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日本エレクトライク、やはり売れず 川崎フロンターレなどが購入


 全然話題になっていないんですが、日本エレクトライクという日本では19年ぶりとなる新自動車会社が誕生したそうです。(2015/6/9)

2015/6/9:
●19年ぶりに日本で新しい自動車会社が密かに誕生
●実は「改造車」なら型式認証はいらなかった…
●インドの三輪自動車を改造したものを売っていた
●日本から消えた三輪自動車という着眼点はどうなのか?
●エレクトライクはシートベルト不要などの魅力がある
2019/04/14:
●日本エレクトライクの三輪車、やはり売れず
●川崎フロンターレなどが購入「バイク以上軽自動車未満」の使い勝手


●19年ぶりに日本で新しい自動車会社が密かに誕生

2015/6/9:電気自動車(EV)の開発・製造に取り組むベンチャー企業の日本エレクトライク(川崎市)は2015年6月8日、国土交通省から三輪EVの型式認証を取得しました。新規参入メーカーによる型式取得は、1996年の光岡自動車以来19年ぶり。型式を取得している国内の自動車メーカーはこれで16社目だそうです。
(時事ドットコム:19年ぶり「型式」取得=EVベンチャーの日本エレクトライク(2015/06/09-00:17)より)

 今話題になっていないだけでなく、以前からの記事も極めて少ないですね。以下は最初の三輪EVを発売した当初の記事。
日本エレクトライク、3輪EVの受注を受け付け開始 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト 2013年4月18日

 日本エレクトライクは3輪EV(電気自動車)「エレクトライク」の受注受け付けを2013年4月16日に始めた。価格は200万円で、まず2013年度に同社のある川崎市内で10台を売る。

 次は2015年4月の比較的新しい記事です。
時事ドットコム:EVベンチャー、宅配に照準=「小回り」で市場開拓

 日本エレクトライク(川崎市)は、主に1950年代に人気を集めた小型の三輪自動車を宅配用に電動で復活させた。インドの大手バジャジ・オートが製造した車体に電気モーターとバッテリーを組み込んで改良した「エレクトライク」の量産を今年2月に富山工場で開始。後部の荷台には最大150キロの荷物を積むことができる。

 三輪は、曲がる際に車体が外側に傾き、倒れやすいという欠点があったが、左右の後輪を別々に制御することで問題を解決した。ラリードライバーの経験を持つ松波登社長(66)は「三輪は車体が軽く、小回りも利く。EVに合う宅配用の三輪をまず普及させるべきだ」と話している。(2015/04/14-16:27)

●実は「改造車」なら型式認証はいらなかった…

 今、型式認証を取得したところなのに、受注は2013年から始めていたことを不思議に思うかもしれません。実は最初の時事ドットコムによると、"これまで日本エレクトライクは、型式の取得が不要の「改造車」として、宅配用の三輪EV「エレクトライク」を200万円(税別)で販売してきた"とありました。改造なら認証いらなかったんですね!

 では、わざわざ型式認証を取得して何かいいことあるの?と言うと、"型式を取得した車両は政府の補助金の対象となり得る"んだそうです。そして、補助金の適用で"100万円を切る価格の実現を目指す"とのこと。

 この100万円に関しては、2013年の時点で目標だったようです。"2015年度以降、月産100台以上の体制を作り、目標価格100万円で一般販売を始める"としていました。


●インドの三輪自動車を改造したものを売っていた

 時事ドットコムでは、「改造車」と書いていただけでどこの車を改造していたかは書かれていませんでした。日経ビジネスオンラインによると、実はこれ、インドの車みたいですね。

 主力ブランドで社名と同じ名前の電動三輪自動車「エレクトライク」は、インドの二輪大手バジャジ・オートのガソリン三輪自動車の車体を輸入して改造し、電動自動車に組み替える手法で量産すると説明されていました。
(速報:日本で16番目の自動車メーカー誕生:日経ビジネスオンライン 鵜飼 秀徳 2015年6月9日より)

 三輪自動車で200万円は高い印象がありますが、100万円でも需要あるの?と思います。最近はずっと円高ですから、100万円達成もかなりキツイ感じです。

 今後はアジア諸国への展開も視野に入れているともあり、需要は日本よりそちらの方があるでしょう。ただ、これも割高になるので、やはり苦しい感じ。アジア諸国の電力事情というのも、先進国と異なるのでは?という不安も感じました。


●日本から消えた三輪自動車という着眼点はどうなのか?

 日本エレクトライクがまるで話題になっていないというのは、地味な三輪車というのもあるでしょうね。日経ビジネスオンラインでは三輪自動車が姿を消した様子について、以下のように書いています。

"日本では戦後、ダイハツやマツダが三輪自動車を量産、1980年代までは市中を走り回る姿が見られた。だが、カーブで急ハンドルを切ったり、雨道でスリップしたりすると、簡単に横転。1980年代には軽自動車が台頭し、オート三輪は姿を消していった"

 時事ドットコムであったように、これを改造。「実験に実験を重ねて、絶対に倒れない三輪自動車をつくり上げ」(松波社長)ました。


●エレクトライクはシートベルト不要などの魅力がある

 需要あるのかな?と心配なのですけど、他には以下のような特徴があるそうです。

・家庭の電源から充電が可能で1回の充電で最大約60km走れる。
・航続距離を伸ばすためにエアコンは登載していない。
・最高速度は約60km。
・1人乗りで荷台には最大150kgまで荷物を積む事ができる。
・車種の扱いは「側車付き軽自動車二輪」で、運転するには普通自動車免許が必要。
・ドアはないがシートベルトは不要
・二輪のようにヘルメットの着用義務もない。
 
 ヘルメットやシートベルトが不要というのはわずらわしくなくて利点かもしれませんね。ただ、法的にいらないというだけで、安全かどうか?となると疑問です。"デリバリーサービスや、EVの特性を生かし山間部など給油所の少ない場所での普及"を見込んでいるようですが、全体に苦しそうに見えました。

 基本、ベンチャー企業などチャレンジする企業は応援したいのですが、何か全体にネガティブな感想になってすみません。新しい世界を切り開いてくれるとおもしろいと思うので、一応私はこれでも歓迎しています。


●日本エレクトライクの三輪車、やはり売れず

2019/04/14:その後もさっぱり話題になっていなかった日本エレクトライク。やっぱり売れていなかったみたいですね。当初は年間100台単位で生産を目指したものの、国内の販売状況は今一つで、海外での生産、販売に活路を見いだそうとしているという記事がありました。

 この記事東京新聞:中原生まれの三輪電気自動車 新たな活路 海外に照準:神奈川(TOKYO Web)(2018年6月22日 タイトルの「中原」は川崎市中原区のこと)によると、15年度100台、16年度200台を目標としていた販売台数は、現在までに計約六十台と伸び悩み。それでも思ったより売れていますね。

 また、価格も予想通り下げられませんでした。エンジン部分を取り外して電気モーターとバッテリーを組み込む、といった改造に費用がかかり「本体価格は百六十万円から下げられない」とのこと。また、クリーンエネルギー自動車購入に対する国の助成も、発売当初に比べて大幅に減額されたという話もありました。


●川崎フロンターレなどが購入「バイク以上軽自動車未満」の使い勝手

 数少ない購入者には、地元のプロサッカークラブ川崎フロンターレがあります。発売後、すぐに導入したとのこと。練習場で、ボールや用具、選手の飲み物などを運ぶといった用途。広報担当者は「それまでは手押しの台車を使っていたので用具係の負担が減った。小回りが利くので練習以外でも荷物の運搬に使っている。次もエレクトライクを購入したい」と話していました。

 記者も走り出しは遊園地の乗り物を思わせるのどかな感じだったとしています。私は当初安全性を心配したのですけど、そもそも車道を走らないような使い方なんですかね。それでもまだ心配ですけど。また、右手のスロットルを回すと、あまりの加速のスムーズさに、怖くなり足元のブレーキを踏んでしまったという記者の感想もあります。

 エレクトライクの試乗会では、「バイク以上軽自動車未満の絶妙さ」との感想が言い得て妙だったとのこと。別の参加者は、「車の概念が変わりそう。子どもたちにアイデアを募ったら多様な使い方ができるのでは」とありました。良い使い道が見つかると良いのですけど…。


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