2021/08/02追記:
●早稲田大学がやっていることは、ニセ学位をカネで売る学位商法
●日大が必要な単位を取得しなかった学生を多数卒業させてしまう
●「質保証の伴った教育」掲げる文科省、なぜか日大を問題視せず
2022/01/01追記:
●単位不足の学生に融通する先生は良い先生?千葉大学の対応は… 【NEW】
●テストと卒論が適当と自慢する日本 村上春樹も不正で大学卒業?
2018/11/15:村上春樹さんが大学の公的な記者会見で、問題外な内容をに固有名詞を挙げながら、何かの戦果であるかのごとくに語っていたとのこと。日本ではよくある「テスト(卒論)が適当だったけど受かった」という自慢なのですけど、この手の話であってもかなりハイレベルな内容でした。
「・・・テストも準備せずに受けて、問いも読まない。答案用紙の裏に、自分の書きたいことをぎっしり書いて出したら、点をくれました」
「卒論も、参考文献なんか1冊も書かずに、1週間で原稿用紙100枚をでっち上げで書いた・・・」
この話があった記事は、"村上春樹の無自覚な不正学位取得会見が示す病根"(伊東 乾 11/13(火) 6:00配信 JBPRESS)というタイトルで、最初大げさだと思ったものの、内容を見て驚きました。このレベルなら確かに「不正」と言って差し支えないでしょう。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181113-00054648-jbpressz-soci
●納得?不正が行われていたのはコピペ大学こと早稲田大学だった
上記の村上春樹さんのエピソードのうちテストは明らかに不正とわかるものですね。問すら読まずに自分の書きたいことしか書いていないのですから、テストの意味をなしていません。したがって、こういう人には単位を与えてはいけませんでした。教員による不正採点だったといえるわけです。
記事の作者である伊東 乾さんは、不正採点を行った教員は、当然責任を問われ、また取得した不正単位は剥奪、卒業証書は返還し、卒業資格停止が妥当だと指摘していました。かなり厳しい指摘ではあるものの、本来は不正なのですから正論ではあります。同時にこれを問題視せずに報じているマスコミも問題だとしていました。
なお、記者会見は早稲田大学で行われたもので、村上春樹さんの母校。つまり、不正が行われていたのは早稲田大学です。STAP細胞の小保方晴子さんなど、コピペ博士論文が多発して不正な博士授与が疑われた早稲田大学であり、非常に「らしい」話になっています。
(関連:
常田聡研究室など盗用論文多発の早稲田大に擁護、コピペは普通)
●卒論をOKにしてくれた先生に村上春樹氏「このひと、ボケてるな」
こうした明らかな不正を問題視せずにそのまんま報じてしまっていたマスコミの一つである産経新聞から、伊東 乾さんがもう少し村上春樹さんの武勇伝を引用していました。うちでは、そこからさらにわかりやすいところだけを抜き出し、一部補足しながら紹介します。
「僕は一応、(早大の)文学部の演劇科を出ていますが、あんまり大学に出ていた記憶がないんです。ストライキとかゴタゴタが続いて、授業があんまりなかったし、出席日数がなくてもレポートを出せば単位をくれた時代でした」
「ラシーヌ(17世紀の劇作家)の講義を取っていました。(中略)授業に出られない事情(ジャズ喫茶の仕事をしていたため)を説明したら、『じゃあ、君の店に一度行ってみよう』ということで、(ジャズ喫茶のあった東京の)国分寺に来てくれた。(中略)店を見て、『君もいろいろ大変だなあ』って、スッと単位をくれた。いい人でしたね。ラシーヌなんて、1行も読んだことなかったけど」
そういえば、最近、過去投稿の
経歴詐称・修士論文4枚の櫻井眞審議委員、無名で謎の人物だったに「拍手」をいただいていました。この村上春樹さんの関係で読まれていたのかもしれません。本来でしたら、不正のような単位の取得は問題視されるべきものです。
あと、不正な単位の取得問題とはまた全然違う話なのですけど、伊東 乾さんは、最後の「ラシーヌなんて、1行も読んだことなかったけど」や卒論をOKにしてくれた先生への「このひと、ボケてるな」といった発言を挙げて、村上春樹さんの低劣さも指摘していました。
●早稲田大学がやっていることは、ニセ学位をカネで売る学位商法
2021/08/02追記:通常、ニセ学位というのは、実際に就学せずとも金銭と引き換えに高等教育の「学位」を授与すると称する機関・組織・団体・非認定大学のことをいいます。英語では、ディプロマミル、または、ディグリーミル。こうした商売そのものは、学位商法とも呼ばれるそうです。
こうしたニセ学位を売る商売は日本でもあるんですよ。
教育再生実行会議メンバーがヤバイ 差別,ニセ学位,飲酒運転擁護,研究不正擁護などで書いたように、なんと安倍政権が教育について話し合うために選んだメンバーの中のにも、ニセ学位を買っている人がいました。タイトル見てわかるように、安倍政権の教育再生実行会議のメンバーは他もひどいんですけどね。
最初のときに書いていませんでしたが、村上春樹さんの例や小保方晴子さんや他の早稲田大学学生たちのコピペ論文で学位を取得していたことは、このような「ニセ学位」の類型と言って差し支えないと思われます。本来は学位を与えるに値することをしていない学生らに、大学がカネで学位を売っている…という形です。
先程のニセ学位の説明は、
ディプロマミル - Wikipediaからでしたが、Wikipediaによると、入学卒業が非常に容易な大学を皮肉をこめてこ呼ぶこともあるともされていました。このような転用した言い方がみられるのは、アメリカ合衆国の大学では、入学は容易だが卒業認定は厳格なのが普通であるためとも説明されており、この意味では日本のほとんどの大学がディプロマミルかもしれません。
●日大が必要な単位を取得しなかった学生を多数卒業させてしまう
こうした比喩的な意味ではない、ニセ学位的な問題が新たに発生しました。
日本大学、必要な単位未取得の卒業生が続出、事実を公表せず…文科省は協議し“不問”に(松岡久蔵/ジャーナリスト)という記事が出ていたんですよ。ただ、どうも意図してやったわけではなく、ミスしたというものではあるようですね。とはいえ、問題が起きたにも関わらず、日本政府が問題視しない…というのは、不可思議な話です。
<日本大学で、再び問題が明らかになった。大学側のミスにより、商学部で不適切なかたちで単位を取得してしまった学生が続出し、そのまま「卒業生」となったケースもあることが大学関係者への取材でわかった。日大側が文部科学省に報告したところ、行政指導などはなされず不問となったという>
<問題となったのは、商学部の「税法」と「商法」。2018、19年度の学部要覧に誤って「選択必修科目」(引用者注:本来は自由科目)として記載され、履修システムもそれが反映されたものになってしまった。この結果、学生の履修登録も誤ったものになり、本来であれば卒業に必要な単位を取得できていない学生が続出し、卒業生も出てしまった>
<これ以外に、政治学でも履修をめぐるトラブルが発生した。2020年度のカリキュラム改正で1年生は「政治学」の科目について「政治学1」「政治学2」の順番で履修しなくてもよくなったのだが、それが許されない2年生以上でも適用されるように商学部当局が誤ってシステムを設定。年度途中でミスに気付いたが、履修登録のやり直しや補講などの措置を取らず卒業させてしまったという>
ミスであるとはいえ、本来あってはいけないことが起きたにも関わらず、政府はなぜか甘々。日大が文科省と協議した結果、「法令上問題ない」との回答を得て、学生は追加履修の必要もなくなり、卒業生についても卒業資格は有効に。これだけなら学生への温情と見れるのですが、なんと日大側に行政指導すらなかったとのこと。日大に対して甘すぎるでしょう。
●「質保証の伴った教育」掲げる文科省、なぜか日大を問題視せず
ある日大の教員は「大学のカリキュラムは事前に文科省に届け出なければならず、それを大学の都合ですぐに変えることがまかり通ると、学生と教員に混乱を招きます。今回は結果的に卒業生も含めて追加履修の必要はなくなりましたが、そうなる可能性もあったことを考えれば、事態は重いといえます」と指摘。正論でしょう。
また、「政治学2だけ取得してればOK」とされた「政治学1」「政治学2」問題も疑問。というのも、商学部の旧カリキュラムの学部要覧には「1」「2」の付された科目については「『1』の科目の履修歴を前提として『2』の履修ができる」とされ、「『1』の科目を履修中止した場合は、『2』の履修ができなくなる」と明記されていました。これにより、真面目に1、2の順で両方単位取得した学生との間で不公平さが生じたわけです。
先の教員は「これがまかり通るなら、続きものの授業は最後編のものだけ履修すれば卒業資格があることになって、まともな教育などできるはずがない。特に政治学1は履修希望者が多いため抽選制になっており、落選して政治学2の履修にまで進めない学生が多く、不公平で気の毒だ」と憤っていました。
また、ある私大関係者は、文科省が今回の問題を不問としたことについて、「大体、文科省は近年盛んに学生の『入口から出口まで質保証の伴った大学教育の実現』をスローガンとして喧伝していますが、これでは保証なんてできるはずがない」と指摘。「入口から出口まで質保証」という自らのスローガンを台無しにする対応をしたようです。
●単位不足の学生に融通する先生は良い先生?千葉大学の対応は…
2022/01/01追記:千葉大学の教授が2014年度に、当時4年生だった学生1人が教員免許取得に必要な科目履修が不足していたことから、学生が科目を履修しているとする文書を勝手に作成したということがありました。事務担当者に「補講をする」などと言って単位判定に必要な資料を作らせ、2015年3月の教授会で1科目2単位分を認定しています。
村上春樹さんを救ったのと同じタイプの先生で、いい先生じゃん!と考える人もいるでしょうが、千葉大学はそういった判断はしませんでした。千葉日報オンラインの
資格単位を不正認定 千葉大教育学部の50代教授を停職 2019年5月10日 19:12によると、この教育学部の50代男性教授を停職4カ月の懲戒処分にしています。
教授も大学の調査に不正を認め、「(学生の単位不足が)自分の責任になると思い勝手にやった。事態の重大さに思いが至らず、安易な気持ちだった。申し訳ない」と話していたといいます。学生に無事卒業させることが目的化してしまうと、教育レベルを下げてしまうことにもなり、日本にとって良くないことでしょう。
【本文中でリンクした投稿】
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教育再生実行会議メンバーがヤバイ 差別,ニセ学位,飲酒運転擁護,研究不正擁護など ■
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