●少子化な日本のベビー商品企業は終わり…と思いきやアジアに活路
2015/5/26:先に
インドネシアで庶民の味方になった日本企業ユニ・チャーム アジアシェア首位を投稿してしまったのですが、今回の話の方が先に書いていました。下書きしていたのに、間違えて別投稿を先に投稿してしまったのです。ただ、読む順番としては、たぶんどっちが先でも大丈夫だと思います。
少子化の代表格的な国である日本において、ベビー市場を主戦場とする日本企業は苦労しそうなものです。しかし、アジアのベビー市場に目を向けると、状況が国内とは全く異なります。新興国不況の気配があり怪しいとはいえ、市場の拡大が見込めそうです。
拡大するアジアのベビー市場、日本各社も攻勢で好業績、反日高まる中国でも人気 | ビジネスジャーナル 2014.03.15という記事では、中国の話を強調。ベビー用品各社は中国市場に力を入れてきたとのこと。ただ、中国に依存しすぎるリスクを見据えてインド市場に着目したともいいます。
<インドでは女性が早く結婚するうえに、乳幼児の死亡率が高いため、子供をたくさん持とうとする傾向が強い。ユニセフ(国連児童基金)の「世界子供白書2013」によると、インドの年間出生数は2710万人。パキスタンやバングラデシュを合わせた3カ国の合計は3488万人。中国の1636万人の2.1倍で、世界最大のベビー市場なのである。ちなみに、日本の出生数は同107万人。インド、パキスタン、バングラデシュを合わせると、日本の30倍の新生児が誕生するのである>
インドとその隣国パキスタン、バングラデシュは将来的にもどんどん人口が増えると予想されています。今多いだけでなく、将来の出生ペースを考えても有望なのです。ここらへんは中国などの他の新興国と状況が異なっているんですよね。
●反日の中国ですら日本製紙おむつバカ売れもユニ・チャームは…
この記事ではピジョンについても書かれており、そちらについては、
ピジョンの哺乳瓶は吸い口が凄い 創業者仲田祐一のおっぱい行脚で完成で書きました。こちらのページユニ・チャームの話に絞ります。ユニ・チャームの13年4~12月期の連結決算、売上高は前年同期比20%増の4389億円、営業利益は8%増の491億円となり、売上高は10期連続、営業利益は3期連続で過去最高を更新。やはり好調な海外事業が業績を支えているといいます。
<海外売り上げの構成比率は7ポイント上昇して57%と過去最高を記録した。なかでもアジアのそれは42%と6ポイントアップした。インドネシアでは低価格の紙おむつが好調で、タイでも紙おむつの新製品が伸びた。
同決算における国内売上高は1897億円、対するアジアのそれは1842億円で国内とほぼ肩を並べ、アジアが国内を上回るのは時間の問題だ。営業利益の増加率は、国内は2%弱にとどまるがアジアは30%の増益となり、ユニ・チャームの紙おむつが「アジアの勝ち組」といわれるゆえんだ>
中国では反日が最高潮であった時期ですら「紙おむつは日本製」と聞いていたのですが、意外なことにユニ・チャームの場合、"中国では苦戦を強いられている"そうです。どうも"中国では、日本製紙おむつが飛ぶように売れている"ものの、"中国には参入が遅れ、苦戦が続いている"ということで、日本製紙おむつが売れないのではなく、ユニ・チャームが出遅れているということみたいですね。
得意なのは"インドネシアとタイ"でその"シェアは60%"にも上るそうです。そして、次の狙いがインドです。今は"インドでの紙おむつ市場は「ハギ―ズ」を販売する米キンバリークラーク、「パンパース」の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)とユニ・チャームの3強の争いになって"おり、ここでのトップシェアを目指しています。
●インドネシアで強いユニ・チャーム 使用済みナプキンを漁って研究!
ユニ・チャームに関して、別の記事も探してみました。
<成功企業例>ユニ・チャーム、地域シェア85%も獲得! | Walkersインドネシア 09月20日というのを発見。ユニ・チャームが得意だというインドネシアの話ですね。ユニ・チャームのインドネシア支社の売上は、この6年、毎年1.4倍以上の成長をキープ。2012年は2002年比で5.7倍の売上になったそうです。
<市場シェア率は、生理用品が40%、赤ちゃん用紙おむつが65%と、2分野でダントツのトップ。おむつにいたっては、西ジャワの地域シェア率は85%と異常な数字をたたき出し、業界では圧倒的な存在感を示しています>
成功の理由は"徹底したニーズの聞き取り、訪問調査"です。ユニ・チャームは"生理用品の開発のために2,000カ所もの女子トイレで使用済み生理用品をチェックして調査"したとのこと。衛生的にも心配で気持ち悪いのですが、法的にも大丈夫なんでしょうか?
"インドネシアの地方という地方を回り、手当たり次第に見つけたトイレに入り、汚物入れの中の使用済みナプキンを回収"とのこと。怪しすぎます。"変態呼ばわりされながら回ったトイレの数は2000ヶ所以上"ともありましたけど、日本なら変質者として逮捕でしょう。
●日本式の押し付けでも中国式でもない「インドネシア式」なので売れた
また、この変態行為(?)以外にも工夫をしています。時間の無駄だと言われつつも、"現地の一般家庭を200軒以上訪問"し、導き出した答えが個別包装での販売です。数十個のピースを大きいパッケージに包んで販売する方が製造コストも安くなるし、1つ当たりの単価は安くなります。普通は無意味です。化粧品の話ですが、中国なんかは逆に日本以上に大容量が好まれるという話もありました。
しかし、"インドネシアのママたちが実際に生活用品を買いに行くのは、ワルンという日本の駄菓子屋さんのような小さなお店"。以下のような理由で個別包装には有利な点があるようです。
<オムツを1ピース1ピース、個別包装にしてつなげたものを、店先にずらりと並べたほうがよく目立って広告にもなるし、これまで紙オムツを使ったことのないママからすれば、まずはお試しで買えて、外出などで必要な時だけ使えるように個別包装の方がいい>
中国の話を出しましたけど、地域性が出ていますね。日本式の押し付けではなく、こういう現地に合わせた仕事をできる企業が伸びるんだと思います。
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