子どもの叱り方について A report on the way of scolding children
川島 眞 KAWASHIMA Makoto 尚美学園大学芸術情報学部音楽表現学科
抄録
青少年による犯罪や問題行動の質的変化に応じて、昨今、大人が子どもの行為を大目にみがちな傾向を反省し、子どもを叱ることの必要性を再認識する声が強くなっている。そこで、今後必要になるであろう効果的な子どもの叱り方を探るために、学生を対象とした調査を行った。170 名の大学生(短大生を含む)に中学生時の親からの叱られ体験のなかで、もっとも嫌な叱られ方を自由回答させるという方法をとった。その結果、嫌な叱られ方は「くどい叱り方」、「他者と比較して叱る」、「一方的否定」、「感情的・親都合優先の叱り方」、「遠まわしな叱り方」、「命令的な叱り方」、「子ども軽視」の7つのカテゴリーに分類された。本稿ではこれらの結果をもとに効果的な叱り方の試案を提示し、それらについて学習理論とカウンセリング理論の視点から、有効性の検討を行った。
収録刊行物
尚美学園大学芸術情報学部紀要 3, 119-128, 2004-03-31
CiNii 論文 - 子どもの行動実現に対する親の発達期待と叱る行為の影響
子どもの行動実現に対する親の発達期待と叱る行為の影響 The influence of parent's developmental expectation and chider behavior on child outcomes
森下 正修 MORISHITA Masanao 京都府立大学福祉社会学部
本島 優子 MOTOSHIMA Yuko 京都大学大学院教育学研究科
抄録
本研究では、親が子どもについて日常的に抱いている発達への期待と、子どもに対する叱る行為、および子どもの行動実現の三者の関係について検討した。設定された7領域の行動のすべてにおいて、当該行動についての親の発達期待が高いほど子どもの行動実現も進んでいることが明らかとなった。ただし、親の発達期待の高さは叱る行為の増加には必ずしもつながらないこと、また叱る行為の持つ行動実現への効果はほぼ認められないかもしくは負の影響を及ぼすことが示された。こうした結果から、親が子どもに対して抱いている素朴な発達期待は、ある行動ができないことを叱るという行為を媒介せずに、他の何らかの意識的・無意識的な方法を通じて、子どもの行動の獲得を促進させることがわかった。
収録刊行物
福祉社会研究 4・5, 41-51, 2005-02
親の叱りことばの表現と子どもの受容過程に関する研究(1) A Study on Types of Parent Scolding Utterances and Children Acceptance Process. (1)
松田 君彦 MATSUDA Kimihiko 鹿児島大学教育学部 FACULTY OF EDUCATION, KAGOSHIMA UNIVERSITY
児嶋 晃代 KOJIMA Akiyo 鹿児島大学教育学部 FACULTY OF EDUCATION, KAGOSHIMA UNIVERSITY
抄録
子どもは,普段からの親の自分に対する態度や関わり方からいろんなことを感じ取っており,日常の"叱られる"という場面でちょっとした叱りことばの違いに敏感に反応しているといえる。本研究は,親の用いる"叱りことば"をいくつかのタイプに分類し,どのような叱り方が子どもに受容されやすいかということ,さらには,親の自分に対する日頃の関わり方を子ども自身がどのように認知しているかによって,同じ叱り方でも受け止め方に違いが見られるのではないかということを調べることが目的である。結果としては,「人格評価」や「突き放し」といった叱り方は子どもに反発感情を生じさせるが,親との信頼関係の有無が重要な媒介変数であることがわかった。
収録刊行物
鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編 54, 187-203, 2003-03-18
竹内宏の経済情報 | その他の連載・論文 | 静岡総研「SRI」時々刻々 | 98号 任せて、褒めること。
任せて、褒めること。 静岡総研「SRI」時々刻々 98号
大企業の課長クラスの勤務評定(80年代)では、「部下を育てたか」という項目が大きなウエイトを持った。終身雇用制のもとでは、若手の育成の成否が会社の将来を左右した。A氏のような課長は、勤務評定のこの項目で高得点を取る。その上、部下が熱心に働いた成果は、彼の成績になるから、順調にプロモーションするのである。大企業の役員には、人柄が丸いと人がいるのは、そのためだ。
兎に角、仕事を任せ、かつ褒めることが、勤労意欲を刺激する最良の方法だ。清水次郎長は子分から慕われ、彼のためには命を投げだす覚悟の子分が少なくなかった。次郎長は子分への接し方を聞かれた時、「あっしゃ、人前で子分を叱ったことはございやせん。褒める時は人前でございやす」と答えたという。(中略)
アメリカでは、最近、経営学者が最も低いコストで最大の働き甲斐を与える方法は何かを研究している。中には、ゲームの理論を使って、コストをかけずに妻を働かせる方法を厳密に計算している学者もいる。その答は任せる振りをすることと、大した成果が上がってない時でも褒めることだった。
学問研究の結果は、大企業の人柄が良い課長や清水次郎長が、部下や子分に接している方法と変わらなかった。
怒り - Wikipedia 最終更新 2015年1月25日 (日) 00:11
アラバマ大学の心理学者、ドルフ・ツィルマンは、詳細な実験を重ねて怒りのしくみを調べたという。(中略)
あらゆる種類のストレスは副腎皮質に働きかけて精神を緊張させ、人間を怒りっぽくするという。普段はやさしい父親でも、仕事でくたくたに疲れて帰宅したときには子供が騒いだり散らかした程度でも頭に血がのぼってしまう。
ドルフ・ツィルマンは、次のような実験を行った。まず、実験の助手Aが被験者を悪意に満ちた言葉(憎まれ口)で挑発する。次に被験者を二つのグループに分け、片方には楽しい映画を、もう片方には不快な気分になる映画を見せる。その後被験者に、先ほど憎まれ口をきいた助手に仕返しをするチャンスを与える。助手の採用/不採用を検討する際の参考にするという名目で助手の評価を求める。
すると、仕返しの辛らつ度は、被験者が直前に見た映画の内容と明らかな関連を示し、不快な気分になる映画を見せられた被験者のほうが助手に対して怒りの度合いが強く、辛らつな評価となった。
この論文は、昔から日本人とアメリカ人の違いを研究してきた、ミシガン大学の北山忍教授によるもの。ウィスコンシン大学が行った国際的な健康調査を使って、アメリカ人と日本人のデータをくらべたんですね。サンプル数はそれぞれ1400人ぐらい。具体的に比較した数値は、
「参加者が怒りを表現した回数」(他人を罵倒した等)
「体内の炎症レベル」
「心肺機能の高さ」
などなど。すると、
「怒るアメリカ人ほど健康を崩している」
「怒る日本人ほど健康になっている」
という真逆の相関がみられたんだとか。もちろん、年齢や喫煙といった変数はちゃんと調整されております。
心臓領域の国際誌であるヨーロピアン・ハート・ジャーナル誌にドンピシャの論文を見つけた。
ハーバード大学のベスイスラエル病院のグループの研究で「怒りの爆発は急性の心臓発作の引き金になる:体系的再調査とメタ解析(Outbursts of anger as a trigger of acute cardiovascular events: a systematic review and meta-analysis)」がタイトルだ。
この病院で研究を行ったわけではなく、これまでの論文を集めて再調査し、新たに分析したもの(引用者注:メタ解析)だ。
実際には1966年以来このテーマについて発表された5000を超す論文の抄録を読み、その中から科学的に研究が行われていると判断できた論文を9編選び出し、そのデータを再解析している。
怒りの程度を評価する点数制の指標があり、「オンセット・アンガー・スコア」と呼ばれている。
結果は予想通りだ。選んだ全ての論文で怒りを爆発させた後2時間で、「心筋梗塞」を含む「急性冠動脈症状」が約4倍になっていた。心筋梗塞は、心臓を取り巻いて血流を供給する冠動脈が詰まって心臓が動かなくなる病気だ。さらに、この冠動脈が狭くなって胸が痛くなる「狭心症」などがやはり4倍程度、そして脳の動脈がこぶ状に出っ張ったところが破れる「脳動脈瘤(どうみゃくりゅう)破裂」によるくも膜下出血が6倍、心臓の動きに異常が出る「不整脈」が2~3倍上昇するという結果だ。
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