●あなたの勤める企業は悪い会社? 3つの条件で組織を見る
2015/4/27:登録が必要な記事であり、前半部分しか読んでいないんですが、
グローバル時代のリーダーになるために、あなたが備えるべき資質とスキルとは? :EnterpriseZine (EZ)(緒方 啓吾(編集部)[著] / 伊藤真美[著] 2011/08/02 07:00)はその前半だけでもおもしろかったです。
これは、森時彦・リバーサイド・パートナーズ 代表パートナーの講演内容を記したものみたいでした。実を言うと、うちでは、いい会社・悪い会社の条件といったまとめをしたものの、この中では、直接そういった言葉は使っていません。ただ、そうまとめられそうな話だったんですよね。例えば、以下は「悪い会社の条件」「悪い組織の条件」と言えそうなものです。
<悪い会社・悪い組織の3条件>
「できない理由を見つけるのが上手い」
「目的のはっきりしない会議が多い」
「意思決定に時間がかかる」
あるあるある!という話。私が以前勤めていた企業は漏れなく当てはまっていました。パーフェクトです。
●悪い3条件の逆がいい会社…いい会社・いい組織の3条件とは?
では、逆に「いい会社の条件」「いい組織の条件」とも言えるべきものはどうなるのか?と言うと、上記の逆であれば良いということみたいな話でした。ただ、一つ一つそのまんま対応して逆ということでもなく、以下のような感じです。
<いい会社・いい組織の条件>
「スピードに富み」
「迅速に意思決定を行い」
「素早く行動する」
結局、意思決定の早さと実行の早さの2点を強調する内容で、とにかく早く!という感じです。そもそも「悪い会社・組織の条件」というのが、すべて意思決定・行動の遅さでしたので、その逆ということなのでしょう。前述の通り、いい会社・悪い会社の条件といった言葉は使っていなかったのですが、記事では、以下のような言い方をしていました。
<元気のない組織には共通する「悪しき生活習慣」がある>
「悪い生活習慣を持つ組織では、どんなに優れた戦略を実行しようとしても業績があがらない。業績をあげるには、組織に良い生活習慣を付けることが先決だ」(森時彦リバーサイド・パートナーズ 代表パートナー)
●新しいことはとにかく否定 「調べなくてもわかる」とも主張
ところで、この記事のタイトルは「グローバル時代のリーダーになるために、あなたが備えるべき資質とスキルとは? 」というものでした。私は組織の幹部に知ってほしい内容だと思ったものの、「グローバル時代のリーダーになるために」という将来リーダーになる人に向けて書かれています。
これは前述のような悪い組織において、"あなたが職場の救世主となるかもしれない"という観点で見ているためです。記事で一番おもしろかったのは、この悪い組織を立て直す救世主の具体的なエピソードでした。
"ある病院の外科部門では経営改善策の一環として、手術件数を従来の500件から600件に増や"そうとしていました。ところが、"現場レベルでのミーティングでは、「手術件数を増やすと医療過誤が起きる」「混雑して病院の評判が落ちる」といったネガティブな反論"ばかり。ちっとも先に進みません。あるあるある!とまた思う話です。
そこへたまたま通りがかったのが、森時彦さん。「ボトルネックを明らかにするためにプロセスマップを作ってみてはどうか」とアドバイスしました。ただ、これで「ハイ、解決」とスッと話が終わるわけではありません。これまたあるあると思う以下のような反応が返ってきました。
<すると、現場のメンバー達は「外科医の人数」であることは分かりきっていると即答したという。現在のスタッフは持てる限りのリソースを全て手術に投入している。今よりも多くの手術をこなすためには、より多くの外科医を現場に投入する必要がある>
何もする前から「~に決まっている」と言ってしまうのは、本当よくありますね。実際に分析して証明することが大事なんですけどね。ネットでよくある反応の「知ってる」「知ってた」みたいなのも、同様の愚かさです。
●専門知識がなく、具体的な解決策を示さなくても問題解決ができる!
ところで、この後の返しが森時彦さんは見事だなと思いました。冷たく全面的に否定されたものの、めげずに「外科医がベストな環境で手術に専念できれば、どのくらいの件数をこなせるのか」と今度は別のアドバイスをします。これは本質をついた見事な指摘でした!
"スタッフ達が日頃の業務を振り返りながら計算した結果、なんと1000件を上回る手術をこなすことができると算出"。500件から600件に増やすどころか、倍になってしまいました。「ベストな状態」であるのでもちろん理想ではあるのですけど、可能性を非常に感じます。そもそもこの時点で、「現在のスタッフは持てる限りのリソースを全て手術に投入している」という当初の主張が完全に崩れてしまっています。
なぜこうなったのか?と言うと、医師らは"勤務時間の半分以上は雑用に当てられて"いたことに全く気づかなかったためです。調べなくても「分かりきっている」としていたものの、実は全然わかっていなかったんですね。ボトルネックは「外科医の人数ではなく日常業務の役割分担」でした。
また、記事では"このエピソードの中で注目すべきは、森氏が具体的な指示や解決策を示していないということだ"という鋭い指摘もしています。外科医としての専門知識や仕事内容を把握していなくても、悪い組織の救世主になることは可能だったという、非常におもしろい話でした。
【関連投稿】
■
IQが20違うと会話が成立しない理由判明?情報を持つ人は相手も過大評価してしまう ■
顧客アンケート調査は無意味?意味がないとアップルが言う理由 ■
在宅勤務はメリットだらけ 問題点とされた生産性の意外な結果 ■
サムスンなどへの日本人技術者の転職を嫌う企業は、むしろ停滞する? ■
企業にとって採用応募者が多いことが悪で、少ない方が良い理由 ■
仕事・ビジネス・就活・経済についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|