牛乳に関する話をまとめ。<ペットボトルの牛乳がない理由 危険で不可能なわけではない>、<本当にペットボトル入りの牛乳はないの?以前あった気がする>などをまとめています。
2023/05/28:
一部見直し

●ペットボトルの牛乳がない理由 危険で不可能なわけではない
2015/5/15:ペットボトルの牛乳がない理由は危険だからと読んだことがありますが、詳細な説明がなく納得していませんでした。ただ、今回読んだ話はわかりやすいもの。日本獣医生命科学大学獣医学部の横須賀誠教授は、「牛乳は他の飲み物に比べて栄養価が高いため、雑菌が繁殖しやすいのです。そのため、衛生的に安心できる瓶か紙パックで販売されています」と説明しています。
ただし、この話があった
なぜ牛乳はペットボトルで売られない?雑菌繁殖しやすく危険、専用ボトル開発で事業圧迫 Business Journal / 2015年4月24日 6時0分(石丸かずみ/ノンフィクションライター)によると、技術的にも法的にも不可能なわけではありません。
<2007年3月には食品安全委員会が「適切な条件下で管理される限り、十分な安全性を確保している」と、ペットボトルの食品健康影響評価を厚生労働省に提出した。同年10月に「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」が改正され、ペットボトル入り牛乳の販売が認められたのである>
●牛乳がペットボトルに入っていると持ち歩きされてしまう可能性
紙パックが使用されるのは「雑菌が繁殖しやすいため」と聞くと、ペットボトルは危険なように思えますし、「だからペットボトルはダメ」と言ってもらった方がわかりやすいでしょう。しかし、現実には上記であるように食品安全委員会は「十分な安全性を確保している」と評価。ここらへんは補足説明が必要でしょうね。
また、ペットボトル入り牛乳の販売が認められているにも関わらず、普及していないというのも現実であり、これもわかりづらいところ。なぜペットボトル入りの牛乳が広く販売されていないのか?というと、一つは現在のペットボトル飲料全般の飲まれ方の問題。我々消費者の癖の問題なのです。
牛乳は、"基本的に摂氏10度以下で保存しなければならない"ので、冷蔵庫に入れておけば問題ありません。紙パックの牛乳の場合、皆さん冷蔵庫に入れる癖がついているでしょう。ところが、ペットボトルに入っているとそうしない消費者が多くなることが予想されて、リスクが高いためという説明でした。
<ペットボトル入り飲料は、直接口をつけて飲む。一度ふたを開け、少し飲んでカバンにしまい、また取り出す……。そういったシーンが想定されるために、牛乳の容器にペットボトルが使われることはなかったのだ。
(中略)仮にメーカー側が、牛乳の保存方法などについてアナウンスしても、ペットボトルの便利さから、消費者が持ち歩いたりしてしまうことは目に見えている。そうなると、メーカー側は食中毒などのリスクも今まで以上に負うことになる>
なお、実を言うと、そもそも牛乳以外の一般のペットボトル飲料についても、飲み歩きは雑菌が繁殖する危険性があってやめるべきと警告している方はいるんですよね。じゃあどうするの?と言うと、1回で飲み切れという話です。しかし、現実的にはそんなこと言ったって誰も聞きません。
そして、牛乳の場合も「こういう飲み方をしてください」とアナウンスしたとしても守らない消費者が多いだろう…というのは、簡単に予想できます。わざわざ危ない橋を渡らなくとも、無難に紙パックか瓶にしておけば良いということなんでしょうね。理解できる話です。

●ペットボトルの開発コストが高いからという大人の事情
しかし、「牛乳がペットボトルに入っていると持ち歩きされてしまう」以外に、これが本当ならそれ以上の理由だろうなという決定的な問題があったんですよ。牛乳用のペットボトルを作るのは、すごくカネがかかるんだそうです。
「牛乳用のペットボトルには、現状の清涼飲料水用のサイズや品質のまま転用することはできず、新たなものを開発しないといけません。しかも、従来どおり瓶や紙パックも並行して作り続ける必要があり、莫大なコストがかかります」(食品メーカー関係者)
ただ、現在でも今までにない形のペットボトルが登場することは珍しくありません。開発そのもののコストが本当にネックになっているんだろうか?と妙な気もします。個人的にはちょっと納得感が弱いですね。
●本当にペットボトル入りの牛乳はないの?以前あった気がする
ペットボトルの牛乳はない、ないという話を書いてきました。しかし、私は昔、ペットボトル入りの牛乳を飲んでいたような気がしたんですよね。これが危険だから実用化されていない説に私が懐疑的だった理由の一つです。
疑問に思って
ペットボトル - Wikipedia(最終更新 2014年12月3日 (水) 10:16 )を見ると、「現時点で販売しているメーカーはない」とありました。やはりコスト説を挙げていますが、ニーズがないとも書いており、これとさっきの雑菌繁殖リスクの合わせ技でしょうね。
<ペットボトル入りの牛乳については、法規制により長く認められていなかったが、業界団体が牛乳消費拡大を目指しての法改正を含めた規制緩和を求める動きにより、2006年に認められた。しかし、ペットボトルに牛乳を充填する設備を導入するのに数十億円かかるといわれ、消費者のニーズもさほど多くないことから現時点で販売しているメーカーはない。>
ただし、"他方ミルクコーヒーなど、ペットボトル入りの乳飲料は、認められており、商品も多く存在する"としていました。ですので、私はこういった乳飲料を牛乳そのものと勘違いした可能性がありそう。一方、別のWikipediaには以下のようにありましたので、私が飲んだのはプラスチック製でもペットボトルそのものではなかったのかもしれません。
ペットボトルではないプラスチック(ペットボトルはプラスチックの一種であるポリエチレンテレフタラート製の容器。ペットは和製英語でポリエチレンテレフタラートのことを意味する)と言われて思い出してみると、確かにペットボトルと違って容器がやけに分厚く、透明度も低かった気がします。
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牛乳瓶 - Wikipedia 最終更新 2014年3月8日 (土) 17:37
<日本では2006年5月までは食品衛生法によって、紙パックと牛乳瓶以外の牛乳の充填を認めていなかったが、日本酪農乳業協会等の働きによりペットボトルへの充填も認可された。しかし、設備の関係から実際に販売している企業はない(プラスチック製の瓶で販売している企業は存在する)。>
●ペットボトルの牛乳がない理由まとめ
既に出てきたとおりですが、最後にまとめ。以下のような理由で、ペットボトル入り牛乳は普及していないものと思われます。
・牛乳は栄養価が高く雑菌が繁殖しやすく冷蔵庫で保存すべきだが、ペットボトルに入っていると消費者が勘違いして持ち歩くリスクが高まる。
・ペットボトルに牛乳を充填する設備を導入するのにコストがかかる。
・ペットボトル入り牛乳に対するニーズが大きくない。
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