清水の舞台から本当に飛び降りた人がいるそうです。しかし、全然珍しくありませんでした。記録にあるだけで234人もいるそうです。
●清水の舞台から飛び降りる 生存率85%・死亡率15%
もともとは「清水の舞台から本当に飛び降りた人がいたと判明しました」といった感じのニュースを見たのが最初です。で、検索してみると、別に今回新たにわかったわけではないみたいですね。以下の2013年の記事でも同じ234人という数字が出ていました。
「清水の舞台から…」 無茶な飛び降り、実は願掛け :日本経済新聞 2013/11/24 6:30(大阪・文化担当 田村広済)[日本経済新聞大阪夕刊関西View2013年11月19日付]
「江戸時代、ここから234人が飛び降りました」。清水寺の学芸員、坂井輝久さんが淡々と話す内容に思わずハッとした。「清水寺成就院日記」という文献に詳しい。成就院は財務や対外交渉を担当した塔頭(たっちゅう)で、その業務日誌というべき史料だ。1990年代に同寺の蔵の床下から偶然発見された。
江戸時代の1694年から1864年のうち、欠落部を除く148年分の記録が残る。成就院は境内の事故を町奉行に報告する義務も負い、飛び降りた人の年齢や性別、居住地、動機などを詳細に調査、記録した。
それによると、全体での死亡者は34人で生存率は約85%。
逆に言えば、死亡率15%、生存者はちょうど200人となります。
ただし、"1人で2回飛び降り、2回とも助かった若い女性がいたから、事件数としては235件"です。生存率85%・死亡率15%は人数で計算しているようですが、飛び降り回数で計算すべきでしょう。ですので、生存率85%・死亡率15%ではなく、生存率86%・死亡率14%とすべきだと思います。
なお、"飛び降りの風習は1872年(明治5年)に京都府が禁止令を出し、次第に沈静化"。"清水寺は778年の創建と伝わるが、江戸以前の飛び降りの記録は見当たら"ないため、「清水寺成就院日記」の235件でほとんど網羅していそうです。
●清水の舞台から飛び降りても意外に死なない
"不謹慎だが、意外と亡くならないものだな、と思ってしまった"と著者は書いていました。私もそう思います。何しろ"舞台は山の斜面にせり出すように建てられ、先端部は地上から約12メートル。4階建てのビルに相当"するものです。
しかし、"現在は舞台の下は硬そうな土。木々もまばら"なのに対し、当時は「舞台の下に木々が多く茂り、地面も軟らかな土でした」と坂井輝久さん。「今ならこうはいきませんよ」とのことですので、真似しないでください。
●やはり圧倒的に若い人が飛び降りる
ツイッターの犯罪自慢みたいなもので、こういう無謀なことは若者がやりがちです。"年齢が分かる170人のうち、10、20代で7割以上を占め"ています。最も若いのは12歳だそうな。
この12歳の方が助かっているように、死亡率は年齢とほぼ比例するみたいです。性格な数字がありませんが、50代だと半分以上死亡、60~80代にいたっては全滅しているように見えます。完全に自殺です。
●飛び降りの動機は願掛け
「無謀なことは若者がやりがち」と書いたものの、本来は度胸試しで飛び降りていたわけではありません。
重要なのが飛び降りの動機。「観音様に命を預けて飛び降りれば、命は助かり願いがかなうという民間信仰からです」と坂井さん。「成就院日記」にも、動機として「自分の病気の治癒」「母の眼病」「暇がほしい」などと記されている。決して自殺願望からではなく、あつい信仰心からだったのだ。
●高層ビルから飛び降りても死なない場合がある
「清水の舞台から飛び降りても意外に死なない」のところに挟もうかどうか迷ったものに、
飛び降り自殺は意識を失うから痛みはない…は嘘 失敗した人の話の話があります。現在でも飛び降り自殺に失敗することがあるように、4階くらいならある程度の生存率が高いことは予想できました。
しかも、
39階でも無事 それでも飛び降り生存新記録には満たないでやったように、何十階という高さから落ちて無事な人も世の中には存在します。
とはいえ、生存率が86%というのは、木々があったとはいえ高いと感じますね。確か自動車事故を飛び降りの衝撃に換算したものがあるはずだとザクッと検索したところ、時速60kmでコンクリートの壁に激突した場合が、約14mの高さ(清水寺は約12m)から落ちた場合と同程度の衝撃力だという話も見つけました。
この話も結局着地地点の環境が異なるわけですが、何でこんなに生存率が高いのかと正直不思議に思います。
●清水寺の高さなら時速55キロメートル
投稿直後に追記します。自動車事故の話は自由落下の計算しただけですから、清水寺でも計算できましたね。落下距離14mの場合がほぼ時速60kmです。清水寺の落下距離12mの場合は、時速55kmです。
つまり、時速55kmで木々&柔からな地面に向かって突撃という話。ただし、自動車と違って生身でぶつかっていきます。やっぱ、よくこんなに助かったなという感想は変わりませんわ。
(さらに追記。地面の前に木にぶつかった場合はもう少し速度は遅いですね)
観音様のありがたみが減りそうですが、当時はここに降りると生存しやすいみたいな、清水寺の飛び降り方に関するノウハウでもあったんですかね?
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