2015/5/13:
●半殺しでも仕方ないぞ!「社会は甘くない」という上司が一番甘い
●日本代表で暴力、体罰で殺人まで…あらゆるところでパワハラが多発
●パワハラは甘え!上司が部下を叱るのすらダメ?管理職の誤解とは…
●こんなことぐらいでパワハラ扱いされたらたまらない!具体例を学ぶ
●部下や子供を叱ることの効果は?多くの研究成果を眺めてみると…
●半殺しでも仕方ないぞ!「社会は甘くない」という上司が一番甘い
2015/5/13:部下や学生に対して、「社会は甘くない」といったことを口にする上司や先輩がいます。ただ、
先輩後輩の上下関係は日本だけの文化?海外の上司部下でも注意!で感じたのは、日本の管理職らも上司という立場に甘えて何を言っても良いと思っているのでは?というものです。
普通の職場の話ではないですけど、非常に日本的だなと感じたのが、
ビートたけし 18歳の根岸拓哉をたしなめる「半殺しの目に遭うよ」 - ライブドアニュース(2015年1月13日 12時38分 トピックニュース)というニュースでした。
「ビートたけしのTVタックル」では、「成人の日大激論SP 18歳は大人か子供か?」と題し、俳優の根岸拓哉さんをはじめとして映画やプロボクシングなどさまざまな分野で活躍する18歳の若者たちがゲストで登場。番組の終わり頃、根岸さんは「多分、若い子たちってみんな怖いものがないんだと思います」としていました。
これは、今回の番組で、ビートたけしさんのような有名人に向かっても臆せず自分の考えを直接ぶつけられたということが、その理由ではないかとされていました。
すると、たけしさんは「あなた達はおいらのことを怖くないっていうことは、なぜかというと、あなたたちは(番組の)ゲストだけど、私たちは(番組の)主催者側なの」と説明し「これがもし俺の弟子になってみな、半殺しの目に遭うよ」と言ったそう。上司と部下の関係だったなら、半殺しでも仕方ないというわけです。
●日本代表で暴力、体罰で殺人まで…あらゆるところでパワハラが多発
番組見ていないのでわかりませんが、根岸拓哉さんは生意気な口の聞き方をしていたのかもしれません。私は別に先輩に敬意を払わなくていいという考え方ではなく、お互いに相手を尊重すべきだと思っているので失礼なことを言っていたのならそれは擁護しません。
でも、それに対して「半殺しの目に遭うよ」と言っちゃうのは、さすがにおかしいです。記事ではこれを「たしなめる」と表現していましたが、適切ではないように思えます。さすがにネットでもこれに対する非難の方が多く、擁護する声はあまりありませんでした。
ただ、先輩ならある程度ひどいことを許されるという「常識」には、芸能界に限らず日本全体にあると思うんですよ。
「日本人は気軽に上からモノを言い過ぎている」と弁護士警告- NEWSポストセブン(2013年2月1日07時00分)では、以下のように書いていました。
<(引用者注:指導者の体罰で死者が出た)大阪市立桜宮高校バスケ部、そしてロンドン五輪柔道女子代表と次々に起きた指導者による教え子への体罰問題――。いま日本はスポーツ界のみならず、学校、職場など至る現場で暴力的な行為が横行し、“パワハラ列島”と化している>
●パワハラは甘え!上司が部下を叱るのすらダメ?管理職の誤解とは…
「パワハラは甘え」というのは、ちょっとしたことでパワハラだという部下が甘えているという意味じゃないですよ。逆です。最初に書いたように、パワハラという間違った手法を安易に使う上司が甘えているという意味です。
記事で出ていた労働問題に詳しいウェール法律事務所の石井逸郎弁護士は、かなり踏み込んだことをおっしゃっていました。"職場でありがちな部下への叱責や暴言といった「精神的な攻撃」もパワハラ行為に該当することが多い"という見解です。
「よく上司が部下を叱るとき、『お前が一人前になるように厳しく指導しているんだ!』という人がいますが、それは言い訳に過ぎず“愛情あるパワハラ”なんてあり得ません」(石井弁護士)
普段何気なく冗談のつもりで行っている言動も、立派なパワハラに当たることを上司は自覚しておく必要があるとも記事ではありました。ここらへんは全然管理職に理解されていないでしょう。
●こんなことぐらいでパワハラ扱いされたらたまらない!具体例を学ぶ
さらに、「こんなことぐらいでパワハラ扱いされたらたまらない」と、部下への指導を投げ出したくなる上司も多かろうという、日本では慣例化しているパワハラ事例について、石井弁護士が解説しています。
・「お前はバカか。こんな仕事もこなせないなら単なる給料泥棒だ」
「バカ」「アホ」といった言葉は、相手の人格や尊厳を否定していることになります。また、「給料泥棒」、「お前なんかいなくても同じ」との暴言は、相手に雇用不安などを与えます。
・部下を机の前に立たせて1時間叱り飛ばす
程度の問題もありますが、上司が座ったまま、部下は立ったままの状態で1時間も叱責するのは、明らかに常軌を逸しています。会議室にでも場所を変えて、双方が座って冷静に議論を戦わせればいいだけです。
・遅刻やミスばかりする部下に対して、部署の皆の前で叱責する
いくら部下が怠慢で能力がないとしても、皆の前でそれを論い叱責することは許されない行為。本来なら会社のルール(就業規則や評価制度)に則って、極めてドライに処分するべきでしょう。
●部下や子供を叱ることの効果は?多くの研究成果を眺めてみると…
ビジネスでの部下への接し方と子どもの育て方は共通する話が多いと思います。最後の「部署の皆の前で叱責する」に似たものも以前読みました。子どもにだって自尊心があるのだから人前で叱りつけるような真似はしてはいけないというものです。
というか、ビジネスでも子育てでも叱ることが大事って研究は、全然ないんですよね。
「褒めて伸ばす」の絶大な威力 青少年犯罪が半減した警察署の試みなど、褒めることの優位性を示した研究ばかりです。
それなのになぜ叱ることにこだわるのか?と言うと、さっき言ったように甘えでしょうか? 「いまの日本人は気軽に上からモノを言い過ぎ」と石井逸郎弁護士はおっしゃっていましたが、上の立場から相手をこき下ろすのは気持ちいいのでやめたくないのだと思われます。
あと、勉強不足や能力不足などもあるかもしれません。前述のように褒めることが良いという研究が多いのにそれを実行していないというのは、上司や先輩がよく勉強していないか、知っていても実行できていない可能性が考えられるためです。
これはこれできっつい言い方なのですが、以前書いた記事で出てきた「
部下を叱る上司は皆馬鹿である」が、ズバリ当てはまっている状況かもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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先輩後輩の上下関係は日本だけの文化?海外の上司部下でも注意! ■
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部下を叱る上司は皆馬鹿である 最低でも3回褒める・1回怒るのバランスが必要【関連投稿】
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