記事中にはその名は出てこないものの、少し前に書いた禁止されるとやりたくなるというカリギュラ効果を思わせる記事を発見しました。以下、
2010年11月13日 「10代のセックスや麻薬についてオランダから学ぶべき」と言うアメリカ人の記事に反響多数 らばQ(その元ネタは
What the U.S. Can Learn from the Dutch About Teen Sex TIME紙)からです。
記事によると、オランダはある条件の元での大麻の使用と販売が喫茶店で許可しており、麻薬に寛容であるにも関わらず、アメリカで12%の人が大麻を利用したという結果に対し、オランダは5%に留まっています。
また性に関しても寛容で、アムステルダムの赤線地区では堂々と売春が行われ、2003年のアンケートでは、15歳から17歳の子供を持つ親の3分の2が、自宅で恋人と性関係を持つことを許可するとしています。オランダ人の親は10代の性関係についての危険性や困難さを控えめに捉え、単に精神的かつ身体的な準備をさせることに重きを置くそうです。
性に関しても同様に比較すると、オランダで1000人の15歳~19歳の少女に対し12人の妊娠率なのに対し、アメリカでは1000人の少女に対し72人の妊娠率です。また、オランダの中絶率はアメリカより20%も低く、アメリカのHIV感染率はオランダの3倍であるそうです。不思議なことに、これまたオランダの方が低い数値に留まっています。
オランダ人のこれらに対する考え方は、実用主義と呼ばれるようです。Wikipediaを見ると、「物事の真理を実際の経験の結果により判断し、効果のあるものは真理であるとする」という難しいことが書かれていてよくわかりません。まあ、実際の結果を見て考えましょうよという意味ぐらいで、とりあえず捉えておきます。
こういうことは文化、伝統、貧富の差などその国固有の事情が大きく、簡単には比較できない気がしますが、らばQさんが訳していた海外の人(大半はアメリカ人?)のコメントでは、
「オランダはアメリカほど多様ではないが、移民も多く同種の人々だけではない」
「経済や社会的背景というとオランダとアメリカにそんな大差はない」
などと言われています。
これらのコメントには肯定的なものが多く、
「21歳になったらかなりアルコール量が少なくなった。禁止されてた時の方が楽しかった」
「何かが禁止された、するとカッコいいことになる。もし許可されてるならば、それはたいしたことではなくなる」
「私はパンドラの箱を開けてくれる両親を持ったことを感謝している。(中略)おかげで反抗する必要がなかった。禁止もされなかったので」
「大学時代、何もかも禁止の厳しい両親のもとに育ったやつらは反動でパーティアニマル(注:パーティ大好き人間)になって何も成就しなかった。反対に結構自由で開放的な両親を持つ人々は大学でも成績がよく成功していたと思う」
「掲示板の人々(アメリカ人中心)は大麻に固執しているように思えるが、オランダでは吸えば負け犬だと思われている」
といった感じです。
カリギュラ効果にこんな利用の仕方があったとは!?目からウロコといった感じです。
ここで比較されているものは少ないですし、オランダとアメリカに限っています。社会の役に立つかもしれないわけですし、これについてはもっと本格的に研究してほしいと思います。
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