大塚久美子社長を褒めたたえた感じの記事を読んだ覚えがあるんですが、履歴からは見つからず。ツイッターか何かだったのかもしれません。
●商魂たくましいしたたかな大塚久美子社長
今検索していると、以下は読んだことがありました。
大塚家具社長まさかのバラエティー出演!騒動謝罪、セールをPR ― スポニチ Sponichi Annex 芸能
創業者の父と経営権をめぐって争い、株主総会で続投が決まった大塚家具の大塚久美子社長(47)が10日に放送されたTBS系「ぴったんこカン・カン」(金曜後7・56)にVTRで登場し、異例の“バラエティー出演”を果たした。
(中略)VTRで出演。「この度は皆様をお騒がせして大変申し訳ありませんでした」と、まずは一連のお家騒動を謝罪。「山下さん、栗山さん、安住さん、そのような中で大塚家具にお越しいただいてありがとうございます」と続け、「当社は創業以来良い物を安く提供することに努めてまいりました。今回、山下さんがお探しのソファも数万円のものからお求めやすいものまでたくさん取り揃えております」と騒動時には見られなかったような満面の笑みで製品をPRした。
(中略)コーナーの最後では18日から全国の店舗で行う“おわびセール”しっかり告知し、「これからの大塚家具をぜひよろしくお願いします」と頭を下げた。
話題の人のバラエティー番組登場はツイッターなどでも話題に。「社長なにしてんの」「笑うとかわいい」「笑ってるの初めてみた」の好意的な反応のほか、「なかなか商魂たくましい」「露骨な社長の宣伝」など賛否両論の声があった。[ 2015年4月10日 23:37 ]
●お詫びセールは大好評と報道
上記以外にも次のようなお詫びセールの好評さを伝える記事がありました。
久美子社長の語呂合わせ「93万5000円」が完売 大塚家具「おわびフェア」過去最高の来店者 J-CASTニュース / 2015年4月20日 19時11分
久美子社長はフェア初日の4月18日午後には、仙台市青葉区の仙台ショールームを訪れ、新宿店と同様に入り口付近で来店客を出迎えた。大塚家具によると「東北のお客様から心配する声が数多く寄せられたため、社長が2番目の訪問先に選びました」と話す。
その後、大阪に移動。翌19日には大阪南港ショールームと名古屋・栄ショールームを訪れ、店頭で来店客にガーベラを手渡した。大阪でも、開店前には東京・新宿店を上回る約500人が列をつくる盛況ぶりで、「(初日と)連日約500人ものお客様に並んでいただき、予想以上の来店者数でお待たせさせるなどご迷惑をおかけしました」と、うれしい悲鳴をあげている。
そうした中で、フェアの大盛況を後押ししたのは、久美子社長の「ファン」の存在だったかもしれない。どのショールームに行っても大人気で、久美子社長からガーベラを手渡された人の中には「応援しています」「がんばって」と声をかける人や握手する人、いっしょに写真撮影を求める人が相次いだ。(中略)
大塚家具によると、「大感謝フェア」がはじまって最初の週末(土・日)の来店者数は、2014年の同じ週と比べて、「全店で3倍超に達しています」という。
売れ行きも好調で、「目玉商品」の数量限定で用意した93万5000円(全9か店で10セット)の超高級寝具セットと、9万3500円(全店で30セット)のお手頃価格の寝具セットは全店で初日に完売。大塚家具では「9万3500円のセットで数量を限定していない商品も用意しています」と話している。
好調の背景の一つには、価格設定が久美子社長の名前を意識した「935(クミコ)」の語呂合わせもあるようで、「覚えてもらいやすい価格」だったとみている。
久美子社長の人気が、苦戦している業績の向上につながるか、注目されるところだ。
●2015年1~3月期11億円の赤字、お詫びセールの4月も17・5%減
朝日新聞によると、"大塚家具が1日発表した2015年1~3月期の営業損益は11億円の赤字"でした。"大塚家具が1日発表した2015年1~3月期の営業損益は11億円の赤字"、"売上高は前年比22・9%減の122億円、純損益は7億円の赤字"だったそうです。
(
大塚家具、委任状争奪戦響き11億円の赤字 1~3月期 2015年5月1日19時18分)
これはモロに"会長だった創業者と長女の大塚久美子社長が、互いの退任を求めて委任状争奪戦を繰り広げた影響"が出ています。
しかし、4月は前述のしたたかに宣伝した「お詫びセール」がありましたので、事情が違うだろうと思っていました。ところが、"4月の売上高は前年同月比17・5%減"と、1~3月と同様に前年より少なかったそうです。これには驚きました。
●昨年4月は消費税増税のせいで売上が少なかったのにそれより大幅悪化
大胆に割引していた場合、売上としては伸びにくいというのは確かです。しかし、今年の4月が伸びなかったというのは、他の月とはわけが違います。
「消費増税前の昨年3月は、“駆け込み需要”でかなりの売り上げでした。その反動で、
昨年4月は売り上げの落ち込みが激しかった。その分、
今年4月は前年比プラスになって当たり前でした。なのに、昨年4月より数字が落ちている。売り上げの絶対額が、相当減っているんだと思います」(大塚家具関係者)
(
日刊ゲンダイ|お詫びセールが逆効果…赤字決算の大塚家具に深刻な客離れ)
●お詫びセールの盛況さも実は裏目?
また、人出がすごかったお詫びセールも実は失敗では?という見方もあります。
「期待して来たのに、接客を受けられなかった客は二度と来てくれないでしょう。昔から利用している客にもソッポを向かれる可能性がある。一番やってはいけないことです」(家具メーカー関係者)
実際、連休中も店内は閑散としていた。大塚家具といえば、会員の客に、店員が一対一で丁寧に対応することが“売り”だった。世間に注目され、セールをやったことで、その“売り”に支障をきたしてしまったことは、何とも皮肉な話だ。
●これからも苦戦続く大塚家具
ただ、一応フォローも可能です。まず、昔から利用している客ですが、冷たい話ですけど彼らを捨てるというのも戦略の一つです。古いお得意さんが去って行っても、新たな優良顧客をそれ以上に得れば結果的にはプラスになります。
また接客についても、従来の顧客以外は以前の大塚家具を知らないために、比較できないと考えられます。つまり、新たな顧客は「接客が悪くなった」ことも知りません。「こういうものだ」と感じてくれれば済むわけですし、悪くなった接客でも他のお店よりなお良いと感じてくれる可能性があります。(混んでいたのならあまりそれはなさげですが)
それから、お詫びセール自体が儲からなくても、「大盛況」といった報道による宣伝効果はものすごいものです。多くの客が押しかけたというのが、そもそも報道に出ることによる宣伝効果のすごさを物語っています。今はマイナスでも長い目で見るとプラスの可能性はあります。さらに、売れ行きが悪いのに大盛況と錯覚させたのもある意味うまかったです。
しかし、「フォローも可能」というだけで、本当に良かったとは私も信じているわけではありません。先ほど「新たな優良顧客をそれ以上に得れば」と書きましたけど、大挙して訪れた人たちが優良顧客だったのか?というのは特に疑わしいと思います。
安くしていたとはいえ多くの人が訪れた4月が前年比で激減だったことを考えると、大塚家具の家具にピッタリ合う顧客はあまり集まらかなったような気がします。
また、価格帯の高めのお店で御家騒動みたいなブランド価値を落とす話題のなり方というのも、プラスにはなりづらいだろうと感じます。
とはいえ、大塚勝久会長が勝っていたとしても、大塚家具にバラ色の未来が待っていたとは考えられませんでした。以前も書いたように、大塚久美子社長と創業者の父大塚勝久会長、どちらも既に経営で失敗しています。
企業統治という観点では私は久美子社長を支持しましたが、久美子社長が委任状争奪戦で勝ったからといって途端に経営が上向きになることはもともと予想されていませんでした。
苦戦が続くということはいわばわかりきっていたわけで、真価を問われるのはこれからですね。
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