寄付や慈善事業の話をまとめ。<アップル創業者スティーブ・ジョブズは寄付嫌いなのでまだマシ?>、<そもそも慈善事業は本当に慈善事業になっているのか?疑問も…>などをまとめています。
●アップルのティム・クックCEOの全資産寄付、海外で不評 批判も
2015/4/1:
米アップルのクックCEO、ほぼ全ての資産を寄付へ 国際ニュース:AFPBB News(2015年03月29日 17:52 発信地:サンフランシスコ/米国)という記事が出ていました。ただ、私が気になったのは、寄付そのものの話ではなく、このニュースに対する海外の反応の方でした。
<米アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO、54)が「資産の半分以上を慈善団体に寄付する」ことを呼び掛ける「The Giving Pledge(ギビング・プレッジ)」の活動に参加する富豪の一人に加わると、米経済誌フォーチュン(Fortune)が伝えた。(中略)
記事によると、クック氏は10歳になるおいが大学教育を受けるために必要な資金を除いた全資産を寄付する考え。クック氏の資産は、保有するアップルの普通株から推定すると約1億2000万ドル(約143億円)となる。さらに同氏はアップルの制限付き株式も保有しており、この価値を同様に計算すると、最大でおよそ6億6500万ドル(約792億円)となる>
抜き出し方が偏っている可能性もありますが、海外サイトの翻訳コメントをまとめたサイトを見ているとこれが意外に不評で、なぜか批判まで出ていたんですよね。私は金持ち憎し…という感情的な批判は支持しません。富の再分配は積極的に行うべきだと思いますが、それは儲けている人がいるからこそです。才能ある人はどんどんと稼いでもらった方が良く、恨むのは筋違い。私は才能ある人には、むしろ大いに対価を与えるべきだとも考えています。
また、ビジネスで稼ぐことが悪いことではないと考えていて、お金が汚いものであるかのような考え方はどうかしていると思います。ただし、アップルの場合、
アップル課税逃れ 米にもアイルランドにも会社(住所)がない状態で書いた件があるため、彼らが「稼いだお金は汚いお金」という指摘も理解できなくはないですね。
AllStBob オーストラリア ↑33 ↓0
<確かに善行だ
しかし忘れてはならない事が有る
その940億円は、アップルが税金を逃れてる結果の、クックへの恩恵だ>
(
劇訳表示。 : 米アップルCEO「資産全額寄付するわ」【約940億円】 2015年03月28日14:00 より、以下同じ)
●アップル創業者スティーブ・ジョブズは寄付嫌いなのでまだマシ?
前任者のスティーブ・ジョブズよりマシとなぜか、ジョブズさんも攻撃を受けていました。ただ、同じアップルですから連想するのは普通ですね。マスメディアでも取り上げられていましたので、続けて紹介しておきます。
yupyupyay オーストラリア ↑1 ↓0
<ジョブズよりもマシ
ヤツは一切の寄付行為や貸し借りはしなかった>
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アップルのクックCEO、資産を寄付する意向--Fortune - CNET Japan Dara Kerr (CNET News) 翻訳校正: 編集部 2015/03/27 11:35
<2011年にAppleのCEOに就任したCook氏は、慈善事業への寄付という点で、前任者のSteve Jobs氏と異なる行動を取ってきた。
Jobs氏は慈善活動で知られる人物ではなく、お金の寄付には反対だという発言さえしている>
スティーブ・ジョブズさんはいろいろと問題のあった人なので、彼が祭り上げられるのには違和感を覚えていました。しかし、私は寄付しなくちゃいけない・慈善事業をしなくちゃいけない・ボランティアをしなくちゃいけないといった考え方自体、どうなんだろう?と思っていますので、今回の批判はどうかと思いますね。
ビジネスというもの自体が普通は社会貢献なのですから、稼いだお金は堂々と好きなことに使ってよく、人にとやかく言われる筋合いはありません。ただし、アップルの場合は前述の通り、その「社会貢献で正々堂々と稼いだお金」という部分で引っかかっているので、あれなんですけど…。
●クックCEOは他の活動も…ただ、そもそも慈善事業は良いことなの?
CNET Japanでは、スティーブ・ジョブズさんとクックCEOはこんなに違う!と、さらに畳み掛けていました。
<Cook氏は従業員にApple製品の大幅な値引きを適用しているほか、従業員による年間最大1万ドルの寄付をマッチングする全社的な慈善プログラムも開始した。さらに、Cook氏はスタンフォードの病院に5000万ドルを寄付し、2012年には病気予防を目指す慈善活動Product REDにも5000万ドルを寄付している>
ただ、そもそも寄付するから良い人…という考え方はどうかと思います。慈善活動家=良い人じゃないという好例となるのが、自民党で政治家にもなったブラック企業・ワタミの渡邉美樹前会長。あの方は慈善事業大好きでした。でも、今では彼を聖人のように言う人はあまりいないでしょう? 寄付をするから良い人だというのはおかしいです。
また、渡邉美樹前会長もやっていた社員に寄付させるというのは、強制性があってさらに良くないです。寄付しなくちゃいけない・慈善事業をしなくちゃいけない・ボランティアをしなくちゃいけないという社会の流れも同じで、自分の意志ではなくやらされるというのはおかしなことでしょう。
稼いだお金は堂々と好きなことに使って良いので、寄付を選択することが悪ということでもありませんが、強制的になってくると不幸なことに変わってしまいます。
●そもそも慈善事業は本当に慈善事業になっているのか?疑問も…
ニュースではマイクロソフトのビル・ゲイツさんが特に慈善事業に熱心という紹介もありました。しかし、そのゲイツさんらも含めて、本当に慈善事業になっているのか?という疑問も出ていたんですよね。このコメント欄では詳しい指摘はないんですが、実を言うと、慈善事業のこの問題点は以前から指摘されています。
greenflash イギリス ↑181 ↓20
残念だけど、慈善団体って言われてる連中は、そのお金の9割を自分達の利益にしてしまう
彼のお金も使途不明になり、真の目的に使われるのはほんの僅かだよ
クックは思いとどまって、個人的に助けてあげたい人々へ直接手渡してあげた方が良いね
>>greenflash
sleepyville カタール ↑136 ↓11
ホントコレ
どうか本当に必要としている人々の手に行き渡ってほしい
GL アメリカ ↑248 ↓46
慈善団体なんて詐欺師集団なのに…
そんなんだったら、中国で働いてる低賃金や無収入の人たちに還元してあげるべきじゃないの?
あのクソ高い携帯電話を齷齪しながら作ってくれてんだからさ
speak アメリカ ↑59 ↓10
「対象の慈善団体は、一族の運営でした」ってオチが多い件
>>speak
Michael イギリス ↑10 ↓1
ビル&メリンダ・ゲイツ財団がどうしたって?
ビル&メリンダ・ゲイツ財団というのが、マイクロソフトのビル・ゲイツさんの財団。ただ、これに好意的な声もありましたし、クックCEOを褒めている人もいます。私は個人的にこういった寄付=素晴らしいと賞賛する文化が、先ほど書いたような歪みを生んでいる気がしてひっかかりますけど、とりあえず、反応にはいろいろです。
sebby491 イギリス ↑30 ↓5
ビルは自身でも慈善団体を持ってるしね
ワクチン研究に捧げる彼の団体は、世界でもベストな内の一つだよ
寄付は別として、クックがやるべきはこう言う行動
jlm0888 アメリカ ↑89 ↓8
見上げた人だよ
彼のやりたいようにさせてあげれば良いじゃん
外野の「ああしろこうしろ」は聞きたくないね
抜き出し方が偏っている可能性もありますが…と最初に書いたものの、国籍の横の「↑↓」の賛否を見ると、批判的なコメントで賛成数が多い傾向が見えます。日本ならわかる反応であるものの、寄付サイコーといったイメージを持っていた欧米でこういう声が多数出るものだというのは、知りませんでした。
【本文中でリンクした投稿】
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