ユリ・ゲラーさんがポケモンのパクリキャラ裁判で負けたのは、実を言うと、任天堂法務部が最強だったからではないというもの。そもそも裁判の基準を満たしていないという意外な理由で却下されていたようです。また、ユリ・ゲラーさんはこれ以外にも裁判ネタがありますので、そちらの話もやっています。奇術が下手すぎて裁判で超能力ショー禁止になったという話は、特に珍妙なものでした。
2020/11/30追記:
●ユリ・ゲラー氏がポケモン裁判で任天堂に謝罪し、販売解禁の意向
●イメージを盗まれた!ユリ・ゲラー氏のポケモン・ユンゲラー裁判
2015/5/1:ユリゲラーさんのパクリキャラであるポケモンのユンゲラーで、任天堂に大してユリゲラーさんが訴訟を起こしたというのは有名な話です。
ユリ・ゲラー - Wikipedia 最終更新 2015年1月9日 (金) 12:03
2000年、ゲーム「ポケットモンスター」のポケモン「ユンゲラー」に自分のイメージを盗用されたとして、任天堂を相手取り6000万ポンド(約101億円)の損害賠償を求める裁判をロサンゼルスの連邦地裁に起こした。
ポケモンの一覧 (52-101) - Wikipedia 最終更新 2015年1月26日 (月) 19:12
このポケモンについては、ユリ・ゲラーが自分のイメージを盗用されたとして抗議を寄せている(中略)のDPBP#070は欠番になっている。
●最強法務部っぽくない…任天堂がユリ・ゲラー氏に勝てた意外な理由
これはユリ・ゲラーさんが敗訴していたというのは覚えていたものの、判決の理由は知りませんでした。実は判決では「任天堂が名誉毀損していない」といったことは言われていなかったみたいです。下記のような意外な理由であり、拍子抜けしました。
(2016/12/13追記;別の説が広まっていたので、
ポケモン都市伝説のデマ拡散?ユンゲラー裁判の任天堂法務部最強エピソードが事実とは思えない嘘臭さで書きました)
<エスパーポケモン「ユンゲラー」に対し、ユリ・ゲラーが名誉毀損として提訴。スプーンを曲げる超能力系キャラとして、自分のイメージを勝手に使われたとして損害賠償を求めたが、「ユンゲラー」と称するキャラクターは日本のみで扱われている商品であり
連邦法での訴訟は要件を満たさず、敗訴となった>
(
ポケットモンスター - Wikipedia 最終更新 2015年2月20日 (金) 03:31より)
そもそも裁判できない案件ということで却下されていたんですね。任天堂法務部は最強と言われていますけど、ユンゲラーを海外で扱っていないところを見るとヤバイと思って逃げたのかもしれません。これに関して言うと、任天堂法務部は実質的に負けた…と考えた方が良いでしょうか。
●裁判の神様に愛されてる?やたらと裁判ネタがあるユリ・ゲラー氏
ところで、冒頭に書いたようにユンゲラーの件は有名ですので、私も聞いたことがありました。ところが、これ以外にもユリゲラーさんは裁判絡みの話が多いというのは知りませんでした。以下、断りがない引用はく
ユリ・ゲラー - Wikipediaからです。
例えば、"1991年から1995年にかけて、ゲラー批判を続けていた「サイコップ」に対して、エルドン・バードと共に訴訟を起こ"しています。サイコップというのは、超常現象や疑似科学に対して科学的な調査・批判を行う国際的な非営利団体です。サイコップのメンバーであるベテランの奇術師ジェームス・ランディさんが、同席する席で彼の超能力が発揮されることはなかったというので、手口を見破られていたんでしょうね。
この裁判は1995年3月に和解が成立しています。ただ、Wikipediaの書き方だと、ユリゲラーさんの実質的な負けのように見えました。"ゲラーは「軽薄な告発」の賠償としてサイコップに対し12万ドルの賠償金を支払った"と書いていたのです。
この「軽薄な告発」というのは、損害賠償を請求できるような告発ではないのに告発したということでしょうか? 日本でも恫喝訴訟(スラップ)が問題になっています。「軽薄な告発」という認定があると良いんですけどね。
●奇術が下手すぎて裁判で超能力ショー禁止に
直接ユリゲラーさんが訴えられたケースではありませんが、以下も裁判絡みのものです。
2002年 イギリスのジャーナリストマーティン・バシールをマイケル・ジャクソンに紹介した。この時バシールらが製作した番組マイケルジャクソンの真実が後にマイケル・ジャクソン裁判に発展。ユリはバシール側よりマイケル・ジャクソンを紹介した謝礼として数千万円(20万$と言われている)の謝礼を受けとっており非難を浴びた。また、マイケル・ジャクソンと疎遠になっている。バシールの番組放映後、マイケルと疎遠だった事は本人も認め、バシールを紹介した事を悔やんでいると語っているが、マイケル・ジャクソンとの交流は復活しないままマイケルは永眠した。
そして、そもそも超能力者活動を始めてすぐのときから、既に裁判に関わっています。
キャンプでシンプソン・シュトラング(通称シピ)という少年と知り合ったユリは、奇術の共同研究を始め、友人のパーティーやナイトクラブでの超能力ショーを始めるようになる。だが、そこでの奇術(テレパシー術)があまりに稚拙であったため、ナイトクラブの支配人らから訴えられ、裁判で「今後、イスラエル国内で超能力を冠したショーを行ってはならない」との処分が下される。
テレパシー術が下手だからと言って、ショー禁止になるってのは妙な気がしますが、とりあえず、そういう判決でした。
●超能力者はむしろ下手な手品師の方が良い?
上記は超能力者活動の初期でしたが、実はユリゲラーさんは手品師としてもひどく下手なようです。巧妙な手品であると言っている人もいるものの、プロから見ると違うみたいですね。
"彼の”能力”と称するものを奇術によって再現出来るプロマジシャンからするとゲラーの”能力”は、鼻持ちならない程、稚拙で雑である"と、Wikipediaにはありました。
ただ、不思議なことに、"その拙さ故に人は簡単に信じてしまうものだと、指摘している"とありました。ユリゲラーさんの話だったかは忘れましたが、超能力か何かの信者の人が「失敗するときもある。だから本物だ!」と擁護したという逸話も読みました。
成功しても失敗してもなぜか「本物」になってしまいます。どうしようもないですね。
●大幅減益でピンチのコロプラに任天堂が44億円要求して訴訟
2018/01/12:ユリ・ゲラーさんの話ではなく、任天堂裁判ネタでの追記。スマートフォン向けゲームを手掛けるコロプラは10日、任天堂からコロプラの主力ゲーム「白猫プロジェクト」の差し止めと44億円の損害賠償を請求する訴訟を提起されたと発表しました。
任天堂から任天堂保有の特許権を侵害していると指摘されたのは2016年9月。その後も両社の意見相違が続いたため訴訟提起に至りました。コロプラが「任天堂の特許権を侵害する事実は一切ない」とした一方、任天堂は「タッチパネル上でジョイスティック操作をする際に使用される特許など5件が侵害されている」と考えていたようです。
(
コロプラ、任天堂から「白猫プロジェクト」差し止めと44億円賠償の訴訟 :日本経済新聞 2018/1/10 15:55より)
なお、コロプラはこの主力の「白猫プロジェクト」の不振で現在大ピンチ。2017.09月期の最終益は87億円でした。2016年の207億円から、58%も減っています。半分以下になりました。
任天堂の要求通り44億円支払った場合、これが半分以上なくなるという計算なわけですが、本当はもっとひどいんです。というのも、次の2018.09月期の予測は、なんと51億円。ここから44億円取られたら本当にほぼなくなります。こうした予想は希望的観測のときがありますし、スマホゲームは栄枯盛衰が激しいので、実際にはもっと利益が減るかも。コロプラ倒産しちゃうかもしれません。
●ユリ・ゲラー氏がポケモン裁判で任天堂に謝罪し、販売解禁の意向
2020/11/30:
ユンゲラーのポケモンカードを「解禁します」。任天堂を訴えていたユリ・ゲラーさんが投稿 | ハフポスト(2020年11月29日)によると、突然、ユリ・ゲラーさん(73)がツイッターで、任天堂に訴訟を起こしたことについて「20年前にやったことは、本当に申し訳なく思っています」と謝罪した上で、ユンゲラーのカード販売を解禁する意向を表明したそうです。
「20年前にやったことは、本当に申し訳なく思っています。子供と大人に向けて、私は禁止していたことを解除します。カダブラ(ユンゲラーの英語名)のポケモンカードを復活させるかどうかは、全て任天堂に任せます。おそらく今では最も希少なカードの1つになっているでしょう!すべての人に多くのエネルギーと愛を!」
また、The GAMERの取材に対して、ユリ・ゲラーさんは「ユンゲラーを復活させることを求める膨大な量のメールをこれまで私は受け取ってきました。そのため、私は任天堂の社長にユンゲラーの使用許可を与える手紙を送りました」とコメントしているそうです。
ただ、「パクって無料で使う」という悪いことをしたのは、任天堂の方ですからね。この件に関して言えば、ユリ・ゲラーさんが謝罪するのはおかしい気がします。日本の任天堂ではなく、中国や韓国の企業だったなら、袋叩きな案件でしょう。ツイッターでは、以下のような感想も出ていました。
なお、ユリ・ゲラーさん関連では、うちだと後に
ポケモン都市伝説のデマ拡散?ユンゲラー裁判の任天堂法務部最強エピソードが事実とは思えない嘘臭さという話もやっています。今回の件の反応でも、根強くデマと思われるツイートがされていました。
【本文中でリンクした投稿】
■
ポケモン都市伝説のデマ拡散?ユンゲラー裁判の任天堂法務部最強エピソードが事実とは思えない嘘臭さ【関連投稿】
■
インチキ霊能者シルビア・ブラウン、自らの予言より11年早く死去 ■
東大病院・矢作直樹のセミナーで霊感商法 「人は死なない」主張も ■
2012年12月21日マヤ暦人類滅亡デマ 騒動で儲けた県はその名も「ペテン」県 ■
日本人は30年前より「スピリチュアル」になっている!「神や仏は罪を知っている」と思う人が増加 ■
マヤ暦、2012年地球滅亡、アセンションとは何? ■
科学・疑似科学についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|