スプーン曲げの話をいろいろ。一番有名なユリ・ゲラーさんは下手なマジシャンとして有名な方で、下手すぎて祖国にいられなくなるほどでした。そのユリ・ゲラーさんさんに感化された少年少女もいたのですが、一番有名な清田少年のエピソードを見ると不正だらけになっており、「超能力」ではなく「あまりうまくない手品」といった感じでした。(2015/5/16)
2017/09/30:ワシントン大学の科学者ら、過去に超能力実在宣言をしていた

●スプーン曲げは本来超能力ではなく手品
2015/5/16:
Wikipedia(最終更新 2014年7月20日 (日) 02:37)では、スプーン曲げについて「金属製のスプーン(さじ)を撫でたり息をふきかけたり空中に投げ上げただけで、さじの首の部分がぐにゃぐにゃに曲がってしまうというパフォーマンス」と説明していました。
「パフォーマンス」と書かれている時点でがっかり感半端ないですが、さらに「いわゆる科学マジックの一種である」「金属を曲げるメタルベンディングという分野の一つ」などとしていました。ただ、「超能力と見做されることも少なくない」ともあります。
スプーン曲げと言えば、
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由で書いたユリ・ゲラーさんです。スプーン曲げのWikipediaでも登場。
ユダヤ人のユリ・ゲラーがテレビのワイドショーで実演、これにより「超能力」という言葉が流行語になった。1974年には日本にも訪れ、1974年3月7日放送「木曜スペシャル」で実演し大センセーションを巻き起こした。(ただしこの時に曲げたのはフォーク (食器)である。)
この番組により沢山の少年少女が超能力に目覚めたとされ、スプーン曲げのパフォーマンスがマスコミに取り上げられる。彼ら彼女らはゲラリーニと呼ばれた。
●むしろ下手な手品師であるユリ・ゲラー氏
ユリ・ゲラーさんは前回のものでやったように、もともとは手品師みたいです。ただ、うまい手品師ではなく、祖国イスラエルで訴えられて活動できなくなるほど下手でした。
当然、スプーン曲げでもネタが割れており、"ユリ・ゲラーについても、床などの堅いものに押しつけてスプーンを曲げるという手法であったことが指摘されている。(ジェームズ・ランディ『en:The Truth About Uri Geller』)"とあります。
ユリ・ゲラーさんの信奉者たるゲラリーニたちも同様で、以下のように書かれていました。
・『週刊朝日』1974年5月24日版にスプーンを床へ押し付け曲げている写真が掲載されたり、また後年1984年2月3日放送「金曜ファミリーワイド」でスプーンをテーブルに押し付けて曲げている映像が撮られたりするなど、ゲラリーニの世間的評価は否定的傾向が見られ、芳しくない。
●最も成功した超能力少年・清田益章氏
スプーン曲げ少年の一人に「エスパー清田」こと清田益章さんという方がいらっしゃるそうです。ゲラリーニの中では出世頭みたいですね。
清田益章 - Wikipedia 最終更新 2014年8月28日 (木) 16:00
清田 益章(きよた ますあき、1962年4月30日 - )は、自称超能力者。「エスパー清田」とも呼ばれる。スプーン曲げなどの念力や念写などの超能力が使えると主張していた一方で、トリックを使っていた過去もある。2003年春に「脱・超能力者」を宣言し、イベント企画会社の代表を務める。
経歴
東京都生まれ。専修大学松戸高等学校、専修大学文学部卒業。1974年にユリ・ゲラーが話題になったのを機に全国で見出された、いわゆる「超能力少年・少女」たちの一人。
かつての超能力少年たちのほとんどがトリックを暴かれるなどして姿を消していった中で、青年になって以降も何らかの形で(その機会はきわめて数少ないながらも)メディア出演等といった表舞台で活動していたと言えるのは清田一人のみであった。
●清田益章氏の数々の不正
ここまで読むと、清田益章さんは本物の超能力者か?と思うかもしれません。しかし、実際には不正だらけです。清田さんに有利な情報もあるにはあるのですが、下記のみです。
・科学ドキュメンタリー番組「知られざる世界」において放送された、科学者2人と日本マジック協会幹部監修の元での実験はトリックが見つかることなく成功させている。
他だとオカルト雑誌『ムー』も擁護してくれているというのも一応あります。
・超常現象に肯定的なオカルト情報誌『ムー』は1984年4月号と5月号の記事で『金曜ファミリーワイド』の番組内容(後述)が偏向していたとしている。スプーンの破断面を分析すると手で曲げた以外のものがあったこと、ガラス容器の中の糸に吊った5円玉を動かすことが出来たこと、脳波や体温の変化があったことなど、清田の超能力に肯定的な部分は放送しなかったと『ムー』は報じた。
一方の不正が発覚した事例は、下記のようにたいへん豊富。スプーン曲げ以外でもインチキがバレています。
・1984年2月3日のフジテレビ『金曜ファミリーワイド』「超能力を100倍楽しめる徹底解剖」で超能力ではなくトリックを使っているのを見破られ、その手口の一部始終を放映された。スプーンは力任せに曲げて、念写のポラロイドフィルムは事前にトイレで感光させておいてすり替えるという手口だった。
もともと番組の趣旨は、清田を7日間ホテルにカンヅメにしてスプーン曲げの全課程を撮影し、超能力を実証するというものだった。当初は番組ゲストの立花隆もすっかり信じ込んでいたという。
しかし2日目の撮影が終わると、スプーンが曲がり始めるのが常に人の目に触れないときであることにスタッフが疑問を抱くようになり、3日目に清田に気づかないようにそれとなく監視していたところ、人目を盗んで瞬時に
力尽くでスプーンを曲げるのを立花隆らが目撃。4日目からは隠しカメラを何台も使って清田のトリックの瞬間を録画した。こうして最終的に清田のトリックを暴く番組になった。
これについて本人は「プレッシャー(テレビ局の圧力)などから
たまたまインチキをしてしまっただけで、普段は超能力で曲げており、自分が超能力者であることは間違いない」と主張している。
・一時期は腕力でスプーンを曲げていたこともあったと、認めていたことがある。
・1991年に雑誌『デジャ=ヴュ』第6号の記事では、ポラロイドフィルムの念写に何度も失敗した末に念写に成功した。
しかし、事前にフィルム番号が控えられていたことが清田には伏せており、その編集部が用意したフィルムでの念写は全て失敗していた。
一方、念写に成功したフィルムの番号は控えられていないもので、
清田によって密かにフィルムがすり替えられていた事実が発覚した。 その他に、外国の超心理学の学者との念写の実験では、成功したのは清田にカメラを渡して2時間くらいしたときに限られていたという。
清田益章さんご本人の問題ではなく、お父さんの問題なのですが、ちょっと毛色の違うものとしては以下のようなものもありました。
・『週刊少年サンデー』1974年7月7日号には手を触れないでスプーンを曲げる少年として登場。記事中では手に触れずにスプーンを曲げたということになっていたが、これは
触れずに曲がったと書かないと掲載を拒否すると清田の父親から通達があったためで、実際には触らないとスプーンを曲げられなかった。しかし記事を落とさないためにやむなく事実をねじ曲げて、掲載したのだという。
これが本当の圧力?といった感じで、イメージの悪さは前掲のものに匹敵します。
●3種類のスプーン曲げのやり方
清田益章さんやその前のユリ・ゲラーさんの方で不正方法が出ていましたが、最初のWikipediaによると、スプーン曲げの主な手法としては大きく3種類あるそうです。
「不正」と書きましたが、これは超能力としては不正になるというだけで、不正もクソもないマジックとしては正当な方法です。
・スプーンの細工
見えないほどの切れ目や、曲げる部分のみ他の部位よりも軟性の金属で作られたネタの仕込まれたスプーンを用いる方法がある。ただし、これは演技者自身でスプーンを用意しなくてはならないため、現代ではあまり用いられない手法である。この方法で演じる際は一般的な手品の手法と組み合わせ、普通のスプーンを相手に確認させ、それを取り戻した際にネタの仕込まれたスプーンに取り換える方法などが用いられる。
・力学応用
いわゆるてこの原理を応用し、スプーンを曲げる方法で、多少の物理的な力とコツが必要となる。ほとんどのスプーンを曲げることができるが、極端に硬質な素材を曲げるには相応の握力が必要であり、演技力も求められる。演技を見ている人の隙を突いて素早く捻じ曲げ、あたかも指で擦る程度で曲ったかのように見せかけるのが一般的な手法である。この方法は、お客さんの用意したネタの仕込まれていないスプーンでも演技することができる。
・器具の使用
なにかしらの器具を隠し持ってその場で加工し曲げやすくする手法。別途器具を使うという点で難易度は高い。基本は他のスプーン曲げ同様、手品的手法を取り入れて演技することになる。
↓曲がりそうにないタイプのスプーン

●iPhone6が曲がった理由について解説するユリ・ゲラー氏
あと、検索していると、iPhone6絡みでユリ・ゲラーさんの話が出てきて笑いました。
iPhone6が曲がった理由は1000万人のエネルギー?―ユリ・ゲラーの解説 - WSJ 2014 年 9 月 29 日 17:49 JST
アップルの新型スマホ「iPhone(アイフォーン)6」と「iPhone 6 Plus(プラス)」が曲がってしまったとの苦情が寄せられている。「スプーン曲げ」で知られる超能力者、ユリ・ゲラー氏がその理由を解説してくれた。
ゲラー氏は「2つの理由が考えられる」と話す。「新型iPhoneはあまりにも薄く平べったいので、物理的な力がかかると曲がりやすくなっている」。だが、「アップルが発売までに徹底的なテストを行ってきたはずで、それが理由だとは考えにくい」という。
何気にアップルに対して非常に痛いことを言っていますが、もちろんこちらはメインの話ではありません。ユリ・ゲラーさんが本当にアピールしたいのは二つ目の理由の方です。
もう一つは「購入した1000万人の興奮がエネルギーとなって超能力を呼び起こし、それがiPhoneを折れ曲げた」。ゲラー氏はこれがはるかに真実味のある理由だと考えている。
実は「自分はiPhone 6を持っていないが、持っていたら間違いなく超能力で折り曲げてみせただろう」ということで、ゲラーさんはiPhoneを持っていません。どうもブラックベリー派らしいです。
ちなみにこのブラックベリーについても「これまで何台か折り曲げたことがある」とのこと。さすがです。
何かもうスプーン曲げがインチキだということを認めているような、ヤケクソ感あるゲラーさんのジョーク。もう超能力ができると主張するのはやめたんですかね?
●ワシントン大学の科学者ら、過去に超能力実在宣言をしていた
2017/09/30:全体を修正したついでに、この後書いた話の宣伝。
超能力は実在する…ワシントン大学の科学者たちが認めていたというものを投稿しています。ただ、当然マジで超能力があったという話ではなく、実際には手品だったという話です。
実は奇術師の方から、科学者らには以下のようなアドバイスがありました。しかし、科学者らはこれをきちんと守らず、まんまと騙されてしまいました。科学者って、純粋な人が多いんですかね? こういう詐欺師の相手は苦手なのかもしれません。
・実験途中で被験者に最初の計画を変更させてはならない
・逃げ口上の余地を与えることになるため被験者の気まぐれな要求に応じてはならない
・実験の周囲の状況は厳密にコントロールされなければならない
上記のように計画の変更などを主張するのは、限られた状況でしか不正が行えないためです。先の不正の話であれば、「スプーンが曲がり始めるのが常に人の目に触れないときである」がそういった関係。
科学者らを騙した少年らは、都合の悪い監視機器がありそうなときは、「超常的に悪いものを発散している」と主張して撤去させていました。上記は「そういうことを許すと騙されちゃうよ」という警告だったのですが、超能力を信じ込んだ科学者らは少年らの要求を呑んじゃったのです。
ワシントン大学の方の話でも書いたように、こうやって騙されてしまうということは誰にもでありますので、頑なにならず、素直に考えを改めてくれればと思います。過ちを認められるというのは美徳ですよ。
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