東大が「滑り止め」? 合格者7割が入学辞退したPEAKとは The Huffington Post | 執筆者: HuffPost Newsroom 投稿日: 2015年03月28日 22時22分 JST 更新: 2015年03月28日 23時02分 JST
PEAKは、「Programs in English at Komaba(駒場で行われる英語の授業)」の略。授業が全て英語で受けられるプログラムで、「海外から優秀な学生を集め、英語で教育しよう」という趣旨で2012年10月に開設。初等・中等教育を日本語以外で履修した学生を対象としている。
カリキュラムは、最初の2年間で前期課程の「国際教養コース」を履修したあと、3・4年時の後期課程で「国際日本研究コース」か「国際環境学コース」に進学して、専門的な内容を履修する。「国際日本研究」は東アジアにおける日本を国際的に学ぶもので、「国際環境学」は、環境問題を多面的に研究するものだという。
2012年度の志願者数は238人。38人が合格したが、入学者数は27人と、約3割が入学しなかった。2013年度は199人の志願者があり、49人が合格して23人が入学。2014年度は262人が受験して61人が合格。しかし、入学したのは20人。67.2%が辞退し、イギリスのオックスフォード大やケンブリッジ大、アメリカのマサチューセッツ工科大(MIT)などに進学した。
無料で個人指導を受けることができるチューターという制度や、研究実験のために被験者を集める費用、海外フィールドワークに出る費用まで、大学に申請すれば支給されるからだ。日本の大学以上に授業料減免や、奨学金の制度が充実しているのも魅力だという。
入試には、書類専攻と担当の教員が海外現地まで赴いて面接する方法が採用されている。朝日新聞デジタルによると、2013年度は13人の教員が海外に飛び、79人を面接した。教員がわざわざ海外に赴くのは「受験生に好印象を持ってもらうためでもある」と担当教員は話す。「高い学力と向学心を持つ海外の高校生は、今やお客様」という扱いだ。
これほど力を入れるのは、留学生を獲得したいためだと毎日新聞は解説する。留学生の数を増やせば大学の国際性が評価され、ランキングの点数が上がるのだ。
イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が発表した世界の大学ランキングによると、東大は23位(2014年)。1位のカリフォルニア工科大学(アメリカ)と比較すると、国際観に関する評価が著しく低い状態だ。東アジアトップの座は守ったが、10〜15年前であれば、ランキングから下がることなど考えられなかったと、東大の担当者は話す。
文部科学省による東大の法人評価 - 東京大学新聞オンライン 2014年11月25日
文部科学省は5日、国立大学法人が2013年度に実施した業務に対する評価を発表し、東大は「濱田純一総長の下で『法人の基本的な目標』に沿って計画的に取り組んでいる」という全体評価を受けた。(中略)
「機能強化に向けた取り組み状況」としては、教育改革に向けた経費・総長裁量人員の確保など学内資源配分の最適化が挙げられ、総長主導の取り組みが評価されている。(中略)
その他には、国際社会での指導的人材育成を目指し本年度から本格的に始動した「グローバルリーダー育成プログラム(GLP)」や、英語で学位が取得できるコースを拡充していることなどが挙げられた。
英語で学位が取得できるコースとして東大は、12年度秋から「PEAK(教養学部英語コース)」を開始。本年度10月からは理学部で「グローバルサイエンスコース」を開始し、海外の大学で2年以上修めた学生を学部3年生に編入させる仕組みを整えた。本年度は化学科で実施し、授業は全て英語となっている。
「総長と語る集い」各話者の要約 - 東京大学新聞オンライン
矢口祐人教授(以下、矢口) 新学事暦(引用者注:海外大学との交流がしやすくなるなどのメリットのある4ターム制導入)の話題が学生の間でも広がっているらしく、今学期に入ってグローバリゼーションオフィスに留学相談をする人が増えていると聞く。とても望ましいことだ。
私が関わるPEAKの学生など、日本に来た留学生は口をそろえて「東大はどうしてこんなに男が多いのか」と言う。世界のトップ大学で東大ほど男性が多い大学はない。ただしずっと東大にいると、それが当たり前のように感じてしまう。だから積極的に東大から離れ、固定観念を取り払えるような活動をしてほしい。新学事暦は、そうした活動を促すものだと考えている。
林香里教授 私は大学院で多くの留学生を教えている。大学院は既に学部よりも国際化が進んでおり、フランス・イスラエル・ブラジル・韓国・中国などの留学生がいる。こうした多国籍なゼミは、研究にも良い影響を与えていると思う。
海外に行くのが重要なのではなく、異文化という自分が慣れない場所で「対話」を重ねることが重要。学部時代に、こうした修行をするとよいと思う。そこで得たものは、その後どんな職業に就くにしても大切になっていく。
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