トヨタ役員逮捕や薬物のオキシコドンに関する話をまとめ。<目玉人事が裏目 トヨタ初の女性役員ジュリー・ハンプ、麻薬で逮捕>、<オキシコドンはヘロインに近いアヘン系の麻薬 アメリカでは違法に売られて問題に>などをまとめています。
2023/05/06:
一部見直し
●目玉人事が裏目 トヨタ初の女性役員ジュリー・ハンプ、麻薬で逮捕
2015/6/18:本日の投稿を終えたところでしたが、これは!というニュースが出てきましたので追加で投稿。
トヨタ女性役員を麻薬密輸の疑いで逮捕 容疑否認 :日本経済新聞(2015/6/18 19:42)というニュースです。
<警視庁組織犯罪対策5課は18日、米国から麻薬を密輸したとして、麻薬取締法違反(輸入)の疑いで、トヨタ自動車の常務役員で米国籍のジュリー・ハンプ容疑者(55)を逮捕した。同庁によると、同容疑者は「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認している。
逮捕容疑は6月11日、米国から同容疑者宛に、麻薬の「オキシコドン」57錠が入った国際郵便を輸入した疑い。同課は錠剤の量などから個人使用目的だったとみており、今後、尿検査を実施するなどして、ハンプ容疑者が麻薬を実際に使用していたかなどを調べる>
ジュリー・ハンプ常務の人事は、トヨタ自動車にとっては力が入ったものでした。
UPDATE 2-トヨタに初の外国人副社長と女性役員誕生 グループ企業からも役員 | マネーニュース | Reuters(2015年 03月 4日 19:35 JST)という記事で言う「女性役員誕生」がジュリー・ハンプ常務のことでした。(「初の外国人副社長」の方は別の人の話)
<北米の統括管理会社トヨタ・モーター・ノース・アメリカ(TMA)の上級副社長兼チーフ・コミュニケーション・オフィサー(CCO)を務めるジュリー・ハンプ氏(55)、米国トヨタ自動車販売の上級副社長でTMAのチーフ・リーガル・オフィサー(CLO)のクリストファー・レイノルズ氏(52)がともに常務役員に4月1日付で就任する。
現在6人いるトヨタの副社長は経営上の意思決定において大きな役割を果たしているが、外国人が副社長に就くのは初めて。女性の役員も同社として初となる。事業のグローバル化とともに顧客の多様化が進む中、役員にも多様な人材を積極的に登用することが必要と判断した。(中略)
米国出身のハンプ氏は今後もグローバルでの広報・渉外部門を統括する。広報部門のキャリアが長く、「ペプシコーラ」で知られる米ペプシコ のCCOや米ゼネラル・モーターズ の欧州地域でのコミュニケーション部門副社長を務めた経験がある>

トヨタの渾身の人事だっただけに、それが裏目に出てしまったという声もあります。
麻薬密輸:ハンプ常務逮捕 トヨタの目玉人事2カ月で暗転 毎日新聞 2015年06月18日 21時02分【竹地広憲】によると、「イメージ低下は避けられない」との声も出ていたそうです。
<麻薬取締法違反(輸入)容疑で18日、警視庁に逮捕されたトヨタ自動車常務役員のジュリー・ハンプ容疑者は今年4月、トヨタ自動車で女性初の常務役員に就任したばかりだった。グローバルな競争力向上を図る狙いもあって外国人の幹部登用を進めているトヨタの目玉人事だっただけに「まさかこんなことが起きるとは……」と社内や自動車業界に動揺が広がった。(中略)
あるグループ企業の幹部は「外国人の幹部登用などを進める我が社もひとごとではない。注目された人物が逮捕され、イメージ低下は避けられないのではないか」と心配した>
●オキシコドンとは何?アヘンと関係、依存性や犯罪のおそれも
ただし、
東京新聞:トヨタ初の女性役員逮捕 米国から麻薬密輸の疑い、否認:社会(TOKYO Web)(2015年6月18日 20時31分)によると、<オキシコドンは日本では麻薬に指定されているが、医師の処方箋があれば購入でき、鎮痛剤として使われている>といいます。
ジュリー・ハンプ常務が、「麻薬を輸入したとは思っていない」と言ったのは、おそらくここらへんの関係でしょう。ジュリー・ハンプ常務は本当に全く悪気がなかった可能性があります。とはいえ、単に薬であったとしても、確かに海外の人を抜擢した場合特有の問題であり、企業側としてはフォローが必要だということは間違いありません。
オキシコドンについて、その他の説明をもう少し見てみましょう。
オキシコドン - Wikipedia(最終更新 2015年6月18日 (木) 12:42)では、オキシコドンは、「アルカロイド系の鎮痛剤の一種。アヘンに含まれる成分のテバインから合成される」との説明がありました。アヘンって聞くとイメージ悪いですね。その他、以下のような説明がありました。
<塩酸塩(塩酸オキシコドン)がオキシコンチンの名称で市販されている。(中略)
中~高程度の疼痛を緩和するために用いられる。オピオイド受容体にはたらき鎮痛作用を示すものと考えられている。
中でも、モルヒネに比べてμ2受容体への親和性が弱いとも言われており、便秘や吐き気などの副作用が少ないとされる。経験上、吐き気もモルヒネにくらべて難治性となる割合が低い。しかしながら、これは便秘や吐き気対策が必要ないということではなく、使用に当たっては十分な配慮が求められる。
現在日本で発売されているのは、徐放製剤であるオキシコンチン、即効製剤であるオキノーム、ヒドロコタルニン酸との合剤としての注射剤であるパビナールである>
また、オキシコドンには依存性や犯罪の問題がありそうだという記述も見つけましたので、こちらも記載しておきます。ここらへんの詳細は続報を待ちたいところですね。(オキシコドンについてより詳しくは、この後の<オキシコドンはヘロインに近いアヘン系の麻薬 アメリカでは違法に売られて問題に>で書きました。
<2007年、アメリカにおけるオキシコンチンの販売者であるパーデュー・ファーマ (Purdue Pharma) に対し、誤解を招くようなブランド戦略に対して6億ドルの罰金が科された。(中略)2000年には、アメリカの特に農村部にて依存や関連犯罪が急増した。そして、同社の内部文書によれば、売り出される前から依存性や医師の懸念による抵抗があることを示していたが、詐欺的なマーケティング・キャンペーンを実施した>
★2015/6/19 オキシコドンはヘロインに近いアヘン系の麻薬 アメリカでは違法に売られて問題に
●オキシコドンはヘロインに近いアヘン系の麻薬
前回も引用したWikipediaにもアヘンに関する話は出ていました。
オキシコドン - Wikipedia 最終更新 2015年6月18日 (木) 12:42
オキシコドン (oxycodone) とは、アルカロイド系の鎮痛剤の一種。アヘンに含まれる成分のテバインから合成される。塩酸塩(塩酸オキシコドン)がオキシコンチンの名称で市販されている。
日刊スポーツが正しく理解して書いているか不明ですが、"オキシコドンというのは「モルヒネやヘロインに近いアヘン系の麻薬」"という小森榮弁護士のコメントを記載した記事が出ていました。
トヨタ初女性役員のハンプ広報担当が麻薬密輸で逮捕 - 社会 : 日刊スポーツ 2015年6月19日9時11分 紙面から
薬物問題に詳しい小森栄弁護士によると、オキシコドンというのは「モルヒネやヘロインに近いアヘン系の麻薬」で、強い鎮痛効果と多幸感があるといい、依存性が強い。米国でも処方薬だが「インターネットなどで容易に入手が可能になっており、処方薬の乱用問題ではよく名前の挙がる薬物」という。
●アメリカでは違法に売られて問題に
小森榮弁護士はご自身のサイトでもっと詳しく書かれています。アメリカと事情が違うから…といったことを書いている記事があるものの、前回引いたWikipediaでオキシコドン絡みの乱用や犯罪があるとしていたようにアメリカでは問題になっています。
オキシコドン輸入事件で、久々に処方薬乱用について 弁護士小森榮の薬物問題ノート/ウェブリブログ 2015/06/18 22:39
オキシコドン(商品名はオキシコンティンなど)は、医師が処方する薬で、処方せんなしで手に入れることはできません。ところが、こうした医薬品が乱用目的で出回り、乱用が広まっているのです。
米国では2010年ころから、処方薬の乱用が急速に広まり、過量摂取(オーバードーズ)事故で救急搬送される患者の増加や、死亡事故の発生などが問題になってきました。とくに、オキシコドンなどのオピオイド系鎮痛薬の乱用を続けると、次第に摂取する薬の量が増え、事故につながりやすくなるといいます。オピオイド系鎮痛薬には、ヘロインやモルヒネと同じように、呼吸抑制作用があり、過量摂取や、他の中枢神経抑制薬との併用によって、生命に危険を及ぼす呼吸抑制が起こることがあります。
また、使用量が増えた乱用者のなかには、より少量で同じ作用を得られるヘロインに乗り換える人も出てきて、近年の米国では、ヘロイン乱用が思いがけない増加をみせている地域があります。
●砕いて吸うとヘロイン代わりに
アメリカ在住の大西睦子医師も同じような話をされています。
【トヨタ女性役員逮捕】砕いて吸うとヘロインと似た感覚に…米国でオキシコドン乱用者が増加 「マイケル・ジャクソンさん服用」報道も 01:15 産経新聞
米国でも、オキシコドンは医師の処方が必要となるが、処方される機会は多く、一般的な痛み止めとして広く使用されている。その半面、多くの中毒者が出て社会問題となっている。
米国在住の大西睦子医師によると、歯科治療後の痛み止めや高齢者の慢性疼痛(とうつう)の治療などに広く使われており、2009年に急死した歌手のマイケル・ジャクソンさんが服用していたとも報じられた。
ただ、砕いて吸うとヘロインと似た感覚が得られるとして、乱用者も拡大。「街中で違法に売られている」(大西医師)といい、米国立薬物乱用研究所は、12歳以上の米国人1600万人が過去1年間に、オキシコドンなどの痛み止めを医療目的以外で1回以上使用していると警鐘を鳴らしている。
●脳が刺激されて快感、落ち着きがなくなる禁断症状も
NHKニュースでも乱用の問題を書いている他、乱用によって得られる症状について説明しています。
トヨタ役員逮捕 錠剤小分けにして密輸か NHKニュース 6月19日 4時40分
アメリカでは「オキシコドン」は、がんなど激しい痛みを和らげるための鎮痛剤として知られていますが、薬物の乱用を規制する「規制物質法」でコカインやモルヒネなどと同じ薬物に分類され、医師が処方した場合に限って使用されています。
麻薬取締局は、オキシコドンを乱用すると脳が刺激されて、快感を得たりリラックスしたりする効果があり、大量に摂取すると心拍数が遅くなり意識を失うほか、死に至ることもあると警告しています。また、長期間乱用すると依存性が高まり、使用をやめると落ち着きがなくなったり、眠れなくなったりする禁断症状も現れるとしています。
アメリカの全国家庭調査によりますと12歳以上のアメリカ人のうち100万人近くが過去に医療以外の目的でオキシコドンを使用したことがあるとしているほか、別の調査では高校の最高学年の4%の生徒が、過去1年間に使用したことがあると答えたということで、青少年の乱用が問題になっています。
●アルコールとの併用は危険
他にない話だと、朝日新聞がアルコールとの併用で危険なことを伝えていました。
医療用麻薬、依存症の危険性も トヨタ役員輸入容疑:朝日新聞デジタル 2015年6月18日21時42分
痛みのない人が服用すると、脳内に快楽物質が出て依存症になることもある。特にアルコールを摂取しながらの服用は危険が高いという。
「痛みのない人が服用すると」とあるように、ハンプ常務が必要とされる状態だったかどうかも争点の一つとなるでしょうね。
トヨタ広報担当が麻薬で逮捕、最悪の宣伝に 偽装してオキシコドン輸入か?で書いたように、当然警視庁は、オキシコドンの服用が必要な健康状態ではなかったと見ているわけですが…。
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