●本当に高い?海外の日本製の品質イメージランキングの順位は?
2021/04/09:ドイツを基盤とする統計サイト、スタティスタがダリア・リサーチの協力で行った品質イメージ調査「MADE-IN-COUNTRY-INDEX(MICI)2017」。ドイツだけの調査ではなく、世界52ヶ国、約4万3000人(各国とも2500人以上が回答)が、49ヶ国とEUを5段階評価したもので、データは2016年12月~2017年1月に収集されたものだそうです。
これによると、1位に輝いたのは地元ドイツ。調査実施国別では13ヶ国で首位となりました。一方、日本人が気になる日本は?というとフランス、アメリカと同点で8位。カナダの6位やイタリアの7位より下だったそうです。カナダ製が良いというイメージは日本人にはないので意外ですね。
調査実施国ごとのランキングを見ると、「メイド・イン・ジャパン」は日本自身をはじめ、エクアドル、エジプト、マレーシア、ロシア、シンガポール、ベトナムで1位となっています。13ヶ国で首位だったドイツほどではありませんが、7カ国で首位。傾向はないものの、なんとなくわかる気がする顔ぶれでした。
●日本の順位が低いランキングはおかしい?中国が邪魔している可能性
日本は意外に悪かったのですが、このランキングを紹介していた
品質イメージ、「ドイツ製」1位に物申す 日本製はカナダ製より下の8位(コラム) | NewSphereという記事も、タイトルからして「このランキングはおかしい!」というもの。カナダとドイツの両方に暮らした筆者としては、どうしても1つ2つ疑問を口にしたくなってしまう…としていました。
記事によると、日本の順位を下げていた原因の1つと考えられそうなのが中国。<唯一、日本製品に低評価を与えたのは中国で、40位。日本製品の中国での人気を考えると、この結果には首をかしげたくなる>としていました。日本製に憧れを抱く中国人は減っているとされていますが、40位はさすがに低すぎだと私も思いますね。反日感情が響いたのかもしれません。
また、不思議だったカナダの高順位というのも、単なる国に対する好感度で、あまり根拠がないのかもしれない…という見方がされていました。いい加減だと感じるでしょうが、実際、人々の感覚はいい加減なんですよね。日本製が優れている…というのも飽くまでイメージであり、データ的には裏付けられないことがあります。
<(引用者注:ドイツ製と比べてカナダ製が悪いという自虐ネタCMがあるほど、)カナダでも「カナダ製」より「ドイツ製」への信頼が高かった。そもそも「カナダ製」と聞いて思い浮かべる商品もそれほど多くはない。それが今回6位につけたのは、どうやらトルドー首相の人気と関係があるようだ。統計では12ヶ月間でのイメージの変化についても調べているが、カナダ製品に対する評価は12ヶ月間に45%上がっている>
●日本の品質イメージ急上昇!逆に言うと、普段の順位はかなり低かった?
実を言うと、驚いたことに日本のイメージも同じく45%向上していたとのこと。日本もカナダ同様にもっともっと品質イメージが低かったみたいですね。日本が例外的に大きく動いた理由の方はわからず、あてになる調査なのか?という気がしてきますが、前述の通り、人の印象というのはこんなもの。とりあえず、日本はベスト10にも入らないことがあるほど評価が低い国のようでした。
「人々の感覚はいい加減」に関してはもう少し補足。作者はドイツ製は確かに良いが、コストパフォーマンスに劣るとしていたのですが、実を言うと、人間はコストパフォーマンスをはかるのが苦手で普通に高いものほど良いと錯覚しやすいことがわかっています。また、途上国だと日本製は高い方の製品であり、この錯覚はむしろ日本製に有利に働いているとも考えられるでしょう。
また、作者はドイツの100円ショップ(1ユーロショップ)の製品は品質が悪く、日本の100円ショップの方が良いとしていました。これもコストパフォーマンス的な観点ですね。ただ、日本の100円ショップではそもそも日本製ではない商品もかなり置いていますので、この方向性の主張は、あまり効果的ではないかもしれません。
●東洋紡が安全認証を不正に取得する品質不正 アメリカの安全認証取り消し
…といった感じでしたが、もともと書こうと思っていたのは、実を言うと、東洋紡の品質不正の話。安全認証を不正に取得していたことが判明し、アメリカの安全認証が取り消しになる見込みだそうです。最近、日本にとって悪い話は減らそうとしていた関係で別の話と合わせたいなと思って、検索して上記のような日本を評価する記事を見つけ出してセットにしました。今後もっともっと前向きな話も追記してきたいですね。
<東洋紡は3日、米国の第三者機関による安全認証を不正に取得していた件で、これまで判明していた樹脂「プラナック」以外に3つの樹脂でも不正があったと発表した。
認証試験で提出したものと異なる組成の製品を販売したり、登録していない工場で製造したりしていた>
M安全試験を手掛ける米アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)から3つの樹脂の計217品目で安全認証を受けていたが、全て取り消される。2020年3月期には該当品目で30億円の売り上げがあった。ULの認証は公的な規格ではないため販売は継続するが、一部の納入先では認証取得が取引の条件となっているという>
(
東洋紡の品質不正、4樹脂に拡大 米安全認証も取り消し: 日本経済新聞 2021年2月3日 19:05より)
<東洋紡は26日、電子部品などに使用される製品の安全認証を不正取得していた問題で、新たに3品目(引用者注:すべて高機能樹脂)で不正が見つかったと発表した。同社の品質不正は、昨年10月に発覚して以降、これで7品目となる>
(
東洋紡に新たな品質不正 計7品目に拡大:時事ドットコム 2021年03月26日より)
時事ドットコムのコメント欄では、<昔は日本製品といえば品質第一だったんですけど、今は価格第一品質二の次になっちゃいましたね>などの感想が出ていました。ただ、前半でやった話からすると、海外ではもともと日本人が思っていたほど、日本製の品質イメージは高くなかった可能性があります。
国内で続出していた品質不正だけでなく、今回、海外でも問題を起こしたことで、さらにイメージが悪化するかもしれません。また、先程のランキングで日本の順位が大きく変動していたのも、日本製の不正や事故など悪いニュースと重なっていたために、一時的にイメージが落ちていたのかもしれないな…とも思いました。
【関連投稿】
■
日本製・メイドインジャパンが海外よりすごいというのは本当なのか? ■
クリストフ・ウェバー社長が武田薬品を潰す?シャイアー買収の不自然さ ■
日本企業独占ですごいカメラ・デジカメ、オリンパスら苦戦で撤退・縮小 ■
ごきぶりホイホイ名付け親は大塚正士会長、大塚正富社長は反対だった ■
売れるわけない!社内評価最低のオウルテックのイヤホンに1億円 ■
御手洗冨士夫キヤノン会長の落ちる評判、ワンマン社長の典型のように… ■
企業・会社・組織についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|