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スポーツでは観客の応援が力に…科学的根拠なし?ホーム効果の誤解


●スポーツでは観客の応援が力に…科学的根拠なし?ホーム効果の誤解

2020/12/28:新型コロナウイルス問題で無観客試合を行ったプロ野球選手からは「あらためてファンの声援が自分たちの力になっていると考えさせられた」(巨人・菅野智之)などといった声が出ていたそうです。ところが、実際に応援の“効果”を調べた研究を探してみると、本当に力になっているのかは、なかなか微妙であるようでした。

<社会心理学などが専門の帝京大学・安部健太助教が2017年に公表した研究論文では、インフルエンザの感染拡大により、シーズン中の一部のゲームが「無観客試合」となったメキシコのサッカーリーグ(2008~2009年シーズン)を対象としている。
 サッカーは熱狂的なファンが多く、サポーターの大歓声を受けるホームチームの勝率が高くなる傾向が強い。「応援が力になる」が本当なら、無観客試合ではホームチームの勝率が下がるはずだ。
 ところが、安部氏の研究によれば、同年のメキシコのサッカーリーグでは、「観客がいても、いなくてもホームチームの勝ち点数、ゴール数に変化はなかった」のである。つまり、“ファンがいなくてもホームチームは強かった”のだ。同研究ではホームチームが有利になる要素として、長距離移動がない「移動因子」、施設の大きさ、特徴などを熟知している「習熟因子」などがあることに触れている。サンプル数が限定されている研究ではあるが、スポーツファンの“常識”を覆す内容だ>

 これは、無観客試合続出 応援は成績に影響するか、データで徹底検証 NEWSポストセブン / 2020年3月17日 11時0分であった話。サッカーではホームの勝率が高い傾向があるものの、無観客試合でも同じであったようです。私は審判のホーム効果が大きいと思っていたものの、これも結局、観客のプレッシャーあってのものだと考えていたので、やはり意外な結果でした。


●応援は選手のパフォーマンスをむしろ阻害する傾向が強いという研究も

 社会心理学者で東筑紫短大教授の釘原直樹・大阪大学名誉教授は、「応援には私たちが思っているほどの効果はありません」と断言するほど、応援効果を否定しています。釘原直樹・名誉教授が紹介するのは、旧帝国4大学の体育会ソフトテニス部に所属する男女72人を対象に行なわれた調査です。

 2010年に発表されたこの論文では「応援と失点」の関係について調査。試合の重要度や局面の有利、不利など複数の条件に分け、「応援がある場合」と「ない場合」とで失点する確率を比較していました。すると、選手たち自身は“応援でパフォーマンスが向上する”と考えていたにも関わらず、そのような結果にはならなかったのです。

「実際には、多くの局面で応援があってもなくても失点確率に影響はなく、局面によっては、応援があると失点確率が高かったのです。選手たち自身が考えているのとは逆に、どちらかといえば応援は選手のパフォーマンスを阻害する傾向が強いといえるでしょう」(釘原直樹・名誉教授)


●20万人の観客が優勝を期待した結果、ブラジルがワールドカップで敗退

 スポーツ心理学では、緊張と運動効率・競技成績の関係を解説する際に「逆U字理論」と呼ばれる仮説が用いられてるといいます。ストレスや緊張が適度にかかる時に選手のパフォーマンスが最大化する一方、それらが低すぎても、高すぎても、成績が出ないというもの。応援にはマイナス効果もあるんですね。

 サッカーでもホームでプレッシャーが悪影響を及ぼした話を思い出します。マラカナンの悲劇 - Wikipediaです。「マラカナンの悲劇」とは、1950年のブラジルワールドカップで、ホームのブラジルが事実上の決勝戦において、優勝を逃したことを指します。

 ブラジル対ウルグアイの会場エスタジオ・ド・マラカナンには199,854人もの観客が集まり、優勝が期待された試合でした。ブラジルが先制しブラジルの優勝が決まったかと思われたものの、同点にされた上にさらに逆転ゴールを許し、敗退します。Wikipediaでは記載なかったものの、この逆転負けについて、ホームの大観客が逆にプレッシャーとなったという説があるんですよ。


●ややこしい!応援が選手の成績を向上させたという実験結果もある

 すでにここまで多数出ていますが、まだ他にも研究があります。クロスカントリースキーとライフル射撃を組み合わせた競技バイアスロンで、英国の研究者らが16シーズン分の世界大会を分析した結果が2019年に公表されています。この研究では男子220人、女子217人のプロ選手の成績を検証し、応援する観客が多くて心理的プレッシャーが大きい自国開催の試合で、より多く射撃の的を外していることを明らかにしました。

 さらに、米大リーグのワールド・シリーズでは、第7戦でホームチームの勝率が4割台に下がることもわかっています。“チャンピオンシップ・チョーク”と呼ばれる現象で、本拠地の大声援を背に優勝が目前になると、窒息(チョーク)したような状態になり、本来の実力が発揮できないために起きるといわれているそうです。

 ただ、応援がマイナスとも断言できず「微妙だ」というのは、一方で、応援が選手の成績を向上させたという実験結果もあるということ。2018年に高校ハンドボール部の紅白戦で、前半を無観客、後半を生徒らの応援を入れて実験したところ、後半は一人ひとりの走行距離やステップ数などに約20%ものパフォーマンス向上した…という研究もあるんだそうです。


●マラソンや相撲、水泳などの『エネルギー系』では観衆効果がある

 スポーツ心理学が専門の水落文夫・日本大学文理学部教授によると、100m走などでは、記録を測る人がいるだけで、誰も見ていない時よりも記録が良くなる『観衆効果』があるとのこと。ただ、応援は前述の通り悪く働くこともあり、スポーツの種類や個人差があるといいます。

「総じてマラソンや相撲、水泳などの『エネルギー系』と呼ばれる競技では、観衆効果、すなわち“応援が力になる”ことが期待できますが、野球の打撃やゴルフのスイングなど、複雑な調整が必要な『スキル系』の競技では、観衆がいることで高まった興奮がむしろ過緊張になってしまい、パフォーマンスが下がる選手もいます。スキル系の競技では、無観客試合のほうが成績のいい選手が出てくる可能性が高いわけです。特に観衆のプレッシャーに影響されやすい選手は、その可能性がさらに高くなります」

 また、私がサッカーで想定していた審判に関する研究もあるみたいですね。東筑紫短大教授の釘原直樹・大阪大学名誉教授は、以下のように審判がホームチームを有利にしている要素があることを指摘。応援にはプラスとマイナスの効果があり、それらが複雑に組み合わさっていて、簡単には説明できないようです。

「英国でサッカー審判40人を対象にした実験では、半数に音声ありの試合映像を見せ、残り半数に音声のない同じ試合の映像を見せて、どんな判定をするかの検証を行なっています。その結果、本拠地の大歓声の音声が入った映像を見た審判たちのほうが、ホームチームをファウルとする判定の頻度が低かった」


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