三原じゅん子の八紘一宇礼賛批判に反論！山東昭子は甘利明を擁護

2015/3/18：
●三原じゅん子議員「紹介したい大切な価値観、八紘一宇」で話題に
●そもそも八紘一宇とは…元は戦争批判者による造語だった？
●八紘一宇にも暴力団にもナチスにも学ぶべき点がある！
●三原じゅん子の八紘一宇礼賛批判に反論！その頼もしい援軍とは？
2016/1/22：
●自民党山東昭子、甘利明金銭授受疑惑の告発者を「ゲスの極み」と批判
●元女優・テレビタレントである山東昭子議員の経歴


●三原じゅん子議員「紹介したい大切な価値観、八紘一宇」で話題に

2019/08/07：政治関係の過去投稿が読まれなくて困っているので、ちょっとまとめ。なるべく関係ある人でまとめたいと苦労して、女優出身同士という共通点のある山東昭子さんと三原じゅん子さんをまとめました。山東昭子は最近、参院議長になっており、話題の方でもあります。

2015/3/18：自民党の三原じゅん子参院議員が参院予算委員会で「ご紹介したいのが、日本が建国以来、大切にしてきた価値観、八紘一宇（はっこういちう）であります」としたうえで、同理念のもとに経済や税の運用をしていくべきだと質問して話題になっていました。

　企業がグローバル資本主義の中で課税回避をしている問題を取り上げた中で、なぜか八紘一宇の話に。「八紘一宇の理念のもと、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済および税の仕組みを運用していくことを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、首相こそがイニシアチブを取って世界中に提案していくべきだと思う」と語ったそうです。
(三原じゅん子議員:「紹介したい大切な価値観、八紘一宇」　毎日新聞　2015年03月17日　00時46分（最終更新　03月17日　09時34分）より)


●そもそも八紘一宇とは…元は戦争批判者による造語だった？

　八紘一宇 - Wikipediaによると、八紘一宇（はっこういちう）は、"古代中国でしばしば用いられた慣用句"がベース。"『日本書紀』巻第三神武天皇の条に書かれた「掩八紘而爲宇」の文言を戦前の大正期に日蓮主義者の田中智學が国体研究に際して使用し、縮約した語"だそうです。

　ただ、津田左右吉さんの説によると、日本書紀の用法は、「（大和地方は服属したからさしあたって橿原に皇居を設けることにするが大和以外の地方はまだ平定しないから）日本の全土を統一してから後に、あらためて壮麗な都を開き、宮殿を作ろう」という意味だそうで、あまり美しい感じじゃありません。

　また、田中さんの"国体観は日蓮主義に根ざしたものであり、「日蓮上人によって、日本国体の因縁来歴も内容も始末も、すっかり解った」とも述べてい"ます。このため、"「日蓮を中心とした世界統一」を意味して田中が恣意的に造語した"という説も出てしまっているようです。

　それから、発案者の田中智學さんが戦争を批判していたという話も興味深いところ。田中さんの思想に反して、軍や政府によって戦争スローガンに使われてしまったというのは、非常に皮肉。是非三原じゅん子議員に紹介してもらいたい内容ですね。


●八紘一宇にも暴力団にもナチスにも学ぶべき点がある！

　とりあえず、なぜ今、八紘一宇が問題となるのか、というのは、この戦前の国のスローガンという部分。"八紘一宇は戦前、日本の侵略を正当化するための標語として使われていた"(ここのみ毎日新聞より)という認識なのです。

　似た話だなと思うのが、ナチスの話。ナチスは善悪は別として、組織として一時期大成功したのは事実だり、学べる点があります。しかし、以前、ナチスの宣伝戦略か何かを肯定的に捉えた方が非難を浴びていました。非常に気を遣うところなのです。

　また、昨年韓国の新聞が日本の暴力団の組織運営の巧みさについて書いたところ、日本のネットでボロクソに叩かれていました。八紘一宇はこれらと似た繊細な注意が必要かもしれません。


●三原じゅん子の八紘一宇礼賛批判に反論！その頼もしい援軍とは？

　そういったわけで、「言葉自体は問題ない。むしろ素晴らしい」という反論があると思われます。産経新聞なんかはてっきり擁護する記事を書いていると思っていました。しかし、どういうわけか下書き時には検索しても見つけることはできません。

　一方で、別の頼もしい援軍が現れて反論してくれていたのは発見。保守派の主張を活発に発信している新興宗教団体である幸福の科学さんです。

三原じゅん子議員の発言は問題? 「八紘一宇」は正真正銘の人類愛 | ザ・リバティweb　2015.03.18

同語は戦時中、近衛文麿内閣の下で掲げられた。その背景には、欧米の人種差別や植民地主義により、アジア諸国が大きな苦痛を受けていたことがある。日本はアジアの共存・共栄を目指す「大東亜共栄圏」を形成し、欧米の植民地支配を終わらせようとしていた。

この認識は、決して日本の独りよがりなものではない。

歴史学者でカーディフ大学教授のデービット・ウィリアムズ氏も、本誌2014年6月号のインタビューの中で、「八紘一宇」は決して侵略を正当化するものではなかったと主張。この言葉は、理念としては「普遍的な人類愛」、外交的には「アジアの安全保障」として理解すべきだと述べた。(中略)

そもそも先の大戦で日本の開戦のきっかけを作ったのは、アメリカだ。アメリカは日本に対して、国家の生命線である、石油などのエネルギー源の禁輸を行うなどして、日本を開戦に追い込んだ。侵略行為を受けたのは日本だ。

条件反射的に「八紘一宇」を問題視する日本の風潮には再考が必要だ。(冨)

　誠に正論ですね。感心した方は幸福の科学に入信して、ありがたい教えを広めていきましょう。


●自民党山東昭子、甘利明金銭授受疑惑の告発者を「ゲスの極み」と批判

2016/1/22：甘利明経済再生担当相をめぐる金銭授受疑惑に関し、自民党山東派の山東昭子会長は、「政治家自身も身をたださなければならないが、（週刊文春に）告発した事業者のあり方も『ゲスの極み』。まさに『両成敗』という感じでたださなければならない」となぜか主張。ゲスの極みはお前だろうという発言です。
(【甘利氏疑惑】「まさに『ゲスの極み』。」業者と「両成敗」を…自民・山東昭子氏　2016年1月21日 15時48分　産経新聞より)

　"甘利氏は昨年５月の記者会見で、人気ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のヒット曲「私以外私じゃないの」の替え歌を披露したことがある"とのこと。なので、『ゲスの極み』は後述のバンド名から。『両成敗』はそのニューアルバムと、いろいろとかかっています。

　なので、うまいこと言ったろ…というつもりなのかもしれませんが、この人、収賄疑惑の甘利明大臣と同じ自民党の議員ですからね。

　「両成敗」とは言っているものの、甘利大臣への批判を告発者サイドへも向けることで分散して、大臣を援護するものに見えます。元自民党議員でも身内の擁護くさいですが、最低限、議員辞職してから言ってください。これに関する検索で出るのが産経新聞とサンケイスポーツだけというのが、また援護くさいですね…。


●元女優・テレビタレントである山東昭子議員の経歴

　真面目な話に戻って、山東昭子議員の経歴について。私は知りませんでしたが、タレントでもあったんですね。山東昭子 - Wikipediaによると、山東 昭子(さんとう あきこ)さんは、、1942年5月11日生まれで、元女優・テレビタレント。

　現時点で、参議院史上最多の7回当選を果たし、国務大臣科学技術庁長官（第46代）、参議院副議長（第27代）、自民党両院議員総会長等を歴任。番町政策研究所（山東派）会長に就任し、自民党結党以来初の女性派閥領袖となった方だそうです。

　ただし、「曾祖父は元神奈川県参事の山東直砥（別名山東一郎）、大叔父は元衆議院議員の児玉亮太郎」ともあったので、世襲的な性格もあるのかもしれません。「選択的夫婦別姓制度に反対」「2008年、参議院本会議で、未婚の日本人父親と外国人母親との間に生まれた子供が後に認知されれば日本国籍を取得できるようになる国籍法改正案の採決を棄権」という保守派らしい信条も見られます。

　結局、当時の民主党政権に負けたのですが、尖閣諸島購入問題に関わっており、その中で石原慎太郎さんと政治信条を同じくするという、やはり保守派要素が強い感じの説明も見られます。

＜2012年4月に発表された東京都による尖閣諸島購入構想では、水面下で石原慎太郎東京都知事と地権者の男性との半年にわたる極秘会談を仲介した。青年会議所の活動を通じて30年来の親交があった地権者から「国を守るために所有し続けてきたが、個人で守っていくのは限界がある」「政府に買い上げてもらいたいが、今の政府は信用できない」などと今後の対応について相談を受けた山東は2011年9月以降、政治信条を同じくする石原知事と地権者との三者で数回にわたり会談。その結果、地権者が売却を決意し、石原知事が訪問先のワシントンで発表した＞

　それほどゲスいエピソードはなかったのですが、今回の発言は今後の収賄の隠蔽にも繋がるおそれがあり「ゲスの極み」でした。もっと批判されて良いと思いますけどね。


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