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先進医療特約はいらない? 先進医療の費用は高額と宣伝で錯覚、実は高いとは限らない


 過去にがん患者で先進医療を受ける人の割合というのをやっていたので気になった記事がありました。

●保険販売員のセールストーク

 保険販売員(保険外交員とも言いますね)は、以下のようなセールストークをします。私が勧誘されたときも大体こんな感じでした。
「健康保険のきかない先進医療は300万円かかるものもあります。昔、加入した保険では、先進医療は保障されないので、早めに先進医療特約付きの新しいタイプに見直しましょう」

「先進医療は300万円もかかる」は本当?医療保険商品「先進医療特約」の濡れ手で粟|ダイヤモンド・オンライン  早川幸子 [フリーライター]【第80回】 2014年9月11日

 先進医療特約は以下のようなものです。
 先進医療特約は、病気やケガをして国が認めた先進医療を受けたときの治療費の実費を保障するものだ。契約者が支払う保険料は、保険会社によって若干異なるが、おおむね月100円程度。1年間でも1200円だ。

 たしかに、月100円の保険料で、万一のときに300万円の保障も受けられるならおトク感はある。

●先進医療は高いとミスリード

 では、作者の早川幸子さんは、本当にこの先進医療特約をお得だと思っているのでしょうか?

 答えはもちろんノー。"「先進医療特約」の濡れ手で粟"というタイトルでわかるように、"その保険料のカラクリを知っても、安いと思えるかは微妙なところだ"といった感じで否定的です。

 まず、"先進医療のすべてが高額だというわけではない"のに、高いと錯覚させるというミスリードを、保険会社がやっています。これはがん患者で先進医療を受ける人の割合でも指摘したことです。
 厚生労働省の「平成25年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」によると、2012年7月1日~2013年6月30日までの1年間に、厚生労働省が認可した先進医療114種類のうち、実際に利用されたのは93種類。そのうち、100万円を超えるものは、わずか8種類しかない。

 たしかに、重粒子線治療の約300万円、陽子線治療の約260万円など高額なものもあるが、2~3万円程度の検査や治療もあり、平均すると約64万円だ。

●先進医療を受ける人はごく僅か

 続いて、"保険会社のテレビコマーシャルを見ていると、病気になったら誰もが先進医療を受けるような気分にさせられるが、これも実態とはかけ離れている"という指摘。

 これは私のがん患者で先進医療を受ける人の割合のメインテーマですね。今読み直すと相当慎重に書いていてわかりづらかったんですが、保険屋さんに騙されてるよ…というメッセージを込めたつもりでした。
実際に1年間に先進医療を受けた患者数は全国でも2万665人で、日本人の人口のわずか0.02%。人口1万人に換算すると、1.5人程度なので、先進医療を受ける確率は非常に低い。

 しかも、"治療費が高額な重粒子線治療と陽子線治療に絞ると、患者数は合計で3456人"しかいません。"人口1万人に対して、0.3人程度"ですから、0.003%ですかね。非常に稀です。


●「先進医療」は安全性が確認されておらず、科学的根拠に基づいていない?

 普通は「先進医療」ではなく「標準治療」を受けます。
 病気の治療には、それぞれの病名ごとに確立した治療法があり、まずは健康保険が適用された標準治療が行われる。

  日常生活の中で「標準」というと、「あまりよくないもの」「普通のもの」というイメージがあるが、医療の世界でいう標準治療は、安全性が確認され、科学的根拠に基づいて、現段階でもっとも高い治療成績のものを指している。

 「標準治療」は「安全性が確認され、科学的根拠に基づいて、現段階でもっとも高い治療成績のもの」だと言います。じゃあ、「先進医療」は「安全性が確認されておらず、科学的根拠に基づいておらず、治療成績が高くないもの」なの?と思ってしまいます。

 実はこれもがん患者で先進医療を受ける人の割合で書いていたように、ある程度は当たっています。海の物とも山の物ともつかないとまで言いませんが、まだ確認できていない段階なんですね。
 一方、先進医療は、健康保険を適用して広く普及させるかどうかを判断している最中の治療法や薬で、試験的に導入しているに過ぎず、その効果は未知数だ。標準治療を受けても治らなかった患者などが、医師と相談しながら自己責任において利用するかどうかを決めている。

●「1年間でも1200円」でも高額な先進医療特約

 先進医療特約が必要な人は非常に少ないという話が先ほどありました。これは逆に言うと、非常に稀だからこそ「1年間でも1200円」という安い価格にできるとも言えます。安いのはめったにないことのためです。

 ただ、早川さんは年間100円で済むという試算を挙げて、"この保険料ですら、実は「集めすぎだ」という見方もある"としていました。

 ここは保険屋さんが憎らしいほどうまいですね。月に100円程度なら!と思って特約をつける人は多いでしょう。抵抗のあるような金額ではありません。

 年間1200円なら保険会社も大した儲けじゃないなとも思いましたが、だからこそ冒頭のセールストークは「昔、加入した保険では、先進医療は保障されないので、早めに先進医療特約付きの新しいタイプに見直しましょう」だったのかもしれません。

 先進医療の高額治療費で不安を煽っておいて、保険のタイプそのものを見直すことによって、より稼ぎの大きい保険へと乗り換えさせる、あるいはついでに様々な別の特約をつけるといった形です。


●ちっとも安心できない保険商品

 別記事も…ということで、保険会社が知られたくない生保の話 (日経プレミアシリーズ)という本を紹介しているものを。
元生保社員が告白~販売情報はウソ、高額手数料の商品を押し売り… | ビジネスジャーナル

 本書は、長年大手生保会社で営業スタッフなどを務めた著者が、生保商品のカラクリや、業界の裏話、保険商品との付き合い方などを記したもの。さまざまな生保に関する疑問に対して、数字やデータ、具体例を示しながら解説するのだが、著者が主張するのは「保険業界は、情報開示と価格競争が進んでいない」ため、保険商品に不透明な部分が多く、限定的な利用にとどめたほうがいいということだ。(中略)

「保険情報の大半は、保険販売によって収益を得られる立場にある人たちから発信されている」ので、「保険業に携わる者のアドバイスに、中立・公正なものなどない」。保険会社内部のキャンペーンなどで手数料が割り増しされることもあり、優れた商品がほかにあるのに、手数料の高いキャンペーン商品を勧めることもあるというのだ。 

 また保険会社の、特に営業の定着率は低く、一向に改革が進まない業界でもあるらしい。そのため、商品を売った保険販売員がすぐに退社することも珍しくないというのだ。販売員から商品の説明を受け、信用して契約したのに、当事者がすぐにいなくなってしまうのでは保険会社が好んで使う“安心”には程遠い。

 また、保険会社に寄せられる苦情の数々や973億円にも上った保険金不払い問題など、保険が信じられなくなるような話も多数掲載されている。


 保険会社が知られたくない生保の話 (日経プレミアシリーズ)の作者である後田亨さんの名前は見覚えがあります。ブログ内を検索すると、以下が出てきました。

  ■保険コンサルタントが語る「売れ筋の医療保険が必要ない」理由
  ■世界一生命保険が好きな日本人 理由も必要性も考えずに加入
  ■生命保険や医療保険や特約はギャンブル 分の悪い賭けであり、99%外れの宝くじである

 アマゾンのレビューでは以下のような感想が書かれていました。
保険会社が知られたくない生保の話
投稿者 大矢 健 投稿日 2014/3/29

 で、本書を書店で目にしてちらっと読んだら、まえがきに――「担当者を信じていたのにだまされた」などと言う人には、「ご自身でサインをして契約を結んでいながら、困った時は全部他人のせいですか?」と言いたくなることもある――と書いてあった。こういうことをちゃんと書く人は信用できると感じ、実際買って読んでみたが――自分の見解には自己正当化願望も含まれているはずで、そこは読者が判断してくれ――という内容の記述には好感がもてた。
 にしても読めば読むほど、作者はこんな本を書いて、「我々昔の仲間を飯の種にしやがって」と業界から呪われたりしないか心配になる。この2年間、作者がテレビ局の取材や撮影に応じても、一度もオンエアされたことがないそうだ。もちろん作者は、業界への疑問を書くことを目的としておらず、業界を潰すなど考えてもいない。むしろ消費者に変わってほしいと考えているだけなのだが。。。

 後田亨さんはすべての保険商品を否定しているわけではないものの、割に合わないものが多いと考えているみたいですね。


●先進医療は本当に必要?

 高額な先進医療をどうしても受けたいという方は、こういった特約に入ってもいいと思います。前述の通り安いですしね。ただ問題なのは、前述のような説明が全くないことでしょう。理解した上で契約するのならそれでいいのです。

 あと、「先進医療」って名前が悪いですよね。いかにもすごい治療法のように感じてしまい、そこを悪用されています。

 「先進医療」じゃなかったら何がいいでしょうね? 「健康保険を適用して広く普及させるかどうかを判断している最中の治療法や薬で、試験的に導入しているに過ぎず」といった説明でしたので、そのままなら「普及検討治療」や「試験導入治療」といった感じ。ただ、スッキリしません。

 とりあえず、私は何でもいいから名前を変えるべきじゃないかと思います。
 

 関連
  ■がん患者で先進医療を受ける人の割合
  ■保険コンサルタントが語る「売れ筋の医療保険が必要ない」理由
  ■世界一生命保険が好きな日本人 理由も必要性も考えずに加入
  ■生命保険や医療保険や特約はギャンブル 分の悪い賭けであり、99%外れの宝くじである
  ■保険ショップは客の味方じゃなかった ほけんの窓口の危機にメットライフアリコが怯える理由
  ■医療・病気・身体についての投稿まとめ

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