2015/3/28:
意外に反対や棄権が多い北朝鮮による日本人拉致問題の決議
親日国ベトナムやロシアなどが日本提出の案不支持
親日国だと言われるインドネシアやインドなど14カ国が棄権
以前の決議も棄権が多かった…反対21、棄権60の決議も
2014/1/15:
米が靖国参拝に失望 「大使館が出しただけ」と矮小化したら米国務省が同じ声明
共和党政権時代にも問題児扱いされていた安倍晋三首相
やはり警戒されてる?アメリカに冷遇されている証拠が多い安倍首相
台湾、シンガポール、ベトナム、EU、ロシアも靖国参拝で声明
靖国参拝で親日国ベトナムまで距離を置かれることに
2014/7/21:
フィリピン、ベトナム、マレーシアは中国を警戒し日本に期待?
領土問題によるベトナムと中国の関係悪化 日本にとっては得?
ベトナムとの政治的な対立、中国企業も大弱り
●意外に反対や棄権が多い北朝鮮による日本人拉致問題の決議
2015/3/28:
国連人権理事会:「北朝鮮の深刻な侵害」改善求め決議 - 毎日新聞(2015年03月27日 21時42分)によると、47カ国で構成する国連人権理事会は、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開いた会合で、北朝鮮における「組織的かつ広範で深刻な人権侵害」を非難し、同国に状況の改善を求める決議案を
賛成27、反対6、棄権14で採択しました。
9月の会合で北朝鮮による日本人ら外国人の拉致を討議することを決めており、北朝鮮による日本人拉致問題が念頭にあるようですね。人権理は2014年3月、日本人らの拉致を含む北朝鮮の人権侵害を「人道に対する罪」と指弾し、国際社会に行動を促す決議案を採択。今回の決議はその後の国際社会の動きを踏まえ、北朝鮮に圧力を強めるのが狙いがあるそうです。
この決議案は10年以上連続して採択されているらしいので、今に始まった話ではないかもしれません。しかし、今回ニュースを見ていて気づいたのが、上記のような反対や棄権の多さでした。
●親日国ベトナムやロシアなどが日本提出の案不支持
外務省によると、反対国はボリビア,中国,キューバ,ロシア,ベネズエラ,ベトナムです。(
第28回人権理事会における北朝鮮人権状況決議の採択について(外務大臣談話) | 外務省 平成27年3月27日)
中国は不思議じゃないでしょう。ロシアにはなぜか好意的な日本人が多いですけど、中国と同じ行動を取ることが多いです。とはいえ、ロシアが親日国という主張まではあまり見ないよなと思いつつ検索すると、プーチン大統領は日本が大好き!とかロシア人は日本好き!とかいうページは見つかりました。
親日・反日というのが、そもそも戦中の売国奴思想を思わせてどうかなというところもありますが、ベトナムは親日国だと言っている人が実際多いですので、もっと意外だと思われます。
●親日国だと言われるインドネシアやインドなど14カ国が棄権
外務省では棄権した国について書かれていません。一般の報道では、反対国を数か国紹介するだけでさらに少ないです。ただ、棄権した国についても少し触れていますので、これは外務省にない情報です。
たとえば、北海道新聞は、"賛成は米国や韓国など27カ国で、反対は中国やロシアなど6カ国、棄権はインドや南アフリカなど14カ国だった"としていました。
(
拉致問題の早期解決要求 国連人権理、新決議採択 | どうしんウェブ/電子版(国際) 03/27 21:37)
インドも結構親日国だと言われる国です。特に今のモディ首相とは同じ超保守派同士ということで、安倍晋三首相支持者らがシンパシーを感じているように見えます。
ただ、インドは中国と仲が悪いように見えて協力することがある他、アメリカとの距離を置く場面も見られます。日本人はそう考えていないでしょうが、インドは結構自らを大国と意識していて、独自外交を心がけているという説もあります。
他に日経新聞が、"中国、ロシア、ベトナムなどが反対した。インドやインドネシアは棄権した"と伝えていました。(
国連人権理事会、北朝鮮に解決求め決議 拉致など討論へ :日本経済新聞 2015/3/27 23:23)
インドネシアにいたっては、「インドネシアが世界最大の親日国家」という最大級の親日国という見方もありました。やはり意外な棄権だと思われます。
●以前の決議も棄権が多かった…反対21、棄権60の決議も
「今に始まった話ではないかもしれません」と最初に書きました。確認してみると、やはり以前の同じような決議案でも棄権が多かったようです。
北朝鮮人権問題 - Wikipedia 最終更新 2015年3月16日 (月) 00:33
2005年12月16日には、国連総会本会議において「北朝鮮の人権状況」決議が採択された。欧州連合(EU)提案の決議案は、ジュネーヴの国連人権委員会(53か国)で2003年から3年連続で採択。しかし事態が改善されていないとして、2005年にEUは国連総会に提出。決議案はEUが策定、日本や米国などが共同提案国となった。人権問題を扱う総会第3委員会で11月に採択され、本会議に送られ賛成88、反対21、棄権60で採択された。
2006年12月20日には、国連総会本会議において「北朝鮮の人権状況」決議が賛成99、反対21、棄権56で再び採択。
Wikipediaには、"ただし、北朝鮮の核問題と比べると、北朝鮮の人権問題は、
日本を除いて、世界中の国からほとんど無視に近い状態にあるとヒューマン・ライツ・ウォッチは報告している"とありました。
日本の拉致問題解決については理解されていないというのは以前から言われていましたので、それ自体は知ってるつもりでした。ただ、ここまで棄権が多いとは認識していなかったので正直驚きました。
以前、驚いたのが、北朝鮮は世界の多くの国と国交があるという話です。
北朝鮮と国交のある国・国交のない国 実はほとんどの国と国交があるでやっています。日本のメディアの報道を見ていると感じられませんが、アメリカのような北朝鮮を敵視した国は珍しいようで、そこらへんも関係あるのかもしれません。
●米が靖国参拝に失望 「大使館が出しただけ」と矮小化したら米国務省が同じ声明
2014/1/15:田岡俊次さんも本当かな?という人ですけど、
中国包囲網どころか日本包囲網 靖国参拝が示した国際情勢の大変化(田岡俊次の戦略目からウロコ|ダイヤモンド・オンライン 2014年1月9日)という記事がありました。
まず、靖国神社訪問の話。今回アメリカ側が用いた“disappointed”(失望)と言う語は上司が部下に対し「君にはがっかりしたよ」と言う風に使われ、突き放した気分が含まれるそうです。対等な相手、例えば他国、他社などへの苦情、抗議では“regret”(遺憾とする)の語を使うのが一般的。これが事務的表現なのに対し、今回用いられた“disappointed”は怒りの感情を交えた叱責の語感があり、かなり特殊だとのこと。
知りませんでしたが、日本政府側では「在京の米大使館が出しただけ」と言っている人がいたようです。やはり都合の悪い発言だと思ったので、矮小化しようとしたのでしょうね。
ところが、その後"米国務省が同文の声明をだし"ましたので、この擁護は事態が悪いことになっていると認める証拠となってしまいました。
●共和党政権時代にも問題児扱いされていた安倍晋三首相
田岡俊次さんによれば、安倍晋三さんがアメリカで危険視されだしたのは、"2002年9月に小泉首相が訪朝し金正日総書記と会談、「平壌宣言」で日朝の国交正常化や「核問題に関する全ての国際的合意の順守」(すなわち核開発の中止)などを決めた直後から"だそうです。
せっかく"北朝鮮との国交樹立と引き換えに核開発をやめさせた"のに拉致問題で騒いで台無しにしようとする安倍晋三さんら右派は、北朝鮮に核武装をさせてそれを口実に日本も核を持つことを狙っているのでは?と疑っていたと言います。そんなわきゃないので、田岡俊次さんは「単なる同情心、拉致事件に対する怒りだけで、特別の意図はない」と答えたのですが、納得してもらえなかった…という話。
なお、アメリカが日本に冷たいのは、「オバマ大統領だから」「民主党政権だから」みたいな声がありますが、当時は共和党のブッシュ大統領(1期目)のことです。
また、"G・W・ブッシュ大統領(息子)はシンガポールのリー・シェンロン(李顕龍)首相が訪米した際"、陳水扁台湾前総統のことを何と"「ザット・バスタード」(あの野郎)と言い続け"たそうです。中国と関係が深いシンガポールに気を使ったのでは?と書かれていましたが、"民主党のオバマ政権が親中的、と見る人が多いが共和党の時代から一貫した政策"としていました。
ブッシュ政権時代のアメリカの知識人のアンケートでも、良い意味か悪い意味かは別として「中国重視」という姿勢が見えていたという記憶もあります。
●やはり警戒されてる?アメリカに冷遇されている証拠が多い安倍首相
上記の核武装の話は正直、本当なんですかね?という話です。これよりは納得できたのが、集団的自衛権の話でした。
集団的自衛権で自衛隊のヘリコプター部隊をアフガニスタン等へ出してほしい、と頼んだのは前任の共和党のG・W・ブッシュ政権で、オバマ氏はその反対党、ブッシュ氏の戦争を批判して大統領になったのだから、安倍氏が「集団的自衛権行使」を手土産にしても相手が喜ぶはずがなく、前にも書いたが、取引先の社長の離婚を知らず「奥様のお気に入りの香水です」と手土産を持参するような形だ。内心「この馬鹿」と呆れられるだけになる。
上記は昨年3月22日の日米首脳会談のときの話。"会談終了後の共同記者会見"がきちんと開かれなかったという会談です。
田岡俊次さんは"「変なことを言われては困る」との警戒心が見え見え"としており、海外のメディアでも安倍晋三首相冷遇の一例としていました。しかし、これは日本側が望んだものという説もあります。安倍首相はアメリカの記者に責められるのが嫌なので、日本記者向けだけに記者会見をしたという見方です。
ただ、他に"6月17日、18日の北アイルランドのG8サミット(主要8カ国首脳会議)でも外務省は安倍氏とオバマ氏の個別会談を申し込んだが拒否された"という例もあるようです。飛ばしましたが、その前に"昨年1月に訪米しようとしてもオバマ大統領は多忙を理由に断"りという話も載っていました。
あとは中国の防空識別圏発表の件でも、アメリカは日本の思い通りには動いてくれていないようでした。
外務省は12月3日にバイデン米副大統領が安倍首相と東京で会談する際ADIZ設定で中国を非難し、その撤回を求める日米共同声明を出そうと草稿も準備したが、米国はそれを断り、バイデン氏は次に訪れた北京で習近平氏と5時間余の会談をしたが、ADIZ撤回は求めなかった。
●台湾、シンガポール、ベトナム、EU、ロシアも靖国参拝で声明
ここまではアメリカの話でしたが、それ以外もあります。靖国神社問題ではアメリカ以外にもEU、ロシアから非難を浴びたものの、ASEAN諸国は中国の脅威のために日本の味方にできる可能性が高いのでは?というのが私の見方だったのですが…。
12月14、15日東京でのASEAN10ヵ国特別首脳会議でも日本は共同声明にADIZ問題で中国を非難する条項を入れようと試みたが他国の同意を得られず「民間航空の安全確保に協力する」という誰にも異論がない人畜無害の文面となり、日本の「1人踊り」の形となった。
ASEANには中国と対立していない国というのもあり、むしろそういった国の扱いは中国の方がうまいですので、まとめきるのは確かにたいへんかもしれません。日中問題に巻き込まれるのはゴメンって国もあるでしょうしね。
上は防空識別圏でしたが、さっき書いた靖国神社問題でも同じことが起きています。
米国のほか中国、韓国はもちろん、台湾、シンガポール、ベトナム、EU、ロシアも米国に同調して非難声明を出し、米、欧、豪州の新聞も批判的で日米関係がまさに「ズタズタ」になっただけでなく、「中国包囲網」どころか、日本が包囲される形勢となった。
あんまりにも多すぎて最近取り上げていないのですが、政権を取った直後から欧米メディアの安倍首相嫌いはたいへん目立っており、そこまでボロクソ書くか?と驚きました。しかし、こうして見てみると、マスコミだけでなく政府にも嫌われているというエピソードに事欠きませんね。
●靖国参拝で親日国ベトナムまで距離を置かれることに
いくつか名前が出てきた国の中で、確かめておきたいのがベトナムです。シンガポールは先ほど親中という話が出てきました。台湾の方は親日でも、日本の侵略を受けたという国(太平洋戦争時の中国は中華人民共和国ではなく、中華民国であり今の台湾)ですから、批判的なのもわかります。
ところが、ベトナムは中国と不仲なはずですし、領土問題を抱えており、私はむしろ味方に引き入れやすい国だと思っていました。
ベトナムは長い歴史の中、中国歴代王朝から繰り返し侵略を受けた。(中略)
中華人民共和国が南沙諸島と西沙諸島を含む南シナ海の島嶼部を『三沙市』(通称:牛の舌)の成立を勝手に宣言した事に対して、ベトナム外務省は猛烈に抗議をし、ベトナム社会主義共和国は、領有するに十分な歴史的証拠と法的根拠を持っているという見解を示し、中華人民共和国の三沙市設置はベトナムの主権を侵害することであり、両国間合意に違反するともに、中越両国が海洋領有問題解決を目指し開始した交渉を妨害するものである、と抗議した。(中略)ベトナムにとって、中国からの独立は、国家としてのアイデンティティでもある。
Wikipedia
同じWikipediaでは日本に対して好意的だとしています。
日越両国の関係は「緩やかな同盟関係」と評されている。ファン・ヴァン・カイ前首相は親日・知日家で知られており、また、日本政府や経団連も積極的に経済援助を行っている。グエン・タン・ズン首相は親中派で日本に対する関心が低いと一部報道で伝えられており、今後の両国の関係を懸念する向きもあるが、2007年(平成19年)11月にはグエン・ミン・チェット国家主席が国賓として初めて日本に招かれ、今上天皇・皇后との懇談や、日本経団連との会合をおこなった。
皇太子徳仁親王は2008年(平成20年)9月20日に日越国交35周年の記念イベントである「ベトナムフェスティバル2008」の開会式に臨席し、翌2009年(平成21年)2月には、ハノイ・ダナン・ホイアン・ホーチミンとベトナム各地を縦断して訪問し、今上天皇が皇太子時代の1976年(昭和51年)に南部のカントー川支流で新種のハゼが見つかったことを明らかにした学術論文をハノイ自然科学大学に寄贈した。
ただ、靖国神社の話を聞くと何か怪しい感じになってきますね。で、調べてみると以下のような言い方だったようです。
日本に明確なメッセージ 靖国参拝批判で米政府 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)
【ハノイ共同】ベトナム外務省のルオン・タイン・ギ報道官は31日、安倍晋三首相の靖国神社参拝問題について「われわれは関心を持っており、日本側から説明を聞いた」とした上で、「日本が地域の平和と安定、協力のために、問題を適切に処理することを希望する」と述べた。(中略)
日本は南シナ海の領有権問題をめぐって中国と対立するベトナムと連携強化を図っているが、ベトナムは同じ社会主義国として中国とも深い関係を持つ。
一方、ベトナム外務省は31日、ファム・ビン・ミン副首相兼外相が30日に中国の 王毅 (おう・き) 外相と電話会談し「最近の北東アジアの動きなど、双方の関心がある地域・国際情勢について意見交換した」と発表した。靖国参拝問題も取り上げられたとみられる。
国営英字紙ベトナム・ニューズは、電話会談では「北東アジアの全ての国々は地域の連帯、平和、協力の促進に共に取り組んでいかなくてはならないとの点で一致した」と伝えた。
http://www.47news.jp/47topics/e/248999.php
上は共同通信で"批判や懸念の直接的文言はないが、あくまで日本側に問題解決の責任があるとの厳しい考えを示した"と解釈しています。しかし、政権寄りである産経新聞なんかは共同通信提供の記事をそのまま出した(「厳しい考え」などの文面も同じ)ものの、「領有権では日本に連携も 参拝問題で解決求める ベトナム」というタイトルにして批判的な印象を弱めていました。
この点は受け取り方次第かもと思い、実は下書き時点では「私としては判断保留としておきたいです」と書いていました。(この関係の修正し忘れで、先の「以下のような言い方」は最初の更新時に「どちらでも取れるような言い方」としていました)
しかし、「日本が地域の平和と安定、協力のために、問題を適切に処理することを希望する」は、確実に中国ではなく日本に向けた言葉であることがわかります。
また、北東アジアとは日本、中国、朝鮮半島、極東ロシアなどのことですから、ベトナムは直接的には絡みません。それなのに中国との会談でその話をしてわざわざ国営新聞でまで伝えたとなると、タイミング的に首相が靖国神社参拝をした日本をはっきり警戒したものと捉えざるを得ません。
ちょっと私が楽観的すぎたのかもしれませんが、ベトナムにまで距離を置かれるとは思いませんでした。
●フィリピン、ベトナム、マレーシアは中国を警戒し日本に期待?
2014/7/21:領土問題によるベトナムと中国の関係悪化が日本にとって得だと言うと、まるで他国の不幸を喜んでいるようで嫌な視点ではあります。ただ、そういった動きというのはあります。まずは政治的な話から。
フィリピン、ベトナム、マレーシア 「中国の脅威」で日本の安保見直しに期待- ZAKZAK 2014.07.11(編集委員 宮野弘之)
フィリピンが日本を評価するのは、南シナ海における中国との領有権をめぐる問題があるためだ。フィリピンに限らず、ベトナムやマレーシアなど中国との間で同様の問題を抱える国々は、日本の政策転換が南シナ海における中国の振る舞いを少しでも抑えることができると、日本の「積極的平和主義」に基づく安全保障政策見直しに期待を寄せている。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140711/frn1407111814009-n1.htm
"中国との関係悪化で中国からの直接投資は減少したものの、代わって日本や米国からの投資が拡大した"ともあります。
ただ、この記事はそんなに極端じゃなかったですね。フィリピンは日本の姿勢を評価してはいるものの、それはあくまで自国の利益を実現するうえで役に立つからだ、と念を押していました。要するに中国の失策のおかげであり、それがなければ、"今回のように日本の政策転換を支持しなかったかもしれない"としています。
"親日的なフィリピンだが、尋ねれば、先の大戦での日本軍による占領当時の蛮行を聞くことができる"し、東南アジア諸国は、"シンガポールなどと同様に戦時中に起きたことを客観的な歴史として教えて"いるとも付け加えていました。
●領土問題によるベトナムと中国の関係悪化 日本にとっては得?
以上は政治が絡む話でしたが、私が最初に読んだ記事は経済的な面です。実は中国とベトナムとは単純に対立しているわけではなく、経済的には極めて親密なのです。
ベトナムで日本ブーム 反中感情が促す日越接近 :日本経済新聞 編集委員 後藤康浩 2014/7/12 7:00
経済面ではベトナムと中国との関係は緊密さを増している。ベトナムに進出が相次ぐ外資系企業の工場の多くは中国で生産される部品や材料を使い、ベトナムからはコメ、果物や一部の工業製品が中国に向かう。中国の人件費高騰を嫌う中国企業の工場進出も続いている。経済、軍事の両面で、ベトナムには中国と事を構える力はない。
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO74108230R10C14A7000000/
しかし、だからこそ脱中国の上で日本などにチャンスが来るだろうということで、"日本への親近感と日越連携への期待"が浮上していると言います。
ただ、記事のタイトルに入っている「ベトナムで日本ブーム」というのは、かなり大げさだでしょう。以下のようなささやかな内容に過ぎません。
すでに多くの日本企業がベトナムに生産拠点を構えているが、今、消費が活性化しつつあるハノイやホーチミンなどでは日本製品、日本のサービスが人気を博している。二輪車、自動車、家電、化粧品など日本製品の人気に加え、外食、教育なども人気が高い。さらに意外なサービスは「社食(社員食堂)」だ。日本なら目新しくも何ともないが、ベトナムでは清潔、安心、効率的で、味もいい日本の社食が大ブームになっている。
この他に"日本の海上自衛隊の大型輸送艦「くにさき」が中部ダナンの港に医療技術支援のために寄港し"たときに大歓迎されたともありましたが、ブームと言うにはまだ物足りないでしょう。まあ、さっき言ったように、だからこそまだまだ伸びる余地があるという前向きな見方も可能です。
●ベトナムとの政治的な対立、中国企業も大弱り
この話の流れには乗らないものなのですが、中越関係の悪化に伴う話で気になったエピソードがありました。
ハノイ中心部から車で40分。日系、米系、韓国系など外国企業の工場が立ち並ぶ一角で奇妙な垂れ幕を発見した。「ホアンサはベトナムのものです。我々はベトナムの友人です」とベトナム語で記され、左にベトナムの国父、ホーチミン元国家主席、右にベトナム戦争の英雄、ボー・グエン・ザップ将軍の写真が掲げられている。どうみてもベトナムへの愛国と忠誠を示す垂れ幕だが、掲げていたのは台湾企業。同様の内容の垂れ幕を中国企業も掲げていた、という。西沙諸島での中越対立を受けて、今春、ベトナム各地で盛り上がった反中デモに襲われないようにするためだ。
台湾企業はともかく、中国企業はこれ、本国で問題なかったんですかね? 思い出したのは、日中で尖閣諸島問題で揉めていたときの上海ユニクロ店のエピソードです。
上海のユニクロ店舗における、尖閣問題に関する掲示物の件につきまして - UNIQLO ユニクロ 2012年09月21日
上海のユニクロ店舗のショーウィンドーに、「支持釣魚島是中国固有領土」(尖閣諸島は中国固有の領土であることを支持する)と書かれた紙を張り出した写真がインターネット上に掲載されている件につきまして、経緯に関するお問い合わせを多数頂戴しておりますので、改めて詳細についてご説明申し上げます。
9月14日夜、上海市郊外の松江区内にある、「開元地中海広場」というショッピングモールに店を構える、ユニクロを含む日系店舗に対して、地元警察より、「15日から大規模なデモが予定されており、襲撃のおそれがある。安全確保のため、"支持釣魚島是中国固有領土"と書いた張り紙を掲示するように。」との指導がありました。
ユニクロには、「政治的外交的問題に関していかなる立場も取らない。」という方針があるため、「ユニクロ上海開元地中海広場店」の店長は、(引用者注:地元警察の)指導に従わず、14日夜から15日朝にかけて、そのような張り紙をしませんでした。
当該ユニクロ店舗では、15日は当初、閉店の予定はありませんでしたが、当日朝から、地元警官の数が増えるなど、情勢変化が顕著となってきたため、店長の自主的判断により急遽、臨時閉店を決めました。
15日午前から正午にかけて、急速にデモ隊の数が増えはじめ(約1,000人規模)、地元警察から、安全確保の観点から、上記内容の張り紙をするよう重ねての非常に強い要請があったため、店長は、同日正午頃、独自の判断に基づいて、「支持釣魚島是中国固有領土」との張り紙を行い、デモ隊が過ぎ去った昼過ぎにそれを撤去いたしました。(張り紙が行われていた時間は、約40分間。)
本件は会社の指示によるものではなく、また、他の店舗におきまして、このような事は一切起きておりません。尚、18日以降、弊社の休店中の店舗に、一時的に類似の張り紙がなされたことが数例ありますが、これらは全て第三者によって外側から行われたもので、当社は発見しだいこれらを取り外す努力を行っております。
http://www.uniqlo.com/jp/corp/pressrelease/2012/09/092112_press_release.html
この店長の張り紙によって、ユニクロはさんざんに叩かれました。中国国内でもこのような話があれば、このときの日本人と似たような感じの人が大騒ぎしたのではないかと思うんですけど、どうだったんでしょうね?
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