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胡散臭い脳科学・脳科学者は疑似科学?茂木健一郎・川島隆太に批判


 脳科学についてまとめ。<胡散臭い脳科学・脳科学者は疑似科学?文献ではあまり使わない>、<認知神経科学の学者が脳科学に警告>、<茂木健一郎氏や学者ですらないみのもんた氏の脳科学に批判>、<脳トレで有名な脳科学者界の大御所・川島隆太氏にも批判!>などをまとめていました。

 その後、<俗語だった脳科学、本物の専門家の間でも使われるように…>でやったように、ちゃんとした学者も脳科学という言葉を使うように…。一方で、<脳科学が専門のひとつである脳科学者の不正論文が次々と発覚>といった不正と言って良い適切行為も発覚しています。

冒頭に追記
2022/07/26追記:
●脳科学が専門のひとつである脳科学者の不正論文が次々と発覚 【NEW】


●脳科学が専門のひとつである脳科学者の不正論文が次々と発覚

2022/07/26追記:前回追記したように、最近はちゃんとした専門家でも脳科学という言葉を多用するように変化。なので、脳科学者がみんな詐欺師ってことはないと思うのですが、脳科学がつく機関に務め、脳科学が専門分野のひとつとして脳科学者と言われる方の不正と言って良い不適切行為が発覚してしまいました…。

 不適切行為が発覚したのは、日本初の査読不正?友田明美・福井大教授の論文に千葉大教授協力で書いている友田明美・福井大教授の論文。研究論文は事前に査読と呼ばれるチェックがかかるのですが、これを自分でやる不正を行った…と論文雑誌から認定されています。以下のように、友田明美教授は脳科学も専門分野のひとつである方でした。

友田明美(教授) 福井大学
専門領域・現職:
専門は小児発達学、小児精神神経学、社会融合脳科学
福井大学子どものこころの発達研究センター教授・副センター長
福井大学附属病院子どものこころの診療部長 兼任
大阪大学大学院連合小児発達学研究科福井校教授 兼任
生理学研究所多次元共同脳科学推進センター客員教授 兼任

【特集】“子どもの脳”を守れ 脳科学が子育てを変える | NHK健康チャンネル
<近年脳科学の研究分野で、マルトリートメントが子どもの脳にどんな影響を与えるかが明らかになってきました。
脳科学者で臨床医でもある友田明美さん(福井大学子どものこころの発達研究センター教授)はハーバード大学と共同で、虐待が脳に与える影響を調べました>


●胡散臭い脳科学・脳科学者は疑似科学?文献ではあまり使わない

2015/3/13:ニュースを読んでいて怪しいなと思って作者のプロフィールを見ると、脳科学者だった…ということがありました。何かもうこの脳科学ってもの自体が既に胡散臭いなぁ…と思って、脳科学 - Wikipedia(最終更新 2014年11月24日 (月) 04:33)を見るとこういう記述がありました。

<脳科学(のうかがく、英: brain science)は、ヒトを含む動物の脳と、それが生み出す機能について研究する学問分野である。神経科学の俗名であり、専門的な文献ではあまり使わない>

 そもそも俗称なんですね。そこまで言ってしまうと言い過ぎではあるのですけど、脳科学=疑似科学(ニセ科学)と疑ってあらかじめ警戒しておいてちょうど良いくらいかもしれません。

 というのも、疑似科学的な脳科学の方がかなり世の中に蔓延してしまっているためです。専門家でも「脳科学」と「疑似脳科学」と言い分ける形で「脳科学」という言い方を認めてはいるものの、非科学的な脳科学の方が存在感が大きいので警戒した方が無難なのです。




●認知神経科学の学者が脳科学に警告!坂井克之・東大准教授

 たとえば、坂井克之・東京大学大学院医学系研究科准教授(認知神経科学)の脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか (河出ブックス)はそういった警告をする本のようで、レビューを見ると何となく中身がわかります。

<脳科学者という人が書いた本は他の本に比べて本物だという気がする。だからそういう本を読んで
大脳の動きを活発にしてよりいい仕事をしたい、より効果的に勉強したいと思ってしまう。
しかし、よく吟味する必要があると反省させてくれるのがこの本である>
(科学的事実と流行する脳科学の違い 投稿者 be3osaka 投稿日 2009/10/23)

<「はじめに明言しておきたいことは、メディアに頻繁に登場する脳科学にもとづいた
主張が、実際の脳研究の現場の考えをまったくと言ってよいほど反映したものでは
ないことです。本書では、この『お茶の間の脳科学』が『現場の脳研究』とどのように
違い、どこが間違っているかを指摘してゆきます。……本書の主眼は、どうしてこの
『お茶の間の脳科学』がブームを引き起こすほどの説得力をもつのかについての
考察にあります。……本質的な問題は、脳と心の研究そのものが、社会との接点の
拡がりに伴って変容しつつあることではないでしょうか」>
(「脳科学」と「脳研究」のあいだ 投稿者 しゅてんだる 投稿日 2014/1/15)

 2人目のレビュアーの方は、本書は"疑似科学論に紙幅が割かれてしま"っており、"表題から期待される「脳科学の真実」、研究の前線で今、いかなる知見が生まれているのか、という点への言及に薄いこと"が残念としていました。言い換えると、この本は脳科学への疑似科学性への言及が主体であえるようです。


●茂木健一郎氏や学者ですらないみのもんた氏の脳科学に批判

 レビュアーさんはその疑似科学論の部分には期待していないと書く中で、茂木健一郎さんの名前を出していました。

<因果関係も破綻して、再現性もろくにない、お前が言うなの極み茂木健一郎曰く
「みのもんたの脳科学」批判についてはもうどうでもいい、この手の疑似科学への
反論や糾弾くらい、別に本書に頼らずとも、いくらでも世に溢れているのだから>

 上では学者じゃないですけど、みのもんたさんの名前も出ていますね。このみのもんたさんについては、日本人は科学を信じないが、みのもんたらの疑似科学は信じるで書いているように、ある人にとっては問題外であっても、強い影響力があるのは確かです。

 同様に茂木健一郎さんの影響力も侮りがたいものがあります。一般人への影響を考えると、軽視できないものがあり、繰り返し批判を続けていくことも大切だと思います。批判しなくて良いってことはないでしょう。


●脳トレで有名な脳科学者界の大御所・川島隆太氏にも批判!

 また、ここで具体的に名前が挙がっていた方がもう一人。「この本の最初の部分で批判的されている」とのことで、本ではこちらが大ボスみたいですね。最初の方のレビューからどうぞ。

<この本の最初の部分で批判的されているのが、川島隆太氏の言説である。川島氏の本を読むと簡単な
ドリルをやったり計算を行うと脳の働きが活発になり、きっとトレーニング(鍛えること)になって
いると思ってしまう。しかし、この著者はそこに疑問を呈し厳密な意味で科学的には証明されて
いないことを証明されたかのように信じさせてしまっていると批判する>

 川島隆太さんは脳トレで有名です。その話でしたら、過去の脳トレーニングの効果はない? 脳トレに関するネイチャーの論文でも出てきました。タイトルでわかるように、やはりニセ科学的だと批判されている内容でした。

 今回出てきたお三方とも有名な方であり、そうなってしまったのはマスメディアの罪が大きいです。「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は開発・発売の任天堂が一番悪いとも言えるかもしれませんけどね。

 ここらへんは改善を求めたいところなんですが、国民がそもそもそういう状態ですので、そういった批判の声も大きくなりません。困ったことですね…。とりあえず、私は地道にこういった話を書いていこうと思っています。


●俗語だった脳科学、本物の専門家の間でも使われるように…

2020/06/23:最初に投稿した2015年の時点では上記のような話だったのですけど、その後、専門家の間でも「脳科学」という言葉が定着したように思えます。胡散臭い学者だけでなく、信頼性が高そうな話をする学者でも「脳科学」という言葉を使っていることがあるんですよね。

 そこで前述のWikipediaを見直してみると、世の中の流れに合わせて更新されており、「神経科学の俗名であり、専門的な文献ではあまり使わない」などの記述はなくなっていました。それどころか<「脳科学」という語は学術分野において汎用されている>とあります。

 海外ではどうなのかわからないのですけど、日本の公的な研究組織の名称としても流行。北海道大学 脳科学研究教育センター、東北大学 脳科学センター、産業技術総合研究所 システム脳科学研究グループ、理化学研究所 脳科学総合研究センター などの例が出ていました。


●「脳科学」と「神経科学」の違いとは?専門家によって異なる

 ここで最後に書いた理化学研究所 脳科学総合研究センターのセンター長は、なんと1987年、V(D)J遺伝子再構成による抗体生成の遺伝的原理の解明によりノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進さん。当時と専門分野は異なるように見えますが、最近は脳科学に熱心なようです。このセンターの研究対象について、以下のように説明しています。

「脳内の分子構造から神経回路、認知・記憶・学習の仕組み、健康と疾患等までを研究対象とし、工学や計算理論、心理学までも含めた多彩な学問分野を背景にして、学際的かつ融合的な研究を目指しています。近年では、分子や細胞といった微視的レベルを扱う神経生物学と、認知や計算論のような巨視的レベルとをつなぐものとして神経回路研究に焦点を当てています」

 このようにセンターの研究対象は、神経生物学からより広げた極めて広範な分野といった説明です。ただ、神経には脳神経以外も含まれるため、神経科学の方がより概念範囲が広いという説明も見られます。結局、「脳科学」という言葉の定義は統一されていないようで、やはり問題が残る用語だとは感じました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■脳トレーニングの効果はない? 脳トレに関するネイチャーの論文
  ■日本人は科学を信じないが、みのもんたらの疑似科学は信じる

【関連投稿】
  ■脳は10%しか使っていない,右脳が芸術,左脳が論理的という迷信
  ■モーツァルト効果はない クラシック音楽で幼児のIQ上昇は迷信
  ■血液型診断の祖・古川竹二の論文が予想以上にひどい 根拠以前の問題
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

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