だいぶ前にストックしていて使わなかった記事を。

●ビールを飲んで健康に…と思ったら、全然効果がなかった理由
ビールが筋肉老化抑える 研究結果発表 [2012年9月20日10時38分]日刊スポーツ
ビールの原料のホップに多く含まれる「プレニル化フラボノイド」が、寝たきりの原因になる筋肉の老化を抑えるとの研究結果を徳島大の寺尾純二教授(食品機能学)のチームがまとめ、20日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。(中略)
プレニル化フラボノイドを多く含むホップが入った餌と、ホップを含まない餌を2週間与えた結果、ホップ入りを食べたマウスの方が筋肉量の低下が抑制された。プレニル化されたフラボノイドの方が、そうでないフラボノイドよりも、まひした脚の細胞に約10倍多く蓄積し、効果を示しやすいことも確かめた。
プレニル化フラボノイドは、宇宙の無重力空間や、けがをして手や脚などを長く固定されて起きる筋肉の萎縮の抑制にも有効という。(共同)
リンク切れ
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120920-1020165.html
ここらへんだけかいつまんで読むとすごく良さそうです。ところが、記事にはこういう話がありました。
今回の動物実験の結果をヒトにあてはめると、ビールで筋肉の老化を防ぐには毎日83リットル~2万リットルと大量に飲む必要がある。
毎日83リットル~2万リットルとやけに幅があるものの、毎日83リットルの時点で無理です。死にます。2万リットルはバカバカしいほど多くて、特に笑えました。
じゃあ、こんな研究意味あるの?と言うと、「プレニル化フラボノイドを豊富に含む健康飲料や薬の開発が期待できる」(寺尾教授)といったところですね。普通のビールを飲みながら健康というのは虫の良い話のようです。
●適度な飲酒が一番良い?
体に悪いはずのビールで健康という話は、意外性があっておもしろいかな?と思って上の記事をストックしていました。
ところが、検索かけてみると、「ビールで健康に」という話ばかり出てきて、「ビールは健康に悪いです」というページが見つかりづらいです。むしろありきたりでちっともおもしろくない方向性でした。
そういえば、うちでも初期に
お酒で老化を防止という話をやっていました。まあ、このときは
お酒で老化も紹介していたわけですが…。
今回ニュース検索してみたときにも、やはりお酒で健康系の話が見つかっています。
太らない&むくまない! GWから夏に向けてのお酒の楽しみ方(tenki.jpサプリ 2015年4月27日) - 日本気象協会 tenki.jp
アルコールには、血液中の善玉コレステロールを増やし、高血圧や虚血性心疾患、脳卒中などを引き起こす動脈硬化を防ぐ効果があるといわれています。イギリスの学者で国際健康社会研究所所長でもあるマーモットは、「お酒を飲み過ぎたり、まったく飲まないよりも、適度に飲むことで死亡率は低くなる」ことを発表しています。
前者のコレステロールについては、
コレステロールは制限の必要なし、アメリカ新指針で上限値撤廃という話もあり、今後見直されるかもしれません。
一方、後者の少し飲むのが一番良いというのは、信頼性が高い研究なのかどうかはわかりませんが、過去にも何度も言われていますね。おなじみです。
なお、元記事のタイトルである「太らない&むくまない!」は以下のような話です。ビールは普通に良くないと書かれていました。
【太らない】
・糖質が多いお酒はカロリーも高め。糖質量が少ないお酒を選びましょう。
・糖質が多いのは、梅酒、日本酒、紹興酒、ビール。
・糖質がやや多いのは、甘めのロゼワイン、白ワイン、スパークリングワイン。
・糖質が低めなのは、赤ワイン、辛口の白ワインやスパークリングワイン。
・糖質が低いまたはゼロなのは、ラム、ブランデー、ウイスキー、ウオッカ、焼酎などの蒸留酒。
【むくまない】
・むくみに効果があるのは、フルーツに多く含有するカリウム。フルーツに含まれる果糖には、アルコールの分解を助けるはたらきもある。
・アボカド、バナナ、メロン、キウイには特にたっぷりカリウムが含まれているので、翌朝の食事に加えると最適。
●プリン体ゼロ・ビールに効果がない理由
上の記事は検索で見つけたときはビールに有利なものだと思っていたんですが、そうでもない話でした。しかも、もう一つ見つけた記事の方はもうタイトルからして全く期待できないものです。
プリン体ゼロ・ビールは無意味? 肝臓障害や免疫力低下など健康被害の危険? | ビジネスジャーナル 文=渡辺雄二
「肥満や糖尿病、痛風が気になる」というビジネスパーソンは、とても多いでしょう。特にビールや発泡酒は、痛風の原因とされるプリン体が含まれているので、それを気にしながら飲んでいる人も少なくないでしょう。そこで、売り出されたのが、「プリン体0・糖質0」をウリにした発泡酒です。
しかし、意外なことに"一般に「ビール=プリン体」というような印象が持たれていますが、それは大きな誤解で、特にビールだけに含まれているものではなく、穀類や野菜、豆類、肉類、魚類など、ほとんどの食品に含まれていると言っても過言では"ないとのこと。それどころか、"ビールに含まれる量は少ない"そうです。
じゃあ、実は普通のビールの飲酒も気にしなくていいから、「プリン体ゼロ・ビールは無意味」というオチなのか?と言うと、そうではありません。
・尿酸は腎臓から尿の中に排泄され、尿酸の量が多くなると、排泄能力を超えてしまい、体内に蓄積されて痛風の原因となる。
・プリン体は体内で尿酸に変化するので、尿酸値が高くなる。
・さらに、アルコールの作用が加わることによって、尿酸値が上がりやすくなってしまうことがわかっている。
"ビールや発泡酒にはプリン体が含まれるので、アルコールとの相乗作用がクローズアップされて、実際以上に悪者にされてしまった"ということで、ビールのプリン体は無実の罪を着せられていました。
ところが、これは逆に言うと、ビールのプリン体を減らしてどうこうという問題ではないということになります。プリン体はビール以外から必ず摂取しているため、アルコール自体が悪なのです。ビールどころか他も良くないということで、知識が深まることで以前より状況が悪化してしまいました。
なお、記事では、以下のような話もありました。
・甘味を出すために合成甘味料のアセスルファムK(カリウム)を使っているが、アセスルファムKは健康に害を与える危険性がかねてから指摘されている。
これはちょっと脅しめいた書き方なので、もっと深く確認した方が良いとは思います。
ただ、とりあえず、前述の通りプリン体制限自体が意味ないのですから、おいしくないらしいプリン体ゼロ・ビールを無理して選ぶ必要はなさそうですね。
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