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ウエルシアが売上日本一 マツキヨ、サンドラッグ、ツルハを超える


 ドラッグストアの話をまとめ。<ウエルシアが売上日本一 マツキヨ、サンドラッグ、ツルハを超える>、<ウエルシア参加の高田薬局は元マツキヨグループという因縁>、<マツモトキヨシが一気に4位まで低下、5位転落目前の理由>、<食品や日用雑貨が安いのになぜバイトの時給は高くできる?>などをまとめています。

2023/03/18追記:
●ドラッグストアだけでなく家電量販店もスーパー化?菓子や飲料販売 【NEW】


●ウエルシアが売上日本一 マツキヨ、サンドラッグ、ツルハを超える

2015/3/18:以前もウエルシアの話を書いたつもりでいたのですが、検索しても見つからず。やってなかったみたいですね。ドラッグストアの話そのものがありませんでした。

 ウエルシア自体知らない人も多いんじゃないかと思うのですが、この度、売上高でウエルシアホールディングス <3141> がマツモトキヨシホールディングス <3088> を抜き業界トップに躍り出たそうです。

<ウエルシアとドラッグストア業界「ビッグスリー」の売上>
ウエルシアホールディングス 6232億円
マツモトキヨシホールディングス 5351億円
サンドラッグ <9989>  5284億円
ツルハホールディングス<3391>  5275億円
(ドラッグストア戦国時代!? ウエルシアがマツキヨを抜き「業界トップ」に立てた理由 ZUU online / 2017年6月18日 17時10分より)


●売上高増加の理由は単に合併したから、次々に買収して業界再編

 また、このウエルシアがイオングループだというのは、さらに知らない人が多いかもしれません。TOBをかけて子会社化したのは2014年のことでした。

 イオンは本業の方で苦戦しているものの、ドラッグストアは好調なのでしょうか? 売上高が増えた理由はどうなっているのだろうと思ったら、まず買収で大きくなったっというおもしろみのない話が出てきました。

 ウエルシアは2015年にハックドラッグ、タキヤ、清水薬局を次々に買収して業界再編を進めていたとのこと。イオンらしいっちゃらしいのですが、イケイケの拡大路線です。


●ウエルシアは拡大路線で大丈夫なのか?

 ウエルシアが取っている単純な拡大路線は、個人的に好きじゃありません。危うさを感じます。

 ただ、記事によると、イオンはウエルシアに「調剤薬局を組み込んだ成長」を求めているとのこと。"ドラックストア業界の総売上は6兆円程度で、現状ではコンビニ業界の9兆円に及ばない"ものの、"5兆円規模と言われる調剤薬局市場を取り込むことができれば、コンビニ業界との競争を有利に進めることが可能"と見られているためです。

 また、"今後、調剤薬局とともに医薬品の宅配、地域医療参画、介護関連事業などのヘルスケア分野を強化していく"としていました。


●ウエルシア参加の高田薬局は元マツキヨグループという因縁

 あと、ウエルシアホールディングス - Wikipediaを見ていたら、以下のような話がありました。

"2008年9月1日に、ハピコム(旧イオン・ウエルシア・ストアーズ)のメンバーであるウエルシア関東と元マツモトキヨシグループの高田薬局との共同出資により、グローウェルホールディングス株式会社が設立された"

 母体の一つが、マツモトキヨシグループから離反したという因縁があるんですね。

 高田薬局 - Wikipediaの方を見ると、"2001年5月30日にマツモトキヨシとはじめて業務提携を行い、後のマツモトキヨシグループを形成する礎となった"ということで、マツキヨとの関係はむしろ深かったようです。

 ただ、物流共同化の効果があまり出ていなかった模様。これが離脱の理由となったものの、前述の共同持株会社設立は、"マツモトキヨシ側への事前説明なし"のものでした。"背信行為を行ったとしてマツモトキヨシ側から業務提携を解消"されたともあり、めちゃくちゃドロドロした感じ。

 マツキヨとしては、絶対ウエルシアだけには負けたくないというのがあるかもしれません。


●マツモトキヨシが一気に4位まで低下、5位転落目前の理由

2018/05/31:2位に転落したマツモトキヨシですけど、その後すぐに4位まで落っこちていました。さらに九州地盤のコスモス薬品と差がなく、5位転落も目前といったところまで行っています。

【ドラッグストア主要5社の17年度の連結業績】※以下、社名(決算期)…売上高、営業利益(前期比の伸び率、▲はマイナス)
・ウエルシアHD(2月決算)…6952億円(11.6%)、288億円(19.7%)
・ツルハHD(5月期予想)…6700億円(16.1%)、399億円(13.1%)
・サンドラッグ(3月決算)…5642億円(6.8%)、360億円(5.9%)
・マツモトキヨシHD(3月決算)…5588億円(4.4%)、335億円(18.1%)
・コスモス薬品(5月期予想)…5524億円(9.9%)、200億円(▲10.1%)
(なぜ不動の首位マツキヨは突然4位に没落したのか?ウエルシア、超コンビニ化でダントツ1位に Business Journal / 2018年5月30日 0時0分より)

 ドラッグストア業界そのものは好調。日本チェーンドラッグストア協会の2017年版「日本のドラッグストア実態調査」によると、全国の総店舗数は1万9534店。M&A(合併・買収)によって企業数は減少傾向が続いているが、直近の2年間で1000店以上が新たに出店しています。

 2017年(暦年)の推定売上高も前年比5.5%増の大きな伸びとなる6兆8504億円。売上高が6兆円を割った百貨店を上回ります。調剤分野への取り組みや食品の取り扱い強化に加え、大都市でのインバウンド需要を取り込んだと分析されていました。

 では、なぜマツモトキヨシが駄目なのか?と言うと、実はそもそも駄目じゃありませんでした。都市部の店舗が多いことから訪日外国人観光客の消費が好調で3期連続で最高益を更新。結局、最初の話のように、競合他社のようにM&A路線を採っているかいないかの差だけだったようです。

2019/02/19:2012年度と2017年度のドラッグストアチェーン連結売上高順位比較がありました。この5年でガラッと変わっていますね。しかも、前回の追記の通り、マツモトキヨシはさらに下がりそうです。

<2017年度のドラッグストアチェーン連結売上高順位>
1位 ウエルシアホールディングス +6
2位 ツルハホールディングス +2
3位 サンドラッグ -1
4位 マツモトキヨシホールディングス -3
5位 コスモス薬品 +1
6位 スギホールディングス -3
7位 ココカラファイン -2


●食品や日用雑貨が安いのになぜバイトの時給は高くできる?

2019/02/19:上記に追記した順位は、ウエルシアが突く、王者コンビニの3つの弱点:日経ビジネス電子版(内海 真希 2018年10月25日)という記事から引用したものでした。記事のメインはドラッグストア同士の争いではなくて、ウエルシアがコンビニエンスストアを脅かすという話だったのです。

 郊外型だったウエルシアは、都市型立地店を強化。24時間営業で「薬」が加わった他は、ほぼコンビニエンスストアという小型店を都市部に積極的に出し始めました。そして、このウエルシア小型天井扇がより脅威だというのが、コンビニエンスストアの3つの弱点を突いていることだそうです。

(1)コンビニは価格が高い
 もともとドラッグストアは、トイレットペーパーなど日用雑貨の安値販売には定評がある。ウエルシアの場合は、さらに食品を低価格販売することで、コンビニやスーパーから顧客を奪っている。

(2)コンビニはバイトの時給が安い
 コンビニの場合、個々のフランチャイズチェーン加盟店は経営体力がさほど強くはなく、バイト募集にかける経費や時給の設定などにも限界がある。例えば、ウエルシア板橋赤塚店は、すぐそばにあるセブンイレブンより時給が2割以上も高く、人員を集めるのに有利になっている。

(3)コンビニは超高齢社会に対応できていない
 ウエルシアは全店舗の約7割に当たる1183店舗で処方箋調剤の機能を備えている。栄養士の採用にも力を入れており、高齢者が健康相談できる「かかりつけ薬局」の役割を担う。

 コンビニと違って安い価格で販売しているとなると儲けが少なく、普通は人件費にお金をかけられないような気がします。しかし、逆に高いんですね。この理由は、ウエルシアが日用雑貨や食品で稼いで成り立っている会社ではないため。本業は医薬品であり、それ以外を捨てて攻めても大丈夫なのです。

 売上高粗利益率では、大衆薬と処方箋調剤がともに40%弱。高い利益率で販売できているので、他を安くできるのです。ただ、化粧品も33%と利益が大きいのもポイント。食品は客寄せで、特売みたいなものですね。アマゾンやアップルなんかがそうですけど、一番怖いのは同業他社ではなくこうした異業種参入。儲けゼロで攻めて他で儲けるということができるためですす。


●コンビニの次はドラッグストア?ウエルシアが支持される理由

 それでもドラッグストアが、コンビニエンスストアを脅かすというのは大げさなような気がしました。ウエルシアは確かに伸びていますが、前述の通り、合併が主な理由っぽかったためです。ただ、今回の記事によると、ウエルシアなど大手がけん引してドラッグストアの市場が急ピッチで伸びているのに対して、コンビニ市場は鈍化が鮮明とのこと。業界内の奪い合いではなく、他から奪ったり、作り出したりしている部分が大きいみたいですね。マジで伸びているようです。

 3つの理由のうち、「超高齢社会に対応できていない」は最初よくわかりませんでした。ただ、いちよし経済研究所の柳平孝主任研究員によると、「ウエルシアは食品や深夜営業の拡充により来店頻度を高め、処方箋調剤を備えて固定客を増やした」とのこと。信頼感を上げ、熱心なファンを増やすのに役立っている模様。そういう効果があるとは思いませんでした。

 また、柳平孝主任研究員は、「それにより、他企業に先駆けて、人口1万人程度の小商圏でも採算が取りやすくなっている」とも分析。実は、これが予想外に大事です。

 もともとドラッグストアは人口3万~5万人という大きな商圏で事業展開していました(90年代ごろ)。ところが、小商圏でも商売が成り立つとなると、例えば小売店がぶつかり合う激戦区のすき間に出店が可能になるなど、出店余地は広がることに。で、都会にもどんどん進出ということになってきました。

 この効果が大きくなるのはむしろ今後なんじゃないかと思うのですけど、業界全体が大きく伸びているというのは、こういった今まで取れなかった需要に対応しているためかもしれません。


●「何でもドラッグストアが一番安い」は錯覚…実際にはものによる

2022/10/24追記:前回の追記では、ドラッグストアのものは安い…という話を掲載。私もそういったイメージはあり、よく買い物していました。ただ、ネットで見かけた「大体何でもドラッグストアが一番安い」という主張には首を傾げます。よく見ると安くない商品もあって一概には言えないため。私は使い分けしていました。

 小売店全般としても「すべての商品を安くする必要はない」と言われています。というのも、ある程度の品数以上安い商品があれば、人々に「安い店」というイメージを抱いてもらうことができるため。これにより、本当に安い商品と同時に本当は安くはない商品も買ってもらえ、十分に利益を出す…ということができます。

 あと、北海道に戻ってからは、地域差もあるかな?と感じました。私の住んでいる地域で多いドラッグストアであるツルハドラッグやサッポロドラッグは意外に安くありません。そのチェーン店特有の問題というよりは、地域的な問題でそこまで激安にしなくても十分に利益が出せる競争環境なのだと思われます。

 私の場合は結局個別に商品を比較しており、ツルハドラッグでも安い商品はちゃんと見つけられました。例えば、地元だと豆腐はツルハドラッグが最安値。毎回ツルハドラッグで買うようにしていたんですよ。ところが、2022年10月下旬に買い物に行ってびっくり! 豆腐の値段が税別で55円になっていたのです。

 55円は全然高くないものの、以前よりは明らかに高い価格。帰って1回前のレシートを確かめると、税別で42円でした。一気に13円も上がっており、ショックです。ツルハドラッグを重宝していたのは、楽天の期間限定ポイントの使い切りのためであり、対策を考える必要あり。最安値でなくなったので豆腐も比較し直しですね。
(2022/11/05追記:その後、税別55円から税別52円に値下げ。これくらいの価格なら…と、再びツルハドラッグで買っています。でも、これからも価格変動がありそうな感じです。 2023/03/18追記:その後すぐツルハの値段を見たのか、近くのスーパーが値上げ。結局、ツルハドラッグが一番良くて、購入を続けています)


●ドラッグストアだけでなく家電量販店もスーパー化?菓子や飲料販売

2023/03/18追記:北海道苫小牧市のヤマダ電機に初めて行きました。他のお店のヤマダ電機に行ったのも10年近く前なので久しぶりですね。大塚家具を買収したので家具も置いているのでは?と見に行ったのですが、ソファが少しある程度で少なくて予想がハズレ。一方、驚いたのが、この店舗の一部がスーパーのようになっていたことです。

 スーパー化と言っても生鮮食品はなく、菓子・ドリンク・カップ麺など、日持ちするものばかり。ドラッグストアに近いですね。ヤマダ電機は家具の他、住宅や車など、家電以外のものもまとめて買ってもらう見事な戦略で復活。スーパー化したのも、ドラッグストアと同様に来店機会を増やしてもらうことで、家電も買ってもらおうという戦略かもしれません。

 ということで、狙いどころは良いと思ったのですが、これらの商品の価格を見て、狙いがわからなくなりました。どれもちゃくちゃ高いんですよ! これでは、購入頻度が高い商品を安くして来客機会を増やすことで、本業の商品を買う機会も作り出す…というドラッグストア的な形にはなりません。どういう狙いなのか、さっぱりわかりませんでした。


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