今回は株式会社武蔵野の小山昇社長の話。おもしろい話をよくしている方です。
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人を信じても、仕事は信じるな!:マネすることは「最高の創造」だ! (1/3) - ITmedia エグゼクティブ 2011年07月15日 07時00分 更新 [小山昇,ITmedia])
この記事だけだと寂しいので、もう一つ別の「真似」に関する記事と合わせようかな?と検索したら「真似してはいけない」という批判記事ばかり出てきて驚きました。
ただ、うちでは過去にもパクリ推奨の話を何度かやっています。珍しい考え方ではありません。
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パクリは悪くない?アップルとサムスンは模倣が上手いから成功した ■
イノベーションは模倣・真似から生まれる ~アップルが好例~ 上記はアメリカのアップルと韓国のサムスンの話だけですけど、他にも似た考え方はあります。たとえば、
仕事が早い人になるには? 効率よく仕事をこなす7つのコツでは、「遠慮無くパクれ」というものがありました。組織の大抵の仕事は前例があるのに、再び創り出すことほど馬鹿な事はないとしていました。
仕事を効率よくやるコツ8箇条 納期の確認、即相談、説明責任などでも同様に「自分でゼロから考えるな。前例を探せ」というものがありました。
ただ、これらは「仕事を効率よくやるコツ」というものであり、多少観点が違いますね。「効率よいのは良いけど長い目で見ると社員が成長せず、会社にとってマイナス」という反論があるかもしれません。
ここらへん記事ではどうなっているのでしょう?
小山昇社長はまず「あの人にはオリジナリティーがある」「独創的な考え方をする」なんてものは「まったく重視しません」としていました。小山社長が評価するのは、「すばやく、上手にマネをする人」です。
しかも、この評価というのが口だけでなく金銭が伴います。ここまで徹底している方はさすがに初めて見ました。
わたしは、徹底して人のマネをする仕組みを作りました。方法はいたって簡単で、成果を出した社員のマネをしたら、賞与の評価を1つ上げました。常識にとらわれていたら「そんなおかしな制度があるか!」と驚くでしょうが、この仕組みはとてもうまく機能しています。
何がうまく行っているか?と言うと、良いことの横展開の早さです。"いつも周囲をキョロキョロと見渡して、「あれは良さそうだ」「このやり方がいいんじゃないか」と思えば、すぐにマネ"をするそうです。
この制度を作ったのは、小山社長の会社の"武蔵野の業績が悪かったころは、社員がつまらないプライドを持って"いると感じていたためです。「オレは人のマネをしたくない」と全員が思っていた頃には、会社が成果を出せていなかったのです。
私はオリジナリティ・独創性を評価する人間ですが、頑なに真似を拒否する人の弊害というのもわかります。仕事ができる人ならまだしも、できない癖に、良いところを学ばないんですね。
新しくなった社長でも前任者の路線を否定、あるいは以前はなかった新しいことをやって、必死にオリジナリティを出そうとする方がいます。良いことは素直に続ければいいのにそういうことをするのは愚かでしょう。プライドばかり無駄に高くて、扱いづらい人たちです。良いことは良いことと素直に認められる度量もないのかもしれません。
ただ、「マネを評価する」と言うと、「社員が自分で考えなくなるのでは?」と心配する人がいることに触れていました。なるほど、もっともな心配ですね。
これについて小山社長は、まず社内の場合はレベルアップが早くなるとしていました。私はやたら嫌う人の多いマニュアルについて良いものだと評価しています。これも素早く一定のレベルまで底上げ可能なためです。
また、社外については、"自分で考えないどころか、自主的に社外からどんどん新しいものを取り入れるように"なるとしていました。でも、これはまだ真似ですので、納得行かないかもしれません。
この答えとしては、「マネの効用は他にもあります」の後の部分が適切かもしれません。"マネを繰り返していると、「何をマネするべきか」という見る目、判断力が育ってきます。それだけ感性が鋭くなってくる"とのこと。
いつでも、どこでも「良いやり方があれば、マネをする」と狙っているので、普段から「あの人は、どうして成績がいいのか? 」「あの会社がうまくいっている秘訣はどこか? 」などを見極めようとします。
そんな訓練を日々行っていれば、感性が磨かれるのは当然です。
思考法を学ぶという言い方もできるかもしれません。学校の勉強なんか言ってみれば全部真似であり、オリジナルではありません。しかし、それを学ぶ過程で考え方も身につけることができます。
パクリ評価制度で「ここまで徹底している方はさすがに初めて見ました」と書きました。小山社長は本当徹底していますね。"わたしは「これはあそこのパクリだ」と大手を振って自慢しています"という話もありました。これも他に聞いたことがありません。
冒頭に挙げたようにパクリでよく名前が上がるアップルなんかは、模倣していることを隠していたと思います。まあ、訴訟沙汰になりかねませんから、パクリの種類にもよるんでしょうけど…。
なお、こういった真似が良いことだという思想は、そもそも「世の中には完全なるオリジナルなど存在しません。どんなモノも、考え方も、結局は誰かのマネ」という考え方が背景にあるようです。
完全なるオリジナルと言えるものは何か?と突き詰めて考えていくと、確かに多かれ少なかれ模倣が含まれているものと考えられます。
小山社長ほど極端じゃないものだと、「模倣なくして創造なし」というわりかし穏やかな金言もあります。模倣の大切さはある程度認識されていた方が良いでしょう。
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