2015/4/1:
●笑顔が怒り顔に…任意加入の話をすると豹変するPTA経験者
●義務・強制加入のふりをするPTA
●会費の強制徴収やトイレ掃除の罰則などは違法行為
●強制加入させることがPTAに問題を起こす
●任意加入を周知したら、誰もPTAに参加しない?
●PTAは子どもたち全体に奉仕するものである
●笑顔が怒り顔に…任意加入の話をすると豹変するPTA経験者
2015/4/1:
PTAは強制ではない・入退会は自由 日本では強制加入で裁判にも発展でも扱った話ですけど、改善はまだまだみたいですね。
これまでさまざまなPTA経験者に取材をしてきたという大塚玲子さんによると、「任意加入」というのは、彼らにとって禁句のようです。それまでずっとニコニコとお話していた方が、私が「任意かにゅ…」という言葉を口にした途端、急におっかない表情に変わる、という経験を何度かしたとのこと。
しかし、PTAが任意加入団体なのは事実。団体が強制加入の権限をもつためには法的な根拠が必要ですが、PTAにはそれがありません。ですから、PTAが任意加入団体である事実は否定しようがないのです。
(
PTA最大のタブー!"強制加入"という闇 大体の問題は、ここに原因がある- 東洋経済オンライン(2015年3月27日08時00分) 大塚玲子より)
●義務・強制加入のふりをするPTA
本当は任意加入なのにそれを隠ぺいするというのは、義務・強制加入のように見せかけるということです。別記事の
PTAに強制参加…これって違法じゃないの? | シェアしたくなる法律相談所(2014年4月27日 寺林智栄)では、悪質PTAの話がありました。
PTAの役員にまつわる困った事情を掘り下げた記事が新聞サイトでは、「子供が学校から茶封筒を持ち帰ったら、それはPTAからの“召集令状”」という認識を持つ親の話があったそうです。中には、「6年間、役員にならなかった方には学校のトイレ掃除をしていただきます」というルールがあることもあるそうです。
これは、PTAがあたかも全員参加が義務であるかのような印象を親たちに与えプレッシャーを感じさせているということです。ただ、前述の通り、そのような義務はありません。
●会費の強制徴収やトイレ掃除の罰則などは違法行為
こちらの記事でも、"保護者や教職員に対してPTA参加を義務付ける法律は、日本には存在"しないとしていました。一方、"PTA結成の法律上の根拠の1つは、憲法21条1項の結社の自由です"。そして、"「結社の自由」には、団体を作る自由の他、団体に加入する自由"だけでなく、"
加入しない自由も含まれ"るということです。
ですから、"参加の意思表示をしていない保護者に対して、参加したものと扱って「1度も役員をやらない人は学校のトイレ掃除」などと強制することは違法"とのこと。犯罪者ですね。ここの部分はさらに以下のように続いていました。
"もちろん、会費を徴収することもできません。徴収した会費は返還しなければなりませんし、強制の程度によっては、無理強いした人らが慰謝料を支払わねばなりません"
●強制加入させることがPTAに問題を起こす
最初の記事の作者大塚玲子さんは、
PTAをけっこうラクにたのしくする本
という本を出しています。
PTAをけっこうラクにたのしくする本
「保護者の義務だからしょうがない」「これまでの慣例だから……」それ、ホント? 「役員にかかる大きな負担を前提としたやり方」「意義の薄い活動」をキッパリやめ、ラクに参加できるようにしたPTAが続々登場。個々の活動を支える小さなくふうから、しくみをばっさり変える大改革まで、実現のためのコツがわかります。 みんなが求める活動をつくるためのアンケートや、予算執行ルール、決算書など、実務に役立つ文例も掲載。 知って、勇気づけられて、動き出せる。PTAを自分たちでつくる人のための実用書。
ですから、決してPTAを敵視しているわけではなく、より良いものに変えていこうという考え方なのだと思われます。
しかし、任意加入の話をタブー視して強制加入させるようなPTAは問題を引き起こしているため、望ましいことではないと考えており、見過ごすわけにもいきません。具体的には以下のような弊害だそうです。(以下は、引用ではなくまとめたもの)
その1 学校への寄付でもめる
寄付については賛否両論がある。寄付を行っているPTAでは反対の声が上がるのを恐れ、何にいくら使っているのかはっきり明かさない場合がある(反対されると困るから隠蔽、って真っ黒ですね)。また、寄付に反対する人たちが納めたPTA会費も、その人たちの意に反して寄付に使われてしまうことがある。
活動内容への賛否を問うことなく強制加入させてしまうから、反対の声が上がるのを恐れて、去年と違う活動をしづらくなる部分もありそう。
その2 個人的な事情を人に明かさなければならない
強制加入だと、PTA活動への参加を断ろうとする場合、「個人的な事情」を役員などに明かさなければならない。「PTAが母子家庭の私に癌の診断書を提出しないと役員免除はさせないと言う」というブログ記事も話題になった。
また、中にはその理由を他人に言いたくないがために、PTA活動に参加できないことを言い出せず、悩みを深めていく人もいる。
その3 やらされ感がすごい
PTA活動が嫌われる原因はいろいろとあるが、そもそもみんな「やりたいかどうか聞かれていない」というところも大きいだろう。入会意思を確認されないまま、子どもの入学とともにPTAに自動入会しているのだから、「やらされ感」を抱くのはある意味当然。
その4 退会しようとすると嫌がらせに合う
「PTAを退会しようとして嫌な目にあった」という人も少なからずいる。これは強制加入に伴う最も直接的な弊害。(とありましたが、強制加入だからって嫌がらせする理由にはなりませんね。これもクズですね)
●任意加入を周知したら、誰もPTAに参加しない?
「任意加入を周知したら、誰もPTAに参加しない」は、違法行為を正当化する理由にはならないでしょう。儲からないから不正をした、金がないから泥棒をしたみたいな言い訳であり、犯罪を認めてもらえるような理由ではありません。
作者は「PTAそのものの休止や解散もアリ」と書いていましたが、私も大賛成です。求められていないものを無理やり作る必要はないですし、ましてや法律違反をしてまでやるというのはもっての他です。
任意加入を周知したら誰もPTAに参加しないと心配して違法行為をやっているものの、実は任意加入であっても加入率はそう悪くないそうです。
任意加入を周知した岡山市立西小学校PTAや札幌市立札苗小学校PTAでは、毎年加入率が9割を超えてきました。これは両PTAが仕事の負担を減らしたり、楽しく活動できるようにしたり、さまざまな努力をしてきた結果でもありますが、「みんなやめてしまう」ことはない証といえるでしょう。
任意加入を周知したら、加入しない人が1~2割は出てくるかもしれませんが、それくらいは気にしなくてもよいのでは? いまだってPTAで何もやらない人はそれくらい(PTAの規模によっては、もっと)いるでしょう。PTA予算だって、多少減ってもやりくりはできると思います。
ただね、たぶんその1割が許せないという人が多いと思うんですよ。性格悪いと思いますが、実際、そんなものです。日本人の気質というのもあるのかな? こういうみんないっしょじゃなきゃダメ…っての、ちょくちょくありますよね。
●PTAは子どもたち全体に奉仕するものである
記事では、「卒業式のとき、子どもたちに配る記念品代をどうするのか?」という話が出ていました。記念品ってPTAが出しているんですね、記憶にありませんでした。
こういう話があると、ますます1割でも加入しない奴がいるのは許せない!と憤る人が多くなりそうです。また、PTAに加入していない親の子供には、「記念品をあげない」と考えるようになるかもしれません。
民間のサービスであれば、「記念品をあげない」でもいいと思います。ただ、PTAの場合はそういうわけにはいかないそうです。
そもそもPTAという団体が学校という公共施設を利用できるのは、「子どもたち全体に奉仕する」という前提があるからです。会員の子どもだけのためにサービスを供与する団体なら、学校の使用許可は出ないはずなのです。(この問題についても、詳しく知りたい方は拙著掲載・木村草太さんの解説をご参照ください)
PTA問題は何か日本のムラ社会的な弊害が出ている気がしますね。美しくない世界です。
【本文中でリンクした投稿】
■
PTAは強制ではない・入退会は自由 日本では強制加入で裁判にも発展【関連投稿】
■
日本PTA全国協議会尾上浩一会長「PTAは必要」 不参加は自己中心的と批判 ■
5月からランドセル販売、最も売れるのは8月 少子化でも市場拡大の謎 ■
江戸しぐさという捏造歴史教育が道徳で 明治政府が虐殺の主張も ■
小1プロブレム・中1ギャップ・高1クライシス 原因の分析や対策本もすでに登場 ■
傷つく子供たち…2分の1成人式への批判と問題点 生い立ち授業にも同様の危険性 ■
学校・教育・子どもについての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|