【クイズ】チョウチンアンコウの提灯はどういう役割だと考えられているか?
(1)餌となる獲物を取るために使う。
(2)魚の目と錯覚させて、身を守る役割。
(3)提灯という名前の通り、灯りとなる。
●アンコウは日本名でも英名でもカエル
答えは後ほど。まずはアンコウの語源に関する話から。
海生研/海の豆知識 Vol.10 アンコウ
アンコウの名は、アンゴウというヒキガエルの方言に由来し、英名でもフィッシング・トード(釣りするヒキガエル)といわれ、どことなくヒキガエルに似たところがあります。ウロコのない体は、ブヨブヨと軟らかく、海底にへばりつく無精者で、泳ぎの下手な魚です。
動きが鈍く、英名でアングラーとも呼ばれるように、座りながらにしてエサを釣りあげる妙手をもっています。
●アンコウの意味はカエルなのにカエルアンコウという種類もいる
本当言うと、最初はカエルアンコウがメインのつもりでした。ただ、クイズを作ってみたものの興味を持ってもらえなそうだったため、四苦八苦。上のアンコウの由来もクイズ探ししていて見つけたもの。結局、チョウチンアンコウという有名どころがいいじゃん!とそちらになりました。
メインになり損ねたカエルアンコウ、前述のようにアンコウの語源がカエルだとすれば、二つ重なってしまっています。「カエルカエル」です。まあ、もともとはヒキガエルなので、より正確には「カエルヒキガエル」でしょうか? どちらにしても妙なことになっています。
●他のクイズ
もともとメインの予定でしたので、カエルアンコウの話はまだ続きます。しかし、その前に他の動物クイズを宣伝。
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実はカエルアンコウはもともとはイザリウオという名前でした。以下のような理由で改名されています。
カエルアンコウ - Wikipedia
旧来はイザリウオ(躄魚)と呼ばれていたが、2007年2月1日、日本魚類学会は「イザリ」には差別的な意味があるため、旧来の標準和名である「イザリウオ」を差別的なものとして「カエルアンコウ」に改名したと発表した。(名に「イザリ」が含まれる近縁の種や、亜目以下の各タクソンも改名された)
この改名は「いざり」という単語を「躄」すなわち足の動かない人を指す差別用語であるとしておこなわれたものである(略)
カエルアンコウは"泳ぎが下手な種が多く、前足のような胸鰭を使って海底を歩き回る"のが、特徴です。この胸鰭(むなびれ)を手にたとえて、足を引きずって手だけで進む人になぞらえたと考えると、上記の由来の説明は納得の行くものです。
ただし、Wikipediaによれば異説があります。
・鼻先の疑似餌で小魚を釣って捕食する習性から「漁をする魚」すなわち「漁り魚」とする説
・胸ビレと腹ビレで海底を這う姿からの連想で「座り魚」であったとする説(高知地方の方言で「座る」ことを「いざる」という)
釣りや座るという特徴は、先のところでも、"英名でアングラーとも呼ばれるように、座りながらにしてエサを釣りあげる妙手をもっています"とありました。また、"高知出身の学者が「イザリウオ」に対して「座魚」と漢字を当てた例も存在する"とWikipediaでは書いていました。
●食いしん坊で食べすぎて死んじゃうカエルアンコウ
私が一番おもしろいと思ってクイズに使いたかったのが、カエルアンコウが食いしん坊で食べすぎて死んじゃうという話です。人が餌をあげすぎて肥満になるというのは犬猫などのペットでもありがちですが、カエルアンコウの場合は自然界でもそうなると以前見たサイトでは書いていました。
ただ、今回調べてみると、「自然界で」を裏付ける情報はありません。逆に自然界では起きないだろうと否定的なものしか見つかりませんでした。
とりあえず、先に「死んじゃうよ」という話。
串本海中公園/水族館の人気者/イロカエルアンコウ
食べ過ぎで死ぬこともあるので注意が必要です。
続いて、自然界ではそんなに食わないだろうという話。
カエルアンコウの飼育|kazika
カエルアンコウだけでなく、カサゴやオコゼのようなフィッシュイーターがエビや魚を食べるシーンはカッコ良い。
餌やりはカエルアンコウだけでなく海水魚飼育の醍醐味ですよね?
ただ、カエルアンコウが自然界でそんなに補食出来るのでしょうか?
私は違うと考えています。
本来、補食は苦手でめったに捕まえられてはいないのではないかと考えています。
しかも、カエルアンコウの消化器官は原始的で消化の悪い物は未消化になりやすく、
糞づまりの原因になりやすいのでしょう。
(中略)
カエルアンコウが大きいエサを食べてしまうからと言って、
体ほどのエサは与えないでください。
吐き出したり、消化不良をおこすことがあります。
小さいエサを数匹与えた方が良いのです。
●クイズの答え
【クイズ】チョウチンアンコウの提灯はどういう役割だと考えられているか?
(1)餌となる獲物を取るために使う。
(2)魚の目と錯覚させて、身を守る役割。
(3)提灯という名前の通り、灯りとなる。
答え:(1)餌となる獲物を取るために使う。
カエルアンコウのところでほぼ答えが見えてしまっていましたが、「(1)餌となる獲物を取るために使う」が答えです。ただ、実は諸説あってこの問題も微妙でした。
●チョウチンアンコウの提灯を用いた捕食方法に異論
おそらく従来からの説は、以下のようにカエルアンコウと同じような「釣り」の仕方です。
雑学解剖研究所-LABORATORY-動物の研究1
チョウチンアンコウの面白さといえばまず、疑似餌の役目をするチョウチンの存在だろう。この釣竿のような部分は背びれが変化してできた器官で、「イリシウム」と呼ばれる。ま、釣竿のほうが通りがいい。 そして釣竿の先端についているチョウチンのようなフサ、これは「エスカ」という。ま、チョウチンのほうが分かりやすい。
さて、チョウチンアンコウはこのエスカを振って獲物を誘い、エサだと勘違いしてやって来た小魚を飲み込んでしまう。
しかし、この説はWikipediaには一切書かれていません。代わりにあるのが以下の記述です。
1967年2月、鎌倉の海岸に打ち上げられたチョウチンアンコウが江の島水族館で8日間飼育観察された際に、誘引突起から発光液を噴出する様子が世界で初めて観察された。一回に噴出された発光液は、海水中において、魚体とほぼ同等の範囲に広がる程度の量であったという。また、その発光は、海水中に噴出された後には徐々に弱まり、ついには消光したと報じられている。発光液の放出には、獲物を捕食する際に相手の目を眩ますなどの効果があるのではないかと推定されている。
ただし、明確に従来の説を否定しているわけでもなさそうです。Wikipediaには、"餌を誘うために用いられる頭部の誘引突起(イリシウム)を特徴とし"や"誘引突起の先端には膨隆した擬餌状体(エスカ)"という記述もあります。
編集ミスで残っているだけという可能性もありますが、今は複数の説がある状態なんじゃないかと思います。
●チョウチンアンコウの発光のしくみにも諸説
また、チョウチンアンコウの発光のしくみも難しいところがあります。先の雑学解剖研究所では、以下のように書いていました。やはり従来の一般的な解釈だと思われます。
このエスカはどういう仕組みで光っているのだろうか。
チョウチンアンコウの場合、発行する性質のある細菌を飼っているという。
ただ、Wikipediaでは次のようになっていました。こちらの方は従来の説が否定されているかのような書き方ですね。
上記の鎌倉産の個体の死後、その主発光器内部から得た組織を分離源として行われた培養試験において、発光バクテリアが分離・培養されていないところから、本種の発光は、自身で生産した発光物質によるものであり、発光バクテリアの共生によるものではないとみられている。
以前の説が書き換えられるということが起きるのは、まだわかっていないことが多いということです。こういう未知の部分が多い分野の専門家は楽しいだろうなぁと思います。
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