以前もやったんですが、また将来性のない職業の話。ただ、以前もやったからこそ補足という意味合いもあります。今回の記事は、以前やった<10年で消える将来性のない職業はこれだ!90%以上でなくなる仕事>(広範にまとめ)の「日本版」に当たるものだそうです。
●将来なくなる仕事職業ランキング
2015/5/28:元記事には順位が書かれていなかったため、パーセンテージが同じものは同順位とみなしています。ベスト10ではなく、ベスト13でした。すごい半端。また、"特に日本においてなじみ深いと思われる職業について掲載しました"とのことでしたので、これ以外にマイナー職業でもっと消えやすいものがあるのかもしれません。
【10年後に無くなる可能性が高い職業・ベスト10】
1位 水産ねり製品製造工 97%
1位 野菜つけもの工 97%
3位 コック 96%
3位 有料道路料金収受員 96%
5位 豆腐職人 95%
6位 そば・うどん調理人 92%
7位 機械組立工 91%
8位 航空管制官 90%
9位 コンビニ店員 87%
10位 ラーメン調理人 87%
11位 畳工 86%
12位 みそ製造工 85%
13位 和菓子職人 83%
(
日本版・10年後なくなる可能性が高い職業とは(前編) | Credo 深澤祐援 2015/05/28より)
●手に職をつけろって言うのに!コック料理人、職人が意外にも…
全般的に食べ物関係が多いですね。ピックアップしてみましょう。以下のように、なんと上位として紹介されていた13職業のうち実に8つが食べ物関係でした。
1位 水産ねり製品製造工 97%
1位 野菜つけもの工 97%
3位 コック 96%
5位 豆腐職人 95%
6位 そば・うどん調理人 92%
10位 ラーメン調理人 87%
12位 みそ製造工 85%
13位 和菓子職人 83%
この食べ物関係では、「そば・うどん調理人」「ラーメン調理人」など「職人」と言って良いものが多く、「和菓子職人」にいたってはそのまま「職人」がついています。手に職をつけた方が良いと言われてきたのですけど、専門スキルのある職人や料理人などがむしろなくなりやすい職業という予想は意外でしょう。
なお、コックについては、
人間を超えるIBMの人工知能ワトソンのできること、さらに増えるで関連する話をしています。この記事でも出ていました。上のなくなる職業は作る人を意識しているでしょうが、人工知能ワトソンの場合は今までにない創作料理のレシピを考えられるというのが特徴です。
●料金徴収人はわかるが…「コンビニ店員」などが消える理由は?
「3位 有料道路料金収受員 96%」ってのは、たぶん高速道路の料金徴収人でしょうね。これはETC(電子料金収受システム)の普及があるのでわかりやすいです。
また、「8位 航空管制官 90%」もわかる気がします。
LCCの安全性は低い?飛行機事故が目立った2014年の驚きの事故率では、航空機の運転の自動化が進み、事故が減った様子が伺えました。航空管制官も機械化した方がミスが減っておかしくないと考えられます。
これでランクインしたほぼ全部の職業にコメントしたんですが、最後に余ったのが「9位 コンビニ店員 87%」。スーパーの店員よりコンビニ店員の方が扱うこと多いと思うんですが、コンビニ店員のみランクインです。
コンビニ店員の方が…は不思議なものの、自分で精算する無人レジ普及がさらに進んで絶滅するのだろうなとは、想像できます。
●10年後に無くなる可能性が高い職業の算出の仕方、用いられた指標
記事では算出方法も軽く説明されていましたが、正直よくわかりません。
とりあえず、"今回の判別を行う際に用いた数値データは、労働政策研究・研修機構(独立行政法人)が2014年3月30日に発表した論文"である『職務構造に関する研究―職業の数値解析と職業移動からの検討―』のものだというのが、ポイントの一つ。
もう一つは「教師あり学習による判別を行った」というのが、大きなポイント。オックスフォード大学の論文でも、同じ「教師あり学習」が用いられたそうです。
もう少しだけ詳しく紹介するとすれば、教師あり学習に用いられた指標がおもしろいでしょうか? 筆者が"人工知能が代替出来る指標として関係が深いと考えた"項目が並んでおり、将来性のない職業だという結論になった理由が想像できます。
スキル…「基盤」「数理」「テクニカル」「ヒューマン」「コンピュータ」「モノ等管理」
知識…「科学・技術」「芸術・人文学」「医療」「ビジネス・経営」「語学」「土木・警備」「化学・生物学」
仕事環境…「座り作業」「他者とのかかわり」「屋外作業」「影響度・責任」「流れ作業」
これ以外にも、実は衝撃的な話が残っていました。この研究によると、なんと"約63%の職業が人工知能、コンピュータに取って変わられる可能性が今後高いことが分か"ったそうです(10年後かどうかは明記なし)。以前も書いた気がしますけど、信じられませんわ。
●10年で消える将来性のない職業はこれだ!90%以上でなくなる仕事
2014/11/8:今回紹介するのは、
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった 現代ビジネス(2014年11月08日(土) 週刊現代)という記事。
予測したのは、イギリスのオックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授。"米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析"したそうです。
すると、"今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至った"とのこと。およそ半分の仕事が、10年~20年程度でなくなってしまうということですね。"コンピューターに取って代わられる確率"が90%以上という高い数字になった職業の中から身近そうなところをリストアップしてみます。(一部、職業名の書き方を改めています)
<10年~20年程度で消える将来性のない職業>
・スポーツの審判
・不動産ブローカー
・レストランの案内係
・保険の審査担当者
・動物のブリーダー
・給与・福利厚生担当者
・レジ係
・娯楽施設の受付
・集金人
・ホテルの受付
・苦情処理係
・簿記、会計、監査の事務員
・メガネ、コンタクトレンズの技術者
・測量技術者
・建設機械のオペレーター
・訪問販売員・露天商
・塗装工
●単純作業労働者だけでない…頭を使う仕事もなくなってしまう!
うちでは、過去に
2020年に「なくなる仕事」 新聞配達員、レジ係、レンタルビデオ店などという似た話をやっています。そのときにも思いましたが、あてになるんですかね、これ?
ちなみに前回のものと重なっている職業、どちらにも含まれるという、極めて消える可能性が高そうな仕事って何でしょう? リストアップしてみます…とやってみると、ほとんどなし。「レジ係」と「訪問販売員」 (前回のものは訪問型営業。ちょっと違う?)だけでした。全然重なっていませんでしたわ。
今回の話はコンピュータに取って代わられるという話ですので、職業がなくなる理由は、「ロボットの能力向上」です。「ロボットの能力向上」というのはルーチンワークや技術的な仕事だけでなく、頭を使う仕事も含まれています。ビッグデータに関する技術の発展により、知識労働者も脅かすと予想されているようです。
おもしろいのは、医療診断で既に使われているよ…って話ですね。米国のニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターでは、"ワトソンというIBMの人工知能型コンピューターを活用"しています。ワトソンは"60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万ページ分の医学雑誌などを分析"。そして、"患者個々人の症状や遺伝子、薬歴などをほかの患者と比較することで、それぞれに合った最良の治療計画を作ることに成功している"んだそうです。
このワトソンは"米国のクイズ番組で人間相手に勝利を挙げた"コンピュータとして有名です。また、最近日本でも銀行の顧客電話応対、つまりコールセンター業務に導入されるというニュースがあったばかりです。着実に人間の仕事に近づいて、そして、追い越そうとしています。
●仕事を奪われてヤバイ?むしろ歓迎すべきと研究者が言う理由
なお、"ロボットが職場に溢れ、仕事を奪われた人間が失業者になっていく様は想像するだけで恐ろしい"と記事では書いていました。これはうちでも以前からやっているロボットが仕事を奪う系の話ですね。たとえば、
ネオ・ラッダイト運動 IT技術や機械の発達が人類から仕事を奪う?というのが、そういう投稿でした。しかし、オズボーン准教授は「人類にとってこれは歓迎すべきことだ」と主張しているそうです。
「かつて洗濯は手作業で行っていましたが、洗濯機の登場でその仕事は奪われました。しかし、それによって余った時間を使って新しい技術や知恵が創造された。こうして人類は発展してきたわけです。現在起きているのも同じことです。
ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていません。となれば、人間は機械にできる仕事は機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中できるようになるわけです。人間がそうして新しいスキルや知性を磨くようになれば、これまで以上に輝かしい『クリエイティブ・エコノミー』の時代を切り開いていけるのです」
ただ、問題は誰もがそういう仕事をできるだろうか?という問題でしょうね。週刊現代では、"もちろん、そうした高次元でクリエイティブなスキルを身につけられなければ、失業者に転落するリスクが大きいということでもある。来たるべきロボット社会で生き残るのは、なかなか容易ではなさそうだ"と締めていました。
【本文中でリンクした投稿】
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人間を超えるIBMの人工知能ワトソンのできること、さらに増える ■
2020年に「なくなる仕事」 新聞配達員、レジ係、レンタルビデオ店など ■
ネオ・ラッダイト運動 IT技術や機械の発達が人類から仕事を奪う?【関連投稿】
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2020年に「なくなる仕事」 新聞配達員、レジ係、レンタルビデオ店など ■
LCCの安全性は低い?飛行機事故が目立った2014年の驚きの事故率 ■
小学生のなりたい職業ランキング 10年前の小学1年生との変化は? ■
会社を辞める社員を説得しない方が良い理由 退職希望者は追うな! ■
優秀な社員が会社・仕事を辞める理由 成果主義・給料の問題が原因と分析 ■
転職回数が多い人、意外に不利じゃない?逆に転職繰り返す人好む企業も ■
ビジネス・仕事・就活・経済についての投稿まとめ
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