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日本人と欧米人との違い 無駄だらけの会議・上下関係になぜ?と不思議など


 2010年11月10日に書いた「日本人と欧米人との違い」と、2011年2月8日に書いた「外国人から見た日本人」をまとめて一つにしました。

 まずは、「日本人と欧米人との違い」だった話から。


●欧米だと自己主張がないのは悪?

 2010年10月12日 異文化が交わる人間関係だから、細かいニュアンスが大事になる 「自己主張」だけでも「謙遜」だけでもダメ 河合 江理子をを読んでおもしろかった話を。

 作者の働いていたBIS(国際決済銀行)で行われていた「難しい人間関係」をスムーズにするテクニックを教えるセミナーでは、コミュニケーションのスタイルを以下の三つに分けていたそうです。

<コミュニケーションのスタイル>
 「Aggressive=攻撃的」
 「Assertive=自分の意見を主張」
 「Submissive=従属的または服従的」

 国際決済銀行で望ましいとされていたのは、「Assertive=自分の意見を主張」。最初の「Aggressive=攻撃的」については当然良くなく、それで降格となった上司もいたとのこと。

 そして、日本ではさほど悪くない「Submissive=従属的または服従的」も、避けるべき態度だとされているそうです。具体的には、自分の思っていることを相手に伝えない「避ける」という態度や、「受身」な態度とのことを言うらしいです。


●欧米にも「遠慮」や「謙遜」はある

 「海外」と書かれているところを私が勝手に「欧米」と言い換えていますが、欧米にも「遠慮」や「謙遜」はあるようです。

 まず、「謙遜」について。

 日本のように、自分を卑下して相手に対する尊敬を表す(「愚息」とか「愚妻」とか)ということはほとんどないものの、ヨーロッパの、特にエリート層の間で「Modesty(謙遜)は美徳」と考えられているそうです。

 しかし、アメリカでは「できないことも、できる」と言うのが普通で、謙遜は美徳ではないとのこと。自分をネガティブに考えていると思われるので、いやみのない程度に自己アピールする必要があるそうです。米ハーバード大学卒業25周年のアンケートでは、ほとんどの人が劣等感を持っていたことがわかったそうですが、それでも劣等感をうまく隠して過ごさねばならないみたいです。

 あと、アメリカでは紹介文も良く書かれることが多く、生徒を褒めちぎることはないフランス人は、アメリカ人の書いた紹介状は割引して読むそうです。逆に、フランス人の先生が書いた紹介状は生徒を宣伝してくれないので、アメリカでは不利になるんだそうな。

 次に「遠慮」の話。

 アメリカでは1回断ったら「本当に興味がない」と思われて、二度と勧めてくれないのが普通だそうです。ただし、例外もあって、作者はフランスのチョコレートのお土産を「太ってるから」と断られて持って帰ってきたところ、ハーバード大学の友人に呆れ果てて「そういう場合は、黙っておいてくるのだ」と言われたらしいです。

 また、ヨーロッパでも、フランス人が何度も遠慮して、最後にプレゼントをもらっている場面に出くわしたことがあるそうです。


●日本と欧米との会議の違い

 作者の経験からすると、各国の会議の違いは以下の通り。

日本……根回しが大切、会議とは会って議論する場ではない。その前に相手を説得して結論を承認するもの。
フランス……議論好きなフランス人はお互いに感情をぶつけ合い自己主張をするが、不思議なことに最後には空気が抜けたように意見が収拾する。(ただし、結構伸びることもあるみたいで、本当に収拾してるんでしょうか?)
ドイツ(スイスもこれに近い)……前もって議題一つひとつに何分間話をすると決めており、それに沿った会議運営を行うので、短時間で時間通りに終わる。

 またフランスでは沈黙を否定と受け止めるので、日本人が会議中に熟考して黙りこむと、とても落ち着かないらしいです。しかし、同じヨーロッパ人でも、ドイツ人は日本人と同じように考える時は沈黙するそうです。

 一口に欧米と言っても、違うものですね。さらにこれらも作者の経験の範囲のものですし、あんまり一概にこうこうとは言えないものかもしれません。


●日本の会議や出張が無駄だらけ

 ここから「外国人から見た日本人」という話に。

 最近は飽きちゃいましたが、当時私は、"別に何でもかんでも外国(=欧米?)に従えば良いと思っているわけではありませんが、海外の人の目から見た日本人というのには興味があります"と書いていました。

 "日本人は人一倍外国人の視線を気にするという話ですから、私もそういった典型なのかもしれません"とも記していました。

 具体的な話は、日本人を外国人はどう見ているか? 2011年1月11日 河合 江理子という記事から。上記と同じ作者の記事でしたね。こちらでも上記と同じように会議の話が出ています。

・日本では、数人でミーティングにきているのにかかわらず上司しか話をしない。上司が何か確認したい時だけ部下が発言をする。また、会議に意味もなく大勢が出席する。

 これは無駄といえば無駄ですが、場数を踏ませて教育するといった意味合いもあるかもしれません。しかし、それならば積極的に発言した方がためになります。私もそうですけど、なかなか話せないものですね。

 さらに日本は国際会議などでお供を連れて海外に出る場合が多いという著者の指摘があり、これは見逃せません。欧米では「かばん持ち」的な立場の人など、要件の細部の確認のために部下を連れていくということはほとんどなく、欧米企業のトップの人でも1人で行動していることが多いそうです。

 シンガポール人が「人件費の安い新興国はお供の人をぞろぞろ連れて海外出張に出るが、欧米では少ない」と言っていたそうですが、確かにコストを考えると大きいです。国内でしたらまだ良いでしょうけど、無駄になっている部分も大きいのかもしれません。

 会議の話はまだまだあります。

・ミーティングですぐに決断できず本社に問い合わせなければいけないことが多く、結局時間が無駄になる。

 「決定権を持たない人たちがなぜ会議に出席するのか」と聞かれたそうですが、これも理解してもらえないようです。ましてや出席者で誰も決定できないとなると、確かに無駄です。

 似たようなもので、電話会議で何か質問すると、まず日本人同士が日本語で話しあってから答えるので、非効率という話も別の人から言われたそうです。

 この場面での言葉ではありませんが、著者はもし自分の意見がチーム全員の意見でないことが心配なら、自分の私見をあると断って答えればいいと書いています。それでも済む場合なら、相手をうんざりさせなくて良いかもしれません。


●「NO」と言えない日本人、「NO」の質問にも「YES」と答える

・「No」の回答にも「Yes」と答える。

 「日本人にYes,No のQuestionをしてはいけないのか?」という質問を受けたそうですが、その人は何でもYesと答えられて怪しく思い、調べると案の定Yesと答えた事項が完了していなかったそうです。そりゃ、確かに困りますわ。だって、嘘つかれいるんですからね。

 ヨーロッパ人なら「No」と答えて、なぜそれができていないかということを説明するのが普通。そして、締め切りが厳しければ新しい締め切りを交渉したり、チームメンバーの増員を要求したりします。ところが、日本チームはそういう言い訳や要求をしないとのこと。

 著者は「日本人は面子を気にするので『何かしていない』というのを人前で認めるのは嫌がる。また欧米人のようにとっさに自分たちの置かれた難しい状況を説明して交渉するのが苦手な場合が多い」と説明したそうですが、欧米人にはなかなか理解できないようです。私も理解できません。

 一般的に日本人は交渉するのが好きではないし、得意でないからその場で「Yes」といってしまうのだろうけど、ひどい要求を押し付けてくるとチーム内で不満を発散しているということもよくあることだと、著者は言っています。でも、まあ、無駄なことですよね。

 私も昔見積依頼を出したときに、駄目そうだったら別のやり方も探さないといけないと思って、確認入れたら「大丈夫です」と言われて、いざ出てくると大丈夫じゃなかったという経験が何回かあります。これについては、できないと言っていたのによく聞いてみたらできたという全く逆のときもありましたけど、非常に困ります。あんまり信用しちゃいけないなぁと感じました。


●上司と部下の上下関係になぜ?と不思議

・部下が最高に気をつかう「偉い人」でも、テニスコーチに対しては「教えてもらう」という態度をとる。

 これはちょっと良い話?

 リスボンで日本企業の駐在員の家族にテニスのコーチをしていたポルトガル人は、日本から本社の役員がくるとテニスの相手を頼まれるのですが、「上司に失礼な態度をとらないように」と何度も念を押されたとおもしろそうに話してくれたらしいです。

 しかし、そんな上司もテニスコーチに対しては「教えてもらう」という態度をとります。当たり前だろと日本人である私などは思ってしまいますが、他の顧客であるイギリス人たちはコーチであってもポルトガル人を信用していないという見下した態度をとる場合があるそうです。

 あと、欧米人には上司と部下の上下関係がよくわからないようで、上司や顧客とゴルフをする時の部下の接待を不思議に思うようです。私生活にまでにも上下関係が及んでいるとありましたが、仕事上においてもそれほど厳格ではないのかもしれません。

 実はこの記事は「英語の公用語化って何?」というシリーズなのですが、コミュニケーションで大切なのは語学力だけじゃないということですね。


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