ら行の話をまとめ。<「礼」という言葉は外来語 昔の日本人には礼節がなかったため?>、<ら行で始まる日本語はなかった・大和言葉にない…実はデマ?>、<ら行で始まる日本語はないのでら行で始まる日本の苗字もない?>などをまとめています。
2023/05/17追記:
●ら行で始まる日本語はないのでら行で始まる日本の苗字もない? 【NEW】
●日本人は「ら行で始まる言葉」を言いづらいと「お」をつけた?
2022/09/27:
昔日本はロシアを「おろしや」と呼称 格上の大国なので敬語?で書いていた「ら行」の話を独立してひとつ。「大和言葉にら行で始まる言葉はない」「本来の日本語にら行で始まる言葉はなかった」などとよく言われているんですよ。日本人は「ら行で始まる言葉」を言いづらいと考えて、わざわざ頭に「お」をつけた…と聞いた覚えもありました。
<もともと日本語には「ら行」で始まる単語がほとんど無かったと考えられ、時代を経るに連れアイヌ語や「/r/音」始まりが比較的多い漢語(中国語)を始めとする外国語から「ら行」に繋がる音素をもつ語が流入し続けることで「ら行」の語が増えていったとみられるが、それでも未だに少ない>
しりとりなんかでは、ら行攻めが有効ですよね。私は子供の頃よく使っていました。上記の説明は
ら行 - Wikipediaからであり、ここではさらに<日本語において「ら行」音で始まる単語は、ほぼ全てが以下のいずれかに該当する>として、以下の4パターンの例(3パターン+1例?)に分けています。
(1)「られる」「らしい」などの付属語。
(2)「るんるん」など、少数の擬音語。
(3)アイヌ語と漢語を始めとする外国語に由来する語。
(4)るつぼ
●「礼」という言葉は外来語 昔の日本人には礼節がなかったため?
2023/02/02追記:「大和言葉にら行で始まる言葉はない」「本来の日本語にら行で始まる言葉はなかった」などとよく言われている…と書いていましたが、実例も出しておいた方が良いだろうということで検索。検索すると、ズバリ
「ら行」ではじまる日本語はなかった! ~ 訓読みのない漢字というページがありました。
<「ら行」ではじまる「やまとことば」はなかった!
「そんなはずがない! 」というかたは試しに国語辞典の「ら行」を見てください。
漢語 (漢字の音読み) かカタカナ外国語です。
漢字はすっかり日本語の一部になっているけどもともとは「中国」という外国の言葉と音です>
このページでは、例として礼 (レイ、ライ)が日本の言葉ではなかったことを指摘。<日本は礼節を重んじるなどと言われますが、もともと日本語にはなかった言葉>であり、<言葉がないということは、「概念」「習慣」がないということ>というおもしろい言い方をしていました。日本人に礼節は全くなかったという話です。
これはちょっと極端なようにも思えますが、外来語は日本語に該当する言葉がないときに生じやすい…というのは一応本当でしょう。以前書いた
重力・引力・分子・遠心力・動力は、志筑忠雄(中野柳圃)の造語なんかも似たような話。志筑忠雄の場合は、日本では概念すらなかったものを苦労しながら「外来語」ではなく「造語」という形で翻訳していました。
●ら行で始まる日本語はなかった・大和言葉にない…実はデマ?
2022/09/27:前述の通り、「本来の日本語にら行で始まる言葉はなかった」などとよく言われているんですが、Wikipediaの分類を見ていて気になったのが、パターン分類の最後に単独でポコンと出てきた「るつぼ」です。「るつぼ」が大和言葉的なものであった場合、これは例外になるんんじゃないか?と思って気になりました。
この「るつぼ」という言葉は最近あまり使われないかもしれませんね。漢字で書くとさらに見慣れない「坩堝」という字になります。
坩堝(るつぼ)の意味 - goo国語辞書の場合は、以下の3種類の意味による説明でした。本来は1の意味である「容器」で、工業的にはまだ多用されるでしょう。ただ、一般的には2、3の意味で使われることの方が多いかもしれません。
1 中に物質を入れて加熱し、溶解・焙焼 (ばいしょう) ・高温処理などを行う耐熱製の容器。金属製・黒鉛製・粘土製などがある。
2 熱狂的な興奮に沸いている状態。「会場が興奮の―と化す」
3 種々のものが混じり合っている状態や場所。「人種の―」
goo国語辞書では、坩堝(るつぼ)の語源・由来についても記載してくれていました。こちらによると、<「鋳 (い) る壺」あるいは「炉壺」の意からか>と推測されています。問題はこの「坩堝」という言葉が使われ初めた時期や大和言葉などと言えるかどうか?というところでしょうね。
検索してみると、1800年代の書籍で多数「坩堝」という言葉が使われているので、かなり昔からある言葉なのは確か。ただ、「大和言葉」かどうかというと、なかなか難しいところでしょう。とりあえず、
知恵蔵miniでは、以下のように「大和言葉」を説明しています。ここでは、「語頭にラ行音が来ない」という特徴の話もありました。
<日本語を構成する要素で、
漢語、外来語に対し、奈良時代以前からあった日本固有の言葉「和語」のこと。和詞(やまとことば)とも言う。
漢字の訓読みが大和言葉に対応する。特徴としては、擬声語以外は語頭に濁音・半濁音が来ない、古語の語頭の音が落ちた結果であり、語頭にラ行音が来ない、合成語が作られる際、語形変化が起こる、など>
上記では「奈良時代以前から」となっており、この定義を採用すればかなり明確に区別できそうですね。ただ、「坩堝」の場合は肝心の成立時期が不明です。ちなみに「坩」は一字でも「るつぼ」であり、これは訓読みなので、「漢字の訓読みが大和言葉」という定義の方なら「るつぼは大和言葉」と言えそうでした。
●ら行で始まる日本語はないのでら行で始まる日本の苗字もない?
2023/05/17追記:今回は「ら行で始まる日本語」ではありませんけど、「ら行で始まる日本の苗字」という話を。検索していると、
ら行から始まる名字ってあるんですか?(ヤフー知恵袋)(2010/7/2 12:27)というおもしろそうな話があったんですよ。で、ベストアンサーによると、「ら行」どころか「ら」で始まる「80人以上の姓」だけで以下の通り。文字数制限で紹介しきれないほど、大量にあったそうです。
【ら(80人以上の姓)】
頼 らい
来 らい
雷 らい
頼成 らいじょう
楽 らく
楽間 らくま
楽満 らくまん らくみつ らくま
楽山(樂山) らくやま
良知 らち りょうち
乱場 らんば
【本文中でリンクした投稿】
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