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サントリーが品薄商法してない理由 レモンジーナ・ヨーグリーナの出荷停止騒動


 サントリーや品薄商法の話をまとめ。<レモンジーナが販売中止、ヨーグリーナは発売3日で出荷停止>、<サントリーが品薄商法してない理由>、<サントリーが政治家の夕食会に大量無償提供…他社「考えられない」>などをまとめています。

2024/01/09まとめ:
●販売休止や品薄状態はやらせによる品薄商法?それとも不可抗力?
●最大に合わせて生産すると売れないとき大損害…企業のジレンマ


●レモンジーナが販売中止、ヨーグリーナは発売3日で出荷停止

2015/4/23:サントリーは正直印象悪い会社なので擁護したくないんですが、品薄商法批判は妥当でない可能性があるのでそうした話を紹介。ただ、後述するように、サントリー側にも怪しいところが見られます。まず、最初は今回の騒動の簡単な概要がわかる話から…。

<サントリーから発売された炭酸飲料「レモンジーナ」が発売直後に人気すぎるとして販売中止になったばかりだが、今度は別の新飲料が発売から3日で出荷停止になってしまった。えっまたなのと思わせる展開だ。
その商品とは2015年4月14日に発売された清涼飲料水「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」。Twitterでは在庫がたっぷりあるという発言もあるので、「品薄商法」なんて声もあがっているらしい>

 これは、えっまたかよ! 「ヨーグリーナ」発売3日で出荷停止 「品薄商法」と批判が出ているが(Excite Bit コネタ 2015年4月17日 20時23分)という記事からでした。これを書いたコネタ編集部では実際にコンビニを数店舗まわってます。

 "Twitterでは「コンビニにめっちゃあった」「結構売れ残ってます、ダマされるな」なんてツイートもあった"ものの、1店目は本当に売り切れ。店員さんは「68本仕入れた『ヨーグリーナ』がすべて売れてしまいました」と言っていました。しかし、2店目は"ヨーグリーナがドッサリと陳列"。3店目は減ったものの、やはり十分にありました。お店によりけりみたいですね。


●「品切れ商法は悪質。規制を考えた方がいい」とまで言うも弁護士も

 この記事の場合、サントリーに対して、極めて批判的。まず、通常、大手メーカーは綿密な販売計画を立てていて、新商品を発売数日で出荷停止にすることはあまりないと説明。だから商品の品薄がニュースになるはずなのに、最近はわざと品薄にして話題にしてもらう品薄商法ではないか?と疑っています。

<しかし、近年ではほかのメーカーでも同様の事例が頻発している印象があるため、「意図的に品薄にして宣伝効果を狙っているのでは」という疑念を消費者から持たれているようだ。
ネットでは
「ハーゲンダッツの華もちといいレモンジーナといい最近人気あり過ぎで販売中止って言うの多いな」
なんてツイートもあった。広告であることを隠して商品を宣伝するステマ(ステルスマーケティング)騒動以後、敏感になっている消費者は少なくない。
「ヨーグリーナ」のケースについては、サントリーは品薄商法を否定していると報じられているが、ネットでは厳しい指摘が相次いでいる。谷山智光弁護士はTwitterで、「品切れ商法は悪質。規制を考えた方がいい。販売再開は半年間できないとか。その間に同業メーカーは類似品を出せばいい」とまで言っている>


●サントリーが品薄商法してない理由

 ただ、サントリーは品薄商法していないという意見もあるんですよね。レモンジーナ品切れ騒動にみるヒット商品のワナ  :日本経済新聞(アジャイルメディア・ネットワーク 徳力 基彦 2015/4/22 6:30)は、そういった見方の記事でした。

<こうした“発売直後に品切れ”という現象は、今年2月に発売した「華もち」(ハーゲンダッツ)や、2014年4月の「トムヤムクンヌードル」(日清食品)などでも発生している。(中略)
 まず、こうした新商品の品切れが多くなった背景には、ソーシャルメディアの普及が一役買っているのは間違いない。(中略)
 新商品が話題になる初速が、ソーシャルメディア普及前より圧倒的に速くなっているのだ。
 今回、レモンジーナとヨーグリーナに関するツイッターの投稿を分析してみたところ、両商品とも発売前から同社がキャンペーンを積極展開しており、商品発売日以前から投稿が盛り上がり始めていたことが分かった>

 ざっくり言うと、SNSはコントロールできないので、宣伝が成功しすぎてしまったということですかね。そして、そもそも「出荷停止」と「品切れ」は異なるとしていました。これはもっともな指摘であり、消費者やメディアが勘違いしているところでしょう。

<まず、出荷停止の発表後に大量の商品が陳列されていた件だが、これは流通構造に対する一般消費者の知識不足が背景にある。出荷停止の通告は、本来は一般消費者というより、スーパーやコンビニエンスストア、卸売業など取引先に対してのものだ。
 発売の数日後に出荷停止せざるを得なかったのは、小売店からの予想を超えた大量発注があったから。(中略)
 売れ行きに気をよくした小売店が大量に追加発注すると、メーカーの在庫が店頭に移動し、メーカー在庫はなくなる。一方、小売店の店頭には発注して届いた商品が続々と並ぶ。つまり、メーカーの出荷停止と、店頭の在庫切れに「時差」が生じるわけだ。消費者からすれば、「出荷停止と言っているが、店頭に商品があふれている。あおり商法だ」と思い込みやすい>

 また、ここにもSNSの影響が見られます。"特に影響が大きかったのは、品切れになったはずの商品が店頭に大量に並んでいる写真がソーシャルメディアを通じて「証拠」として共有された"というものです。前述の通り、実際に品切れしているお店もありました。

 さらに"小売店とメーカーとの力関係から考えても"、メーカーが「“謝罪もの”のつらい状況」を進んで行うとは考えづらいとしていました。


●オランジーナに比べて異常に少なかったレモンジーナ

 なかなか説得力のある話でしたが、以下の記事を読むと、本当にサントリーが品薄を予想できなかったのか?がまた怪しくなってきます。
レモンジーナ「品切れ」による販売中止はサントリーの戦略だったのか? | All About News Dig(オールアバウト ニュースディグ) 新井 庸志 2015年04月03日

オランジーナの発売当初の年間計画数量は200万ケースだった。ところが1ヶ月後に年間計画を達成してしまったため、夏には年間販売計画を当初の4倍にあたる800万ケースに引き上げたのだ。当然ながら、当初の計画よりも生産工程も強化した。


ここでまず注目したいのは、レモンジーナの最初の年間販売計画がオランジーナの半分程度と少ないことだ。また最終的にオランジーナが年間販売数量を当初予定の4倍にしたことを踏まえるとレモンジーナの年間販売計画はオランジーナの8分の1程度しかないことになる。

 先ほどの徳力基彦さんは、"出荷停止に追い込まれるのは発売時の需要予測が甘いから、と批判するのは簡単だ"と、安易な批判をたしなめていました。これは私も理解できます。毎年数多くの新商品が生まれる中で、1年後に残っている商品はごく僅かだと言います。ヒットは予測でないのです。

 ただ、新井庸志さんは以下のように切って捨てています。確かにオランジーナの販売計画と比較すると奇妙ですしね。
テレビCMや電車の車内広告など、レモンジーナの発売とともに広告にも力を入れている。仮にサントリー食品インターナショナルにとってオランジーナがメインでレモンジーナがサブ的な扱いだったとしても、この数量差はあまりにも大きく、違和感がある。ここから推測出来るのは、サントリー食品インターナショナルは、レモンジーナが品切れになっても許容しようとどこかで考えていたのではないかということだ。本当に精査して作った年間販売計画が100万ケースだとしたら計画とは呼べないほど甘い見込みだと感じるのは私だけではないだろう。

●賛否両論ある商品の方が売れる?

 ところで、さっきの日経新聞でおもしろかったのが以下の話です。
 特に、レモンジーナは飲んだ人によって味の評価が分かれたことも盛り上がる要因の一つとなった。「土の味がする」との投稿が出回ったことで、「おいしいのか、おいしくないのか分からないが、とりあえず飲んでみよう」と思った人もいるだろう。ツイッターの投稿数は、商品の発売直後に10万件近くまで跳ね上がった。そうした書き込みが購買意欲を喚起したことは間違いない。実は、ある商品について賛成ばかりの声が上がるよりも、賛否両論入り交じる議論が起きた方が、結果的に話題の規模が大きくなり商品の売り上げに良い影響を及ぼす、という現象は珍しくない。

 先の引用部で"2014年4月の「トムヤムクンヌードル」(日清食品)"とありましたが、"トムヤムクンヌードルにも同様の傾向は見られた"そうです。(日清も日清食品 ラ王生産中止詐欺などで悪いイメージがある会社です)

 思い出すのがペプシコーラの変な味の期間限定商品(きゅうり味のペプシキューカンバーなど)です。これはゲテモノのような扱いで話題になって宣伝効果が非常に高かったです。(実際、普通の広告は出していないと聞いた覚えがありますが、これはうろ覚えですので不確かです)

 また、ペプシは期間限定にしているのもうまいです。お菓子などでも新発売の味は最初売れるものの、徐々に息切れし、やがてレギュラー商品に逆転されるといいます。最初から期間限定にしてしまうという戦略はうまいですね。

 というか、ペプシもそういえば、日本では確かサントリーが売っていましたね。同じところです。


 賛否両論あってメディアや消費者に話題にしてもらう…というのは、結局、品薄商法でもいっしょです。広告費を使わずに勝手に、しかも大々的に宣伝してくれるのですから、美味しい話です。ムーミンはアニメとアニメイラストを禁止して日本などで人気復活でもそういう話が出ていました。

 さらにこれは炎上商法にも言えそうですね。炎上商法の場合は賛否両論どころか「否」ばかりであるのにも関わらず、メリットがあって狙ってやると言われているのです。

 サントリーが品薄商法を狙ったかどうかはわかりませんけど、このように見ていくと品薄商法をやる企業の動機はわかります。「わかる」と言っても、別に理解できるからやっても仕方ないと言いたいわけではないですよ。良いことではないが利益のためにやる企業が現れるのが予想できるという意味の「わかる」です。


●サントリーが政治家の夕食会に大量無償提供…他社「考えられない」

2022/05/28追記:サントリー関連ということで追記。大量の酒類を政治家の夕食会に無償提供という話です。宣伝になるんだからいいじゃん!と思うかもしれませんが、違法の可能性があります。特定の政治家に賄賂を渡す形ですからね。他のお酒メーカーも「政治家に無償提供するなんて考えられない」という反応でした。

<一方、同業のキリンホールディングスは「たとえ要請があっても政治家に無償で製品を提供することはない」と説明。アサヒグループジャパンも「お客さまにお金を支払って購入していただくものなので、政治家のパーティーなどに提供することはない」と話した>

 こうした話があったのは、「桜を見る会」夕食会にサントリーが3年間、酒を無償提供 識者「違法な寄付の可能性」:東京新聞 TOKYO Web(2022年5月28日)という記事。サントリーというのは、もともと安倍政権に近いことで知られる企業だったそうで、そういった話もありました。

<安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会で、サントリーホールディングスが2017〜19年、計400本近い酒類を無償で提供していたことが分かった。政治資金規正法は企業の政治家個人への寄付を禁じており、「違法な企業献金に当たる可能性がある」との指摘が出ている>
<配川博之元公設第一秘書=同法違反罪で略式命令=の刑事確定記録で、会場のホテル側が作成した資料に「持ち込み」として酒類の記載があり、同社の電話番号も書かれていた。同社広報担当者は無償提供を認めた上で「安倍議員事務所から多くの方が集まると聞き、製品を知ってもらう機会と考え、夕食会に協賛した」と説明。17〜19年だけでなく16年を加えた4年間に毎年約15万円分を提供したという>
<サントリーホールディングスの新浪剛史社長は安倍政権下の2014年9月以降、政府の経済財政諮問会議の民間議員を務めている。同社は自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対し、毎年500万円前後を献金している>


●販売休止や品薄状態はやらせによる品薄商法?それとも不可抗力?

2024/01/09追記:ここから上記の話よりだいぶ前に<品薄商法(やらせ)か?不可抗力か?>というタイトルで書いていた品薄商法全般に関する話をまとめています。

2010/9/8:売れすぎで販売休止や品薄状態になる商品が相次いでいることについて、意図的であるとする“やらせ疑惑”があるようです。品薄状態によって企業は儲かると思われるため、品薄商法なんて言い方もされています。

 なぜ儲かるのか?というと、「品薄により販売休止」というニュースが流れることによる宣伝効果は絶大で、消費者の購買意欲を高めるため、そのような見方をされるようです。

 今回紹介する売れすぎ販売休止の損得 不可抗力?消えない“疑惑” ビジネスアイ 2010/09/05 石垣良幸、西川博明という記事は、一応「休止が目立つ食品業界には、やむを得ない特殊事情もある」とはしています。

 ただし、タイトルに「消えない“疑惑”」とある他、大半をその事例紹介に費やしていて解説が短いので、どちらかと言うと批判的な印象。一方、私はこれに関してメーカーに同情的なところがあります。


●最大に合わせて生産すると売れないとき大損害…企業のジレンマ

 記事で最初に出てきた事例は、猛暑により品薄となった赤城乳業の「ガリガリ君」のケースでした。私がメーカーに同情的な理由というのも、この事例を見るだけで代替わかると思います。努力していても品薄になってしまうケースはあるのです。

 今年(2010年)2月に埼玉県本庄市に新たな工場を建設し生産能力を1・5倍に増強したにも関わらず、24時間のフル操業でも供給が追いつかなかったほどの品薄に。ガリガリ君が以前記録した過去最高の売上を更新するのは確実のようです。

 赤城乳業の担当者は「例年なら、生産のピークは、梅雨明けから10日間くらい。8月以降も能力を超える事態は予想できなかった」と説明。記事の最後では、赤城乳業のような中堅企業は「大規模な投資を行う体力が乏しい」としていますが、「生産能力を1・5倍」というのは既にかなりの投資でしょう。

 通常、設備投資した金額を一年で回収するというのは有り得ないことと思います。今年のように品薄になるほど売れる年があるかもしれませんが、冷夏で全く売れない年もあるでしょう。ピークの年に合わせて投資すると、借金ばかりが残る可能性もあります。

 作り溜めしておくというのもアリでしょうが、単に製品を保管するだけでもお金がかかりますし、食品ですと保存に注文がつくことが多いです。アイスはあまり関係ないかもしれませんが、賞味期限のある製品なら、さらに難しい話になってきます。


【関連投稿】
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