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糖質制限ダイエットに危険性なしに騙されるな 死亡率上昇の研究あり


 糖質制限をどれくらいするかによっても違うという話もあるのですが、糖質制限ダイエットで様々な問題が起き、死亡率も高まるという研究が結構あるようです。個別事例も紹介していますが、多くのデータを解析したメタ解析のような研究でも悪い結果が出ている点をより重視せねばなりません。(2015/6/15)

2017/09/29:松島トモ子さんの健康法、5人の医師全員が「残念」判定


●過去に流行したことのある糖質制限ダイエット

2015/6/15:ライザップが痩せるのは運動より食事制限?糖質制限ダイエットな食事内容で気になったのが、極端とも思える糖質を制限したライザップの食事です。そこで糖質制限ダイエットに危険性はないのか?というのを検索してみました。

 以下の記事でによると、糖質制限ダイエットって流行ったことがあるんだそうです。ダイエットには詳しくありませんので、全く知りませんでした。
専門家が警告 大ブームの「食事は炭水化物抜き」が一番危ない 糖質制限ダイエットで「寝たきり」が続出中!  | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

書店には関連書籍がズラリと並び、メディアにも頻繁に取り上げられている。やり方はシンプルで、ご飯やパン、芋、果物などの炭水化物に含まれる糖質の摂取量を一日130g以下に抑えるというもの。炭水化物を極力減らせば、おかずはなんでも、好きなだけ食べていい。

もともとは糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものだが、いまや「手軽に痩せられるダイエット法」として、老若男女を問わず人気を集めている。人気の秘密は、糖質さえ制限していれば、あとは肉でもアルコールでも摂取OKという取り組みやすさと、目に見えて現れる効果にある。

炭水化物の糖分は体内で中性脂肪に変わり、人間のエネルギー源となる。炭水化物を絶つことで中性脂肪を減らして痩せる、いたって単純なメカニズムのダイエット法だ。

 この時点で私はダメだと思いますね。肉は毎日食べるべきですが、好きなだけ食べて良いはずがありません。何でこういう極端で胡散臭いものが流行るのでしょうか?


●糖質制限ダイエットで骨粗しょう症 筋力も落ちて寝たきりの危険性

 さて、糖質制限ダイエットの危険性を示すエピソード。70歳だからと言い訳されそうですが、糖尿病予備軍と診断され、階段の上り下りなど、ちょっと動くだけできつかった70歳男性のケースです。

 1年半で体重を85kgから76kgまで落とすことができ、ダイエットは成功。体重が落ちれば身のこなしも軽くなるだろうと思ったのですが、"次第に筋力が落ち、階段の上り下りが以前にまして苦しく"と逆効果。

 挙句、庭の手入れをしていてトンと尻もちをついたという、たったそれだけ?というちょっとした動作で尾てい骨を骨折。入院して検査をしたら、以前は75%だった「骨密度が65%まで減っており、「骨粗鬆症です」と言われます。

 さらにショッキングなことに「長期入院すると寝たきりになる」と言われて、退院して自宅療養しているそうですが、いまだに足腰の筋力が戻らず、歩くことができないといいます。


●糖質制限ダイエットが危険な理由

 ただ、これは個別の事例。いつも言っているように、一つの良い例・悪い例があったからと言って、全体には波及できません。一般論としてはどうなのか?と言うと、以下のような話でした。

「人間には一日170gの糖が必要とされています。そのうちの120~130gは脳で消費され、30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。

糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。数kgもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです」(関西電力病院院長の清野裕医師)


●科学的根拠がない糖質制限ダイエット

 上記の話からすると、骨粗しょう症は関係ないんですかね? とりあえず、筋力低下は明らかに起こるようです。

 あと、筋力が低下してしまうということは、基礎代謝量を下げることになりかねない気がします。現代人が太りやすいのはこの基礎代謝量が少ないという理由がありますので、太りやすい体作りという方向性のようにも感じます。

 不思議に思いましたが、清野裕医師は「実は糖質制限ダイエットには、はっきりした科学的根拠やガイドラインがない」という驚くべきことをおっしゃっていました。

 まあ、でも、よく考えたら科学的根拠のあるしっかりとしたダイエット法というものの方が、むしろ聞いたことがありません。驚くような話じゃなかったですね…。

 ああ、読み進めたら骨粗しょう症の話も出てきました。ただ、理論的な話はありません。

「糖質制限を始めて骨粗鬆症を加速させてしまったという中高年女性の患者が、すでに何人か駆け込んできています。筋力が低下したり、骨粗鬆症になってしまった高齢者は、ほんのちょっとの病気や怪我で入院すると、あっという間に寝たきりになってしまいます」(愛し野内科クリニック院長で糖尿病専門医の岡本卓医師)


●脳卒中と糖質制限ダイエットに関係はあるのか?

 ライザップ、週刊新潮のブラック企業批判に反論 法的措置も検討では、ライザップの顧客が脳卒中を起こして、現在トラブルになっているという話がありました。これを書いたときには、ライザップのダイエットと脳卒中に関係あったのかよくわからないなと思っていました。

 ところが、この記事では、糖質制限ダイエットと脳卒中との関係を疑っているお医者さんが登場しています。この説明を見てあっ!と思いました。関係性を疑うのは当然ですわ。

 私はライザップ、週刊新潮のブラック企業批判に反論 法的措置も検討を書いた当時は食事制限というだけで糖質制限であることは知らなかったのですが、肉をなんぼでも食って良いとなると動脈硬化を起こしやすくなるのは当たり前でした。最初にも書いたように、好きなだけ食べて良いはずがありません。

 あるお医者さんによる、脳梗塞などとの関係を説明したものは以下です。

「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。その結果、血管が傷んだり老化が進んだりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです」

 このお医者さんが診た患者さんは、「重度の動脈硬化が引き起こした脳卒中」でした。「病院に担ぎ込まれた時点で半身は完全にマヒ。(中略)今となっては話すことも不自由で、後遺症を克服するメドは立っていません」という悲惨なものです。

 よりいっそうこの話が悲惨なのは、糖質制限ダイエットをした方が全く太っていたわけではないのに、"ブームに乗って糖質制限ダイエットを始めた"というものです。

 "肉類が大好物だった"ので、"炭水化物さえ抜けば、あとは何を飲み食いしてもいい"という誘い文句に乗ってしまったようです。そんなうまい話があるはずないのですが…。


●糖質制限ダイエットで死亡率上がるおそれ

 検索してみると、「糖質制限ダイエットで死亡率上がるおそれ」というのも過去に報道されていたようです。ただ、可能性を提示した段階であり、断定的なものではありませんでした。エキサイトニュースでその点を挙げて、こんな論文は気にする必要がないといったことを書いているライターがいました。こういう適当なことを書くライターは、今すぐ筆を折れ!と腹が立ちます。

 STAP細胞問題でも繰り返したのように、普通研究者は断言しません。十分な証拠があっても、素人には曖昧な言い方に見えるときもあります。日本糖尿病学会でも糖質制限ダイエットは良くないと説明していたそうですが、このときにも"さらなる研究が必要とも加えていたため新聞などの報道しか知らない一般の方から白黒はっきりしろ!"といった誤解の声が出ていたようです。

 このエピソードを書かれていた五本木クリニックさんでは、こういった一般人の感じ方を考えてか、敢えて「糖質制限ダイエットは糖尿病でない人の死亡するリスクを高めます」と断言されていました。
結論 糖質制限ダイエットは死亡リスクが高まります | 五本木クリニック | 院長ブログ

方法は統計学的手法における最強の手段メタ解析です。今まで世の中に出ている論文を全てチェックするという解析方法です。先生は糖質制限ダイエット、死亡率、生存率、心血管疾患なとのキーワードで世界中の論文をピックアップしました。(中略)

対象者は健康な30歳以上の27万人を5~26年間追跡した調査の結果です。総カロリーに対して炭水化物の摂取量を30-40%の人と60-70%の人のグループに分けて解析しました。

・総死亡リスク 炭水化物が少ない方が1.31倍高かった

・心血管死亡リスク  両者に有意差はなかった

しかし一般的な低炭水化物食が効果を発揮すると考えられている

・心血管発症リスク  両者に有意差はなかった

確かに低炭水化物食は短期的には血圧・血糖・脂質を改善する効果はありますが、長期的には健康に及ぼす良い結果はでなかった、ということです。

●死亡率が2割から3割上昇する

 というか、研究ってメタ解析だったんですね。もっと信頼性の低い研究かと思いましたわ。同じ研究について書いた別記事が以下。別のアメリカの研究でも死亡率が高くなっています。
肉を好きなだけ食べてやせる糖質制限ダイエットで死亡率上昇│NEWSポストセブン 2014.12.31 16:00 ※女性セブン2015年1月8・15日号

 愛し野内科クリニックの岡本卓院長はそのリスクを次のように話す。

「2008年、アメリカ国立衛生研究所が発表した試験結果があります。1万人を対象にしたその試験によると、厳格な糖質コントロールを行って血糖値を下げたグループは、標準レベルの血糖コントロールを行ったグループに比べて21%も死亡率が高かったのです。
 
 日本では、2013年に発表された聖路加国際病院内科医の能登洋先生による研究があります。約27万人のデータを分析した結果、糖質制限で糖質を1日の総摂取エネルギーの30%以下にした場合、60~70%にした場合に比べて死亡率が31%上がることがわかりました」

●骨粗しょう症が増える理由も判明

 前半の話では骨粗しょう症のところだけ詳細が不明でしたが、ここでの岡本卓院長の説明でわかりました。

「糖質制限では炭水化物を控えるよう指南していますが、炭水化物を含む食べ物には糖質だけでなく食物繊維やミネラル、カルシウムなど体に必須の栄養素が含まれます。炭水化物を食べなくなることでそれらの摂取量が不足する」

 ということで、全体に糖質制限ダイエットによって問題が起きやすいという理屈は理解できるものでした。糖質制限ダイエットの理論がおかしいのは、明らかだと思われます。


●松島トモ子さんの健康法、5人の医師全員が「残念」判定

2017/09/29:糖質制限ダイエットという言葉は出てきていなかったのですが、松島トモ子(72)さんの健康法がそれっぽいものでした。「30年間大体同じものを食べている」ということで、食事に偏りがある時点でダメそうですけどね。

・朝食 季節のフルーツ盛り合わせにフランス産のブリーチーズ、濃い目にいれた緑茶
・昼食 摂らない
・夕食 牛フィレ肉のステーキを120グラム、旬の温野菜盛り合わせ
・米、パン、めん類などの炭水化物は摂らず、間食も一切しない
・1日の摂取カロリー 824キロカロリー

 記事では、身長155センチ、体重40キロのスタイルを40年間キープしているとまるで理想的であるかのように書かれていたものの、そもそも痩せすぎでしょうね。個人差があるものの、BMIで見ると明らかに低体重で不適正です。

 2017年9月15日放送の「その原因、Xにあり!」の「芸能人若返り健康法SP」に出演していた、5人の医師は全員この健康法を「残念」と判定。やはりBMIにも触れており、BMI(体格指数)の適正値は22~24だが、松島さんのBMIは17以下であることを指摘。やせすぎは早死にの危険性を高めるとしていました。

 また、大阪大学臨床遺伝子治療学寄附講座の森下竜一教授は、糖質を摂らないと脳が萎縮する上、ワンパターンな生活が認知症の原因になりやすいと指摘していました。
(1日摂取カロリーが824kcal! 松島トモ子の健康法に医師が「早死に」警告 J-CAST ニュース | ライフ・美容 | 2017年09月27日より)

 ただ、このテレビ出演の医師らも怪しい感じ。記事で引っかかったのは、ファミリークリニックひきふねの梅舟仰胤(うめふね・ぎょうたね)院長が、同じものを食べ続けると「遅延型フードアレルギー」になる恐れがあると言っていたこと。食物アレルギー検査に科学的根拠なし 学会は健康被害の可能性も指摘でやったように、このアレルギーが実在するかどうかはちょっと怪しいところがありました。

 あと、今読み直して気づいたんですが、その前の森下竜一教授も日本抗加齢医学会と不正疑惑研究者 門脇孝・小室一成・森下竜一らなど、悪い話題で出てきた方でした。

 そもそも糖質制限ダイエットを多くの医師が推奨しているように、医師によって意見が異なるのは当たり前で、トンデモな人もかなりいます。医者の言うことは絶対ではないということであり、複数のお医者さんの意見を見た方が良いです。なかなか難しい要求ですが、多くの研究で確かめられているかどうか見るというのが、一番良いですね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ライザップが痩せるのは運動より食事制限?糖質制限ダイエットな食事内容
  ■食物アレルギー検査に科学的根拠なし 学会は健康被害の可能性も指摘
  ■日本抗加齢医学会と不正疑惑研究者 門脇孝・小室一成・森下竜一ら

【その他関連投稿】
  ■ライザップ、週刊新潮のブラック企業批判に反論 法的措置も検討
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