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男性が女性の顔に硫酸をかける理由 インド・パキスタン、日本でも


 女性に硫酸をかける事件が日本で起きたことをきっかけに、2015/4/8に書いた話。その後、別の事件があったので、最後に追記しています。

2017/12/20追記:
●日本で再び事件発生、女子小学生が全治3カ月の重傷を負う
2021/09/17追記:
●怨恨による犯行か?日本の地下鉄の駅で男性が男性の顔に硫酸 【NEW】


●群馬県高崎市で硫酸をかける事件 以前は女性のバッグに精液も

2015/4/8:今回の話を書くきっかけとなったのは、女性に硫酸かけた容疑 30歳男を逮捕 群馬・高崎 | どうしんウェブ/電子版(社会) 04/07 10:47、04/07 13:32 更新というニュース。ただし、逮捕された男性は容疑を否認しています。

<群馬県高崎市で買い物中の女性が相次いで硫酸とみられる液体をかけられた事件で、群馬県警は7日、23歳の女性に硫酸をかけ、けがをさせたとして傷害と器物損壊の疑いで、高崎市山名町、無職北村宣晃容疑者(30)を逮捕した。(中略)
 県警によると、JR高崎駅ビルと高崎市矢中町のショッピングセンターで2日と6日、女性計4人が液体をかけられ、足に軽傷を負う事件が発生。セーターやタイツの一部が溶けたり、穴があいたりした。うち2件の液体は鑑定の結果、硫酸と判明>

 この男性の場合、過去にも別の事件を起こしていましたので、今回紹介するインド・パキスタンとは別の理由かもしれません。群馬の硫酸男は執行猶予中の精液男だった - 社会 : 日刊スポーツ[2015年4月8日9時41分 紙面から]という記事も出ていました。

<捜査関係者によると、北村容疑者は昨年12月、精液を入れた容器を女性のカバンに入れたとして、警視庁に器物損壊の疑いなどで逮捕されていた。事件は13年11月~昨年4月に発生。当時都内在住だった北村容疑者が、新宿区や板橋区内で、自分の精液などを入れた容器をふたをしない状態で、10~20代の女性3人のバッグに入れたというもの。昨年12月に逮捕された北村容疑者は、有罪判決を受け、執行猶予中だった>

 なお、逮捕の連続硫酸男「動機」は何か?女性に対して恨み、愉快犯、コンプレックス・・・ : J-CASTテレビウォッチ(2015/4/ 7 13:19)によると、作家で心理カウンセラーの五百田達成さんは、このような事件を起こした動機について、次のように解説していたそうです。

「大きく分けて2通りあります。女性に対して悪感情を持った恨み。もう一つはそこまで強いものではなく、気をひきたい、ちょっかいを出したい、ワァーとかキャーとか言われたいパターンです」


●インドでは女性に酸をかける事件が頻発

 では、海外の話です。AFPBB Newsによると、"ソナリ・ムカジー(Sonali Mukherjee)さん(27)は大学生だった9年前、同級生の男子学生3人に襲われ"て、"顔に酸を浴びせかけ"ました。当然、そのようなことをすれば、ムカジーさんの顔は酸で溶けます。想像を絶する残酷さです。
(酸で顔を失ったインド女性、決意のクイズ番組出演 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News(2012年12月27日 18:21 発信地:ニューデリー/インド))

 恐ろしいのが、こういった事件が一つだけではないということです。以下はレイプを中心にした記事から。
レイプ大国インドの実態 顔に硫酸、素手で腸を出す……信仰とカーストが生んだ獣たち 2013年03月01日 16時00分 提供:ハピズム 白神じゅりこ

 実は、インドでのレイプ犯罪は日常茶飯事。夜中に複数の男に家に侵入され、抵抗したら硫酸をかけられ顔を破壊された女性。レイプ被害を警察に訴えても相手にされず、挙句の果てに犯人との婚姻を勧められて自殺した少女など。しかも、加害者の男はお咎めなしで釈放される……。これには、宗教的な思想が少なからず影響しているはずだ。

 他の記事によると、硫酸をかけるのが最初に流行ったのはインドみたいですね。そこからパキスタンなど他国に広がったようです。

 AFPBB Newsでは、ロンドンの"国際団体「アシッド・サバイバー・トラスト・インターナショナル(Acid Survivors Trust International、酸生存者の国際基金)」によると、世界各国で報告される酸による襲撃事件は毎年1500件に上る"といった話も掲載されていました。信じられないことに、全く珍しくないありふれた事件のようです。


●男性が女性の顔に硫酸をかける理由

 AFPBB Newsでは、男性が女性の顔に硫酸をかける理由は特に書かれていませんでした。ただ、私は女性蔑視と関連するのでは?と思いました。

 アシッド・アタックや女性に対する暴力は、中東圏・インド圏に多いとした上で、以下のような説明をしているところも見つかります。
女性に酸を浴びせて顔を損壊させる事件の裏に何があるのか(2011年9月27日火曜日 Darkness)

こういった事件を見ていくと、いったいなぜこの地区に限って、このような事件が起きるのかと考えてしまうが、すでに原因は分かっている。
イスラム教やヒンドゥー教の根底にある家長主義・男尊女卑・保守思想である。宗教が極限まで男性優位を増長させ、反発する女性を許せない。
だから、暴力でモノを言わせるのだ。神の名において、女は家畜のように従わなければならないと思い込んでいるのである。
それなのに付き合いを断ったり、プロポーズを断ったり、口答えしたりすると、男は家畜の分際にプライドを傷つけられたと思って激しい憤りを持つ。
男が傲慢になる素地がそこにあって、規格に合わない生意気な女を黙らせたいのだ。だから「男に逆らうと、どういうことになるのか」という他の女に対する見せしめもあって女を破壊する。
女性に酸を浴びせて顔を損壊させる事件の裏に何があるのか。それは「見せしめ」である。

 本当にイスラム教やヒンドゥー教由来かどうかは、よく検討した方がいいかな?と思います。一つの宗教が支配的な地域では、伝統によるものと教義によるものが混在して区別つかなくなっていることが多いです。

 このように宗教への偏見を煽ってしまうことには十分注意ておきたいものの、一方で宗教の影響の可能性を否定できないのも事実でしょう。ノーベル平和賞マララ・ユサフザイをパキスタンは祝福できるか?でも、宗教保守派と女性問題を切り離せない様子は見えました。

 インドについてはピークを過ぎたような記載があったものの、ヒンドゥー至上主義を掲げる保守派のモディさんが首相になっています。ますます保守的・宗教的な方法に進みそうで心配です。
(関連:インド・モディ首相 ヒンズー至上主義者と反イスラム主義者としての顔)


●インドのヒンズー教と女性蔑視との関係

 インドのレイプに関しては、親日国インドで標的にされる日本人 日本好きで日本語を話す容疑者に衝撃インドの女性問題 共同トイレを使うと暴行の危険、屋外の方がマシでも書いています。

 また、先のレイプ大国インドの実態 顔に硫酸、素手で腸を出す……信仰とカーストが生んだ獣たち(2013年03月01日 16時00分 提供:ハピズム 白神じゅりこ)もモロにそういう話であり、なおかつ、宗教の影響だと断定したものです。
 実は、インドでのレイプ犯罪は日常茶飯事。夜中に複数の男に家に侵入され、抵抗したら硫酸をかけられ顔を破壊された女性。レイプ被害を警察に訴えても相手にされず、挙句の果てに犯人との婚姻を勧められて自殺した少女など。しかも、加害者の男はお咎めなしで釈放される……。これには、宗教的な思想が少なからず影響しているはずだ。

 インドでは、国民の約7割がヒンズー教である。ヒンズー教にはカースト制度という世界的にも有名な身分差別がある。(中略)

 (引用者注:カーストに属すこともできない身分である)ダリットの女性はレイプされたうえに、手足を切断されたり、火あぶりにされたり、人糞を食べさせられることを余儀なくされたり、悲惨な事件が後を絶たない。低カーストやダリットの女性に対するレイプは上位カースト男性の力を示すものであり、彼女らは常にレイプの危険にさらされているのだ。

 ただ、記事では、宗教以外の理由も出しています。女性蔑視は宗教を問わず起きていることであり、私はこちらが本命ではないか?と見ていますが、「強烈な男尊女卑が残っている」という理由です。日本でもまだ男尊女卑思想が残されており、世界共通の傾向だと言えます。
 未亡人殉死の恐るべき因習「サティ」。夫が死んで火葬されるとき、妻も火に身を投げて自殺することを強要させるというもの。これは近年まで続いてきた。

 さらに、女性が結婚する時に持参金を持ってくる「ダウリー」という制度。法的には禁止されているものの、まだまだ健在である。嫁から持参金を搾り取るために、虐待したり、充分でないと火をつけて焼き殺したりする場合もある。ダウリー殺人と言われる。

 こうした女性に対する暴力はインドで繰り返され、犠牲になる女性たちがどんなに多いことか。女性が危害を加えられたところで警察が動くこともなければ、裁かれることもない。女性に対して罪を犯しても罰せられないことがまかり通っているインド社会では、「女性に対していくらでも酷い虐待をしてもいい」という認識に繋がっている。

 私は先に「想像を絶する残酷さ」と書きました。一つ前のDarknessというサイトの方も「自分が生きている世の中とは、こんなにも残虐な世界なのか」と書いていました。

 伝統が理由なのか宗教が理由なのか、それとも別の何かが理由なのかはわかりませんけど、たとえ何が理由であったとしても、こういった残酷な事件は許されるべきではありません。


●2017年にも名古屋市で女性の顔に液体をかける事件が2回

2017/04/14追記:日本で起きた新たな事件を追加。最初の事件は、群馬県でしたが、今回は名古屋市です。2017年4月11日夜に、名古屋市緑区の路上を歩いていた女性から「男に液体をかけられた」との通報が2件続きました。

 最初は、午後7時半ごろで、女性会社員(23)が正面から歩いて来た男にすれ違いざまに顔などに液体をかけられました。次が午後9時10分ごろで、女性会社員(30)が徒歩で追い越していった男に液体をかけられました。

 最初は女性は目の痛みを訴えており、次の女性は顔に熱さを訴えているとのこと。これらは精神的な影響の可能性もあるものの、過去の事例からするとただの水ではない可能性が高そうです。
(「男に液体かけられた」女性2人、目などに痛み 名古屋:朝日新聞デジタル 2017年4月12日01時39分より)

2017/04/20:有料記事なので読んでいませんが、名古屋の液体被害 液体からカプサイシン /愛知 毎日新聞2017年4月19日 地方版という記事がありました。液体からトウガラシなどに含まれる辛み成分のカプサイシンが検出されたそうです。


●日本で再び事件発生、女子小学生が全治3カ月の重傷を負う

2017/12/20追記:硫酸ではなさそうな感じですが、女子児童に男がスプレーで液体 顔の皮膚ただれる 毎日新聞2017年12月19日 21時36分(最終更新 12月19日 22時34分)によると、なんと女子小学生を狙ったという事件が日本で起きたそうです。和歌山県田辺市上芳養(かみはや)で、12月19日に起きた事件でした。

 警察によると、小学校の女子児童は帰宅途中。車から降りてきた男は女児に道を尋ねるような言葉をかけて近付き、いきなりスプレー缶の液体を顔をめがけて噴射し、車で逃走しました。女児が泣いているところを近所の住民が気付き、学校を通じて119番通報。女児は顔の皮膚がただれ、全治3カ月の重傷を負ったといいます。

 今回の事件は特に相手が小学生ということもあり、怒りを覚える人は多いでしょう。ただ、困ったことに、共感力が低い人は被害者が大人だろうが子供だろうが、あまり心に響きません。こういう共感する力が弱い人の存在は、特にネットが発達した今の時代は目立ってきており、対策が必要ではないかと思います。

2017/12/21追記:続報の女児にスプレー吹きつけ 20歳男を逮捕 和歌山 毎日新聞2017年12月20日 20時26分(最終更新 12月20日 21時39分)によると、犯人は20歳の田辺市臨時職員。防犯カメラに映っていた車から判明して、容疑を認めています。使われたものは催涙スプレーだったとのことでした。


●怨恨による犯行か?日本の地下鉄の駅で男性が男性の顔に硫酸

2021/09/17追記:すぐ書こうと思ってすっかり忘れていたのですが、日本でまた硫酸事件が発生していました。男性が男性にかける…というパターンで、初期報道の時点で通り魔的犯行ではなく、怨恨などが理由によるターゲットを決めた犯行に見えた事件。実際、続報を見ても今のところはそのような感じです。

<(引用者注:2021年8月)24日午後9時すぎ、東京 港区の地下鉄白金高輪駅で、エスカレーターに乗っていた22歳の会社員の男性が男に硫酸をかけられて顔などに全治6か月の大けがをし、近くにいた34歳の女性も転倒して軽いけがをしました。
警視庁が防犯カメラの映像を分析するなどしたところ、男は駅の改札を出たあと、男性のあとをつけるように近づき、追い抜きざまに瓶に入った硫酸をかけていたことが分かりました。(中略)警視庁は、被害者との間に何らかのトラブルがあった可能性もあるとして捜査するとともに、画像を公開して情報の提供を呼びかけています>
(硫酸かけられ大けが 逃走の男 男性のあとをつけるように接近 NHK 2021年8月25日 12時25分より)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210825/k10013221911000.html

 続報の「硫酸」事件で25歳男指名手配 駅で男性に傷害疑い、警視庁 | 共同通信(2021/8/27 22:42)によると、警視庁は、傷害容疑で静岡市の男性の逮捕状を取り、全国に指名手配しました。容疑者と被害者は大学で同じサークルに所属していたといい、警視庁は事件との関連を慎重に調べているそうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ノーベル平和賞マララ・ユサフザイをパキスタンは祝福できるか?
  ■インド・モディ首相 ヒンズー至上主義者と反イスラム主義者としての顔
  ■親日国インドで標的にされる日本人 日本好きで日本語を話す容疑者に衝撃
  ■インドの女性問題 共同トイレを使うと暴行の危険、屋外の方がマシ

【関連投稿】
  ■今世界で一番熱いインスタントラーメン市場はインド 日本は出遅れ
  ■インドのインフラ整備が遅い理由、タイ反政府派が宝くじに激怒など
  ■海外・世界・国際についての投稿まとめ

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