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子供や部下を叱る・怒る VS 褒める 効果を比べた研究論文はある?


 叱る・褒めるの話をまとめ。<叱る・怒るを推奨する人が研究論文を示すのを見たことがない>、<子供や部下を叱る・怒る VS 褒める 効果を比べた研究論文はある?>、<褒められなかった子が現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは?>、<「勉強頑張りなさい」も「子供のためを思って説教」もダメな理由>などをまとめています。

冒頭に追記
2022/10/06追記:
●両親がケンカばかりしている家庭の子…まずこの時点で問題がある 【NEW】
●褒められなかった子が現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは? 【NEW】
●「勉強頑張りなさい」も「子供のためを思って説教」もダメな理由 【NEW】
●簡単にやる気を引き出せるのに…親も上司も逆にやる気を削ぐだけ 【NEW】

『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』(犯罪心理学者・出口保行)




●両親がケンカばかりしている家庭の子…まずこの時点で問題がある

2022/10/06追記:個別事例をベースにした話は科学的根拠とはならないので注意が必要なのですが、<母親に「頑張りなさい」と言われ続けて育った男性が、現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは>(22/10/6(木) 6:12配信 文春オンライン)で出てきた話は、過去に紹介してきた様々な指摘と一致する内容でしたのであちこちに追記しています。

 これは1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者・出口保行さんの著書『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』から抜粋した宣伝記事だったようです。この「1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者」などといった宣伝文句も ニセ科学的なものでも使われるものなので、一般的には注意が必要ですけどね。

 で、記事で出ていた事例の話。これは、ケンカばかりしていた両親が離婚した「ナオト」の事例です。父は営業成績が上がらず給与が低かったので、母親がしょっちゅうなじっていたとのこと。「お父さんみたいになっちゃダメだからね」と繰り返し言われたともいいます。まず、この時点で問題ですね。両親が喧嘩する様子を子供に見せるというのはよくないと言われています。

<(引用者注:両親の離婚)以来、ナオトは落ち込むことが多くなった。もともと勉強も遊びも集中することがあまりない。(中略)「そんなんじゃお父さんみたいになるよ。あんなふうになったらおしまいよ」そう言って母親は「勉強頑張りなさい」と繰り返すのだった>
https://news.yahoo.co.jp/articles/2bd5b3114a744b7e44c64e9b1459de1ab814f813


●褒められなかった子が現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは?

 しかし、小学6年生の担任はいい先生で、「ちょっとずつでいいんだよ」と努力を認めてくれます。努力が結果に結びつくとは限らないというのが現実の残酷さですが、このときは結果も出ました。どうしても2しかとれなかった国語が3になったのです。ところが、母親は、「3で喜んじゃいけない」「小学生のうちに国語ができるようになっておかないと中学で苦しむよ」とこの結果を褒めるどころか叱ってしまったのです。

<内心はほっとしているのだが、もっと頑張ってほしいという気持ちで厳しくあたるのだった。ナオトは心底がっかりした。頑張っても評価してもらえないんだと思い、それ以来コツコツ努力することをやめてしまった。
 その後、高校はなんとか卒業したものの、何に対しても前向きな気持ちが起きない。先生に言われるままに機械メーカーに就職したが、3か月で離職。家にひきこもってゲームをする毎日だ。
 母親は「だから勉強しろと言ってきたのに」「どうしようもないクズになった」などと叱責ばかりする>

 記事は、<母親に「頑張りなさい」と言われ続けて育った男性が、現実逃避の末に手を染めてしまったモノとは>というタイトルでした。この手を染めてしまったモノとは「大麻」。ナオトは似たような状況の中学時代のゲーム仲間と再会して、「外国じゃ普通だし、副作用もないし。他はともかく、大麻は大丈夫」とハマってしまったそうです。

 話がそれますが、これは当然大麻にハマるのは良くないこと…という理解のもとで使われています。「そりゃそうだろ」と思うかもしれませんが、たぶん大麻推進派の方はこれを読んでお怒りでしょう。彼らはまさに「外国じゃ普通だし、副作用もないし。他はともかく、大麻は大丈夫」という主張。むしろ大麻を解禁し、本当に危険な薬物に手を出させないようにすることで、日本は良くなるといいます。


●「勉強頑張りなさい」も「子供のためを思って説教」もダメな理由

 大麻の話はいいとして、犯罪心理学者・出口保行さんの解説です。「頑張って」は、一般的に応援の意味で使われる言葉ではあるものの、実際には「応援してもらっている」とは感じないどころか、否定的な言葉としてとらえられたことを指摘。父親に対する悪口とセットであったことも災いしたといいます。

<そもそもなぜ被害感や疎外感が強くなったかといえば、親子間における日ごろのコミュニケーションに問題があるわけです。ナオトの場合、父親のことはさておいても、「あなたのことを大事に思っている」ということが伝われば、また違った受け止め方をしたでしょう>

 非行少年の親でも、別に暴言を吐いたこともないし、いい言葉をたくさん言っていると思っている人はいるとのこと。実際、自分はいい親だと思っている人も多いのでしょう。ただし、大事なのは親の思いではなく、子がどう受け止めているかだとの指摘。「子供のためだから」という親の言い分を認めてはいけないんでしょうね。

<たとえば親が子どもに対して説教をしているとき。話していることは非の打ちどころのない正論かもしれません。丁寧な言葉を使っているかもしれません。しかし、親からすれば「いいことを言った」と思っていても、子どもからすると「何もわかってない」と思うことはよくあるわけです。
 少年鑑別所での面会の様子などを見ていると、それが如実(にょじつ)にわかります。「親はいいことを言っているが、子どもはまったく信用していないな」と思います。
 そういう親は「頑張れって応援してきたのに、うちの子は全然こたえようとしなかった」と言います。子どもは応援だと受け止められなかったのです。同じ言葉でも、受け止め方は同じではありません。180度違うことだってあるのです。そこに気づかなければなりません>


●簡単にやる気を引き出せるのに…親も上司も逆にやる気を削ぐだけ

 上記はビジネスの上司先輩でもあるあるだな~と思いました。すると、その次にさらに「ビジネスと同じ」という話が出てきてびっくり。<意欲=やる気は自分の内側から出てくるもので、他者が植えつけることはできません。ただ、意欲を促すことはできます。心理学ではこれを「動機づけ」といいます>という指摘でした。

<小学校の担任の先生は、ナオトの努力を褒めて勉強への意欲を促進することができていました。ところが、母親は褒めるどころか逆のことをしました。内心はほっとしているのに、「これくらいで満足するな」「もっと頑張れ」とたきつけるのです。これではせっかく芽生えたやる気もそがれてしまうというもの>

 もともとやる気がないわけではなく、行動しても結果が出ないことを何度も経験するうちに、やる気を失い行動しない状態を「学習性無力感」と言うとのこと。心理学者マーティン・セリグマンが1967年に提唱した概念で、これは実験的な裏付けがあるものです。こういう研究の話があるのは良い書籍ですね。以下のような実験の話が載っていました。

<犬を2つのグループに分け、どちらも電気ショックが流れる部屋に入れました。Aグループは、スイッチを押せば電気ショックを止めることができます。Bグループは何をしても止めることができません。
 これを経験したあとに、両グループを低い壁で囲まれた部屋に入れました。この部屋にはやはり電気ショックが流れるのですが、壁を飛び越えればそれを避けることができます。Aグループの犬は壁を飛び越えて電気ショックから逃れることができました。しかし、Bグループの犬は、壁を飛び越えれば逃げられるにもかかわらず、そのまま電気ショックの部屋にい続けました。
 つまり、自分が何をしても電気ショックを止められないと学習した犬は、逃げられる環境になっても行動しなかったわけです。「何をしてもムダだ」とあきらめてしまったのです>

 学習性無力感は自由な環境でこそ起こるといいます。結果が出ないことを繰り返したせいであきらめてしまうのです。学習性無力感に陥らないためには、いわゆるプロセスを褒めること。結果がどうであれ「やってみよう」と思ったこと、そして少しでも行動に移したことを褒めるのです。このことはよく言われていますね。

<本人は頑張っているつもりだけれど、やる気がないように見えることもあります。(中略)そういう子に対して「やる気出せ」「頑張れ」と言っても逆効果です。「うるせぇ!」と、反抗し努力をやめてしまうでしょう。(中略)
「別に何もやる気ない。努力なんかしたってムダだし」と冷めた態度の非行少年に対しても、ちょっとした行動を見つけてプロセスを褒めるうちにバーッと喋(しゃべ)るようになるということがよくあります。
 (中略)少年鑑別所にいる、ひねくれ度MAXのような非行少年でさえ素直に戻るのですから。やる気がなさそうだったり反抗的だったりするからといって、親やまわりの大人がすぐにあきらめるようではいけません>


●叱る・怒るを推奨する人が研究論文を示すのを見たことがない

2015/4/29:今回なぜ叱ると褒めるを比較した研究を探そうと思ったのか?と言うと、子供や部下を褒めることを推奨する研究はメディアでよく紹介されているのに、叱る・怒ることを推奨する研究は一度も紹介されているのを見たことがなかったためです。

 もちろん叱ること・怒ることが子どもを育てるために大事だ、ビジネスで部下を教育するために大事だという記事は、非常にたくさんあります。むしろかなり多いのです。ただ、そうした意見を言う人は、学術的な研究に基づいているわけではなく、経験則がベース。

 叱るを推奨する人で研究論文を元にした発言をしている人は読んだことがなかったため、学術的には効果がないことはわかっているのかな?と思い、確かめてみようと思いました。

 なお、「褒める」しかタイトルにしていないものの、「褒める」よりも「認める」の方が効果的という研究もよくメディアで取り上げられています。また、実は褒め方も間違えると逆効果という研究も出ており、叱るよりは良くても褒めるに注意が必要といった感じ。たとえば、結果を褒める、見当外れな褒め方をするなどは、良くないとされています。


●科学的根拠なし!叱る・怒るに関する研究はやっぱり少なかった…

 ということで、叱る・怒るに関する研究を検索てみたのですが、やはり予想通りなかなか出てきません。研究の裏付けが少ないというのは、それだけでマイナスになってしまいます。まだ叱ることの教育効果の研究が進んでいない…という可能性があるものの、その場合でも、「叱ることに良い効果があるという科学的根拠が十分にない」と考えなくてはいけません。

 ただ、叱る・怒るに関する研究は皆無というわけではなく、あるにはありました。とはいえ、問題ありな感じ。叱る・怒るが大切だという考え方は日本に限らず伝統的に支持者が多いためにこんなことを言うと怒られそうですが、検索で出てくる数少ない「研究」というのも、研究の体をなしていないものばかりに見えます。

 なお、怒ることによる教育効果という意味ではなく、怒ることそのものの研究はいくつか見つかりました。怒られている相手ではなく、怒っている人自身の健康へプラスだとかマイナスだとかという話です。全く求めていたものと違うのですが、これはこれでおもしろいので本題が終わった後で紹介しようと思います。


●大人は子どもをもっと叱らなくてはいけない?

 叱ることに関する研究は、研究論文でお馴染みのCiNii 論文で多数ヒットしてくれました。ところが、「抄録」がついていないものが多く、内容がわかりません。

 たとえ抄録があるものでも、今回の目的に合わないものもあります。たとえば、CiNii 論文 - 子どもの叱り方については初めから叱ることが良いことだとしているものの、叱ると褒めるを比較しているわけではなく、褒めるより良いかどうかはわからないものでした。
子どもの叱り方について A report on the way of scolding children 

川島 眞 KAWASHIMA Makoto 尚美学園大学芸術情報学部音楽表現学科

抄録

青少年による犯罪や問題行動の質的変化に応じて、昨今、大人が子どもの行為を大目にみがちな傾向を反省し、子どもを叱ることの必要性を再認識する声が強くなっている。そこで、今後必要になるであろう効果的な子どもの叱り方を探るために、学生を対象とした調査を行った。170 名の大学生(短大生を含む)に中学生時の親からの叱られ体験のなかで、もっとも嫌な叱られ方を自由回答させるという方法をとった。その結果、嫌な叱られ方は「くどい叱り方」、「他者と比較して叱る」、「一方的否定」、「感情的・親都合優先の叱り方」、「遠まわしな叱り方」、「命令的な叱り方」、「子ども軽視」の7つのカテゴリーに分類された。本稿ではこれらの結果をもとに効果的な叱り方の試案を提示し、それらについて学習理論とカウンセリング理論の視点から、有効性の検討を行った。

収録刊行物

尚美学園大学芸術情報学部紀要 3, 119-128, 2004-03-31

●子供や部下を叱る・怒る VS 褒める 効果を比べた研究論文はある?

 ただ、私の期待にバッチリ応えていたものも幸いあったんですよ。褒めるとの比較ではなかったんですけど、期待と叱る行為を比較した結果がありました。「そうそう、こういう研究が知りたかったんですよ」というもの。結果、叱ることの効果はないか、むしろ悪いというものでした。やはり事前の予想通り、叱るは良くないものだと考えられます。
CiNii 論文 - 子どもの行動実現に対する親の発達期待と叱る行為の影響

子どもの行動実現に対する親の発達期待と叱る行為の影響 The influence of parent's developmental expectation and chider behavior on child outcomes

森下 正修 MORISHITA Masanao 京都府立大学福祉社会学部
本島 優子 MOTOSHIMA Yuko 京都大学大学院教育学研究科

抄録

本研究では、親が子どもについて日常的に抱いている発達への期待と、子どもに対する叱る行為、および子どもの行動実現の三者の関係について検討した。設定された7領域の行動のすべてにおいて、当該行動についての親の発達期待が高いほど子どもの行動実現も進んでいることが明らかとなった。ただし、親の発達期待の高さは叱る行為の増加には必ずしもつながらないこと、また叱る行為の持つ行動実現への効果はほぼ認められないかもしくは負の影響を及ぼすことが示された。こうした結果から、親が子どもに対して抱いている素朴な発達期待は、ある行動ができないことを叱るという行為を媒介せずに、他の何らかの意識的・無意識的な方法を通じて、子どもの行動の獲得を促進させることがわかった。

収録刊行物

福祉社会研究 4・5, 41-51, 2005-02

●「叱る」の中でも特にまずいのは「人格評価」や「突き放し」

 以下は、叱る以外のより良い方法がある可能性を考慮していない研究。ですので、上記のものと比べると、少し欲しかった方向性と異なり、ちょっと良くない研究かなと思いました。ただ、「叱る」の中でも非常に良くないものがあることを示した研究で、こちらも参考になります。

 この研究、CiNii 論文 - 親の叱りことばの表現と子どもの受容過程に関する研究(1)で、最悪だとされていたのは、「人格評価」や「突き放し」。「人格評価」がダメというのは、育児法の中でもよく触れられていますね。研究でも確かめられているようです。
親の叱りことばの表現と子どもの受容過程に関する研究(1) A Study on Types of Parent Scolding Utterances and Children Acceptance Process. (1)

松田 君彦 MATSUDA Kimihiko 鹿児島大学教育学部 FACULTY OF EDUCATION, KAGOSHIMA UNIVERSITY
児嶋 晃代 KOJIMA Akiyo 鹿児島大学教育学部 FACULTY OF EDUCATION, KAGOSHIMA UNIVERSITY

抄録

子どもは,普段からの親の自分に対する態度や関わり方からいろんなことを感じ取っており,日常の"叱られる"という場面でちょっとした叱りことばの違いに敏感に反応しているといえる。本研究は,親の用いる"叱りことば"をいくつかのタイプに分類し,どのような叱り方が子どもに受容されやすいかということ,さらには,親の自分に対する日頃の関わり方を子ども自身がどのように認知しているかによって,同じ叱り方でも受け止め方に違いが見られるのではないかということを調べることが目的である。結果としては,「人格評価」や「突き放し」といった叱り方は子どもに反発感情を生じさせるが,親との信頼関係の有無が重要な媒介変数であることがわかった。

収録刊行物

鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編 54, 187-203, 2003-03-18


●相手のプライドをズタズタにする…人前で叱るも最悪の叱り方

 下書きでは最初、ここの項目がありませんでした。ただ、用意した話が少ないかな?と思って追加検索で見つけたものを紹介。結局、追加検索でもおもしろかった話は一つだけで、なおかつ叱る・怒るはあまり関係ない話でした。見つけたのは、企業で部下の業績を引き上げる上司は人前で叱らないことがわかった…という研究です。

 これは、竹内宏の経済情報 | その他の連載・論文 | 静岡総研「SRI」時々刻々 | 98号 任せて、褒めること。で出ていた話。まず、80年代の大企業の課長クラスの勤務評定では、「部下を育てたか」という項目が大きなウエイトを持っていたと紹介。自分の成績にもなるので部下のことをプロモーション。大企業の役員には、人柄が丸いと人がいるのは、そのためだとされていました。

 その後、以下のように昔のヤクザ清水次郎長のエピソードを紹介した上で、私が重視する研究の話が登場。研究では任せて褒めることが良いという結果が出たため、<学問研究の結果は、大企業の人柄が良い課長や清水次郎長が、部下や子分に接している方法と変わらなかった>としていました。

<兎に角、仕事を任せ、かつ褒めることが、勤労意欲を刺激する最良の方法だ。清水次郎長は子分から慕われ、彼のためには命を投げだす覚悟の子分が少なくなかった。次郎長は子分への接し方を聞かれた時、「あっしゃ、人前で子分を叱ったことはございやせん。褒める時は人前でございやす」と答えたという。(中略)
 アメリカでは、最近、経営学者が最も低いコストで最大の働き甲斐を与える方法は何かを研究している。中には、ゲームの理論を使って、コストをかけずに妻を働かせる方法を厳密に計算している学者もいる。その答は任せる振りをすることと、大した成果が上がってない時でも褒めることだった>

 こちらでも、人前で叱るのが最悪なら裏で叱るのは良いのか?ということは触れられておらず、もうちょっと突っ込んでくれるとありがたかったところ。とはいえ、子どもの話でもこうしたことは言われていますね。子どもだってプライドがある、人前で叱りつけるのは厳禁だ…という話を最近読みました。


●怒る人は疲れてる?あらゆる種類のストレスが人間を怒りっぽくする

 本題は以上で終わり。残念ながら求めたような研究論文はほとんどなく、以降は違う系統のお話。残りは先に書いた怒りに関する研究でおもしろかったものですね。まずWikipediaから。当たり前だろうと思うでしょうけど、疲れているときは怒りっぽいという話です。ネットで怒っている人が多く見かけるというのは、リアルでうまくいっていない人が多いのかもしれませんね。
怒り - Wikipedia 最終更新 2015年1月25日 (日) 00:11

アラバマ大学の心理学者、ドルフ・ツィルマンは、詳細な実験を重ねて怒りのしくみを調べたという。(中略)

あらゆる種類のストレスは副腎皮質に働きかけて精神を緊張させ、人間を怒りっぽくするという。普段はやさしい父親でも、仕事でくたくたに疲れて帰宅したときには子供が騒いだり散らかした程度でも頭に血がのぼってしまう。

ドルフ・ツィルマンは、次のような実験を行った。
まず、実験の助手Aが被験者を悪意に満ちた言葉(憎まれ口)で挑発する。次に被験者を二つのグループに分け、片方には楽しい映画を、もう片方には不快な気分になる映画を見せる。その後被験者に、先ほど憎まれ口をきいた助手に仕返しをするチャンスを与える。助手の採用/不採用を検討する際の参考にするという名目で助手の評価を求める。

すると、仕返しの辛らつ度は、被験者が直前に見た映画の内容と明らかな関連を示し、不快な気分になる映画を見せられた被験者のほうが助手に対して怒りの度合いが強く、辛らつな評価となった。

●怒ると日本人は健康に、アメリカ人ほど不健康になる

 日本人は怒ると健康に良いという変な研究もありました。研究者「怒る日本人ほど健康になっていることが判明! 逆に怒るアメリカ人ほど健康を崩す」 | バズプラスニュース Buzz+(Date : 2015.03.19 執筆: Yu Suzuki)で載っていた話です。
この論文は、昔から日本人とアメリカ人の違いを研究してきた、ミシガン大学の北山忍教授によるもの。ウィスコンシン大学が行った国際的な健康調査を使って、アメリカ人と日本人のデータをくらべたんですね。サンプル数はそれぞれ1400人ぐらい。具体的に比較した数値は、

「参加者が怒りを表現した回数」(他人を罵倒した等)
「体内の炎症レベル」
「心肺機能の高さ」

などなど。すると、

「怒るアメリカ人ほど健康を崩している」
「怒る日本人ほど健康になっている」

という真逆の相関がみられたんだとか。もちろん、年齢や喫煙といった変数はちゃんと調整されております。

 なぜ逆になったのか? 北山忍教授はまず「西洋においては、怒りの感情は、フラストレーションや貧困、社会的地位の低さなどの指標として機能する。いずれも健康を損なう可能性を持つ要素だ」と指摘しています。

 一方、"東洋では、怒りの感情は権力や地位の高さの表現として使われるケースが多い"としていました。"「俺を誰だと思ってるんだ!」みたいな怒りのことですかねぇ"と記事では予測。私は日頃のストレスを部下や子どもを叱ることで、発散させているのかな?と思いました。怒られる方は一方的に被害を受けていて、迷惑極まりないですけどね。目下の人を搾取して肥えているイメージです。

 ただ、ストレス発散という意味では、日本人がネットで怒りまくっているのは、健康のためには良いことなのかもしれません。とはいえ、これは地域性が…というより結局怒り方の種類が異なるというもので、単純に日本人は怒ると健康に良い…とはできないと思われます。


●実際には怒りで健康どころか死に繋がる場合も…

 単純に日本人は怒ると健康に良い…とは言えないだろうというのは、たとえば、怒りの爆発は心臓発作の引き金に、心筋梗塞は4倍に、くも膜下出血も6倍 | Medエッジ(西川伸一 THE CLUB 2014年9月24日 3:00 PM)といった話が洋の東西を問わず見られるものであるため。
 心臓領域の国際誌であるヨーロピアン・ハート・ジャーナル誌にドンピシャの論文を見つけた。

 ハーバード大学のベスイスラエル病院のグループの研究で「怒りの爆発は急性の心臓発作の引き金になる:体系的再調査とメタ解析(Outbursts of anger as a trigger of acute cardiovascular events: a systematic review and meta-analysis)」がタイトルだ。

 この病院で研究を行ったわけではなく、これまでの論文を集めて再調査し、新たに分析したもの(引用者注:メタ解析)だ。

 実際には1966年以来このテーマについて発表された5000を超す論文の抄録を読み、その中から科学的に研究が行われていると判断できた論文を9編選び出し、そのデータを再解析している。

 怒りの程度を評価する点数制の指標があり、「オンセット・アンガー・スコア」と呼ばれている。

 結果は予想通りだ。選んだ全ての論文で怒りを爆発させた後2時間で、「心筋梗塞」を含む「急性冠動脈症状」が約4倍になっていた。心筋梗塞は、心臓を取り巻いて血流を供給する冠動脈が詰まって心臓が動かなくなる病気だ。さらに、この冠動脈が狭くなって胸が痛くなる「狭心症」などがやはり4倍程度、そして脳の動脈がこぶ状に出っ張ったところが破れる「脳動脈瘤(どうみゃくりゅう)破裂」によるくも膜下出血が6倍、心臓の動きに異常が出る「不整脈」が2~3倍上昇するという結果だ。

 ブログ初期に憤死に関する話をいくつもやっていました。ちょうどこれと同じ憤死の医学 怒りが心臓発作(心筋梗塞)、脳溢血、狭心症などを誘うというテーマもあります。この憤死は西洋でも多いですが、「憤死」という適切な用語が昔からあるように、日本や中国などの東洋でもお馴染みのもの。怒るのが健康に良いと真に受けて怒りすぎることは、おすすめしません。

『 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 』(犯罪心理学者・出口保行)




【本文中でリンクした投稿】
  ■憤死の医学 怒りが心臓発作(心筋梗塞)、脳溢血、狭心症などを誘う

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