2015/3/25:
●住宅購入推奨のマスコミ記事は少ない たまにあっても詐欺まがい
●住宅は賃貸より購入が75% !アンケートでは購入派が圧勝
●想定外の転居によるリスクなど…住宅購入のメリットとデメリット
●賃貸より住宅購入!家を買う理由ランキング上位が間違いだらけ
●みんなが家を買う理由1位「家賃がもったいない」は正しい理解?
●家を買う理由2位と3位は「老後の安心のため」「家は資産になるから」
●「家を買ってこそ1人前だと思うから」がなんと5位にランキング
●住宅購入推奨のマスコミ記事は少ない たまにあっても詐欺まがい
2015/3/25:住宅は、賃貸で住むのがいいのか、購入するのがいいのか?という「永遠のテーマ」。うちでも何度もやっています。ただ、私が読むマスメディアの記事では大抵「賃貸の方が良い」という結論。もう少し住宅派の意見も聞かないと…と気になっていました。
そんな中でやっと購入派の記事を見つけた!と読んでみたら、悪徳的な話をしているなど、やっぱりまともな推奨記事がありません。例えば、
命を守れない賃貸…あなたはそれでも持ち家ではなく賃貸を選びますか?がそういうものでした。
たまには購入の方が良いという記事を紹介したいと思っていたので、今回のものも購入派のつもりで、
住宅は「賃貸よりも購入がいい」のか?|ダイヤモンド・オンライン( 山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]【第363回】 2015年1月21日)という記事をストックしていました。でも、私がタイトルを見て勘違いしただけで、これも別に購入派ではなかったようです。
●住宅は賃貸より購入が75% !アンケートでは購入派が圧勝
前述の通り、メディアでは賃貸派が多かったので驚いたのですが、アンケートによると一般の人の75%が賃貸より購入という考えなのだそうです。購入派の方が圧倒的に多いんですね。
<雑誌などで繰り返し取り上げられる、いわば「永遠のテーマ」の1つだ。先日、『日本経済新聞』(1月19日朝刊)に全国の20代~60代の男女1000人を対象としたインターネットのアンケート結果(楽天リサーチが実施)が載った。
「家は買うか借りるかどちらがよい?」という質問に対する答えは、回答者のほぼ4分の3の74.7%が「買う方がよい」で、「借りる方がよい」という人は25.3%だった。数的には「購入派」が圧倒的に優勢だ>
作者の山崎元さん自身は、"「中立派」のつもりなのだが、世間には「購入派」が多いので、雑誌の記事などでは相対的に「賃貸派」に分類されることが多い"としていました。私の読む記事では大体賃貸推薦なんですけど、識者でも本当は購入派が多いんでしょうか。
賃貸と比較していない購入関係の記事そのものは多いので、購入派の人は比較記事を書かないということかもしれません。そもそもほとんどが購入派なのですから、読者も賃貸のことは頭になさそうです。本当は比較しないと良くないんですけどね。
●想定外の転居によるリスクなど…住宅購入のメリットとデメリット
なお、山崎元さんが中立だというのは、原則的に自宅の購入というのは「自分が店子の不動産物件への投資」だと捉えているためみたいです。投資であれば一概に得・損とはいえません。直接そう書いているわけではないですが、単純な話、価値より安く買えればお得って意味じゃないかと思われます。
山崎さんは他に住宅ローン金利の話もしていました。あと、記事にはなかったですけど、インフレなどの動向で今後家が上がるか下がるかというところもあるでしょう。完全に投資です。
「投資」などと言われてしまうと、「売る目的じゃない、自分が住む」と思われるかもしれません。しかし、山崎さんは想定外の転居の可能性があることを指摘しています。私が購入を好きじゃないのもの、このような状況が変わるリスクに弱いためです。これはデメリットですね。
あと、お金の専門家らしい視点で、購入のメリットも指摘していました。知識として知っていたものの、購入か賃貸かの話では忘れていたので、なるほどと思いました。
<わが国の場合、不動産を通じた相続は、現金などの金融資産による相続よりも、相続税の上で有利になることが多い。不動産には、いわば「相続の通貨」と言える側面がある>
●賃貸より住宅購入!家を買う理由ランキング上位が間違いだらけ
"住宅の「購入」を良しと考える人々の「理由」を見て"いました。以下の通りです。ただ、これ、間違いもあります。すべて間違っているというわけでもないものの、注意が必要なのです。
【家を買う理由ランキング・ベスト5】
1位「家賃がもったいない」 60%近く
2位「老後の安心のため」
3位「家は資産になるから」
4位「賃貸よりもいい家に住めるから」
5位「家を買ってこそ1人前だと思うから」
(注:複数回答あり)
「すべて間違っているというわけでもない」と書きましたが、1位「家賃がもったいない」は完全に間違いです。さっきも書きましたね。価値より安く買えた場合に限りお得なのであって、必ず得になることは意味しません。
ここらへんを憎らしいことに住宅を売る人らは利用してきます。私が住宅・マンション購入嫌いなのは、汚い人が多い業界という印象が強いのもありそうです。さっきリンクした
命を守れない賃貸…あなたはそれでも持ち家ではなく賃貸を選びますか?もひどい話でした。
●みんなが家を買う理由1位「家賃がもったいない」は正しい理解?
「家賃がもったいない」について、山崎さんは、<この理解はいささか心配だ>としています。また、不動産業界がこれを積極的に悪用していることも指摘していました。
<不動産業者には、この点を正確に理解していない客が相当数来るので、彼らが購入に向けて顧客の背中を押す場合、たとえば「賃貸で住むと、いくら家賃を払っても家は自分のものになりません。購入すると、ローンが終われば(この物件は)あなたのものになります。自分のものにならないものへの支払いと、自分のものになるものへの支払いと、あなたはどちらが好きですか……?」といった言辞を弄する。
そもそも、家の適正価格の計算ができないまま、「買えたら買った方が得なのだ」と信じて、自分に買えるか、買えないかだけで不動産購入の可否を考える人がいるとすると、高値で買ってしまいそうで心配だ(不動産業者から見ると、こういう客こそが「狙い目」なのだが)>
低金利下で、変動金利で住宅ローンを利用して、「なんとか買える」ということを判断根拠に不動産を買うのだとすると、何とも危ないともしていました。うちでは、
家賃と同じ返済額の住宅を購入しはいけない ローン返済地獄の罠というのもやっています。一生で一番高い買い物なのに、落とし穴だらけですね。
●家を買う理由2位と3位は「老後の安心のため」「家は資産になるから」
一方、2位「老後の安心のため」3位「家は資産になるから」は、完全な間違いではないという話になります。ただ、後述するように、これらもかなり注意が必要なところ。やはり落とし穴があるんですね。
<長年住宅ローンを返済する人には、仮にそれが損な条件で買った住宅であるとしても、結果的に強制的な貯蓄を長期間実行する強みがある。仮に、購入した不動産の価格下落によって、結果的に利回りがマイナスの貯蓄になるとしても、同時期にローン返済額相当の金額を貯蓄をせずにすっかり使ってしまった「キリギリス的人生」の人に較べると、不動産が資産として残る分、老後はより安心だ>
ただ、結局、"不動産の購入価格が適価(以下)になるのか否かが重要だ"という結論になります。これから人口が減って空き家が増えることなどを考えると、老後に住む場所がないといったことは、あまり考える必要がないのではないか、としていました。
また、上記の肯定的な見解は、かなり購入派に有利な条件で書いています。何しろ<貯蓄をせずにすっかり使ってしまった「キリギリス的人生」の人>というダメダメな人との比較ですからね。所有する「資産」は不動産でなくともいいと指摘されているように、住宅を購入する強い理由にはなりません。
●「家を買ってこそ1人前だと思うから」がなんと5位にランキング
家を買う理由の4位は「賃貸よりもいい家に住めるから」、そして、5位は「家を買ってこそ1人前だと思うから」でした。5位はもうダメなのがわかりますね。いかにも不動産屋の口車に乗せられて高い物件を買わされそうな人でしょう。
一方で、4位「賃貸よりもいい家に住めるから」は山崎さんが一番肯定的なものでした。「お金をかけるとその通りの場合が多いし、自分の所有する不動産だとより自由に使える面が確かにある」とのこと。お金持ちの場合の選択肢ですけどね。
さらに、日本の賃貸には致命的な弱点があるというのも理由なようです。「家族向けの良い賃貸物件の供給が少ないことは、日本の不動産市場の欠点だ」と山崎さんはおっしゃっていました。ただ、「人口が減って空き家が増えることなどを考えると」とあったように、緩やかな改善方向に進むかもしれません。
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