙げたのだと思っていました。ところが、"30歳年収、生涯給料などの推計でも日本一"とのこと。嘘・大げさ・紛らわしいといった誇張なしに日本一ですわ、こりゃ…。ちなみに"14年3月期の従業員2038人の平均年齢は34.8歳、平均年間給与は1440万円"とのこと。さっきの1662万円よりだいぶ低くてあれ?と思ったら、平均年齢34.8歳。かなり若いですね。
日本の上場企業はベンチャー企業を除くと、40歳前後のところが多い印象です。ずいぶん若いと思います。何か理由はあるのでしょうか。とりあえず、給料に関しては、"「人件費は経費にあらず」の理念のもと、営業利益の1割程度を従業員に還元する人事政策を取る"とありました。
成果主義の企業バージョンみたいなのもあって、"平均年収は業績に連動して増減する"とのこと。これもあって他の企業と差が開いているのではないかと。普通の企業はリスク回避のために、社員の給与アップには消極的ですので急激には上がりません。それがキーエンスの場合には、14年3月期だと"従業員の平均年収は前年より118万円アップ"といったすごい上がり方をしています。
●キーエンスの特徴は「無借金経営」「ファブレス経営」など
キーエンスの大きな特徴としては、「無借金経営」というのもあるようです。"滝崎武光会長はかつて2度会社を倒産させた"ことがあるとのこと。"その後失敗しない経営を考え抜き、今日の独特の事業モデルを築き上げ、巨大企業をはるかに上回る企業価値を創造し"ました。その一つが「無借金会社」。また、他にも以下のよう特徴があります。
・工場を持たない「ファブレス経営」
・値引きしない「コンサルティング営業」
・20代でプロジェクトリーダーになれる若手中心の人事
私が気にした若さに関する話もありました。ただ、これは平均年齢が若いことを説明できるものではありませんね。「値引きしない」は他の企業でもやっているところがあります。とはいえ、キーエンスのような大きい企業ではほとんど聞いたことがありませんね。
「ファブレス」はこれよりもっと例があって、過去にも書いています。
意外に有名企業があるファブレス企業・メーカー 任天堂・ダイドードリンコ・やおきんなどや
日本は製造業と工場を捨てよ 海外へ製造委託でファブレス化が正解がそうです。しかし、比較的珍しい形態でしょう。キーエンスみたいなセンサーのメーカーがファブレス企業だとは思わなかったので、正直驚きでした。
●義理人情ではなく合理性追求の結果、ホワイト企業ランキング上位に
Wikipedia(最終更新 2015年2月2日 (月) 14:08)では、"キーエンスは上場以来毎年、日本経済新聞社の優良企業ランキングの上位に名を連ねている"とあります。年収の高さを見ても、ホワイト企業だというのは想像通りでしょう。
ところが、おもしろいのがWikipediaの次の項目の記述です。社員の年収が高いなどと言うと、人間味がある温かい経営みたいな表現をしそうになりますが、「この会社の特徴は合理性なのだ」といった書き方でした。
<人事と営業スタイル>
<20歳代でプロジェクトリーダーになれるなど、ひたすら
合理性を追求する人事制度で有名である。
営業スタイルは合理性を追求し、クライアント訪問前の指導、営業担当による徹底指導や新品のテスト機貸し出し等、受注効率を上げる為の創意工夫がなされている。飛び込み営業は行わず、既存のクライアントを対象に、コンサルティングをメインとした営業を行っている>
徹底的に合理的に、効率的にと繰り返した結果が超優良企業…というわけ。一方で、義理人情を押し出した企業にはむしろブラック企業なところも多いですからね。例えばワタミなんかは、感謝の気持ちや他人のために働くことなどを重視しています。なかなか逆説的な感じがあって、おもしろいですね。
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