2015/6/7:
●「ストレスで太る」は常識?検索すると有名企業のメディアが登場
●甘いものを食べると負のスパイラル…ストレスによって太る理由とは?
●ストレスで太るは嘘だった?6万人調べるも相関なしの研究結果
●逆にストレスによってむしろ痩せるという可能性は考えられる?
●ストレスによる血糖値上昇で太る説もあった…医師の見解は?
●「ストレスで太る」は常識?検索すると有名企業のメディアが登場
2015/6/7:またそれが嘘だったの?という話。何か世の中俗説ばっかりですね。とはいっても、私は今回の「ストレスで太る」に関して言えば、別に信じていたわけではない…というか、特に意識はしていなかったもの。聞いたことがないわけではなく、確かにそう言っている人は見たことがあります。ただ、あまり深くは考えていませんでした。
「~は嘘だった」という話の中には、たまにそもそも世間で広く言われていたわけではないということがあります。詐欺的な主張もあるので、ここらへんは注意が必要ですね。
ということで、「ストレスで太る」についても検索。すると、この場合は確かに言われていたようで、
ストレス過食を美のチャンスに変える魔法の実【美容部員オススメ】 | 女子SPA!(2015.06.07 白川 凜)という記事が出てきました。
このサイトは、フジテレビ系の出版社と産業経済新聞社系の出版社とが合併してできた扶桑社の運営サイト。かなり有名な部類の企業のメディアでも、「ストレスで太る」が広められていたということです。
●甘いものを食べると負のスパイラル…ストレスによって太る理由とは?
この記事では、ストレスによって太る原理を以下のように説明していました。
<頭を使うとエネルギー(糖)を消耗するので甘いものがほしくなるようですが、そこへストレスも加わり、過食傾向右肩上がり。
私の経験から言うと、甘いものを食べる→塩辛いものを食べたくなるからしょっぱいものを食べます→また甘いもの食べたくなる→しょっぱいもの→甘いもの…… このスパイラル! みなさんも経験済みでしょう。「甘いと辛いは表裏一体やからな~」なんて開き直ってしまうほど>
上記は百貨店の現役美容部員さんの記事なんですが、この後も悪いですね。「頭使おうがストレスで過食になろうが口に入れるもの変えちゃいましょう! 」と言って、低カロリー健康食品みたいなものをオススメしています。健康食品の宣伝記事のようになっていました。
たくさん食べても太らないものを食べたいという欲求ははわかります。で、「体に良い」ものならたくさん食べても大丈夫だろうと、考えてしまうようです。ただ、こういうのは大抵「体に悪い」食べ方で、栄養のバランスを崩すおそれがあります。いくら食べても大丈夫な食品を求めるというのは、虫がよすぎる欲望だと考えなくちゃいけません。
●ストレスで太るは嘘だった?6万人調べるも相関なしの研究結果
話が逸れてきましたが、本題の「ストレスで太る」に戻って、国際肥満ジャーナル電子版に掲載されたという英ロンドン大などの研究について。
仕事のストレスだけでは太りません 英研究チーム解析:朝日新聞デジタル(竹野内崇宏 2015年6月7日09時31分)という記事がベースです。
仕事上のストレスは肥満を招き、心臓病や糖尿病のリスクになると思われてきたものの、実ははっきりしていなかったそうです。そこで、研究チームは、肥満や体重増加との関連を調べた5論文の疫学研究データを合わせて解析。対象は日本人を含む約6万人分にあたるそうです。
科学というのは、論文が一つ出れば「それで決まり」ということではなく、論文によって結果が異なることもよくある話。じゃあ何を信じれば良いの?というと、今回みたいに複数の論文を解析する研究です。そして、その信頼性の高い解析の結果、仕事のストレスと肥満や体重増加の間には直接の関連性が見られないことがわかったといいます。
研究チームは、「ストレスで精神的な不調が生じても、食欲が増すことも減ることもありうるため」と推定しているそうです。ストレスで太る人は太るし、痩せる人は痩せる…その両方があって結果的に相関なしになった感じですね。ストレスによってむしろ痩せるということもないようです。
●ストレスによる血糖値上昇で太る説もあった…医師の見解は?
あと、最初の記事を探していたときに、
ストレス太り・ストレス痩せの医学 - R25 - GREE ニュース(友清 哲)(R25編集部)という記事も見つけていました。こちらはストレスによる血糖値上昇で太る説みたいなのを紹介して、なおかつ否定していました。新宿ライフクリニックの須田隆興先生の話です。
「“ストレス太り”という言葉がありますが、やけ食いなど過食の要素がまったくない状態でありながら、ストレスという精神因子だけが原因で肥満を引き起こすことは考えにくいです。たしかにストレスを受けると血糖値が上がることはありますし、インスリン抵抗性が上昇し、食べたものが脂肪になりやすくなることはあります。しかし、だからといってストレスを抱える人は必ず太るというわけではありません」
医師でもよく俗説を信じちゃ人がいるので注意が必要なのですけど、この先生は大丈夫で良かったです。さらに、ストレスによる血糖上昇と、食事による血糖上昇は、基本的に区別して考える必要があると指摘していました。
「人はストレスを受けると、視床下部から『副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン』と呼ばれるホルモンを分泌することがあります。これは最終的に『コルチゾール』というホルモンを分泌させるもので、ストレスを回避するためのエネルギーを確保するためといわれているのですが、コルチゾールは血糖値の上昇を促す一方で、脂肪の分解を促進する作用もあるとされています」
●ストレスに関わらず食べ過ぎれば太りやすいのは当然
英ロンドン大の研究の話に戻りますが、研究が一つ出ただけでそれで確定というわけではありません。別の研究で、ストレス太りを肯定するものが現れるかもしれません。ただ、今回の研究は前述の通り、信頼性の高い複数の論文を解析したもので、6万人分のデータというかなりの人数のデータを見ています。とりあえず、関係なさそう…と捉えておいて良いと思います。
また、最後の記事の須田先生は、そもそも人は何も摂取することなく太ることなど不可能だともおっしゃっていました。ストレスが原因だろうがなかろうが、食べ過ぎれば太りやすいのは当然。ここらへんはストレスで太る説の真偽に関わらず、注意していかなくちゃいけないのは、これまでと変わりありません。
「ストレスで太るんだよね」と言い訳のようにして、過食されることは特に注意してください。食べすぎは太るだけでなく、体への負担も大きくなります。私も健康診断で異常値が出たことがありました。ご注意ください。
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