老朽化した配管の赤錆を変化させるという「NMRパイプテクター」。怪しいと思うほどすごい装置で、トンデモとか嘘とか、効果について疑う声が多いそうです。(2015/4/23)
複数の教授がこの原理についてコメントしていた、というのを知ったので追記しました。
謎の水装置問題(2018年)というサイトです。ひょっとしたら最初の投稿時でも、似たようなサイトが見つけられたかもしれません。だとすれば、最初に載せておくべきでした。めちゃくちゃ凹んでいます。申し訳ないです。(2018/03/12)
●日本システム企画の「NMRパイプテクター」
2015/4/23:詐欺じゃないの?と思ってしまうほどに、夢のような装置の話です。
まず、"建物の給水管は20年も経つと、管内に赤錆が発生し、赤水が出たり、管が腐食して水漏れ事故も起きる"という問題があります。それなら、給水管を交換すればいいじゃない?という話なんですが、それには当然ながら多額の費用がかかります。
こういったときに、日本システム企画(熊野活行社長)という会社が開発した"装置を外部から取り付けるだけで、赤錆を止め、管を長持ちさせる画期的なシステム"があります。「NMRパイプテクター」(NMRとは核磁気共鳴の意。以下、パイプテクター)という名前です。
(2018/03/12追記:
山形大学天羽准教授や北海道大学工学部教授が原理について否定するコメントをしているようです)
なぜ老朽化した配管を生き返らせる装置は自治体に評価されないのか 「進化系中小企業2.0」【11】日本システム企画:PRESIDENT Online - プレジデント PRESIDENT Online スペシャル 著者 ジャーナリスト 吉村克己=文
パイプテクターは、老朽化した配管でも管の外側から取り付けるだけで、赤錆が黒錆に変化する。黒錆は錆といっても赤錆とは別物だ。赤錆は鉄を腐食させ、水中に溶け出すが、黒錆は鉄の表面に付着すると、強固な皮膜となって逆に酸素や水から鉄を守る不動態となる。マグネタイトとも呼ばれ、水に溶けることはない。鉄鍋などは赤錆や腐食を防ぐために、わざと空焚きして表面に黒錆を発生させる。
赤水が出ているような給水管も、パイプテクターを取り付けると数週間から約1カ月で赤錆が止まり、赤水が出なくなる。電源は不要で、その効果は最低40年間も持続する。
費用の話もありました。"配管を交換する場合に比べて、パイプテクターの取付コストは給水管では5分の1から10分の1、空調・冷温水管では20分の1から40分の1以下と大きく削減できる"ということで、かなり安いです。
●NMRパイプテクターは詐欺じゃないの?
記事には「魔法のような話」とあった他、"発売当初は熊野がほら吹き呼ばわりされたこともある"とありました。さらにネットを検索すると、詐欺呼ばわりされて苦労しているという話も見つけました。
(2018/03/12追記:前述の通り、
山形大学天羽准教授や北海道大学工学部教授も原理について否定するコメントをしているようです)
こういう話は私も警戒しますので気になりましたが、記事では信頼性や実績の紹介が多数ありました。
1996年に商品化されたこの装置は日米欧などで特許を取得しており、学術的な論文も複数発表されている。2005年に日本防錆技術協会主催の防錆防食技術発表大会で、日本システム企画は「NMRを利用した配管更生技術」として発表し、その科学的原理を論文で示した。
北海道工業試験所でも、03年に実証実験が行われ、水中の鉄分が4カ月後には3分の1以下に減り、色度も約3分の1と、水道の水質基準値に準ずるレベルに改善されたことが明白になっている。
10年には国土交通省の公共工事で活用できることを認めた新技術情報提供システム(NETIS)にも登録されている。
最初の特許は意味なし。特許はテクニカルな問題であり、嘘でも通ります。論文も学術誌のレベルによって異なりますし、レベルの高い学術誌でも嘘の論文が載ります。STAP細胞問題は特許・学術誌ともあてにならないことを証明しました。
もう一つあった試験関係も怪しいのがあるのですけど、北海道工業試験所(2018/03/12追記:同名組織は存在せず。北海道立工業試験場の誤記?)の実証試験や国土交通省の登録あたりが、裏付けとして可能性がありそうなものです。
(2018/03/12追記:
北海道立工業試験場は、記事削除を求めているとのこと。国土交通省の登録の方も意味を調べてから考えた方が良さそうですね。)
●イギリスではパイプテクターが高く評価され、バッキンガム宮殿でも採用
効果があるとしている話としては、海外実績もあります。
特にイギリスではパイプテクターが高く評価され、130件ほどの施工実績がある。(中略)驚いたことに、バッキンガム宮殿を始め、ウインザー城、国会議事堂、ロンドン市庁舎、国立病院、BBC、マリオットホテル、ハロッズデパートなど歴史と伝統のある建物で導入されている。
バッキンガム宮殿では、赤水が出て困っていたが、07年にパイプテクターを設置すると、わずか24日後には水中の鉄分値が152分の1にまで減り、水質基準値内になった。
イギリスでは効果のない製品を偽って売ると詐欺罪が適用される。その代わり、効果が立証、確認されれば、王室でさえも海外製品を採用する。何しろ、配管の赤錆・赤水防止や延命効果のある製品としてはパイプテクターしかないのだから、合理的に考えれば導入するのは当たり前だろう。
●日本では公共施設や地方自治体では採用が進まない
しかし、"国内ではマンションなど民間施設を中心に少しずつ普及した"ものの、公共施設や地方自治体などはなかなか採用が進まないそうです。やっぱり怪しいと思います?
ただ、先程引用したように、記事によれば、同じ公共機関でも国土交通省は新技術情報提供システムに登録しているとのこと。
この記事では、普及しない理由として公共施設や地方自治体が保守的なことを挙げていました。イギリスの話で「合理的に考えれば」とあったように、本来取り入れた方が良いにも関わらず、頭が固いために浸透しないという説明。私は似たような事例を聞いたことがあったのでありそうだと感じてしまいました。
(2018/03/12追記:前述の通り、
山形大学天羽准教授や北海道大学工学部教授が原理について否定するコメントをしているようです)
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