2020/01/16:
●相撲は日本の国技ではない 柔道や剣道や野球なども国技を自称
●勝手に言っているだけでなく、国技を決めている国も多い
●国技たる相撲は他のスポーツと違う!裁判所でも言ってた
●相撲は国技という認識は、国技館という名をつけたことで普及
●野球は日本の不朽の国技である…野球協約にうたわれていた!
【クイズ】力士が土俵に上がったときに他の力士から渡される清めの水を何と言う?
(1)神水(じんすい)
(2)力水(ちからみず)
(3)手水(ちょうず)
●相撲は日本の国技ではない 柔道や剣道や野球なども国技を自称
2020/01/16:相撲は日本の国技と言われるものの、法的な根拠などはなく、国が決めているわけではありません。また、相撲だけでなく、 柔道や剣道や野球なども国技だと言われることがあると、今回調べていて知りました。これらももちろんきちんとした根拠があるわけではありません。
デジタル大辞泉では、「その国を代表する特有の武芸・競技・技芸。また、競技人口の多いスポーツ」を国技だと説明していました。かなり解釈広くできる言葉なんですね。
なので、なんとなくそうなっているという意味での「国技」としては、相撲が国技であるというのは一応間違いではないでしょう。国技として定着してはいるんですけど、正式なものではないという話。この後紹介するように、逆にかちっと法律で決めている国もあるようです。
●勝手に言っているだけでなく、国技を決めている国も多い
国技 - Wikipediaによると、国家が特別の地位・待遇を与えた国技がある国は意外に多いです。多すぎるために、ここで紹介するのはいくつかにとどめておきます。満州ではなぜかサッカーであったようです。
アルゼンチン- パト(Pato)
カナダ - アイスホッケー、ラクロス
リランカ - バレーボール
大韓民国 - テコンドー(WTF)[信頼性要検証]
チリ - ロデオ
バングラデシュ - カバディ
ブラジル - カポエイラ
満州国(※1945年に消滅) - サッカー
●国技たる相撲は他のスポーツと違う!裁判所でも言ってた
先のWikipediaでも、「日本は法令や政令で国技を定めていない」ことを認めています。ただ、一方で相撲が日本の国技であると主張したそうな記述も見られました。
<財団法人大日本相撲協会が財団法人日本相撲協会へ改称する際に、監督官庁の文部省へ提出した寄附行為の第3条で「この法人は、わが国固有の国技である相撲道を研究し……」と記し、昭和41年文部省令第6号で認可される。「国技」は「相撲道」を意味し、「大相撲」は法人が行う事業の一つ「力士の相撲競技の公開実施」である>
<元露鵬と元白露山が、大相撲力士大麻問題による解雇は他の競技に比して処分が重過ぎると主張して解雇無効と地位確認を求めた訴訟は、「国技たる相撲を他のスポーツと比較することは適切でない」として棄却された。>
【クイズ】力士が土俵に上がったときに他の力士から渡される清めの水を何と言う?
(1)神水(じんすい)
(2)力水(ちからみず)
(3)手水(ちょうず)
【答え】(2)力水(ちからみず)
●相撲は国技という認識は、国技館という名をつけたことで普及
Wikipediaでは、他に以下のような記述があり、この部分では「相撲は(中略)国技となった」と断定しています。ただ、内容をよく読むと、国技と決まったわけではなく、最初は単に自称あるいは僭称しただけだとわかるでしょう。また、自然に国技と言われ始めたのではなく、国技を自称したことで広まった…という順番であることもわかります。
<1909年(明治42年)に相撲の初めての常設館が両国に完成し、3代尾車親方の大戸平廣吉が神事として行われていた相撲を「国技館」と名称を提案して、神事を放棄し国技を名乗り、命名委員会会長の板垣退助に了承を受けて命名され、6月2日の開館式で作家の江見水蔭が執筆した披露文に「相撲節は国技である。」と記された。この時点で、相撲は神事ではなく国技となった>
なお、
両国国技館 - Wikipediaによると、江見水蔭が先に書いていた披露文において、国技と表現したのが先だったようです。これをえらく気に入って施設名を国技館にして普及したという順番。あと、こっちのWikipediaでもなぜか国技となったと断言していますね。
<竣工した常設館の名称は、当初は設立委員会の委員長を務める伯爵板垣退助が提案した「尚武舘」(しょうぶかん)が有力な候補となっていた。ところが大の相撲好きだった作家の江見水蔭が開館式の式次第のために起草した披露文の中に「角力は日本の國技なり」という一文を見た委員の一人・年寄の三代尾車(元大関大戸平)はこれに甚く感じるところがあり、土壇場になって名称に「國技舘」を提案した。この名称については5月29日の委員会で話し合われたがまとまらず、結局開館式の直前になって板垣の最終決定という形でこれを了承。これを受けて6月1日付の『朝日新聞』に「國技舘を觀る」という記事が掲載された。午前5時の祝砲に始まった翌2日の開館式は空前の盛会となり、土俵の中央に立った板垣が「國技舘」と命名されたことを高らかに宣言すると会場は拍手万雷に包まれた。翌3日付の『朝日』が「國技と名づけられたる角力道がいや榮に榮えゆくべき瑞相とは知られたり」と書いたように、相撲はここに神事から国技へと変貌を遂げたのである>
●野球は日本の不朽の国技である…野球協約にうたわれていた!
日本大百科全書(ニッポニカ)においても同様に、飽くまで「国技館」と命名されたのが先であり、自然と国技と呼ばれるようになったわけはないことがわかる記述が見られます。
<1909年(明治42)6月、東京・本所両国の回向院(えこういん)境内に相撲常設館が完成した。(中略)この開館式の式辞文中に「相撲は日本の国技」とあって、常設館が「国技館」と命名された。以後、相撲は国技という名称でよばれ、『国技』という相撲専門誌も刊行された>
また、ここでおもしろいのは、野球も国技を自称しているという話もあったこと。この事実については、野球好きの方でも知らないんじゃないでしょうか。
<近年の日本野球でも「野球を不朽の国技」とすることが野球協約にうたわれているが、野球ファンにもその趣旨は普及していない>
一方、先のWikipediaでは、国技と国民の愛好度は比例せず、日本の場合は「国民的スポーツ」として野球の方が人気だと書いていました。
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