理研・川合真紀理事、竹市雅俊センター長交代は降格でないと説明で言った腹立ったという話。ただ、最初は細かいものを。
小保方氏の処分、大きな意味なし 理研・川合理事(下):朝日新聞デジタル 合田禄、野瀬輝彦、高橋真理子 2015年3月12日01時41分
――理研は昨年9月に改めて調査委を設置した。一つの論文を2回も調査するのは普通でないのでは。
普通だったら、調査の途中も発表しない。(昨年3月に調査委が)中間報告したのは、うわさがうわさを呼び、情報がわっーと広がって、どうにかしないといけないという危機感のようなものが理研の内部にあったから。
確かに中間報告なしでいきなり最終結果が報道される事例が多く、中間報告は通常行われないのかもしれません。ただ、ノバルティスの問題では中間報告を出している大学が多かったと思います。
実際の順番としてはインタビューの最初なんですが、以降が腹立った話です。
小保方氏もてはやされると思った 理研・川合理事(上):朝日新聞デジタル 2015年3月12日01時39分
――一連のSTAP問題の対応で反省すべきことはあるか。
正直に言って、初動のところは今から思うと悔しいです。オーバーアクションでもいいから、(小保方晴子氏の研究室の)封鎖をして縄でも張ってみたら、違ったんだろうかという悩みはあります。ただ、それをしたからといって、試料の分析が変わったわけでもないと思います。
「試料の分析が変わったわけでもない」というのは結果論です。証拠隠滅のために試料は処分されていた可能性があるためです。当然処分されていた場合には、試料は分析されることはなく、「残念ですがわかりません」で終わっていました。
――何が伝わっていないと思うのか。
(中略)不満もあります。確かに不正です。だけど、たくさんある論文のうちの一つだと思ってとらえていたので、こんなにもてはやしていただくテーマだとは思ってなかった。今でも不思議な気持ちですね。
色んな不正問題がいま、日本だけじゃなくて世界中にある。その中でどれくらいたちが悪いかと考えると、「どうなの?」って思うところもなきにしもあらずです。
「もてはやしていただくテーマだとは思ってなかった」とは、科学者として能力を疑います。本当であれば歴史に残るものでした。(ただ、論文そのもの以上に、笹井芳樹前副センター長の作った記者会見資料(後に撤回)のウェイトが大きかった可能性はありそうです)
「色んな不正問題が(中略)ある。その中でどれくらいたちが悪いか」については、STAP細胞論文は間違いなく悪質なので認識がおかしいです。
全くやっていない実験の捏造グラフが認定されている時点で、まずヤバイです。また認定されなかったものの、疑惑画像が考えられないほどの量を出ています。これらを踏まえた上で研究自体が虚構のおそれがあるとまで指摘されています。これで悪質じゃないなら、何が悪質な不正なのでしょう?
また、何度も言っているように、理研の責任に関して言えば、最も悪いのは事後対応です。隠蔽や調査引き伸ばしをしたから大問題になりました。
それから、「色んな不正問題が(中略)ある」については、最後に川合理事こうおっしゃっているのも気にかかりました。
小保方氏の処分、大きな意味なし 理研・川合理事(下):朝日新聞デジタル 合田禄、野瀬輝彦、高橋真理子 2015年3月12日01時41分
――最近も多くの不正論文がネットで指摘されている。どう感じているか。
最初、ビックリしたんです。(野依良治)理事長がビックリしちゃって。「そんないい加減な論文が論文誌に載ってるのか」と。
STAP細胞問題の話題のときには不正が世界中にあると言って、不正問題全般に聞かれたときは「こんなに多いとは」と驚いてみせるというのには違和感があります。そのときどきで都合が良いことを言っている感じがしました。
また、野依良治理研理事長については、
STAP問題渦中の野依良治理研理事長、1年前は論文捏造不正を批判していたで書いているように、不正が多すぎると批判した論文を出していましたのである程度知っていたと思われます。
それから、上記の直後にあった話が一番腹が立ちました。「ネットで調べる人は何が目的でやってるんだろう。世直し?、警告?」と嫌味な言い方をしています。全く反省してないでしょ、これ…。
(下)では「研究不正の再発をどう防いでいくのか」について、「竹市さんが悔しがったのは、笹井(芳樹)さんの所で(小保方氏らを指導してSTAP論文を科学誌に載せるために)色んな作業をしていた時、CDBのほかの人が議論に加われなかった、ということ」という話をしています。
一部で報道があったように笹井芳樹前副センター長の秘密主義が災いして、監視の目が少なく未確認のまま突っ走ったといった見方です。事後ではなく、事前の問題ですね。
また、「倫理教育で再発は防げるのか」については、「やっぱりなくならないですよ」と答えています。これについては全面的に同意します。不正が起きる前提で対応した方が現実的です。
もともとこの記事を読む前から考えていたのですが、組織は研究不正の責任は問われないようにして、事後対応の責任だけを問われるようにすべきかもしれませんね。
それはそれで問題が起きるでしょうが、不正を発見したら逆にご褒美があるくらいの心持ちの方がいいのでは?という気にすらなっています。
そうじゃないと、今回のように組織が不正に対して断固とした態度を取るどころか、逆に隠蔽に動きかねません。
関連
■
理研・川合真紀理事、竹市雅俊センター長交代は降格でないと説明 ■
STAP問題渦中の野依良治理研理事長、1年前は論文捏造不正を批判していた ■
野依良治理研理事長がやっと辞任 でもSTAP細胞問題は理由になし ■
文科省の影響強かったSTAP細胞問題 理研の責任は国・政治家の責任でもあった ■
名誉毀損訴訟で発表文書削除 理研が小保方晴子氏を恐れた理由? ■
研究不正疑惑についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|