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名誉毀損の慰謝料の金額、政治家・芸能人を優遇・一般人を冷遇


 もともとは創価学会のキーワードで検索していて見つけた記事。最初はまた大げさに書いているのかな?と思って読んでいたのですが、政治家・芸能人・一般人への名誉毀損の慰謝料の金額のところでたまげました。ただ、その前に「圧力」に関する話から。

●恫喝訴訟(スラップ)で、言論の自由を侵害

 記事の元ネタになっているのは、最高裁判所の元裁判官で明治大学法科大学院教授の瀬木比呂志さんの『ニッポンの裁判』 (講談社現代新書)みたいです。

自公与党、批判封殺のため最高裁への圧力発覚 政界に激震、国会で追及へ発展か- Business Journal(2015年2月8日06時00分)

 2001年、当時与党であった自民党は、森喜朗首相の多数の失言を受けて世論やマスコミから激しく批判され、連立与党の公明党も、最大支持母体の創価学会が週刊誌などから「創価学会批判キャンペーン」を展開されるなど、逆風にさらされていた。そのような状況下、自公は衆参法務委員会などで裁判所に圧力をかけ、裁判所がそれを受けて最高裁を中心に名誉棄損の主張を簡単に認めるように裁判の基準を変え、賠償額も高額化させ、謝罪広告などを積極的に認めるようになった。

 両党が森内閣や創価学会への批判を封じるために最高裁に圧力をかけたという事実はもちろん、最高裁が権力者である自公与党の意向を受けて裁判における判断基準を変えていたことも、民主主義の大原則である言論の自由、また三権分立をも根底から脅かす、大きな問題である。

 また、名誉棄損の基準が歪み、それを悪用した恫喝訴訟が民事でも刑事でも蔓延しており、大きな社会問題となって各方面に影響が広がっている。瀬木氏の告発を報道する国内メディアが相次ぎ、海外の報道機関も取材に訪れていることから、さらに騒動は拡大する見通しだ。

 たとえ内容が正当であっても、裁判やるぞと言われると萎縮します。最近、日本では恫喝訴訟(スラップ)が相次いでいる気がして憂慮していました。そのような事態になった背景に政治家の圧力があったというのです。


●自民党・公明党の政治からが次々と圧力

 具体的には以下のような話でした。
 森政権や創価学会が世論から批判を強く浴びていた01年3月、法務大臣の高村正彦氏(自民党)は参院法務委員会で、「マスコミの名誉毀損で泣き寝入りしている人たちがたくさんいる」と発言した。これを受けて故・沢たまき氏(公明党)は「名誉侵害の損害賠償額を引き上げるべきだと声を大にして申し上げたい」と、同月の参院予算委員会で損害賠償額の引き上げについて、まさに“声を大にして”要求。魚住裕一郎氏(同)も同年5月の参院法務委員会で「損害賠償額が低すぎる」「懲罰的な損害賠償も考えられていけばいい」と強く要求した。

 そして同月の衆院法務委員会で、公明党幹事長の冬柴鐵三氏が大々的にこの問題を取り上げて「賠償額引き上げ」を裁判所に迫った。これを受けて最高裁民事局長は「名誉毀損の損害賠償額が低いという意見は承知しており、司法研修所で適切な算定も検討します」と回答した。

 つまり、自民党と公明党の圧力によって最高裁が名誉棄損の基準を変えていたのだ。そして裁判所が安易に名誉毀損を認めるようになり、その結果、不祥事を起こし追及されている側がそれを隠ぺいするために、また性犯罪者が告訴を取り下げさせるために、告発者や被害者を名誉毀損だとして訴える“恫喝訴訟”が頻発するようになった。

 記事では「政界に激震」などと書いていましたが、これは確実に大げさです。名前が上がっているのは野党だったり、国会議員ですらない地方議員だったり…。与党の大物議員なんかは問題視するはずがないですし、残念ながら大ごとにはならないと思われます。


●恫喝訴訟優遇の恩恵を受ける幸福の科学

 別記事では、幸福の科学の勝利の話が出ていました。
文春が裁判所命令で幸福の科学に巨大お詫び! メディア敗訴の判決乱発の裏に政治圧力- リテラ(2015年2月7日21時00分)(伊勢崎馨)

 発端は「週刊文春」(2012年7月19日号)が報じた「幸福の科学 大川隆法"性の儀式"一番弟子が懺悔告発!」という記事だ。大川総裁の女性信者(Y)への性的関係を、教団元幹部が実名で告発したものだが、幸福の科学側は「教団の名誉が毀損された」と文春を相手取り訴訟を起こしていた。

 記事は大川総裁の一番弟子による実名証言での告発であり、性的関係を受けたYが大川総裁に宛てた手紙も「文春」編集部は入手していた。また大川総裁は信者数公称1100万人(宗教年鑑 2014年版)という巨大宗教法人のトップに君臨する人物だ。真実性、公共性、物証ともに十分訴訟にたえうる記事だと思われた。

 実際に東京地裁で下された一審判決は幸福の科学側の請求はすべて棄却され、文春側の勝訴となった。しかし幸福の科学はこれを不服として控訴。そして二審では判決が逆転し文春が敗訴、そして最高裁は今年1月23日、文春の上告を認めず判決は確定した。その結果、冒頭に記した巨大お詫び広告が掲載されるにいたったのだ。

●「週刊文春」の検証記事でも瀬木比呂志氏が政治家の圧力について説明

 先ほど出た瀬木比呂志さんは「週刊文春」の記事でも、政治家の政治家の圧力について触れていました。
 「文春」の検証記事では(中略)瀬木比呂志氏が登場し、 「〇一年を境に(名誉毀損裁判をめぐる:筆者注)状況は一変。賠償額が一気に高騰した。そこには知られざる『政治からの圧力』があった」ことを指摘している。

 たしかに、当時、自民党・公明党と裁判所の間で政治的な取引が行われたという話は指摘されていた。1999年から2000年にかけ、自民党は森喜朗政権をめぐって大量のスキャンダルを週刊誌、月刊誌に報道され、支持率が急落。公明党も週刊誌による創価学会攻撃に手を焼いていた。そこで、雑誌メディア対策として、両党が持ち出したのが名誉毀損の厳格適用と損害賠償金額高額化だった。

 国会で公明党が再三にわたって「損害賠償金額が安すぎる」と質問する一方、自民党はさまざまなルートを使って法務省、最高裁判所に圧力をかけ続けた。

●政治家・芸能人を優遇・一般人を冷遇する名誉毀損の慰謝料の金額も決定

 "裁判所は自公の動きに呼応するように、東京地裁民事部判事による損害賠償額見直しのための勉強会を発足させ"ます。そして、"01年には最高裁民事局が、東京、名古屋、大阪高裁の判事で構成される「損害賠償実務研究会」を設置"。"これらの機関で名誉毀損の賠償額を500万円程度に引き上げることを組織的に決定し"ました。

 しかし、私が最も驚愕したのがこの後の話です。
 しかも、この時、同時に決められた算定システムも非常に不可解なものだった。慰謝料の金額は被害者の職業別に点数化され、金額に差がつけられたのだが、その点数はタレントが10点、国会議員・弁護士などが8点、その他が5点。

 これは本来逆のはずです。政治家のような公人の方が報道する必要性が高いものの、一般人について報道するときには厳しくその必要性を問わねばいけないためです。
報道倫理 - Wikipedia 最終更新 2014年8月10日 (日) 10:45
 
 名誉毀損とプライバシー

私人は、プライバシーの権利を持つが、公共の利害に関わる事実であれば、報道が許される。政治家などの「公人」に認められるプライバシーは私人より少ない。

 記事では以下のように続いており、やはり「公人」について触れています。
 従来、名誉毀損は公人には成立しないとされており、その公人には国会議員も含まれるという考え方が有力だった。ところが、この算定システムはそれをくつがえしたばかりか、国会議員に反論の場を持たない一般人よりも高い賠償金を支払うことを求めているのだ。瀬木氏も「政治家に媚を売ったと見られても仕方ありません」と指摘しているが、これは明らかに政治家のスキャンダル報道を抑えるために作られたシステムだった。

 しかも、政治家だけを優遇する印象を避けるために、裁判所はタレントにも高い賠償額を支払う仕組みをつくった。そして、反論権を持たない"言論弱者"である一般人の損害賠償を一番低く見積もるという名誉毀損の本来の趣旨と逆行する方針。そこには言論、表現の自由を守るという意識はまったくない。あるのは、自分たちの利権を守ろうという官僚的な発想のみだ。

●謝罪広告についても積極的に認める研究

 ほぼ同じ内容で、より詳細に書いていたのは以下の記事。重なる部分多いですので、読み飛ばしてもらっても結構です。
与党・自公、最高裁へ圧力で言論弾圧 名誉棄損基準緩和と賠償高額化、原告を点数化も- Business Journal(2015年1月29日06時00分)

 瀬木氏の告発で明らかになったことだが、同書(引用者注:『ニッポンの裁判』)によれば、このような状況を受け自公は、01年3月~5月にかけて衆参法務委員会などで「名誉棄損裁判をどうにかしろ」と、裁判所を突き上げていた。そして最高裁は与党の意向を受け、裁判所の名誉棄損の基準を変更することを検討し、その結果、裁判所と関係の深い法律誌である「判例タイムズ」(01年5月15日号)が、「名誉棄損損害賠償請求については、500万円程度の賠償が相当」という元裁判官の論文を掲載した。

 発売直後の01年5月17日には、最高裁に属する司法研修所で損害賠償の実務のあり方についての研究会が行われ、その研究会の趣旨が同誌(01年11月15日号)に掲載された。『名誉棄損による慰謝料額の定型化のための算定基準』と題されたその資料では、名誉棄損の損害賠償額の算定方法がマニュアル化され、賠償額算定基準のうち原告の社会的地位について、タレントは10点、国会議員・弁護士等は8点、その他は5点という設定がされている。これは、その行動について監視と報道が行われるべき政治家に対する名誉棄損については、高額な賠償を認めることを意味している。

 同誌は新しい法律に関する最高裁事務総局の見解が掲載される雑誌であり、裁判官たちは掲載論文を最高裁による暗黙の「業務命令」と理解する。与党の圧力を受けた最高裁が、論文発表というわかりにくいかたちでカムフラージュして、裁判官たちをコントロールしたとも受け取れる。こうした狡猾なやり口を、最高裁事務総局に勤務経験のある瀬木氏が告発したのだ。

 前述のところでなかった話としては、"01年の司法研修所の研究会では「謝罪広告についても積極的に認めよ」とも主張されていた"というものがありました。


●注目されていない瀬木比呂志氏の著書

 黙殺されているかどうかは別として、瀬木比呂志氏の著書はあまり注目されていないようです。ここまでの記事はすべてサイゾー系でした。

 『ニッポンの裁判』絡みで検索して他に出てくるのは、現代系。やはり与党と距離のあるところです。
日刊ゲンダイ|元最高裁の瀬木比呂志氏が暴露「裁判所はいまや権力の番人だ」

 裁判所は憲法の番人といわれますよね。だから、国家が変なことをすると、「そういうことをしちゃいけませんよ」と釘を刺す。それが憲法の番人の意味するところでしょうが、違います。今は権力の番人といってもいいんじゃないですか? 裁判官は独立しているというのは誤解で、上や多数派は、法衣を着た役人です。だから、支配と統治の根幹に関わる部分では、権力側の意向を忖度するんです。

(中略)

2001年くらいから状況が一変しているんです。それまでは損害賠償請求の認容額は100万円以下だったのに、一気に高額化し、また裁判所も被告(メディア側)に対して、非常に厳しくなり、その抗弁を容易に認めなくなりました。その背景にあった事実として、01年3月から5月にかけて、衆参の法務委員会等で自公の議員や大臣が「賠償額が低すぎる」「マスコミの名誉毀損で泣き寝入りしている人がいる」などと言い、最高裁民事局長が「そういう意見は承知しており、司法研修所で適切な算定も検討します」と回答しているんですね。

元エリート裁判官が衝撃の告発! 政治家の圧力に屈して名誉毀損訴訟の認定基準を変更した最高裁判所は「最低裁判所」だ!  『ニッポンの裁判』著者 瀬木比呂志・明治大学法科大学院教授 | 現代新書カフェ | 現代ビジネス [講談社]  2015年02月17日(火) 瀬木比呂志

それまでの名誉毀損訴訟は、原告泣かせの訴訟と呼ばれ、立証も原告側に厳しく、勝訴しても損害賠償額の認容額は100万円以下の場合が大半を占めていた。ところが、2001年の『判例タイムズ』(同年5月15日号)に、名誉毀損訴訟の損害認定額が低すぎるのでないかという元裁判官の論文が突然掲載されたことに始まり、司法研修所で行われた御用研究会、それに基づく御用論文によって、名誉毀損訴訟の賠償認容額が突如として一気に跳ね上がり、また、立証面でも報道機関に厳しい判決が相次ぐようになる。

●マスコミで取り上げられない瀬木比呂志氏

 しかし、瀬木比呂志さんの本が売れていないわけではなく、『ニッポンの裁判』は、 ベストセラー1位- カテゴリ 司法・裁判(一般)関連書籍 でした。
法的判断は裁判官の全人格の反映である!重みがあり、恐ろしくもある
投稿者 コナン.O. トップ1000レビュアー 投稿日 2015/1/31

◆最高裁判所事務総局は、下級審の裁判内容をコントロールしている。原告泣かせと言われた名誉棄損損害賠償請求は、政治家の圧力によりメディア等の被告の敗訴率が高まった。原発の運転差止め訴訟については、同事務総局は極めて露骨な却下、棄却誘導工作を行っていた。
◆日本の裁判官の多くは「裁判を行っている官僚」であり、行政訴訟の勝訴率の低さ、憲法訴訟の扱いを見ると、裁判所は国民支配のための道具・装置であるとさえ言える。
◆民事裁判の有力な解決方法である和解について、日本では、欧米諸国と異なる交互面接型で行われるため、裁判官により和解を強要されるケースが少なくなく、国際標準から大きく外れている。

 ただ、売れていてもトンデモ学者という可能性はあります。この場合、メディアで出ていないのは、信頼性に問題があるためと説明できます。

 上記の本以外だと一応ロイターでは登場しているのは確認できました。
再送-特集:原発訴訟(下)-福島事故後のリスク判断、司法現場に重い課題 | Reuters 2015年 02月 19日 14:34 JST

元裁判官の瀬木比呂志・明治大学法科大学院教授は、住民側が負け続けてきた過去の原発訴訟の背景に、最高裁の誘導があったと指摘する。今年1月に出版した著書『ニッポンの裁判』(講談社現代新書)で、瀬木教授は「最高裁判所事務総局は、原発訴訟について、きわめて露骨な却下、棄却誘導工作を行っていた」と批判する。

同書によると、誘導の舞台となったのが、原発商業利用の初期だった1976年10月と、本格的な拡大期だった1988年10月にそれぞれ行われた裁判官協議会だ。ここでの協議会とは、最高裁で行われた裁判官による内部議論のこと。最高裁に請求して得た関連資料からは、瀬木氏の指摘通りの議論があったことが読み取れる。

88年10月の協議会では、高度な専門知識が求められる原発訴訟における司法の役割について、「行政庁の判断を、裁判所として一応尊重して審査に当たる態度をとるべき」との意見が記載されている。

●瀬木比呂志氏はトンデモか?

 瀬木比呂志さんの主張は壮大過ぎて、危うさも感じます。ただ、資料や実際の判例の指摘、政治家らの具体的な発言が示されていますので、全くの荒唐無稽とは言い難いです。

 私としては何より「タレントが10点、国会議員・弁護士などが8点、その他が5点」という名誉毀損の慰謝料の目安が信じられません。他の話が全部ウソであっても、これだけは絶対おかしいと訴えたいです。


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